SClass adventurer party『Storm of Tyranny』のmemberで、その正体はPure-breed Vampire(現在はAbyss Pure-born)のZorcodrioを義理の父に持ち、彼自身と母親のRachelはまだ知らないが実の父はAmid Empire現Emperor Mashkzar。
Vida believerの隠れ里で生まれてから過ごし、これからはTalosheimで育つ事になる。
そんな複雑な身の上でありながら、Sieg少年自身は普通のHumanである。Half-ElfであるMashkzarのbloodが混ざっているので、Elfのクオーターであり耳は若干尖っているが、意識して注目しなければ気にならない程度だ。
流星群がnight空を彩る事もなく、特別なUnique skillを発現する事もなく人並みの苦労と祝福を受けて産まれた。RachelとZodが言うには、とても利発で賢いとの事だが、驚くほどのGenius児と言う訳でも無い。
(んぅ……とう-san?)
そんな彼が眠りから、ふと目を覚ました。自分が逞しくも優しい腕の中に居る事に、安らぎを覚える。そのまま再び夢の中に戻りそうだったが、薄く開いた瞼の隙間に見慣れない物が映った。
(だれ……白?)
寝ぼけ眼に映ったのは、白い人物達だった。真ん中に不自然なほど白い顔をした少年と、その左右に半透明で淡く光っている少年が二人いる。
そしてぼんやりしていた視界がはっきりした瞬間、Siegの意識は弾けた。
「ん……んヴっ!?」
(Vandalieuっ!? Amamiya Hirotoで、UndeadだったVandalieu!?)
そう、SiegもまたRodcorteによって送り込まれたReincarnatorだったのだ。
彼の『Earth』での名はTanaka Jin。当時のVandalieuとは違うclassの生徒で面識はほぼ無い。そして『Origin』では【Skanda】のCheat Abilityを与えられた『Bravers』の一人。そして、【Gungnir】のKaidou Kanataが【Metamorph】のShihouin Mariに殺された後に起きた混乱で、【Perseus】や【Urðr】と同時期に死んだ。
そして他の二人同-samaにRodcorteの依頼を断って『Lambda』にreincarnationしたのだが……一応、依頼を持ちかけられた際にVandalieuについて知らされていた。
その時見せられた姿を比べて幾分成長しているが、目の前にいるのは彼以外に無かった。
(こ、殺される!?)
反射的にSiegはそう思い、Zodの腕の中で仰け反り出来る限りVandalieuから離れようとした。
「おお、よしよし。驚かせてしまいましたな」
「大丈夫だよ~、お姉-chanたちがいるからね~」
だが幸いな事に、ZodとMeldinがそうあやしながらVandalieuから遠ざけてくれた。
(何で、どうなってるんだ!? 僕はどうなって……はっ!? 口を閉じろ、僕!)
panicに陥りかけたSiegだったが、はっと気がついて迂闊な事を口走らないよう、歯を噛みしめて口を閉じた。
そしてあやされながらRachelが待っている所に運ばれているSiegは、その間にこれまでのMemoryと【Skanda】のTanaka JinとしてのMemory integratedして、自分がどんな状況にあるのかをある程度察して……気が遠くなった。
(僕は、生き残れるんだろうか?)
そしてそのまま、眠りに落ちたのだった。
Vandalieuとの接触によって、本来のageより大分早くMemoryが戻った事と、psychological shockに幼いbody partが耐えられなかったのだ。Sallua Legstonと同じ症状である。
恐らく、目覚めた時には前世のMemoryも忘れている事だろう。
「むっ、どうやら眠ったようですな。……妙なtraumaになって、Vandalieu -donoが苦手にならないと良いのですが」
「この国には幾つもあるものね。彼の石像や小物が」
この新市街地に建立されているVidaの祠にも小さな像が置かれている。更に、手乗りSizeのVandalieu像が、Church of Vida出張所で販売されていた。
主に、何度もGiant Vandalieu像の建立を止められ、『ならば小さい像なら構いませんな!?』とChurch of Vidaの現Temple Head Nuazaが彫った物である。
「何より、これから何度も本人と会う事になる筈。打ち解けられると良いのですが」
そう心配しているZodの言葉を、Siegが意識を失っているためRodcorteやそのFamiliar SpiritのAran達は聞く事が出来なかった。
『またこのpatternかよ!』とAranが苛立ちを露わにしてRodcorteに怒鳴るが、既に諦めている彼は取り合わない。
【Skanda】のTanaka Jinがこのworldにreincarnationした当時、【Gungnir】のKaidou KanataがVandalieuに敗れたばかりの頃は問題無かったはずなのだ。
Vida's New RacesであるVandalieuと、相容れないだろうAmid Empire Emperor Mashkzarの息子がreincarnation先である事は。
彼が物心つく頃には、Amid EmpireとTalosheimは戦争寸前の関係に……もしかしたら既に本格的な戦争conditionに突入しているかもしれない。だから一度は依頼を断った【Skanda】も逃れる事は出来ないと観念して、協力するだろうと期待したのだ。
