『Trial of Zakkart』への挑戦を諦めたHeinz達『Five-colored blades』の前に現れた、謎のDungeon。それに彼等が挑んでから数か月が経っていた。
だと言うのに、Heinz達は未だに三十階を攻略できていなかった。何故ならこのDungeonで彼等に課された試練は、『Trial of Zakkart』よりもある意味ではhurdleが高かったからだ。
『諦めないだと? ならばその言葉を体現して見せろ!』
光り輝くKnight……その昔、謀反によって非業の死を遂げた主-kunの仇を討った忠義のKnight、Joshua・AlchamがMagic Swordを構え直したHeinzに向かって剣を振るう。
それだけで剣の太刀筋が鋭い衝撃波となって、Heinz達を襲った。
「くぅっ!」
盾職の女Dwarf、Delizahが前に出てそれを防ぐが衝撃の大きさに思わず呻き声を上げる。
「【極光Instant Response】!」
「【Super Instant Response】!」
その盾の陰からそれぞれ【Holy Light Armor Technique】と【Armor Technique】のMartial ArtsをActivateさせ、反応速度をincreaseさせたHeinzと、女Unarmed FighterのJenniferが飛び出し、剣を振り切ったJoshuaに向かって行く。
二人とも並のadventurerでは目で追う事も出来ない速さだったが、Jenniferの背後に黒いshadowが出現した。
「あぶねぇっ!」
そのshadowがthrustだしたscimitar、片刃の曲刀を肉厚のknifeで受け止めたのはscout職のEdgarだった。
『scout職が守りに徹するとは、随分余裕があるようだな』
そんな事を言いながらEdgarから離れたshadowは『God of Judgement』NiltarkのHeroic spirit、Lukeだった。
「クソ、こいつ嫌味しか言えないのか!?」
『俺ですら成し遂げられなかったPure-breed Vampire殺しをやった後輩がどれ程の物かと期待していれば、この程度だ。嫌味の十や二十は出るだろう?』
身に覚えのない罪で処刑されそうになったところをNiltarkのOracleを受けて脱獄し、法の裁きを逃れている千の悪を裁いたと伝わるHeroは、存外饒tongueだった。
しかし Heroic spiritの言葉は一瞬でMentalに伝わるので、会話に時間はほぼかからない。EdgarがLukeを止めた隙に、HeinzとJenniferはJoshuaに肉薄している――はずだった。
『immature! immature! 圧倒的immatureぅ!』
Jenniferの前に立ちはだかった男によって、彼女は止められていた。
「かはぁ! こいつ……速い上に重いっ」
彼女の拳を主体にした【Unarmed Fighting Technique】のMartial Arts、男は同じく【Unarmed Fighting Technique】のMartial Artsで受け流し、逆にCounterを入れてきた。
『そんな事では、Demon Kingを倒すどころか一瞬で屍を晒す事になるぞ! このimmature者め!』
男の名はGorsh。Demon King Guduranisとの戦いでBellwoodを庇って命を落とした、Heroic God BellwoodのHeroic spiritである。
そしてHeinzもJoshuaに辿りつけずにいた。
「まさか、ビクともしないとは。なんて堅牢な守りだ」
『この程度で【Radiant God Swordsmanship】、【Holy Light Armor Technique】とは……name負けも甚だしい。-kun達の言う輝きとは、Demon Kingの前には淡い蛍の光に過ぎない。一瞬で掻き消されて終わりだ。
こんな事では、この『Championの試練』を攻略する事は千年かけても無理だと思いなさい』
Heinzの剣を盾で受けきったElfのfemaleは、Filrietta。十万年前のAldaとVidaの戦いで、当時のNineroadの傍らに仕えた、彼女のHeroic spiritだ。
そしてJoshuaの更にrearguardに佇む女Mage……『God of Fire Dance』ForganのHeroic spirit Paulaが無慈悲に告げる。
『そろそろ終わりにしましょう。あなた達のClericはManaがほとんど残っていないようだし、この術は避けられないでしょうから』
彼女の杖から放たれた炎は、dance狂う-samaな複雑な軌道で、しかし素早くHeinz達に向かって殺到した。
気が遠くなったと思った次の瞬間、Heinzは背中に衝撃を受けて目覚めた。
「がはっ! ……また三十階を攻略できなかったか」
悔しげにそう言う彼の額には汗で前髪が張り付いているが、それ以外の激しい戦闘の痕跡は何一つ残っていなかった。
