Vandalieuの体内にAbsorptionされた【Demon King Fragment】達が突如Demon Kingのrevivalを宣言し、その直後【Demon King Fusion】skillが【Demon King】skillにAwakeningした出来事は、ZantarkやFarmoun達を大いに驚かせた。しかし、SamやBone Man達には驚いても動揺した-sama子は無かった。
『Bocchan、またSuperior Skillが増えましたな。おめでとうございます』
「Sam、Demon Kingですよ。幾らskillでも拙いのでは?」
『主よ、そのskillにAwakeningした後body partに不都合は?』
「特には無いです」
試しに肘から先を【Demon King's exoskeleton】で覆ったり、tongueを【Demon Kingのtongue】にしてみたり、頻繁に使う【Demon King's Blood】や【Demon King's Horn】を使ってみるが、特に違和感は無い。
『Bocchan、頭の中から謎の声が聞こえたりしませんか?』
『若しくは、何もかも破壊し尽くしてやろうとか、そんな危険な衝動を覚えたりとかは?』
SalireとRitaが、ありがちな展開を予想してそう尋ねてくる。Vandalieuはすぐには答えず、瞼を閉じてSelf分析を始めた。
(声は、特に聞こえない)
初めて【Demon King's Blood】をActivateさせた時のような、自分とは異なる存在の声は聞こえない。……単に口を閉じて潜んでいるだけかもしれないので、念入りにSelfを見つめ直すがやはり存在しないようだ。
次に【Out-of-body Experience】してBodyの変化が無いかSelf診断したが、それも無いようだ。
最後に【Demon King's sub-brain】をActivateさせてみたが、やはりDemon King Guduranisの意思を感じる事は出来なかった。auxiliary brainはVandalieuが予想した通りbody partの操作を司るサブの脳でしかないらしい。
ただ、使い方によってはVandalieu本来の脳が使えない状況になっても、【Demon King's sub-brain】をActivateさせていれば活動し続ける事が出来るかもしれないが。
後は、【Demon King's Eyeballs】に取りつけると若干のSelf判断Abilityを持つ使い魔として運用可能かもしれない。
「auxiliary brainの使い方は置いておいて……特にそう言った事は無さそうです。変な声も、欲望や衝動もありません」
『なら問題ありませんね!』
「ただ……以前と比べてfragmentをActivateさせるのが楽になりました。本当に手足の延長、自分自身のbody partの一部のように使う事が出来ます」
以前から「Activate」と口に出して言わなくても【Demon King Fragment】を使う事が出来たVandalieuだが、今まではmagicやMartial Artsと同じ感覚で使っていた。
しかし、今は手を伸ばすのと同じ感覚でfragmentを使う事が出来そうだ。消費するManaの量も減っている。常人にとっては莫大な量であるのは変わらないが。
もしかしたら、Vandalieuはその内無意識に【Demon King Fragment】をActivateさせるようになるかもしれない。
『それは凄いじゃないですか! おめでとうございます!』
だがどうやら問題無いらしい。普通なら危機感を覚えてもおかしくないのではないか?