だが予想外な事態が起きた。MashkzarがTanaka Jinの魂を宿す赤子を孕んだ女のMemoryを改竄し、隠れVidaのbelieverである『Storm of Tyranny』の元に送り込んだのだ。しかし、それでもRodcorteは【Skanda】本人の協力は望めなくても、彼が将来Vandalieuに近づけば情報収集が容易くなると期待していた。
『Storm of Tyranny』にEvil God (M)やPure-breed Vampireがいる事は驚いたが、Reincarnator本人がmissをしなければ気がつかれる事は無いだろうと踏んでもいた。
……Vandalieuがsystemの垣根を越えて、RodcorteのsystemからVidaのsystemへ直接人々の魂をGuiding事が出来るようになるまでは。
こうなると、どうしようもない。
RodcorteはReincarnator達に『Destiny』や『Fortune』を与える事が出来る。しかし、それは「意図した、若しくは望ましい方向に事が進みやすくなる」と言う以上の意味は無い。絶対的なDestinyやFortuneなど、存在しない物を与える事は出来ない。
特に、RodcorteのCircle of Reincarnation systemが司らない魂が存在する『Lambda』のようなworldでは。
そのため、『Storm of Tyranny』に保護されたSiegはどうにもならない。多少は『Destiny』が妨害したかもしれないが、焼け石に水だ。彼等全員が多少のDestinyぐらい易々と捻じ曲げるような規格外の実力者ばかりなのだから。
もしくは【Skanda】のTanaka Jinが前世以前からUndeadの存在を許さない強い宗教意識を持っているか、Rodcorteに対して強固な信頼を寄せていれば別だっただろうが……望むべくもない。
だからRodcorteは【Skanda】のTanaka Jin……Siegに関してはずっと前から、【Perseus】のSamejima Yuri……Sallua Legston以上に諦めていたのである。
当然、AsagiやKanako、Murakamiと言った他のReincarnator達にもSiegが【Skanda】である事は教えていない。
彼を救出しようとして失敗して死なれたら困るし、SiegがMemoryと力を取り戻すのはまだ先の事だからVandalieu側に付いても障害にもならないからだ。
こうしてVandalieuは、気がつかないままReincarnatorをまた一人受け入れたのだった。
一方、その頃VandalieuはSchneiderやLissana、Dalton。そしてGufadgarnが注目する中【Demon King Fragment】のsealedを解こうとしていた。
【Demon King Fragment】を取り込みrunawayさせたGoblinを、Schneiderが殺さないように手加減して延々攻撃して弱ったところを薄い帯状のOrichalcumでミイラのように包んで宿主ごとsealedした物で、まだ生きているはずだ。
実際、Schneiderが背負って運んでいる間は時々もがき、呻き声を漏らしていたのだが……今はピクリともしない。
「もしかして、餓死しちまったか?」
「そう言えば、Talosheimに来た途端静かになったわね。sealedしてから一週間ぐらいたっているし……」
DaltonとLissanaが大人しい【Demon King Fragment】を訝しげに見つめる。しかし Schneiderは首を横に振った。
「fragment毎に違いが大きいから一概には言えねぇが、fragmentに乗っ取られた宿主は飲まず食わず、眠らず暴れ続けて宿主がダメになる前に、新しい宿主にInfestする。
recordによると、そのpaceは宿主が大きな傷を負わなければ短くても一カ月より短い事は無いらしい。餓死や衰弱で死んだ訳じゃないだろう」
「sealedする時、宿主のGoblinが吐bloodしてた気がしたけど」
「動けなくなるまで嬲られ続けるのは、宿主にとって大きな傷では無いのか?」
そうLissanaが、そしてGufadgarnまで疑問を呈する。身内以外からもツッコミを受けた事で具合が悪くなったのか、Schneiderが顔を顰めてVandalieuに視線を向けると、彼は『生きてますよ』と答えた。
『heartはfragmentがrunawayしてBodyの構造が変化しているせいで動いていませんが、少なくとも【Detect Life】のmagicに反応が有ります』
「だろっ!? 注意して手加減したからな! 加減が難しかったから時間がかかっただけで、別に嬲った訳じゃ無いんだぜ!」
安堵してそうまくしたてるSchneiderに、宿主がかなり衰弱している事は……恐らく余命が一日を切っている事は黙っておくVandalieuだった。
『解けました』
そして、sealedが解けた。ばらりとOrichalcumの帯が解け、奇怪な姿のGoblinが姿を現す。
肌の色や頭部の形状、細い手足等は普通のGoblinと変わりない。だが胴体……よりaccurateにいうなら肋boneが浮いて見える痩せた胸部が異常にGrowして不気味な管が開いており、そこから呼吸をしている音が聞こえた。
不気味な管の生えたGiant raceの胸部に、痩せて小さいGoblinの部位をくっつけたような形状をしていた。
解放された【Demon King Fragment】はunbalanceなBodyでよろりと立ち上がると、Goblinの顔で表せる限りの喜びを浮かべた。
『……ほん……た…い……我……を……合流……』
そのまま近づこうとする【Demon King Fragment】をVandalieuは手で制して尋ねた。
