『Evil God of Mad Disaster』Dargzobonは、sealedの中で悔しげに蠢き続けていた。
Ravovifardに敗れて力を失い、その隙を突かれてZantarkにsealedされて数千年……いや、一万年以上経ったある日、突然sealedが緩んだ。
当然、Dargzobonはこの機会を逃してなるものかと全力でsealedを跳ねのけ、revivalを果たした。sealedされている間に、失った力を半分程取り戻せていたのが幸いした。
『久しぶりじゃな眠れぃっ!』
そして、sealedから飛び出した瞬間、『Mountain Queen Dragon God』TiamatのBreathを受けて吹っ飛ばされたのである。
『吹き飛ばすな! その場で動かなくなるまで攻撃し続けると決めたのを忘れたのか!?』
その後は『Giant of the Moon』Dianaに延々攻撃されて動けなくされ、そこを『War-God of Fire and Destruction』Zantarkと忌々しいChampionの一人、Farmoun Goldに執拗なまでに殴られ続けた。
当時は混乱していた為に気がつかなかったが、今思い起こすとDargzobon以外のEvil God (P)やEvil God (M)もrevivalしていたようだった。
恐らく、Zantark達はDargzobon等sealedしたEvil God (M) Evil God (P)を一か所に纏めて管理していたのだろう。そしてsealedが緩む兆候に気がついて駆けつけ、そのまま戦闘に突入したのだ。
そしてDargzobonは逃げ出す事も出来ず再sealedされてしまった。originally失った力を半分程しか取り戻せていなかったのに、敵戦力のど真ん中に現れてしまったのだ。当然だろう。
今やDargzobonの力は、一割にも満たないconditionだ。Humanで例えるなら、満身創痍で死にかけているconditionである。from here完全に回復するのは、余程大勢believerがいなければ至難の業だろう。
『オノレ……オノレェ……』
二度も自分をsealedしたZantarkやFarmoun、そしてTiamat達への恨みは大きくなっていたが、それで力が戻る訳でも無い。
Dargzobonに出来るのは、何時抜け出せるか分からないsealedの内部で自分を封じた者達をCurse続ける事だけ。そのはずだった。
『sealedガ、マタ緩……解ケタ!?』
何とsealedが歪み、彼が暴れるまでも無く解けた。彼は解放されてしまったのだ。
以前のように、何らかの理由で神のsealedが一斉に緩んだのかもしれない。今度はこのFortuneを逃さぬよう、一気に逃げ出そう。
そう決めたDargzobonはsealedから飛び出した勢いそのままにAccelerationして、上空に向かおうとした。
危険地帯から少しでも遠くへ逃げて、自身のDivine Realmを展開しこの傷を少しでも回復させなければ。恨みを晴らすのは、その後でいい。
『キハハハハハハハベェ!?』
だが、何と彼は天井に思い切り衝突してしまった。今のDargzobonは実体を伴わないSpirit Form、幻のような存在であるためDamageは無かったがそれでも驚きは大きかった。
『ナンダ、此処ハ!? だんじょんカ!?』
そう、Dargzobonが二度目のrevivalを果たしたのはDungeonの内部だった。空は青く澄んでいるが、実際にはspaceが閉ざされていて、一定の高さ以上には進めない透明な天井が存在している。
つい先日執拗に痛めつけられたため一割以下の力しか無いとは言え、彼はEvil God (P)だ。普通の壁や天井なら彼を捕える事は出来ない。しかし、Dungeonの壁は別だ。
ここの主がDargzobonならどうとでもできるが、彼に澄んだ青空に緑の森なんて汚らしい内装のDungeonを創った覚えは無い。
なら外に出るにはHumanのようにDungeonを自力で移動しなければならない。だが残っている力は少ない。Rank10のmonstersと遭遇すれば……屈辱だが負ける可能性が高い。
そんな余裕はあるだろうかと怯えながら地上の方を振り返った彼は、mucus状のbody partを器用に硬直させた。
そこに、Demon Kingが存在したからだ。
『ぐどぅら……にす? 違ウ!』
DargzobonはDemon King……杖を片手に下げてmidairに浮かぶVandalieuを見てかつての主にして、Championに敗れた負け犬、Guduranisの事を思い出し、すぐに否定した。
たしかにsignやManaに一瞬誤認する程度には共通点がある。しかし、全く別の存在だ。