そう思ったVandalieuがZantarkや、最後にDemon King FragmentをAbsorptionしたKijinの始祖を見上げてみると、ほっと安堵した-sama子で息を吐いていた。
『■■■■■~!』
『仲間もそう言っているし、問題無いだろうってZantarkが言っているぜ。俺もそう思う。
実際、fragmentをActivateした時に感じたお前-sanのManaの性質はGuduranisとは別の物のように感じた』
かつて実際にDemon King Guduranisと相対した『War-God of Fire and Destruction』Zantarkと、Demon Kingを倒したFarmounが保証したのは大きかったらしく、-sama子を見ていたMajin Raceの始祖や『Bird Beast King』Lafazも肩の力を抜いた。
『Farmoun、Demon Kingを倒した三人の中の一人として聞くが、そのManaの性質の違いとはどんなものだ? fragmentでしかDemon Kingを知らん俺には、その違いが分からん』
ただ完全には安心できなかったのか、それとも気になったのか、Majin Raceの始祖はFarmounにそう尋ねる。
『感覚的な意見で良いなら答えるが……俺が覚えているDemon King GuduranisのManaは攻撃的だった。相対しているとthrust刺さるというか、触れた場所から浸透して蝕もうとする。そんな感じだ。敵同士だったからそう感じるのも当然かもしれないが』
「敵でない者……配下に対してもDemon King GuduranisのMana、存在は攻撃的に感じられたはずです。かのDemon Kingは絶対的な力とhorrorによってReignしていたので」
originallyはDemon Kingの配下だったGufadgarnが、Farmounが当時覚えた感覚の正しさを保証した。
『そうか……それに対してVandalieuのManaは、妙な感じなんだよな』
「妙?」
思わず聞き返したVandalieuに、Farmounは『そうなんだよ』と頷きながら答える。
『纏わりついてくるような感じだが、それが別に嫌じゃないと言うか、何と言うか』
どうやら、VandalieuのManaの性質は粘着質らしい。
因みに個人が持つManaの性質と言うのは二つの意味があり、一つは持ち主が持つattributeへの適性や【Alchemy】や【Spirit Magic】への素質の有無など、aptitudeに関する意味。
もう一つは、持ち主を判別する指紋やDNAのような意味。所有者が固定されているmagic item等は、このManaの性質で正式な所有者とそれ以外を判断しているのである。
そのため、Heroic Godにまで至ったFarmounの性質が違うと言う言葉は、大きな安心材料だった。
「Van~、Luvezがfaintedしちゃった」
「ど、どうしよう!?」
ただ、PauvinaとOniwakaに宥められていた『Raging Evil Dragon God』Luvezfolは、horrorのあまりfaintedしてしまったようだが。
「……きっと疲れているんですよ。しばらく休ませてあげましょう」
「うん、そうだね」
よっこいしょとLuvezfolを持ち上げたPauvinaが、tailを引きずったままSamのcarriageに収納する。当人がfaintedしたままだが、彼のお持ち帰りが決定した瞬間である。
Zantark達はそれに対して何も言わなかったので、別に構わないようだ。Tiamatは後で、『本来ならSchneiderに倒された龍達同-sama罰せられるのが相応の者。迷惑をかける』と言いに来たが。
その彼に同情したのか、Vandalieuからモコモコとした毛に覆われたGiantなwormが出て来た。シープwormからRank6のグランHugeシープwormにRank upしたPainだ。
Painは横たわるLuvezfolを優しく包み、丸くとぐろを巻く。
『そもそもVan -kun、Job change可能なJobに【Demon King】が出たって前に言ってたじゃない』
『だったら、skillに出るくらいなんでも無いですよ』
「……そう言えばそうでしたね。とりあえずskillの具体的な効果の検証は、おいおいやっていきましょう」
こうしてrevivedらしいDemon King(二代目)の周囲は、何処かのどかな空気が流れていた。
一方、『God of Law and Life』AldaのDivine Realmでは激震が走っていた。
『主よ、templeに保存されているDemon King Fragmentの活動が一斉に活性化しました!』
『Godsからも同-samaの報告がもたらされています!』