『その宿主を生かしたまま、俺に合流する事は出来ますか?』
それに対して【Demon King Fragment】は動きを止め、口笛のような呼吸音を管から幾度かさせた後に答えた。
『我に、知識、none。我に、Memory、none』
【Demon King Fragment】はcountlessに切り裂かれたDemon King Guduranisの肉片がrevivalしようと、それぞれ変化した物だ。一個の生命体とすらいえない存在である。あるのは集まってrevivalすると言うInstinctだけだ。
これは、宿主を生かしたままfragmentをAbsorptionする方法を今回だけで見つけるのは難しいかもしれない。そう思ったVandalieuだったが、【Demon King Fragment】は更に続けた。
『我の意思、main bodyの意思にあらず。main bodyの意思は、我の意思』
『なるほど。つまり、俺の意思で操れると。では、試してみましょう』
fragmentの言葉をそのまま受け取ると、Vandalieuは【Group Manipulation】skillで操作しようと試みた。出来るだけ宿主のbody partを傷つけず、元に戻すようなimageで分離するように。
すると【Demon King Fragment】はwhole bodyを小刻みに震わせて、呼吸管から黒い液体を吐き出した。
黒い液体は一塊になると正体不明の肉片に変わり、跳ねるようにしてVandalieuの手に飛び込み耳障りな音を立てながら一体化した。
《【Demon Kingのlung】が合流しました!》
《【Demon King】、【Group Manipulation】、【Group Thought Processing】skillのlevelが上がりました!》
どうやら、fragmentは呼吸管や浮き袋では無くlungだったらしい。
「……大丈夫か? 見るからに健康に悪そうな色をした肉片が、かなりヤバイ音を立てて手から入っていったぞ?」
具合を確かめていると、Schneiderが心配そうな顔をして覗き込んできた。見ると、DaltonとLissanaも似たような顔をしている。
【Demon King Fragment】をAbsorptionする事はVandalieuにとっては幾度も経験したeventだが、Schneider達にとっては初めて見る不気味な現象だったので、無理も無い。
Eleonoraも、Vandalieuが初めて【Demon King Fragment】を取り込んだ時は、「ペッしなさい!」と吐かせようとしたものだし。
『俺は大丈夫です。ただ、宿主の方は結局助からないようですが』
そのVandalieuの言葉で気がついたのか、Schneider達が宿主だったGoblinの方を見ると、まだ小刻みに繰り返し震えて……痙攣を続けていた。だが、それも徐々に間隔が開くようになり、動かなくなって行く。
「こりゃあ、失敗か?」
「失敗では無い」
Daltonが死んでいくGoblinを見て呟くが、すぐにGufadgarnが打ち消した。
「originally、このGoblinは体が変異しすぎていたのだ。fragmentが無くては命を維持する事が出来ない程に。胸部にはlung以外の内臓は残っていないはず。
もし変異したのが四肢やskinなら……heartが残っていれば、暫く生かす事も可能だっただろう」
「なるほど、そう言えば心音が聞こえないとか言ってたな。じゃあ、こいつは運が悪かったって事か」
Daltonはそう納得すると、knifeを抜いて……困ったような顔をした。
「それで、この死体はどうする? 始末した方が良いなら、magicで焼くなりなんなりするが」
どうやら、普通のGoblinにしているように討伐証明の耳を切り落とそうとして、Boundary Mountain Range内部にはAdventurer’s Guildが無いと言われた事を思い出したようだ。
『とりあえず、貴重な標本として買い取ります。変異した部分を戻せなかったと言う意味では、失敗していますから研究して今後に活かさないといけませんし。
あ、お金はこの国のLuna通貨で良いですか? Amidと交換できないし、独自の金属を使用しているので出国する際は全額預けて貰う事になりますけど』
「いや、originally souvenirのつもりで持ってきたから金は別にいいんだが……独自通貨はin any case、独自の金属まで開発してるのか? 色々凄いな。
しかし、他の宿主のfragmentまで操作できるなら、【Demon King Fragment】を取り込んでいる敵相手にはお前なら無敵なんじゃないか?」
そうSchneiderが言うが、Vandalieuは『そうでもないと思いますよ』と答えた。
『さっき上手く行ったのは宿主の意思がfragmentに飲み込まれて、存在しなかったからです。宿主の意識が健在で、fragmentをcontrolしている場合だと、俺が操作する事は不可能でしょう。多少ならimpactを与えられるかもしれませんが』
Bugitasを寄り代にAdventした『Evil god of release』Ravovifardや、Pure-breed Vampire TerneciaやGubamon等のように、【Demon King Encroachment】のlevelが10に至っていない相手にはfragmentの操作を行う事は難しいだろうとVandalieuはconjectureしていた。
精々普段より侵食するpaceを速めるとか、宿主の意識を少しかき回せる程度だろう。
「そうか。中々上手くはいかないもんだな」
「……いや、十分嫌な攻撃だと思うわよ、それ」