「『Evil God of Mad Disaster』Dargzobonですね。Age of Gods EraにはDemon King Armyの一員として数々の災害を引き起こし、Demon Kingが倒された後もDemon continentを荒らし回ったと言う」
VandalieuはDargzobon……ドロドロとしたmucusの表面に目や鼻がcountlessに浮いているという奇怪な姿のEvil God (P)に話しかけた。
そして返事を待たずこう続けた。
「俺はChampion ZakkartのSuccessorで『Vida's Miko』のVandalieu Zakkart。俺に従うか、喰われて滅びるか、選びなさい」
『…………』
服従か、消滅か。それを問われたDargzobonはすぐに動く事は出来なかった。何故なら、appearanceは少年に過ぎないVandalieuに、言葉通り自分を滅ぼせる力があると理解したからだ。
その根拠はVandalieuが片手に下げている彼の身長より長い杖から感知した、覚えのある臭いだ。
(ぎゅばるぞー……アノ間抜ケノboneトMagic Stoneカ)
杖は、かつてDargzobonと同じDemon Kingの配下だった『Evil God of dark seas』Gyubarzoの素材を使ってTareaが創り上げた物だったのである。
だが、その杖からGyubarzo自身のsignを全く感じない。それはGyubarzoが既に消滅している事を表している。
Demon Kingに似たsignに、離れていても感じる圧倒的なMana。そしてEvil God (M)の亡骸を使用した杖。もし力が完璧に回復していたとしても、戦った場合勝率は五割あるかどうかと言った程度だろうとDargzobonは判断した。
服従を選ばなければ、待っているのは滅びのみ。それを理解した彼は『ワカッタ』と答えて、Vandalieuに近づく。
『貴-samaニ……従ウクライナラ滅ボサレタ方ガ、マダマシダ!』
そしてある程度近づくと急AccelerationしてVandalieuに特攻を仕掛ける……ように見せかけて、そのまま彼の脇を通り過ぎる。
Dargzobonが選んだのは、僅かな可能性に賭けての逃走だった。
だがその瞬間木々の間からcountlessの蔓が伸びて来て、Dargzobonを貫いた。更に、五頭一尾の単眼の龍が木々の間から飛び出すと、三つの頭部から光弾を放った。
『ぞぞがんて!? ふぃでぃるぐ!? オノレェ!』
一割以下の力しか無いconditionで、同じ神から攻撃を受けたDargzobonは為す術も無く墜落し始める。既にSpirit Formが崩れ始め、魂が剥き出しになっていた。
「ファイエル」
その魂に向かって、【Demon King's Blood】の銃身を展開したVandalieuが【Telekinesis】で【Demon King's Horn】の弾丸を打ち出した。
『Evil God of Mad Disaster』Dargzobonの魂は、断末魔のscreechも残さずVandalieuに喰われ消滅したのだった。
『久しぶりの実体は気分が、実に良い』
『全くだ……やはり、実体があってこそ自らの存在を確かめる事が出来る』
『不意打ちも上手く決まった』
『何より、供え物も直接食べられるのが良いッス』
そうVandalieuの【Materialization】のDeath-Attribute MagicによってSpirit FormをMaterializationさせていたZozoganteとFidirgは頷き合っていた。
「そろそろmagicを解きますよ。Manaがきついので」
だが何時までも術を維持する事は出来ない。Vandalieuはそう断ってからmagicを解き、地上へと降り始めた。すると途端にZozoganteとFidirgは実体を失い、音も無く半透明の幽霊のようなconditionに戻ってしまう。
通常のGhostを【Materialization】させる程度ならどうとでもなるが、力を失ったとはいえ神を【Materialization】させるのは莫大なManaを持つVandalieuでもかなりの負担だった。
Gyubarzoの杖が無ければやろうと思わなかっただろう。
『Experience Pointは手にはいったので?』
「まあ、これまで通り普通にmonstersを倒すよりは。味は悪くなかったのですけどね」
Zozoganteに問われたVandalieuは、Statusを確認した後そう答えた。
本来はDemon King Armyでも中堅の力を持っていた『Evil God of Mad Disaster』Dargzobonを滅ぼしたにしては、微々たる量だ。しかしあのDargzobonは本来の一割以下の力しか持っていない……よりaccurateに言うなら、Zantark達によって文字通りピクリとも動かなくなるまで攻撃されてから、一年も経っていないconditionである。