Oracleを受け取るaptitudeを持つEileekをPopeの地位に就けるため、AldaはLight Attributeの管理に手を抜く事で皆既日食を引き起こした。
そのimpactはGodsには前もって説明してあった。Eclipseの間sealedされたEvil God (M)やEvil God (P)、一部のDemon King Fragmentが活性化し、場合によっては解放される危険性があると。
だから前もって解放される存在については、ほぼ完全に調べ上げ対策を施した。Amid EmpireやOrbaum Elective Kingdom、その他の国々で起きる事件には対応できるようにしてある。
Alda's FactionのGodsが把握しきれないDemon continentやBoundary Mountain Range内部の場合は、何か起きてもZantarkやVida's FactionのGodsが対処するはずであり、それで大きな被害が出てもAlda達にとっては何の痛痒も無い。寧ろ、好都合だ。
しかし Eclipseから一か月以上経っている今、再び【Demon King Fragment】に何かが起きている。
『主よ、これもEclipseのimpactによるものなのでしょうか?』
『いや、既に一か月以上経っている。Eclipseのimpactとは考えにくい』
『ではAldaよ、fragment共が協力して何かを企てていると言う可能性は?』
『あり得ない事だ』
【Demon King Fragment】とはChampion達によってcountlessに切り刻まれたDemon King Guduranisの肉片が、それぞれが勝手にrevivalしようとして-sama々な部位に変化した物だ。
確かにoriginallyはGuduranisと言う一つの存在だったが、ばらばらにsealedされたconditionでは意思を共有する事は出来ないはずだ。
『故に、何かが起こったのだ。fragmentよりも上位の存在……新たなDemon King、Vandalieuに』
Aldaはそう確信しており、それは正しい。
彼等のbelieverが管理する【Demon King Fragment】のsealedが弱まったのは、Demon continentにいるVandalieuが【Demon King】skillにAwakeningした瞬間だったのだから。
『templeの聖域へ注ぐ力を増やし、fragmentが鎮まるまで抑え込むのだ。他にGodsが直接sealedしているfragmentや、『Demon KingのEquipment』のfragmentがimpactを受けているか確認せよ』
Aldaの命をFamiliar Spirit達が他のGodsに伝えるために飛び立ち、そしてすぐに報告を持って戻ってくる。
『聖域に安置されているsealedは抑え込むのに成功しました! fragmentの鎮静化を確認』
『Godsが直接管理しているfragmentのsealed、変化なしとの事。impactは無いようです』
『『Demon KingのEquipment』も同-sama。ただ、全てを確認できたわけではありません』
最後の報告にAldaは苦い思いを覚えた。【Demon King Fragment】のsealedを改造しfragmentをsealedしたまま武具として活用できるようにした、忌々しい兵器。
Insanityに陥ったalchemistの実験か、それともDemon King Army Remnantsの陰謀の結果か、創り出されてしまった物だ。
Aldaを含めたGodsとしては、『Demon KingのEquipment』は認められなかったが……Equipmentを元のsealedに戻す事が出来ず、更にrunawayした【Demon King Fragment】に対してOrichalcum製の武具と同等の効果があるので、毒を持って毒を制するのだと製作技術を失伝させこれ以上改造されないようにするだけで止めていた。
だがVandalieuとの戦いには有効とは言えない事が、先の『Fifteen Evil-Breaking Swords』の一人、『Five-headed Snake』のErwinと彼の戦いで分かっている。
そうである以上早急にsealedしたかったが、異なる国家やorganizationの手にあるためそう簡単にはいきそうにない。
だが、今はimpactがないなら良いだろう。
『各自、sealedの動向を探り、監視せよ。聖域に無いsealed……templeと名ばかりのorganizationや、遺跡に放置されたsealedは我々が直接手を出す事は出来ない。必要に応じてHuman達を遣わすのだ』
再びFamiliar Spiritが伝令として散っていく。
これで、一先ずは対処できるはずだ。
『……Curatos、今回の事をどう考える?』