制御が難しいfragmentをActivateしている間に、多少impactを与えられる。敵からしてみれば、かなり有効な妨害だろう。
そうLissanaは思うのだが、Goblinの死体を運び始めたVandalieuとSchneiderには、やはりあまり有効には思えなかったらしい。
こうしてSchneider達が合流した後も、Vandalieu達は活発に動き続けていた。
特定の階層ではmonstersが一匹も出現せず、海や高原や草原の階層でリゾートやFarmingやFishingに集中する事が出来るDungeonも完成した。monstersが出ない階層以外では逆にmonstersの出現率が増加し、通常のDungeonより頻繁にmonstersの間引きを行わなければならないが、それはExplorers’ Guildの依頼を受けたExplorer達や、Vandalieuのmonsters達の活躍でstabilityして運用する目途が立っていた。
「ギュオオオオオオオオオオオ♪」
特に広大な餌場が与えられたHuge Gluttony wormは、大活躍であったと言う。
ちなみに、『Trial of Zakkart』でTamerされたDemon達もVandalieuが創ったDungeonで過ごしている。
Demon continentでの開拓も進んでいる。『Sword King』Borkusや、最近『Most Powerful Training Dummy』に続いて『元祖木人』と言うsecondary nameを獲得してしまった『Divine Spear of Ice』のMikhail、『Death Axe King』のsecondary nameを獲得したVigaro達の活躍により、monstersの間引きも進んだ。
『Majin King』GodwinがMajin Raceの始祖に、Kijin nationの王TenmaがKijinの始祖に挨拶に行き、Ryuujin nationの使者はTiamatから自国の守護龍達への叱責……『例の件について他の国より出遅れているのは何故じゃ?』……を預かって戻り、留学中のOniwakaが順調にRank upとJob changeを重ねていた。
ただDemon continentに幾つもあるDungeonの多くはCClassで、AClass Dungeonは確認できたのはまだ三つしかない事が明らかになった。これはRavovifardやDargzobon等が百年前までDemon continentを主に支配していたDemon King Army Remnantsが、己のbelieverやminionsを増やすためにDungeonで頻繁にmonstersを吐き出させていたせいで、Dungeonがあまり成長できなかったためらしい。
BorkusやGodwin等一部の者達にとっては物足りない結果だったが……CClass Dungeonが確認できただけで三百以上ある時点で、Human社会と比べればとんでもない人外Devil Nestsである。
しかも、DClass以下のDungeonは数えるほどしか存在しなかった。これは地上に広がるDevil Nestsに生息するmonstersが最も弱くてもRank4である事が関係していると思われる。
Demon King Army Remnantsは、地上のDevil Nestsに生息するmonstersと同じかそれよりweak monstersしかいないDClass以下のDungeonに干渉せず、放置された結果CClassまで成長したのだろうとconjectureされた。
この普通のAdventurer’s Guildなら新人が育つ前に死に絶えそうな環境で、Warrior団を代々維持しているMaryuujinやKiryuujin、Ghoul Amazoness達がどれ程強力で、尚且つ不断の努力を続けて来たかが分かるというものだ。
まだ確認できていない地域も多いので、Demon continentがBoundary Mountain Range内部のように、それなりまで危険度が落ちるのは相当先の事になりそうだ。
Schneider達『Storm of Tyranny』は『Vida’s Resting Ground』に詣で、Marshlandsのmud bath hot springを堪能する等TalosheimやBoundary Mountain Range内部の国々をざっと見て回り、そして再びTalosheimに戻ってきてVandalieuとこのような会話を交わした。
「Goddessもいるし、Boundary Mountain Range内部の方が安全で暮らし易そうではあるんだが……やっぱり自分が生まれ先祖代々守ってきた土地を捨てがたいって奴等も多くてよ。それは当然だから別に良いんだが、Elder連中の中にはお前-sanの存在を信じていない奴もいてな。
そいつらを説得してくる」
「Boundary Mountain Rangeの向こうにVida's New Racesの楽園があるっておとぎ話は、結構昔からあったみたいだからね。最近それが現実になって、しかも上位のSpace-Attribute Magicで楽に行く事が出来るなんて、とても信じられないんだって」
Amid Empire側のVida's New Races達は迫害から身を守るために隠れ住んでいた者達や、町で貧困層やSlaveとして暮らしていた者が多いので、警戒心が強い者も多い。そうした者達はVandalieuの出現と移住の誘いは、美味すぎる話として疑われているらしい。
『前者の人達には、直接移住しなくても、連絡がつくように通信機を置いてくれて、緊急用の小規模Dungeonを創る許可をくれれば問題ないと伝えてください。