つまり、sealedから出てきた時にはDargzobonは瀕死の重傷……ほぼ虫の息conditionだったのである。あれほど動けたのは、Evil God (P)だからこそだ。
あまりExperience Pointが入らなくても当然だろう。
「そう言えば、Kami-samaもExperience Pointを獲得できるんですか? Statusそのものが存在しないと聞いていますけど」
Status systemは『Magic God of Time and Arts』RicklentがHuman達の為に作り、それにDemon King Guduranisがちょっかいをかけてmonstersにも適応させた代物だ。
そのため、Status systemが実装される前から存在し、そもそもHumanより上位の存在であるGodsにはStatusが無い。
寄り代に宿った時や、reincarnationした時には例外的にStatusが発生するが、その時ぐらいだ。
『我々にExperience Pointその物の意味は無い』
『ただ気分が高揚したり、敵を物理的に食べたりすれば、力がつく事もある……かも?』
『ぶっちゃけると、神相手の戦いで一方的に勝ったのは初めてなんで、よくわからないッス』
どうやら、Fidirg達にとってExperience Pointはあまり意味が無いらしい。
「お見事でしたわ、Van -sama!」
地上まで降りると、【Group Binding Technique】でVandalieuの体内に装備されていたTareaが姿を現す。慣れた-sama子でVandalieuの中から出ると、そのまま彼を抱き上げて顔を近づける。
「それで、杖の使い心地は如何でしたか?」
そう言った時も、Tareaの瞳にはVandalieuだけが映っている。……そうしないと、うっかりFidirgやZozoganteの姿が視界に入ってしまうからだが。
Evil God (M) Evil God (P)の中では比較的異形では無いFidirgでも、Tareaには大怪獣を間近で見るのと変わらないのでやや刺激が強いのだ。
『……あの、俺達遠慮した方がいいッスかね?』
『我、実は普通の大木にCamouflageしたりできるのだが、やる?』
「け、結構ですわっ! 私、-dono方の交友関係に口を出すような女じゃありませんの!」
気を使う二柱に、声を引き攣らせて断るTarea。無意識に加えられる力で、地味に締め上げられるVandalieu。
「Gyubarzoの杖は、見ての通り大丈夫です」
彼が片手に持っている不気味なEvil God (M)のboneでできた杖は、あしらわれたDarkブルーのMagic Stoneを輝かせていた。
Mage用の杖にはmagicを唱える時にManaの集中や流れに無駄を無くし、制御をよりしやすくする機能がある。その利便性から、殆どのMageは杖を必需品としている。
monstersであるGoblin Mageでも、性能は下の下だが手製の杖を必ず持っているほどだ。
しかし、今までVandalieuは杖を持たなかった。
「このとおりManaを流しても爆発しませんでしたし、今も傷一つありません」
それは彼が杖を使ってmagicをActivateさせると、その途端に杖が彼の圧倒的なManaに耐え切れず壊れてしまうからだった。
しかし戦闘の間中ずっとVandalieuが使っていたこの杖には、傷一つ出来ていない。流石はGyubarzo、神の死体から素材を取って作った杖だ。
「それは何よりですわ。……正直、私でも碌な加工が出来ずboneの形を整えただけなので、Slightly誇れないのですけど」
既に夢だった【Renowned】Jobに就いているTareaだったが、流石に神の素材は彼女の手にも余ったようだ。
「【Alchemy】の部分は手が出せないのは仕方ありませんけれど、杖main bodyもVandalieu -samaのTransform杖に負けない性能にしたかったのですけれど……まだまだ精進が必要ですわね」
杖の-sama子を確かめたTareaは、そう纏めた。
「今回で三柱分の素材がまた手に入りましたし、改善していきましょう。
しかし、これでZantark達から受け取ったDemon King Army Remnantsの神も終わり……まさか三柱とも逃亡を試みるとは思いませんでした。一柱ぐらいは……いえ、最初は三柱とも服従を選ぶと思ったのですが」
Orichalcum製の短剣と鞘……DargzobonをsealedしていたArtifactを懐に仕舞って、Vandalieuはそう首を傾げた。