Aldaは自身に仕えるSubordinate Godの中でも側近と呼べる『God of Records』Curatosに問いかけると、彼は首を横に振った。
『申し訳ありません、Aldaよ。今までにない事態です、conjectureを申し上げる事しか出来ません』
『それで構わん』
『では……恐らく、特定の宿主にfragmentが、今までにない程大量の数が宿った結果かと』
『なるほど、fragmentが求めるmain bodyとはそれか。Rodcorteに大部分のsealedを押し付けたDemon Kingの魂の事だろうと考えていたが……』
Bodyのfragmentが存在するこのworldに、Demon Kingの魂を置くことはsealedされていても危険と判断した当時のAldaは、Demon Kingの魂から【Demon KingのMemory】等比較的重要ではない部分のsealedをRodcorteに任せていた。
彼は魂の扱いにかけては専門家であったし、万が一runawayしても幾らDemon KingでもBodyのfragmentがなければ力を発揮する事は出来ないと考えたからだ。
その魂をfragment達は「main body」と呼び、求めているのだろうと今までは思っていた。
『恐らくは。そしてそれは間違いなくVandalieuでしょう』
Alda達にとって現在のworldの秩序を乱す、倒さなくてはならない存在。その力が一段と高まってしまった。
『試練を与えているHeinz達の-sama子は?』
『はい、現在三十階層で足踏みをしているようです。これまでは私のrecordから再現したVandalieuの配下と同種のmonstersや、Demon King Armyのmonstersも倒してきたのですが……』
『God of Records』であるCuratosは、Alda's FactionのGodsが持つ莫大な情報をrecordしている。そして彼のDivine Authorityは、そのrecordから本物を再現する事だ。
それを用いてmonstersやVida's New Racesを再現し、『Trial's Dungeon』でHeinz達を鍛えるための障害としているのだ。その再現率は本物と見分けがつかないが、倒されれば幻のように消えてしまう。素材やMagic Stoneさえも残らないのは、このためだ。
そしてHeinz達が幾らloseも無傷であるのも、このためである。Heinz達は『街』を出る際、意識を元のBodyからCuratosが再現した自分達のBodyに入れ替えられているからだ。
戦いで幾ら傷ついても武具が壊されても、再現されたrecordでしかない。本物は無傷のままだ。
『再現したBodyに意識のみをAdventさせたHeroic spirit達相手に苦戦か……このままでは百八階層に到達するのは何時の事か』
『Aldaよ、少々試練を緩めますか?』
『いや、このまま続けるのだ、Curatos。手を抜いて、それで肝心な時に負けるようでは意味が無い。Heinz達は……Heinzには、最低でもBellwoodと並んでもらわなければならない』
『畏まりました。三十一階層以後のDemon King Armyに率いられたmonstersの再現等は、事前に決められた通り行います』
Vandalieu達はZantarkのDivine Realmと化していた火山地帯からほど近い場所に在る、彼等の町に足を運んだ。そこはRyuujinとKijinの特徴を併せ持つKiryuujinと、RyuujinとMajinの特徴を持つMaryuujin、そして少数の他のVida's New Racesが暮らす町だった。
人口は約五万人で、Boundary Mountain Rangeの都市国家のようにDungeonを利用してFarmingやFishingを行い、鍛え抜かれたWarrior達がmonstersを狩る。そんな生活をしているそうだ。
Boundary Mountain Range内部のMajin nationと比べて、KiryuujinとMaryuujinの数が随分多いが、それは『Vida’s Resting Ground』のようにsleeps事が出来る場所が無い為、彼等が全員意識を持って活動しているせいだろう。
そこでVandalieu達は歓待を受けた後、彼等が管理しているDungeonの移転や、Talosheimに居るBorkus達によるmonsters退治への協力、そしてOniwakaの留学等について話し合った。
『Evil God of Labyrinths』であるGufadgarnを始めとしたGodsがDungeonを意図的に創ったBoundary Mountain Range内部と違い、Demon continentでは町のDungeon以外は全て自然発生か、Demon King Army Remnantsによって創られた。そのため雑多な場所に在り、とても管理しきれていないのが現状であるため、その改善。