火傷を含めた傷や、武具の損傷すら消えている。body partはFatigueしているが、Statusを確認してもVitalityは減っていない。Manaが減ったままでなければ、まるで夢を見ていたかのようだ。
Heinzが振り返れば、他の仲間達の姿もある。certainly彼同-samaに無事だ。
底をついていたDaianaのManaはそのままだが、深い傷が刻まれ砕ける寸前だったDelizahの盾すら元通りになっている。
「まさか、Heroic spiritとの戦いが続くとは……Manaの配分を間違えました」
「Daiana、-kunが気にする事は無い。詫びるのは、指示を出したleaderの私だ」
そう話す二人に、Edgarは力の無い笑みを浮かべて「いや、どっちも気にするなよ」と言う。
「誰だって、まさかHeroic spiritと三連戦……それも最初は一人で二戦目は二人だったのに、三戦目でいきなり五人とやらされるとは思わないだろ。しかも、明らかにこっちのparty構成に合わせて来てる。
勝てるかって話だぜ」
Heroic spirit……それは生前にHeroとして相応しい活躍をした者の魂を神が昇華させた存在だ。基本的にはFamiliar Spiritと同じ性質の存在だが、役割が異なる。Familiar Spiritを神に仕えるcivil officialとするならHeroic spiritは武官だ。
神の補佐をするのも人々をGuiding役割も同じだが、Heroic spiritには更にDivine Realmを守り、非常時には地上にAdventして邪悪と戦う役割も課せられている。
殆どのHeroic spiritは生前から武威に優れた者が選ばれるため、場合によっては戦闘が不得意なGodsよりも高い戦闘Abilityを持つ事も珍しくない。
そのため多くの場合戦闘で使用される【Familiar Spirit Advent】skillでも、Heroic spiritをその身にAdventさせる【Heroic Spirit Advent】skillの方がSuperior Skillであるとされていた。
Rankにすれば最低でも12と言われているが、実際に戦ったHeinz達にはそれは過小評価としか思えなかった。
Heroic spirit達はほぼ全員がSuperior SkillにAwakeningしており、しかもそれを使いこなし、高い密度でCoordinationしてくるからだ。
Heroic spiritが一柱の時はHeinz達も数とCoordinationを頼りに押し切る事が出来た。二柱でも、それは可能だった。だが五柱となると、逆に圧倒されてしまった。
「そもそも……Heroic spiritって言うのは簡単には……国の一つや二つ滅亡しても、地上にAdventしないって話じゃ無かったっけ? それなのに何でDungeonの中に居るのさ」
Jenniferが、地面に倒れたまま呼吸を整えながら、そう文句をつけた。
実際、歴史上Heroic spiritが地上にAdventしてその武威を振るった事は数えるほどしかない。Human同士の戦争はcertainly、Dungeonからmonstersが溢れるrunawayや、【Demon King Fragment】の出現、Evil God (M) Evil God (P)の暗躍程度ですぐHeroic spiritがAdventする事は無いのだ。
Heroic spiritが直接地上にAdventすると力を大きく消費し、その後一万年は眠らなければならなくなるからだと伝わっているが、それだけでは無い。
GodsがHeroic spiritを派遣して全ての悪を正していては、人々に成長は無い。それに悪の数があまりにも多すぎて、Heroic spirit達は全員眠りについてしまうだろう。
その時真に強大な邪悪……狂ったGreat God ZantarkやBoundary Mountain Rangeに巣食うPure-breed Vampire、潜んでいるEvil God (M) Evil God (P)が動き出したら、それこそworld全体の危機だ。
実際Heinz達だけでrunawayした【Demon King's Nose】をsealedする事が出来たし、Pure-breed Vampire Terneciaをあと一歩のところまで追い詰め……止めを刺す事が出来た。
『Thunderclap』のSchneiderは個人でも邪悪な龍やEvil God (M)を倒したというし、『True』Randolphも現役の頃は【Demon King Fragment】やEvil God (M) Evil God (P)の使徒を相手に活躍していた。
だからHeroic spirit達は地上にAdventする事は滅多にない筈なのだが……このDungeonの三十層では常にHeroic spiritが出現していて、ありがたみも何も無い。
「maybe、Dungeonだからでしょ」
Delizahが汗を袖で拭いながらそうconjectureした。