「確かに意外でしたわね。逃げ場の無いDungeonで二択を迫られたら……実質生き延びるための選択肢が一つしか無いのでしたら、服従を選ぶだろうと思っていましたのに」
Dargzobon以外の二柱も含めて、Zantark達から彼等がどのような神だったのかは教えられていた。
三柱ともDemon Kingの配下だった時から一貫して邪悪であり、それはsealedされるその瞬間まで変わらなかったそうだ。だから彼等を改心させる事が出来るとは、Vandalieu達は誰も思わなかった。
しかし、服従を強いればnodかもしれないとは考えていた。どの道喰らう前には一度sealedを解かなければならないのだから、ついでに試してみたのだ。
だが三柱の邪悪な神は明らかに逆らえば消滅するしかないと分かっている状況で、一柱も服従を選ばなかった。
自暴自棄のChargeか、僅かな可能性を賭けての逃亡しかしなかったのである。
これはVandalieuやTareaが今まで持っていた邪悪なGodsのimageとは、異なる結果だった。
『まあ、そんなものでしょう。我は奴らの事をnameぐらいしか知らないので、性格等は分からないが』
『今までEvil God (M) Evil God (P)としての己のまま暴れ回っていたような奴等ですし』
『こっち側に着く事が出来る存在じゃ無かったって事ッスよ』
しかし Fidirg達にとっては意外でもなんでもない結果だったらしい。どう言う事かと訝しく思うVandalieuに、Zozoganteがより詳しい説明を始めた。
『奴らとVandalieu -dono達は、異なり過ぎているのだ。属している勢力や陣営以前に。
Evil God (M) Evil God (P)の中には、澄んだ空の青や木々の緑は汚らしい色としか感じられない。色だけでは無く、あらゆるmonsters以外の生命とその営み、そしてHuman達の情愛は奴にとって怖気が走る忌まわしい情動としか感じられない。そんな神も存在している。
Dargzobonも、そんな神だったのだろう』
Demon Kingに従ってこのworldに現れた邪悪なGodsは、originally another worldの存在である。そのため、価値観も考え方もMental構造さえこのworldの存在とは異なっている。
そのためこのworldの住人にとって正常な事が、邪悪なGodsにとっては異常に見える事が幾つもある。
Dargzobon達には、Vidaを始めとしたこのworldのGodsの教義は愚かしく、冒涜的なまでに悍ましいものにしか見えなかったのだろう。それに合わせるのは、一時的でもとても耐えられない程に。
そして『Vida's Miko』でChampion ZakkartのSuccessorであるVandalieuに服従を誓って生き延びると言う事は、当然だがVidaの教義に従って生きると言う事だ。
とてもやって行けるとは思えなかったはずだ。服従を選んで一旦は生き延びても、その後耐えきれずに逆らったら……彼等にとっては普通の行為である悪逆非道な行いをしただけで、滅ぼされてしまう。
それならとChargeにみせかけた逃亡を選んだのだろう。
しかし、そう言う割に目の前のZozoganteやFidirgは普通に話が出来ているし、他にもVida's Factionに転向した邪悪なGodsがいる。
「……私の近くに、順応している方が二柱程いるはずですけれど?」
『我々は個体差が激しい。Fidirgのように適応できた神や、我のように最初から忌避感を持たなかった神、そしてあらゆる違いに無頓着だったGufadgarnやMububujengeのような神等が存在した。
それ等が十万年前、Zakkartの誘いに乗ってDemon King Armyから寝返ったGodsだ』
Tareaのツッコミに、Zozoganteは慌てる-sama子も無くそう答えた。
『最も、Zakkartに直接声をかけられたのはDemon King Armyでも重用されてなかった者達だけだ』
『だから他に協力関係を築ける、交渉の余地がある邪悪な神がいるかもしれないが……』
『そう言う神は、あれから十万年以上経った今も好き勝手に暴れたりはしていないと思うッス』
「確かに、その通りですね」
Demon King Guduranisが倒されてから十万年以上、今に至るまでこのworldを荒らし続ける神は、今更このworldに適応する事は無いだろう。
ちなみに、Luvezfolはoriginallyこのworldの龍の一頭だったのが裏切っただけなので、価値観その物は他の龍と変わっていない。
「そう言えば、Luvezfolですがどうします? 皆が許せないのなら、sealedしてもらいますけど」
Pauvinaが連れ帰って来た裏切り者、特にFidirgにとっては自分をsealedしbelieverであるLizardmanを奪った仇と言える彼を許せるか否か。