俺達の事を疑う後者の人達には、良ければ俺や皆で説得しましょうか? 俺本人じゃなくて、使い魔や使者を派遣する事になるかもしれませんが』
そうVandalieuが提案すると、二人はその使い魔……【Demon King Fragment】を使用した奇怪な生命体群や、恐らく使者に任命されるだろうGufadgarnや、ZadirisやBasdia、Eleonoraなどの事を思い浮かべた。
「……まあ、出来るだけ俺達で説得する。俺達で、説得する」
「そうね、彼等とは長い付き合いだから私達に任せて。くれぐれも、私達に任せて」
こうしてGoblin通信機の予備を幾つか受け取って、『Storm of Tyranny』はAmid Empireの勢力圏に戻って行った。
ちなみに、Vandalieuがまだ成長痛で動けないため彼等から【Unarmed Fighting Technique】や【Muscle Technique】等の訓練を受ける事は出来なかった。
再びTalosheimに視線を戻すと、Kanako達が黒色火薬作りを完成させた。Demon continentのZantarkのDivine Realmと化していた溶岩地帯から硫黄(に似た物質)を、Vandalieuが【Inanimate Aging】で排泄物や死体から作った硝石を、そして木炭を混ぜ合わせて完成させたのである。
『Earth』や『Origin』とは必要な配合比率がSlightly異なっていて、大変だったらしい。これでGufadgarnが保管していた火薬が無くなっても花火を作る事が出来る。
その過程でDougは【Psychic Power User】と言う新Jobを発見した。恐らくmagicの【Telekinesis】ではなく、彼が持つ【Hecatoncheir】のMental Powerを主に使い続けた事で出現したJobだろう。
完成した黒色火薬の爆発力はGufadgarnが管理していた、初代Zakkartが創り上げた物よりも若干劣る物で、正面から兵器として使うにはやはり力不足だった。十分な量を使った爆弾でも、Rank3のOrcに致命傷を与える事は出来ても、Rank5以上のmonstersには軽傷しか与えられなかったのである。
金属片を混ぜる等工夫すれば殺傷力を高められるだろうが、Rank6以上には効かないだろう。
実際、Lesser Demonには金属片を混ぜても、Manaを伴わない爆発に狼狽えただけでほぼ無傷だった。
ただ製作過程にManaを使っていないため感知されにくく、爆発を起こすmagic itemより安価に作る事が出来るため対Humanの防Guard器として城壁に配備したり、Golemに組み込んで敵陣に特攻してそのまま爆発する自爆Golemを作ったりする予定である。
後、大砲を造って問題無ければCuatroに設置する予定である。四分の一でも海賊船なのだから、大砲はつきものだろう。
それとかんしゃく玉をmonsters避けに使うideaは、多くの場合で有効だった。
そして何より、完成した花火はTalosheimのnight空を鮮やかに染め、多くの人々を魅了した。
このachievementでKanako達三人は信用を勝ち取り(実際には、火薬が完成する前から既に信用されていたのだが)、自由な活動が許されるようになった。
許されるようになったのだが……彼女達は自分達の意思でそれまでの立場に留まっている。
「……本当に何故留まっているんですか?」
「それが上司の僕達にも良く分からないんだ。僕達にそれ程人望があるとは思えないんだけど」
王城地下の工房で、Vandalieuはようやく動かせるようになってきたbody partで首を傾げた。LegionのEnmaも、不思議そうにKanako達を眺めている。
「いや、そう不思議がられても別に大層な理由は無いぜ。Gufadgarnみたいに心からLoyaltyを誓ったとか、部下として惚れ込んだとかじゃないし」
Lucilianoから頼まれた雑用……実験中のSampleに餌をやりながらDougがそう答える。
「それは分かっています。……Gufadgarnは一人で十分です」
Doug達の態度はあまり変わっていない。時と場所によっては-chanと畏まってVandalieuを陛下と呼び、Legionの部下らしい振る舞いをするが、それ以外はいつもの口調で話している。
「ただ自由になったって言っても……Enma、あなた達上司兼監視役がこれまで私達をあんまり自由にするものだから、特に解放感も無いのよね。これまでも給与休暇ありで、花火作りで行き詰っていた時気晴らしに町へ連れ出したり、同伴でDungeonを攻略したり」
Melissaの言葉に、Enmaはフンと鼻を鳴らす。
「『Origin』の頃から僕達はそうじゃないか。監視はするけど干渉はせず……-kun達がGuidanceの効果を受けている間は、それで十分だと判断しただけだよ」
別に何もしていないとEnmaは主張するが、すぐにそれは否定された。
「いや、行き詰まっていた三人に気晴らしを提案して引率するのは十分干渉だよな?」
「Dungeonでも援護してくれましたし」
「町では彼女達に昼lunch奢ったと聞いていますが?」
DougやKanakoだけでは無く、Vandalieuにまで言われては誤魔化せないと思ったのか、Enmaは溜息をついた後……Izanamiに交代した。
「あっ、逃げた!」
「丁度、もうすぐ交代の時間だったからねぇ。逃げた事には変わらないと思うけど」
IzanamiはVandalieuの【Mind Encroachment】の効果により、『Origin』で改造Surgeryを受ける前の自分の姿を思い出した。それが成長したらどんな形になるのかを想像した結果、彼女はJapan人らしい黄色Humanで二十age前後に見える黒髪のfemaleの姿になっていた。