更に戦力の派遣はDemon continentのstability化と、Borkus達の訓練に役立つ。
Oniwakaの留学は……Demon continentにKijinの始祖がいると聞いたKijin王Tenmaの思いつきである。
「ここまでしてもらうのに、儂等が何もせんのではな。Oniwaka -donoの留学とやらも、儂等にとっては遥か昔に分かれた同族との交流のきっかけになると考えれば、援助と変わらん」
そう言い出したのは、この町の纏め役の一人、Kiryuujinの老人である。
このDemon continentでそれぞれの始祖とTiamatが交わって生まれたVida's New Races、KiryuujinとMaryuujinは独立したraceでは無く、それぞれKijinとMajin Raceの一種であるらしい。
「しかし金銀財宝を差し出すにしても要らぬと言うし、嫁を何人かと言ってもTiamat -samaの誘いを断る程身持ちがしっかりしておられるなら、断られるであろうしな」
そしてそう続けたのは、同じくまとめ役の一人であるMaryuujinのmaleだ。どうやら、Demon continentでTiamatの誘いを受ける事は、Honoraryな事とされているらしい。
Tiamatの誘いを断ったからには、余程の美女でなければ相手にしないだろうと判断される程に。
「勘違いされているけど、暫くそのままにしておいた方が良いよね」
「そうだな、身持ちは堅くないな」
PauvinaとOniwakaの囁きを聞き流しながら、「気にしないでください。機会があったら助けて貰う事になると思いますし」と纏め役達を説得するVandalieu。
「機会があったら、我々が助けるか……それはまあ当然ではあるな。我がraceに長年誕生していないQueenもTalosheimにはいると聞く。寧ろ、喜んで参じよう」
一見するとageに不似合いな威厳を漂わせたShoujoにみえる、Ghoul Amazonessの纏め役がそう言ってnod。
十万年前にZantarkと逃げ延びた数人のGhoulが、Tiamatの保護を受けた結果力と引き換えにfemaleしか生まれない一族になり、現在に至るそうだ。
「一族の若い娘達は、このContinentでは絶滅してしまったGhoulの男に興味津々であるし。QueenであるBasdia -samaと、話に聞いたVigaro -donoは何時来てくださるのだ?」
「まあ、それはおいおい」
Vigaroをそのままにすると、またBasdiaの異母弟Imoutoが増えるかもしれないので言葉を濁すVandalieu。とりあえず、他のGhoulのmale陣に声をかけてみよう。
「交流はin any case……やはり?」
「うむ、既にお許しは頂いておる」
「ならばそれ以外の選択肢はありませんな」
十人の纏め役達は頷き合うと、揃って席を立つとVandalieuに向かって一礼した。
「では、我等は今後Vandalieu Zakkart -donoをEmperorとしてそのEmpireに加わると言う事で」
「今よりこの町は陛下の領地、我等は陛下の民。陛下は我等のEmperor」
「どうぞ良しなに」
「……いや、ちょっと待ちましょうよ。良いんですか、そんな簡単に決めて? 町の他の人達の意見を聞いたり、色々話し合ったり、せめてTalosheimを視察してからの方が良くないですか?」
慌てて纏め役達を制止するVandalieuだが、彼等は「いえ、不満に思う者はいないでしょう」と答えた。
この町はDemon continentで唯一のHumanのcommunityだ。そのため「他国」と言う存在が十万年前から一度も存在しなかった。
町ではMaryuujinやKiryuujinやGhoul等、複数のraceが存在するが、MaryuujinとKiryuujinはどちらも親にTiamatを持つbrothersであり、Ghoul達はfemaleしか存在しないため他のraceとの混bloodによってraceを繋いできた。
そのためrace間の対立も、無い訳では無かったがとても緩やかだった。
しかも 町の外には百年前まで……Vida's New Races達にとってはちょっと昔まで、『Evil god of release』Ravovifard率いる高Rankのmonstersの群れと言う、強力な外敵が存在した。だから彼等は基本的に団結して戦う事で生き残ってきたのである。
「それに、元より我等はセイジやマツリゴトは分からん」
「今まで一度も王を頂いた事も無かったので」
そしてこの宴に集まっている町側の者が「纏め役」止まりで、長や町長等の役職の者がいないのは最初から存在しないからだった。
「我々は今までGodsのpolicyに従って町を運営してきたのだ。certainly全てにおいて指示を仰いでいた訳ではないが、町全体に関わる事には常にそうしてきた」