そうVandalieuが尋ねると、Fidirgは哀しそうな顔をした。
『もう、奴に対する恨み辛みは……無いかなと』
『以前は、今度会ったら五体を引き千切ってやると思っていたが……』
『今は……あのままPetとして暮らさせる方が、Damageが大きそうッス』
どうやら、ある程度の自由はあるものの、Rank5のWyvernと言う龍よりも下等な竜の中でも最下Classの存在に堕とされ、PauvinaからPetとして扱われている今のLuvezfolをFidirgは憎めないようだ。
『我は別にどうでも』
そしてほぼ接点の無いZozoganteは、無関心であった。
「意見はShashuja達に聞いた方が良いかもしれませんわね」
「そうですね。この後、kaa-sanの-sama子を見たら彼に会いに行ってみましょう」
そしてVandalieuは、カプセルの中で眠り続けているDarciaに一時間ほど話しかけた後、大Marshlandsに向かった。
既に自分よりずっと大きくなった、death attributeのManaでLizardmanから変異したcrocodile Human、Ahemait達の訓練を見ているShashujaに会った。そしてLuvezfolについて尋ねたのだが……。
「シュ? ルシュシェ?」
しかし、何とShashujaはLuvezfolを憎むどころか、存在を覚えてもいなかった。
当時のLizardman達の信仰がsimpleで、信仰対象についてただ神としか認識しておらず個体名を意識していなかった事や、Luvezfolが直接彼等の部族を迫害した訳では無かったため、Memoryしていなかったらしい。
こうしてLuvezfolのPet生活は、無事続く事になった。
《Vitalityが10,000上がりました! 力、Agility、Endurance、Intelligenceが1,000上がりました!》
《【Rapid Regeneration】、【Magic Resistance】、【Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue)】、【Enhanced Agility】、【Body Expansion (Tongue)】、【Artillery Technique】、【God Devourer】、【Soul Devour】skillのlevelが上がりました!》
《【Strengthened Attack Power while activating a Magic Cannon】skillが中にincreaseしました!》
《【Abnormal Condition Resistance】が【Status Effect Immunity】skillにAwakeningしました!》
Grain Nation Yondo。Amid Empireのstomach袋を満足させる、大穀倉地を抱える西の属国である。連なった岩山で海と隔てられているがその分豊かな大地の恵みで潤ってきた国だ。
Mirg Shield Nationとは真逆の位置にあるためOrbaum Elective Kingdomとの戦争に直接さらされなかったので、Yondoには常に何処かのどかな空気が流れている。
「monsterだぁぁ! 逃げろっ、殺されちまうぞ~!」
「お助けぇっ! 助けてくれっ、あんたらGuardじゃねぇのか!?」
「五月蠅い! 叫ぶ余裕があるならもっと早く走れ!」
だが今の空気はとてものどかとは言えなかった。
必死の形相で走るFarmerと、それを叱咤しながら最後尾を走る若いGuardを追うのは、遠目から見ると黒い毛を生やした人型の生き物に見えた。
『ぎぶげぐげげげげえげんあ゛あ゛い!』
だがよく見ると、奇怪な声を上げているのはwhole bodyから黒く鋭いneedleを生やしたHumanだと分かる。
そう、Humanだ。目や口の中からも長いneedleが生えていて細かい特徴は分からないが、HumanかElfの恐らくはmaleだろう。
もしFarmerやGuardが海の生き物に詳しければ、ウニHumanと評したかもしれない。
『げげヴぉんあ゛あ゛い!』
だがそのneedleは鋼よりも堅固で鋭く、最初にmonstersだと判断して追い払おうとしたGuardたちの多くは鎧や盾ごと貫かれ、穴だらけになって殺されてしまった。
それを見たFarmerと生き残ったGuardの男は、こうして村に向かって逃げているのである。
monsterも村に向かっているためそれを村にいる仲間に知らせる為か、それとも自分が助かりたいからか、逃げている彼等自身にもそれは分からない。
(どうなってんだ!? あんなmonstersは見た事が無いぞ、収穫の間に獣がちょっかいをかけないように見張るだけのはずが、何でこんな事に!)