「Kami-samaやHeroic spirit -samaの事情は分からないけど、このDungeonは特殊みたいだから。これまでの階層でもMythやlegendでしか聞いた事が無いmonstersが出てきて、倒したら死体も残さず霞のように消えた事がしょっちゅうあったでしょう? あのHeroic spirit達も同じようなものなのかも」
三十階に至るまで、Ghoul WizardやGhoul Amazoness、Bone Fort等、希少なmonstersを倒してきたHeinz達だったが、死体は素材やMagic Stoneも残さず幻のように消えてしまった。
それがこの『Trial's Dungeon』では続いている。
「あれも、幻みたいなものだって言うのか? あたしにはとてもそうとは思えないけど……」
Gorshと拳を合わせたJenniferには、あれは本物のように思えた。見た目だけでは無く、息遣いや相手の汗の臭いまで、生きているHumanとしか思えなかった。
いや、それを言うなら今まで倒してきたmonsters全てが幻とは思えない存在感だったが、Heroic spirit達はそれ以上のリアルさがあった。
「ああ、Lukeのbastardの嫌味も、あのCoordinationや武術の冴えもただの幻とは思えない。だから、幻で作ったbody partにAdventしている-samaなconditionなんじゃないか? 【Familiar Spirit Advent】のSuperior Skillには、Heroic spiritをbody partに降ろす【Heroic Spirit Advent】ってskillもある。なら、そんな事も可能かもしれない」
「幻で作ったbody partに、Heroic spiritがAdvent……そんな事が可能なのか、Edgar?」
「さあな。思いついた事をそのまま言ったまでだ。そもそもHeroic spiritなら、skillでAdventさせられるお前の方が詳しい筈だぜ。
さて、雑談はここまでにして『街』に戻ろうぜ」
そう言いながら立ち上がったEdgarは、『街』に向かって歩き出してしまう。
……そう、この『Trial's Dungeon』の中には『街』が存在する。Dungeonに入ったHeinz達を最初に出迎えたのは、その『街』だった。
古めかしいArchitecture -sama式の街並みに、奇妙な衣服を纏ったHumanやElf、Dwarfが行き交う街だ。宿や酒場、武具を手入れしてくれるBlacksmith屋や道具屋があり、そして今まで見た事の無いtempleがあった。Aldaはcertainly VidaやZantark、既に滅びたはずの『Giant God』Zernoを含めた全てのGreat Godを等しく奉じているtempleだ。
そんな『街』で唯一浮いているのは、単独で設置されているJob change roomぐらいだった。それさえなければ現代の何処かの街だとHeinz達も思っただろう。
Heinz達は『街』のすぐ外に設置されている通路から今まで辿りついた各階層に向かう。そして敵にやられると今のように無傷のconditionで『街』の入り口に戻されるのだ。
そして『街』からDungeonの外に出る事は出来ない。
「しかし、『Trial of Zakkart』もそうだったが、このDungeonの難易度は別の意味でおかしいな。普通なら、私達は何度死んでいるか分からない。
だが、この分では何時になったら外に出られるのか分からないな」
『Trial of Zakkart』よりも出現する敵が強く、しかし絶対に殺される事は無い。それはHeinz達を最低限Heroic spirit達よりも強くしなければならない、しかし決して失う訳にはいかない『God of Law and Life』Aldaがひねり出した最適な試練の形だった。
「まだ三十階で足止めされているからね。そもそも、このDungeonが何階まであるのかによるけど。まさか三十一階までって事は無いだろうしね。
Selenの所に帰るのは、まだまだ先になりそうだ」
Jenniferのぼやきに、Heinzは外に残してきたDhampirのShoujoの事を思い浮かべる。この奇妙なDungeonの中でも、実のImoutoや娘同然の彼女の事を思わない日は一日たりとも無い。
だがそれ以上に気になる事もあった。
「Heroic spirit達が口にする『新たなDemon King』……runawayした【Demon King's Nose】が向かおうとしたmain bodyを倒す為に、Aldaは私達の前にこのDungeonを出現させたのだろうか」
GufadgarnがBishoujoの寄り代を創り、それに宿った経緯をZantark達に説明したVandalieuだったが、ZakkartがBishoujoを求めていたという誤解は、完全には晴れなかった。
何故なら、全て誤解とも限らなかったからだ。
『まあ、彼も男だ。異性に関心があるのは普通の事だろう』