資料に記載されていた生年月日から計算すると『Origin』での享年は十八ageだそうなので、大人っぽく見える容姿のようだ。太い眉が意思の強そうな印象を周囲に与えるが、人格そのものは以前と変わっていない。
後、やや長身で体つきが肉感的なのは、『Originで生きていた時より軽いと、body partのbalanceが取れない』と本人が訴えたのと、『小柄だといざという時、YomotsushikomeやYomotsuikusaにする材料が少なくて困るかもしれない』と言う主張の為だ。
「ただ照れるのも分かるよ。Guidanceの効果で、Guidanceのimpact下にある者同士は親近感を抱くって言うのがあるそうだけれど、maybeそのimpactだろうねぇ。前世ではお互い利用するだけだったあんた達が、現世では仲間のように思えるのさ。飴でも食べるかい?」
「あ、頂きます。それは嬉しいですけど……あなた達のいう仲間ってかなり重い意味ですよね?」
「一心同体、family同然、死ぬも生きるも一緒。たったこれだけの意味だよ」
『Origin』では自分達とそれ以外の人類全てを別の生き物と認識していた『The 8th Guidance』のmember、現Legionにとって仲間とはそれ程重い意味を持っている。仲間認定、即family同然という判定だ。
「重い! かなり重いです! いや、あたし達も前世より親しみは感じてはいますが。
……話を戻しますけど、このLegion達の部下を辞めるmeritがあたし達に無かっただけです!」
慈しみの視線を向けて来るIzanamiから顔を逸らして、KanakoはVandalieuにそう言った。
自由になってからIdol活動……このworldではtheaterで歌とdanceを披露する、変わったBard扱いだが……を始めたKanakoだが、今でもLegionは何か指示を出す事は無く、活動に全く支障が出ていない。
それに部下でいる間は月給が支給されるし、食事が保証されている。Vandalieuの手Cookingが食べられる事もある。それに、Vandalieuの側近のLegionの部下と言う肩書きは、TalosheimとBoundary Mountain Range内部の国々ではかなりのStatusである。
これでは寧ろ、部下を止めるデmeritの方が大きい。
「それに、こんな高価な贈り物を受け取っては、もうお傍を離れられません♪ これのおかげでUnitも結成できましたし」
Vandalieuから贈られたTransform杖を手に、Kanakoはそう言ってニコリと笑った。因みに、Unitと言うのは同じTransform杖を持っているZadirisとZandiaの事だ。
「それはZadirisからあなた専用の物を作って渡すよう頼まれたから作ったので、他意は懐柔しようと言う下心以外あまり無いですよ。喜んでもらえたのは嬉しいですが」
「構いませんよ、めいっぱい利用しますから♪」
Vandalieuにしか作れない、そしてまだ数が少ないTransform杖を贈られた。この事もKanakoの活動に有利に働いている。
「後お金に関してですけど、安い基本給が気にならないぐらい火薬作りで貰っているから構いません」
「まさかこのworldでロイヤリティを保証されるとは思わなかったけど、お蔭でDougなら一生働かなくても食べて行けそうだしね」
「ええ、あたし達は無理でも、Dougなら一生安泰ですね」
「喧しいっ! 俺だけHumanだからってからかうなよ!」
reincarnationするraceにHumanを選んだDougの寿命は長くても百age少々だが、Elfを選んだ二人は五百ageまで生きる事になる。このworldの「一生遊んで暮らせる金」に相当する金額は、raceによってだいぶ違うのだった。
「それにVida's New Races化するんだからな、俺も! そう言えばVandalieu、俺達が新race化するのっていつになるんだ?」
「Doug、それなんですが各国との話し合いが難航しているので、後十年ぐらい待ってください」
「長い!?」
「ぶっちゃけると、もうあなた達は信頼できるから新race化しなくても良いかなって思っています」
「しかも持ちかけた本人がやる気を無くしてる!?」
驚くDougだが、彼等を新race化する理由はGuidanceを受けやすくする事や、Rodcorteからのimpactを無くすことに有った。なので、実はもう行う理由が消滅していたのである。
「け、結構覚悟を決めていたんだが……」
「それだけ信頼されているって事だよ」
がっくりと項垂れるDougに、慰めの言葉をかけるIzanami。そこにreportを纏めて来たLucilianoが姿を現した。
「師Artisan、life goldを移植したUndeadの生殖実験だが、結果を纏めておいたよ。
片方がUndeadの場合は三世代先まで普通の生物として、両方がUndeadの場合は両親のどちらかと同じraceのUndeadとして生まれ、成体になるまで普通の生物と同じように成長するようだ。
尚、childがUndeadの場合は生殖活動を行うには親と同じようにlife goldを移植する必要があるようだ」
口頭でもざっと説明するLucilianoから書類を受け取ったVandalieuは、それを見ながら今後の実験予定を考える。
「なるほど……次はHumanで試しましょう。適当なmountain banditを生け捕りにして……femaleの方はTerneciaのLife-deadを使うとSampleと呼ぶには強力過ぎるDhampirが産まれそうなので、『Trial of Zakkart』で手に入れた死体の残りを使いましょう」