そしてこの町はBoundary Mountain Range内部の国々を超える宗教国家……いや、ある意味神治国家とすら言える。
Boundary Mountain Range内部の国々では一応王やQueenを任命し、それを国のPatron Godに仕える者とする事で国を維持してきた。
しかしこの町を守護するZantark達は、今も地上に存在し続けている。これはZantarkの周囲が半ば彼のDivine Realmと化しているからだ。その為多少暑い事をenduranceすれば誰でも神を訪ねて、言葉を直接交わす事が可能だ。
そのため王等の代表者を任命する必要が無く、町の人々にとって為政者と神が同一の存在であるconditionが続いていた。
「その神が構わないと言うのだから、良いのです」
そう言う事だ。
「そしてその神にChampionとして信頼されている師Artisanは、既に信用に値していると言う事か」
『おめでとうございますBocchan、国土と国民が増えましたぞ!』
『交流も上手くいきますね、Bocchan』
そう考察するLucilianoと、口々に祝福するSam達。実際、Vandalieuに拒否する理由は無かった。
originally色々と援助する予定であったし、Talosへイムから離れているが、Dungeonを利用した【Teleportation】やLegionやGufadgarnがいれば瞬時に移動する事が可能だ。
そしてこの町は深刻な問題や負債を抱えている訳では無い。同じVida's New Racesの国だし、Bone Man達Undeadには最初は驚いていたが、すぐに慣れるだろう。
「では、この町の住民を俺の国の国民として迎えます。こちらこそ末永くよろしくお願いします」
こうしてTalosheimの国土と国民が増えたのだった。
そしてTalosheimに戻る少し前、Vandalieuの姿は再びZantark達Godsの前にあった。
『やはり妾達ではblessingsを与えられなんだか。こう見えても妾は残った龍達の中では、top classなのじゃがな』
『Tiamatが無理なら、私も無理だな。最低でも、Great Godでなければ無理だろう』
blessingsを与えようとしていたTiamatやDianaが無理だと理解して、残念そうに離れる。
『■■■■■■!』
代わりにZantarkが声を張り上げ、腕を振るった。
《【Zantark’s Divine Protection】を獲得しました!》
すると脳内アナウンスが流れ、Zantark’s Divine Protectionを受け取った事を知らせる。
『儂's Divine Protectionを受け取る事は出来たか?』
そしてその途端、これまで金切り声や唸り声としか認識できなかったZantarkの言葉が、理解できるようになった。まだノイズのような物が混じっていて聞き取り難いが、言葉の意味は分かる。
『あー、Zantarkは――』
「あ、いえ。blessingsを受け取る事が出来ました。後、言葉も大体わかります」
『おおっ、本当か!? 今までZantark’s Divine Protectionを授かった者は何人もいたが、言葉が分かる者はいなかったと言うのに』
驚くGodsの中で『なら、そろそろだな』とFarmounが進み出た。
『Schneider達から聞いていると思うが、改めて頼む。すまないが俺を殴るのはAldaとの戦いが終わるまで待ってほしい』
Zantarkに通訳が必要無くなった事で、頃合いだと思ったのだろう。彼はそう切り出した。
「休戦の代わりに百回殴っても良いと言う話なら、お断りします」
『そこを何とか、頼む! 俺はまだ、消滅する訳にはいかないんだ』
生前はChampionであったHeroic GodであるFarmounはGyubarzoよりもずっと高位の神だ。だから簡単には滅ぼされない自信はある。
しかし、防御のみで回避もせずに百回もVandalieuの本気の攻撃を受け続けたら危うい。彼が本気になれば、【Death Cannon】や【Hollow Cannon】で百回攻撃できるからだ。Manaと反動を受けたBodyを癒す時間は、たっぷりある。何せこの条件では制限時間が設けられていないのだから。
それに耐えぬいて消滅を免れたとしても、深刻なDamageを受けているだろう。
だから頼むと頭を下げるFarmounに、Vandalieuは首を横に振った。
「いえ、ですから俺は貴方を殴る気が無いんです。certainly、Battle against Alda’s Forcesに共闘してくれるならですが」
だがVandalieuには、Farmounを攻撃する意思は無かった。
『何? 良いのか、俺は生前お前達……Zakkart達を信じず、結果的に見殺しにしてしまった。その上、十万年前の戦いでは俺のせいで大きな被害が出たはずだ。俺があの戦いに加わっていなければ、今頃Vida's Factionは今よりもずっと良いconditionだっただろう。