『特にあの頃は誰も彼も、妾も余裕が無かった。そんな時Bellwoodが見せびらかすようにして連れ歩いていたからな。流石の奴も自覚は無かったと思うが』
『酒の席での愚痴でもあるし、特に誰と契りを交わしていた訳でもないのだからそれぐらい言うだろう。ZakkartのBodyも十代の物に若返っていたのだし』
そして『Giant of the Moon』Dianaや『Mountain Queen Dragon God』Tiamat、それにKijinの始祖もZakkartの愚痴に理解を示したのだった。
『私達が驚いたのはGufadgarn、お前がその寄り代にSpirit Cloneでは無くmain bodyを宿らせている事だ。両性、もしくは無性なのは分かったが……思い切りが良すぎると思う』
「私なりに考えた、Zakkartの望みに最も沿う方法がこれだったのだ。ならば、躊躇う理由は何処にもない」
『だとしても普通は自分がBishoujoになるのではなく、Bishoujoと縁が出来る-samaに巡り会わせるのが神だと思うが。Age of Gods EraのGoddessでもあるまいに』
「……その手段は、思いつかなかった。何たる深い思慮……Demon King Armyが敗退したのも頷けるというものだ」
仮面のような無表情でも分かるほど驚愕を露わにするGufadgarnに、Dianaは『いや、そんな特別な事では無いぞ』と苦笑いを浮かべた。
『縁も所縁も無いanother worldに招くのだから、それぐらいはするべきだとZuruwarnが主張したと聞いている。それにRicklentも、loverや友人が出来た方がChampion達の意思もこのworldに根付くだろうと言っていたし、誰も反対しなかった』
どうやらMythに残るBellwoodのlegendには、そんな真実が隠されていたらしい。
『それは初耳だ』
『……俺も初めて聞いたんだが』
Gufadgarnだけではなく、それまで黙っていたFarmounも驚いてDianaに聞き返す。
『それはそうだろう。お前達を召喚する前の話だ。それに戦争が激化すると、縁を結ぶ余裕も無くなって行ったので、結局成功したのはお前とBellwoodぐらいだったそうだ』
どうやら、Mythに残るBellwoodのepisodeにはこんな真実が隠されていたらしい。
「ZakkartやArk、それにNineroadにはそうした事はしなかったのですか?」
『ZakkartやArk達Production related Championの場合は彼等があまり前線に赴かず、工房に籠る事も多かったので上手くいかなかったらしい。いわゆる、出会いが無かったと言う事だな。彼等を召喚したVidaやRicklent達には、他の思惑もあったのかもしれないが』
『Nineroadの場合は、巡り合わせの問題であろう。Shizarion達Great Godがした事は、Champion達が異性と縁……友人以上の関係になれるようきっかけを与えただけで、見合いをセッティングした訳ではなかったからの。まあ、妾達は仕組んだ本人では無いので、気になるなら直接聞くがよかろう』
どうやらGodsの干渉は、「introductionはするけれどその後は当人達の問題」程度のものだったらしい。
Zantarkは『まさかあの時のあれは』と視線を向けるFarmounに対して、曖昧な笑みを浮かべて視線を逸らしたが。
「申し訳ありません、Vandalieuよ。私が至らないばかりに」
「いえいえ、今のままでお願いします」
至っていたら、今よりとんでもない事になっていたのは確かだろう。そう思いながらGufadgarnが膝を突こうとするのを止めさせると、Vandalieuは話題を変えようと試みた。
「ところで、【Demon King Fragment】やDemon King Army Remnantsのsealedはありますか? あれば、お互いの利益の為に処理しますが」
【Demon King Fragment】のsealedはGodsが直接押さえ込んでいる場合、Orichalcum製Artifactのsealedよりもstabilityするが、負担も大きい。
『ああ、頼む。俺が管理していた分は、Amid EmpireやOrbaum Elective Kingdomのtempleで管理されていて、持ち出せなかったが』
「そこを何とか」
『悪い、無理だ。約五万年前にお前-sanが現れる事を予見していたら、多少強引にでも幾つか持ちだしたんだが……』
FarmounがAlda's Factionから離れた当時の【Demon King Fragment】はGodsから見てもただの危険物で、とてもsouvenirになるような代物では無かったのだ。【Demon KingのEquipment】に加工するにしても、Farmounにその技術は無いし、できたとしてもMajin RaceやKijin達があんな危なっかしいものを使うとは思えない。
『当時のこいつがそんな物を隠し持っていたら、我々は何かを企んでいるに違いないと邪推して全力で追い返していただろう』