またmountain banditに過酷なDestinyが課される事が決定したようだ。Borkusや、adventurer仲間で友達のKasim、それにPrincess LeviaやZandia、Orbiaとの将来がかかっているので、実験に手を抜く事は出来ない。
「そうと決まれば話は早い、早速明日にでもBoundary Mountain Rangeの外にmountain bandit狩りにでも行こうじゃないか」
「いや、流石にすぐ見つかるほどmountain banditの生息数は多くないと思いますが――!」
その時、Vandalieuは脳裏に別の意思が降りて来るのを感じた。
『ご無沙汰しています、『Goddess of Life and Love』Vida』
『うわ、Oracleを下そうとしたのにTelepathy出来てる!? 何で!?』
VidaからのOracleであった。ただ、本来は一方的にmessageを送るだけの筈が、何故か双方向のcommunicationが成立しているが。
『でもまあ、我が子だしそんな不思議じゃないわよね。それにあまり長くは話せないようだから簡潔に伝えます。
我が子にしてあなたの母、Darciaが今日revivalします。おめでとう! あなたはGoddessでも不可能だった事を成し遂げたのよ!』
その祝福を最後に、Vidaの意思が遠のいて行くのを感じる。だがVandalieuには、その余韻に浸る余裕は無かった。
「Luciliano、mountain bandit狩りの予定はcancelです。kaa-sanが今日、revivalします」
《【Labyrinth Creation】skillのlevelが上がりました!》
・Name: Zorcodrio(Zod)
・Age: sealedされた年月も含めると約十万百四十age(四十age)
・Title: 【Muscle King】 【The Man with an Orichalcum Body】 【Omnipotent Muscle】 【Not Needing Claws or Fangs】 【Unyielding】 【Mysterious Bartender】 【Demon Continent Survivor】
・Rank: 14
・Race: Abyssal Pure-breed Vampire
・Level: 95
・Job: Avenger
・Job Level: 29
・Job History: Warrior、Unarmed Fighter、Muscle Warrior、Meat Shield、Berserker、Muscle Berserker、Steel Muscle User、Indestructible Muscle User、Roaring Thunder Muscle User、Dark Muscle User、Guardian Muscle User、God-Iron Muscle User、Carpentry、Bartender
・Passive skills
Super Strength:10Lv
Increased Attack Power while Unarmed: Very Large
Increased Defense Power while Unarmored: Very Large
Self-Enhancement: Faith:10Lv
Strengthened Attribute Values: Frontlines:10Lv
Dark Vision
Super Rapid Regeneration:10Lv
Magic Resistance:10Lv
Abnormal Condition Resistance:10Lv
Sunlight Resistance:5Lv
Revenge: Battle against Alda’s Forces
・Active skills
Axe Technique:1Lv
Unarmed Fighting Technique:5Lv
Sword Technique:1Lv
Shield Technique:4Lv
No-Attribute Magic:1Lv
Coordination:10Lv
Extreme Muscle Technique:10Lv
-Transcend Limits-:10Lv
Commanding:3Lv
Familiar Spirit Advent:10Lv
Bloodwork:1Lv
Carpentry:5Lv
Engineering:4Lv
Cooking:5Lv
・Unique skill
Super Muscle
Vida’s Divine Protection
■ァ■■■■'s Divine Protection
『Storm of Tyranny』の中で最も遅くmemberに加わった、遅咲きのAClass adventurer Zod。その正体は約十万年前にsealedされていたPure-breed Vampire Zorcodrioである。
Amid Empire側のHuman社会ではHumanと偽っており、adventurer Cardにはnameとageは括弧内の情報のみ表示されるようになっている。これはLissanaが籠絡したGuild Masterと、Schneiderと親しい受付嬢の協力による純粋な違法行為である。
Demon King Guduranisがanother worldから攻めて来る前、Humanだった頃からVidaのbelieverであり、当時はそのMuscular Strengthを活かして木こりやArchitecture等Body労働に励んでいた。