そう自分の境遇を嘆くGuardの男は、monsterが進む方向が村からずれている事に気がついた。
『げヴぉん……あ゛いぃぃっ!』
monsterはGuardの男の背に何の関心も持っていないのか、その進む方向を南に向け始めていた。
(よしっ! このまま走り続ければ逃げられる!)
monsterが何を考えているのかは知らないが、Guardの男は降って沸いたFortuneに目を輝かせた。村まで逃げ帰れば、後はKnight団やadventurerの仕事だ。
たかがGuardでしかない自分はHero -samaの大活躍を祈っていれば、村の安全さえ守っていればそれで良い。だが、その卑屈な目の輝きもすぐ消えてしまった。
「ひぃっ、助けておくれぇっ!」
monsterの進む方向に、転倒して動けない-sama子の老婆がいたのだ。
Farmerたちの誰かに弁当でも届けようとしたのか、薬草でも取りに来たのか。老婆とmonsterの間にはまだ距離があるが、このままでは彼女がneedleに貫かれて死ぬのも時間の問題だろう。
「畜生っ! マイン婆-san、這ってでもmonsterの進む方向から退け!」
Guardの男は、気がついたらそう叫びながらmonsterと老婆の間に駆け込んでいた。
自分が盾になったところで、稼げる時間は数秒だろうに。顔見知り程度の関係でしかない老婆の寿命を数秒伸ばす為に生まれ、今まで生きてきた訳でもないだろうに。
「【Stone Wall】! 【石体】! クソッタレっ、monsterはいるってのにHero -samaは何でいないんだ!?」
覚えたばかりのskillで【Martial Arts】をActivateさせ、木の盾と皮の鎧のDefense PowerをEnhanced (1)して叫ぶ。
その叫びに応えるように、見た目より素早いmonsterのneedleがGuardの男に伸び――。
『いや、Heroはそこにいる』
「えっ?」
叫びに答えたのはmonsterのneedleだけでは無かった。突然響いた頼もしげな声と同時に出現した何かが、monsterを吹っ飛ばした。
「何だ、これは……槍?」
殴り飛ばされたように倒れて蠢くmonsterと、自分の前に浮かぶ光る槍を交互に見つめるGuardの男の脳裏に、再び声が響いた。
『さあ、Andyよ。その槍を手に取り、邪悪なDemon King Fragmentをsealedするのだ』
「な、何で俺のnameを!? あ、あんたはいったい……?」
『我は『God of soldiers』Zares。そのSpirit Clone。汝をGuiding神である』
「か、Kami-samaが何でしがないGuardの俺なんかに!?」
頭の中に響くGodsしい声に混乱するAndyだったが、monsterが『ん゛ん゛だあ゛い』と呻きながら立ち上がるのを目にすると、body partが自然と動いていた。
「分かったっ! それでこの後はどうすれば良い!?」
『我に暫しbody partを預けよ。汝には大きな負担をかけるが。汝だけではまだ無理なのだ』
AndyにAdventしたZaresのSpirit Cloneは、彼のBodyを操作して鋭い槍捌きでmonster……sealedを解いてしまい【Demon Kingのneedle】をrunawayさせたadventurerの男を追い詰め、遂に再sealedに成功した。
『ほんたいぃぃぃぃっ!』
絶叫を残して【Demon King Fragment】がsealedされると、それを見届けたAndyもEnduranceの限界に達してそのまま気を失ってしまった。
神のSpirit Cloneをbody partにAdventさせ、限界を超えるbody part Abilityを発揮した負担にとても耐えられなかったのである。
そしてAndyが三日後に目覚めた時、彼は村を救ったHeroと称えられ、Statusには【Zares 's Divine Protection】と【Familiar Spirit Advent】のskillが表示されるようになり、しがないGuardでは無くなっていた。
この頃、Andyのように突然Voice of Godを聞きそ's Divine Protectionを授かる者達がworld各地で続出する事になる。
それを人々は神の奇跡と称えた。
実際には、『God of Law and Life』AldaがVandalieuに対抗するためHero Candidateを探しだし、育てるように命じていただけだったのだが。
そして見つけたHero Candidateを活躍させるために丁度良いので、Eclipseでsealedが緩んだimpactで起きる事件の鎮圧をさせたのだ。
【Demon King Fragment】まで活性化したのは想定外の出来事だったが、Andy等一部のHero Candidateに多少負担を強いたが対応は出来ていた。
その内幾つかはAlda's FactionのGodsが選んだHeroでは無く、『Storm of Tyranny』や『True』Randolphによって再sealedされる事になったが、大勢に大きなimpactを与える事は無かった。