『そして、今から取りに戻るのは無理だ。Aldaもworldの維持のためにFire-Attributeの管理はさせてくれているが……戻ったら管理以外出来ないように妙な細工をされかねない』
Majin Raceの始祖とFarmounの説明に、「なるほど、それは残念です」と納得した。
『や、やはり我を喰うのか!? い、嫌だぁ! 消滅は嫌だぁ!』
「怖がらなくても大丈夫だよ。一度Talosheimに戻って、Fidirg達に意見を聞くまでは保留って、Vanが言ったでしょ」
「そうだぞ、どうどう」
一方PauvinaとOniwakaは、処理という言葉に怯えだしたLuvezfolを宥めていた。horrorのあまりもがこうとする翼をPauvinaが優しく抱きしめる……ような体勢で押さえ込み、Oniwakaが首を両腕で抱えるようにして固定する。
まるで小動物のような扱いだが、特殊なsealedによってWyvern並の力と似たappearanceにされているLuvezfolは、この場に居る者達にとっては正に小動物並のかweak存在にすぎないのだった。
『……はい、お騒がせしてすみませんでした。我もう大丈夫です』
「そう、良かった~」
自分をこのまま圧殺可能な、身長三meterで恐らく体重もそう変わらないPauvinaの微笑みに、Luvezfolは動く事は出来なかった。
……それに冷静に考えてみれば、下手に抵抗して彼女達を傷つけた場合本当にVandalieuに処理されてしまう。
(しかし何故我が「保留」で、Zantark達がsealedしたDemon King Army Remnantsは「処理」なのだ? Demon King Army RemnantsのEvil God (M) Evil God (P)は我と違い奴に直接不利益をもたらした訳でもないのに)
ただ内心ではそう訝しく思うが、それはVandalieuに直接命乞いをしたかの違いだった。VandalieuがLuvezfolに情けをかけたともいう。
そう考えるとsealedされていて命乞いの機会も与えられないEvil God (M) Evil God (P)達が哀れかもしれないが、それはこれまでの行動の結果である。
allyに出来るか否かを判断するためにsealedを解いて話をしようとしたら、逃亡を試み暴れだして周囲に被害が出たりしたら意味は無い。
『■■■■■~■■■■■■、■■』
「我々がsealedしているfragmentは幾つかある。ただ、やはりAlda's Factionが管理するfragmentには及ばないのが実情だと、Zantarkは言っています。
Demon Kingが倒された当時AldaはChampionを三人抱えており、sealedと相性の良いDivine Authorityを持っていたのでそれも仕方がないかと」
逆にZantarkはDemon King Guduranisが倒された時、正気を失っていたので戦いに参加もしていなかった。彼等が持つ【Demon King Fragment】のsealedは、Vidaと合流した後彼女達に管理を頼まれた物だ。
『十万年前の敗戦でここまで撤退する時に、Aldaの走狗に向かって投げつけたりしたからな。思えば我も若かった』
『……Kijinの、その投げつけられたのが俺なんだが』
どうやらfragmentのsealedまで追っ手の足止めに使ったらしい。
「なるほど。正義をself-proclaimedするAlda達もfragmentをrunawayさせる訳にはいかない以上、足を止めてsealedを回収しなければならない訳か」
『実際それで足を止めた訳だが……そう言えばお前-san達は俺達を見ても平気なのか? Undeadはin any case、お前-sanはHuman……だよな?』
「辞める事を考えてはいるが、まだHumanだね。だが私の汗を見て、平気だと思っているのかね?」
『いや、汗をかくだけで済んでいるなら十分だと思うが……』
この場に集まっているGodsは大物ではあるが、殆どはこのworldに属する神だ。そのため、Evil God (M) Evil God (P)のように姿を見ただけでMentalに異常をきたすと言う事は無い。……それでも気のweak者ならfaintedするだろうが。
ただZantarkや『Bird Beast King』Lafaz等、Evil God (M) Evil God (P)とFusionしているGodsもいる。
『Farmoun、彼等の中に常人はいないはずだと言っただろう。我々を見たくらいで正気を失うのなら、Champion -donoを見てとっくにそうなっている』
「うむ、その通り。-kun達には悪いが、師Artisanの姿の方がおかしい」
「……その言い方はどうなんでしょうか? 身に覚えがない訳でもありませんが」
そう言うVandalieuだが、彼の【Demon King Fragment】をActivateさせた戦闘formを見慣れている事以外にも、Lucilianoを含めた全員が常人の枠から、実力的な意味ではみ出していると言う理由もあった。