そしてDemon King Armyとの戦争が始まってからは、そのMuscular Strengthを活かして戦おうとしたのだが……何とWeapon Equipmentを扱うaptitudeが彼には備わっていなかった。『Magic God of Time and Arts』Ricklentが実装したStatus systemでも、それは変わらなかった。
辛うじて【Unarmed Fighting Technique】と【Shield Technique】はそれなりに使えたが、それ以外はからっきしで、magicの覚えも悪い。そのため戦争序盤では非戦闘員の護衛等rearguardに回されていた。
しかし戦争中盤にanother worldから召喚されたChampionの一人、Solderからmuscleに関する知識を授けられた直後開眼。【Muscle Technique】を編み出し、更にmuscle関係のJobを発現させそれに就く事で、一気に超人への道を駆け上がった。
その戦いぶりはChampion達に次ぐHeroの一人として称えられ、『Mother God of the Earth and Craftsmanship』Botinにすら「かの者には我でも鎧を授ける事は出来ない」と、『The Man with an Orichalcum Body』と言うsecondary nameを贈られる程であった。
Demon King Guduranisが倒され戦争が終わった後は、他のbeliever達と同じくZorcodrioもVidaと行動を共にし、誕生したVampireのTrue Ancestorから祝福を受けてPure-breed Vampireと成る。
ただ当時は既にDemon King Armyとの戦いは終わり、Demon King Army Remnantsも身を潜ませていた。そのため、当時増え始めていた野良のmonstersぐらいしか外敵がおらず、Zorcodrioを含めたPure-breed Vampire達はVida's New Races達が暮らす新しい国造りに力を注ぐ事になる。
この時Zorcodrioは【Carpentry】Jobに就き、戦争が起こる前のようにBody労働に従事した。Pure-breed Vampireになった事でEnhanced (1)されたAbility Values、特にVitalityを頼りに、Sunlightに焼かれながら平然とArchitecture工事を続けた為、普通なら習得出来ない【Sunlight Resistance】skillを獲得した。
それも一段落して国が形になって来たので、好きな混合酒(カクテル)を提供する店でも始めようかと思って準備していた矢先に、AldaとChampion Bellwood率いる軍勢が国を襲った。
その際も彼はForefrontで戦い、Muscle Techniqueによって多くの敵を倒し、敵からの攻撃を耐え、最初に倒れsealedされたとされる。『Unyielding』のsecondary nameは、この時Zorcodrioの奮戦をAlda's FactionのGodsとbelieverが称えた事で付けられたものである。
その後VidaからのOracleの解釈を間違えたSchneiderによってsealedを解かれ、『Storm of Tyranny』に加わった。……傍から見ると、WarriorでもMageでも無い細身(非pump up時)の中年から壮年の男が突然SClass adventurer partyに入ったようにしか見えず、そうとう目立っている。『Mysterious Bartender』と言うsecondary nameが付いたのも、この時である。
certainly日常的に他のadventurerやmercenary、その他有象無象から絡まれ、難癖を付けられてきたが、基本的に彼が相手を手で軽く握れば解決できるので、大事には成らなかった。……素行は悪いが一流のmercenaryのWeapon Equipmentを握り砕き、腕を圧し折り、Ironクローで頭を失神するまで締め上げたため、以後彼に直接絡む者はいない。
現在ではZodはMuscular Strengthに関係するUnique skillを持っているため、それに注目したSchneiderにscoutされたのだと解釈されている。
その後保護したRachelと心を通わせるようになり、彼女と結婚。Siegの義理の父親になった。
Rachelのお腹の中にはZorcodrioのbloodを引くDhampirがおり、そのrace的な特性からその子も優れたMuscular Strengthの持ち主になると思われる。
Pure-breed VampireになってRank13になったのが十万年前なのに、なぜまだ14なのかと言うと、Pure-breed Vampire化した後の百年は戦闘では無く国造りに力を注ぎ、自分と同等以上の相手と戦ったのはBattle against Alda’s Forcesの一度きり。
その後Schneider達にsealedを解かれた後は本格的に訓練と実戦を続けているが、それからまだ十年と経っていないため。
Schneiderも最近まで獲得していなかった【Familiar Spirit Advent】や【Vida’s Divine Protection】を持っているが、Zorcodrioがそれらを獲得したのはVidaが健在だったDemon Kingとの戦争当時の事である。(そのため、Vidaがrevivalするまで持っているだけで効果の無いskillと化していた)
なお、彼もPure-breed Vampireなので空を飛ぶ事は可能だが、滅多にそれを使う事は無い。何故なら、己の二本の足で走った方がずっと速いからである。