それに良かれと思って創ったAdventurer’s Guildも、Vida's Factionにとってもお前-san個人にとっても、良いorganizationとは言い難い筈だ。俺を殴る理由は、飽きる程あるはずだ』
Farmounの告白を聞いていたGodsの何人かは頷き、Zantarkは眉間に皺を寄せた。そしてVandalieuも「まあ、そうですね」とnod。
「でも俺はZakkart達のsoul fragmentから創られた魂を持っているだけで、当時のMemoryも何もありません。なので直接の恨みは持てません。
Adventurer’s Guildに関しても、あなたは遥か昔の創立者でしかありません。死んでから何千、何万年も経った後のorganizationの責任を問うのはどうかと思いますし」
創立者でHeroic GodであるFarmounだが、Adventurer’s GuildをCommanding監督している訳では無い。各branchには小さな彼のIdol Statueや、聖印が描かれたタペストリー等が飾られているが、guildの職員全員がbelieverである訳でも無い。
そのためVandalieuが今まで経験した事の責任をFarmounに問うのは適当では無い。
「それでも、一発ぐらいはと思っていたのですけどね。Daltonから話を聞いた時は」
『なら、何でその気も無くなったんだ?』
「いや、今の貴方の周囲からの扱いを見ると……ちょっと」
そう、VandalieuはDemon continentに来てから見たFarmounの現状に、同情し憐れみを覚えていたのだ。
それに気がついて思わずMajin Raceの始祖が……最もFarmounを責めていた神が小さく呻いた。
「でも、特に弁護はしませんよ。Boundary Mountain Range南部のKami-sama達、XerxやMububujenge、Zozogante。そしてVidaがあなたを殴りたいなら止めようとは思いませんし」
VandalieuはFarmounに同情し、哀れに思い攻撃する意思を失っただけだ。彼は悪くないとか、許すべきだとか、そう言う事はあまり考えていない。
だから彼に直接恨みを持っているGodsが復讐すると言うのなら、宥めるつもりは特にない。
『そうか……それで十分すぎる。ありがとう、そしてこれはSelf満足に過ぎないんだろうが……すまん』
Farmounはそう言うと、最後に再びVandalieuに向かって頭を下げた。だが彼が実際に頭を下げているのは、Vandalieuの魂の一部となった戦友たちに対してだ。
その後ろ姿をMajin Raceの始祖やKijinの始祖は渋い顔で見つめるが、不意に溜め息を吐いた。
『Kijinの……Aldaが動き出した今、昔の遺恨は一旦棚に上げないか?』
『Majinの、儂もそう思っていたところだ。Champion -donoと同じく、弁護まではしてやらんがな』
FarmounがDemon continentに来て以来ずっと憎み続けてきた二柱だったが、何時しか本当に憎んでいるのか、憎み続けるために罵声を叩きつけているのか、分からなくなっていた。
忘れて許すにはFarmounは十万年前、あまりに多くのものを奪った。しかし憎み続けるには、今の態度は殊勝すぎる。
そのためどちらにも徹せず中途半端な心境のままだったが、ようやく区切りをつけたようだ。
『すまねぇ……』
背中を向けたままMajin RaceとKijinの始祖に謝るFarmoun。会ったばかりのGodsの胸の内を察する事が出来ないVandalieuは、何となく話が纏まりそうなので良かったと思っていた。
こうしてVandalieu達は留学する事になったOniwakaを残し、一旦Talosheimに戻るのだった。
・Skill explanation::Demon King
【Demon King Fusion】のSuperior Skill。一定数以上の【Demon King Fragment】をAbsorptionし、それを繰り返しActivateさせる事でAwakeningするskill。
主な効果は、【Demon King Fragment】を自分自身のBodyと同じ感覚でActivateさせる事が出来るようになる事。目のすぐ前で手を叩かれると反射的に瞼を閉じてしまうのと同-samaに、反射的に【Demon King Fragment】をActivateできる。
他にも効果があると考えられるが、現段階では不明。
また副作用として対【Demon King Fragment】用Artifactの効果が、skillの所有者のBodyにも及ぶようになる。
このskillは【Demon King Encroachment】skillのlevelが上限に達してもAwakeningする事は出来ない。