特にUndeadの場合、正気を失っているconditionが正気のようなものだ。それらの要因が合わさって、この程度で済んでいるのである。
「よしよし、良い子だ~」
Oniwakaの場合は、Luvezfolを見る事で現実逃避しているような気もするが。
『【Demon King Fragment】はin any case、Evil God (M) Evil God (P)は一度に食べて大丈夫か? 我々がsealedしている連中はどれもこれもRavovifardの同類のような奴等だから、喰らうのは一柱ずつにした方が良いのではないか?』
「確かに、stomachもたれしそうですね」
Dianaの言うRavovifardの同類に対して、Vandalieuがimageしたのは脂ぎった肉の塊だった。
あれも中々美味だったが、流石に続けて食べるのはstomachに悪そうだ。本物の肉なら串に刺して焼いて余分な脂を落とすなり、lemon汁などをかけてさっぱりした味にする等色々方法があるのだが。
『いや、そうでは無くてBodyや、特にMentalにimpactが出るのではないかと心配しているのだが』
『陛下、一刻を争う訳ではないですし、Demon King Army Remnantsを食べるのは一日一柱にしましょう』
Vandalieuはあまり自覚していないが。Evil God (P)を食べた結果【Body Stretching:tongue】skillを獲得し、tongueが伸びるようになった事がある。
一度に複数そんな事になったら大変だと心配した周囲の者達によって、余裕がある時は一日一柱と言う事になったのだった。
だが【Demon King Fragment】は問題無いだろうと、次々にAbsorptionしていく。
『ふぅ、【Demon King Fragment】から解放されて久しぶりに気分が良いな。それをなしたのがVida -samaの玄孫に当たる新しいChampionとは感慨深い……どうじゃ、後で妾と一種創らんか?』
「そんな軽く新race Creationに誘われても」
『Bocchanには色々先約があるんです!』
『Kami-samaでも順番は守ってください!』
『むぅ、先約ならば仕方がない。KiryuujinやMaryuujinに続く第三の種が生まれると思ったのじゃが』
そう言いながらTiamatは引き下がった。流石Mythの時代から-sama々な龍やgiant、Beast Kingとの間に子をもうけたGoddessは違う。
VandalieuやOniwakaがKijinとMajin Raceの始祖に視線を向けると、視線を逸らしたりばつが悪そうに頭を掻いたりした。
『我らの子の多くは『God of Warriors』Garessや『God of Battleflags』Xerxが保護してくれたのだが……その分我々が連れて逃げる事が出来た子等の数は少なかったのだ』
『それ故、力を取り戻すのにbelieverと成り得る子が必要だろうと……な』
どうやら、そう言う事らしい。このZantarkのDivine Realmと化している土地の近くに、KijinとRyuujinの両方の特徴を持つKiryuujinと、MajinとRyuujinの特徴を持つMaryuujinが多く住む町があるらしい。
「Schneider達からの情報には、そんな話はありませんでしたが?」
『こやつ等が昔なじみのZorcodrioやJurizanapipeに知られるのを嫌がっての。初心な事よ』
どうやら、特別助けが必要と言う事も無かったのでSchneider達にはKiryuujinやMaryuujinの存在を教えていないらしい。
余程知られたくなかったらしい。
「俺には教えていいんですか? 昔馴染みどころか、VidaのDivine Realmに招かれた事もありますけど」
『……遺憾だが、気まずいからと何時までも黙っている訳にもいかん。それにSchneider達には出来ない事を汝らに頼みたい』
「なるほど。分かりました……あ、fragmentをAbsorptionするのでそのままじっとしていてください」
『ところで我がsealedしているfragmentはauxiliary brainなのだが、大丈夫か?』
auxiliary brain。Vandalieuが知るauxiliary brainとは、Bodyの制御を行う器官だった気がする。確か、思考やMemoryの蓄積を行う部位ではなかった気がする。実際にauxiliary brainを持つ生物が存在するのかは、知らないが。
「Demon Kingの意思を感じた事や、Memoryを見た事はありますか?」
『いや、無い』
「なら大丈夫でしょう」
《【Demon Kingのretina】、【Demon Kingのlens】、【Demon Kingのcompound eyes】、【Demon Kingのlips】、【Demon Kingのtongue】、【Demon Kingのgills】、【Demon King's sub-brain】、【Demon King's Blood Vessels】、【Demon Kingのbump】を手に入れました!》
《【Demon Kingのretina】、【Demon Kingのlens】が【Demon King's Eyeballs】に、【Demon Kingのlips】が【Demon King's Jaws】にintegrationされました!》
auxiliary brainを含めた幾つものfragmentをAbsorptionしたが、やはりDemon King Guduranisの意思やMemoryを感じ取る事は出来なかった。しかし、fragment達が何時になく騒ぎ始めた。
(main bodyに合流した! main bodyに合流した! 我等はmain bodyに合流した!)
(今ここに我等はrevivalせり!)
《【Demon King Fusion】skillが、【Demon King】skillにAwakeningしました!》
Vandalieuが止める間もなくfragment達は歓喜の叫びを上げ、次の瞬間【Demon King Fusion】がSuperior SkillにAwakeningしてしまった。
どうやら、fragment達の認識ではDemon Kingはrevivalしてしまったらしい。
「……ちょっと困ったかもしれません。すみません、ちょっと相談があるのですが」
【Demon King】skillを獲得したimpactが自分に出ていないか、Vandalieuは周囲の皆に相談する事にした。
・Name: Heinz
・Race: Human
・Age: 28
・Title: 【Blue-flame Sword】 【New Vampire Hunter】 【Sword Saint】 【One who tears through the darkness】
・Job: Immortality Slayer
・Level: 55
・Job History: Apprentice Warrior、Warrior、Swordsman、Magic Sword User、Magic Warrior、Holy Warrior、Avenger、Sword Saint、Holy Guider、Sealing Magic Swordsman、Holy Sword User
・Ability Values
Vitality: 78,800(6,850UP!)
Mana: 47,498+(4,749) (11,347UP!)
Strength: 9,450(975UP!)
Agility :12,529(951UP!)
Endurance :13,675(975UP!)
Intelligence :7,797(700UP!)
・Passive skills
Augmented All Attribute Values: Medium
Abnormal Condition Resistance:9Lv(UP!)
All-Attribute Resistance:9Lv
Strengthened Attack Power while equipped with a sword: Very large
Mana Cost Reduction:10Lv
Detect Presence:7Lv(UP!)
Revenge: The Trial of Zakkart(Trial of Zakkart停止により、Lost!)
Strengthened Attribute Values while equipped with metal armor: Very large
Guidance: Holy Path:5Lv
Mana Enlargement:1Lv(NEW!)
・Active skills
Radiant God Swordsmanship:7Lv
Holy Light Armor Technique:5Lv(UP!)
-Transcend Limits-:10Lv
Transcend Limits – Holy Sword:1Lv(Transcend Limits – Magic Sword awakened into!)
Coordination:10Lv
Light-Attribute Magic:9Lv
Life-Attribute Magic:9Lv
No-Attribute Magic:2Lv
Mana Control:9Lv(UP!)
Clergyman:6Lv
Heroic Spirit Advent:1Lv
Etiquette:4Lv
Surpass Limits: Magic Armor:3Lv(NEW!)
・Unique skill
No-Life Killer:1Lv(Undead Killer awakened into!)
Alda’s Divine Protection:Great Hero’s Destiny
Evil Suppression:6Lv(UP!)