そのEclipseを、『Lambda』worldの各地で-sama々な者達が目にしていた。
Godsは今日がAlda's FactionがHuman達の社会、Amid Empireへのinfluenceを増すきっかけの日になると注目していた。
Ricklentは『Aldaはworldをage of the godsに巻き戻すつもりか』と顔を顰め、Zuruwarnは更に面倒事が増えそうだと嘆き、Vidaは深いため息をついた。
そしてRodcorteはAlda's Factionが本格的に動き出した事を認めつつも、未だ彼等と協力する事を躊躇っていた。
『Alda's Factionに協力すると、たとえVandalieuとBoundary Mountain Range内部のVida's New Racesが一掃されたとしても、私は『Lambdaの神』として認知され続けてしまうかもしれない。迂闊には手を出せない。
Fitunの憑代となったHajime Inui、Elective Kingdomに潜んでいるMurakamiが成功してくれれば……だと言うのに、既にHajimeを支援する事が出来ないとは』
『God of Thunderclouds』Fitunに改造されつつあるHajimeとは、Rodcorteとのpsychological繋がりが断たれている。recordを見る事は可能だが、Oracleを下す等手出しは出来ないconditionにあった。
『まさか私が半ば以上見限っていたReincarnatorに目を付ける神がいるとは……。
だがFitunは、Alda's FactionのWar Godでも力のある神の筈。その憑代と成り、Familiar Spiritでは無くSpirit Cloneを降ろしているconditionなら、私が新たにblessingsを与える必要は無いか』
神としての格ではRodcorteの方が圧倒的に上だが、やはりGod of ReincarnationとWar God 's Divine Protectionではどちらが戦闘に向くかは明らかだ。
与えたblessingsやFortune、Target Radarが現在どうなっているか確認できないのが気になるが、強引に介入するよりも今のまま放置した方が良いだろう。
『ならば、支援はMurakami達に行うか。Asagi達への支援は私が口を出すまでも無く、Aran達が行うだろう……気のせいか?』
ふと自身のDivine Realmに違和感を覚えたRodcorteだったが、侵入者のsignは無くCircle of Reincarnation systemに何者かが接触した-sama子は無い。
やはり気のせいかと納得すると、今度は『Origin』に目を向ける。
『Rokudou Hijiri。Pluto達がいなくなった事で潰えたはずのdeath attributeの研究を続けるつもりのようだが、今のままでは無駄に終わるのは間違いない。やはり、私が止めるまでも無い。
『Origin』のHuman達が、何をしてもdeath attributeは二度と手に入らないのだと思い知るための教訓と、Amemiya Hirotoの踏み台には丁度良いか』
地上ではAmid Empireの現Emperor Mashkzarが、「やはり起きたか」と苛立ちを諦観に変えて溜め息と共に吐き出していた。
宮-donoから見上げるEclipseは、彼の目には禍々しく映ったがあれが神の意思だと言うのなら仕方がない。
「今まで散々信仰を利用してきたのだ。立場が逆になったからと言って、文句をつけるのは筋違いなのだろうが……」
神は人の為に存在するが、人は神の為に存在するに非ず。それがMashkzarの神に対する認識だった。
その上で彼の望みは、Amid Empireの存続と繁栄だ。Emperorを名乗る以上、それが当然。しかし、templeの力が増せばそれも危うくなる。
templeで説かれる教えと、国の利害は一致するとは限らないからだ。
Mashkzarも別に好んで悪を成そうと考えてはいないし、善行を積む事で国が富むなら喜んでそうする。正直に、誠実に、偽りと悪徳を廃し、邪悪を撲滅するために剣を振るえば良いのなら、Mashkzarもそうした。
しかし現実はそうでは無い。countlessの陰謀を成し、他人の悪徳は糾弾するのではなく秘して利用し、白を黒に、黒を白にする事が求められる。
Aldaが廃するべしと教えるVida's New Racesも、根絶せずにやり過ぎない程度に抑えなければならない。民やNobleが所有するSlaveを強制的に集めて処刑しても予算が減るだけで、得られるのは経済の疲弊とSlaveを所有できる中流層以上の者達からの反感だけだ。
各地にあるVida's New Racesの隠れ里への遠征を繰り返せば、戦費と将兵を浪費するばかりだ。確かに、遠征が成功すれば一時的にSlaveや財宝を得られるかもしれないが、Vida's New Racesの隠れ里があるのはHumanが治めるのには向かない土地ばかりであるため、優良な領地は得られない。
Sauron領にあったScylla Autonomous Territory等がいい例だ。Humanが住めない訳ではないが、十分な領地収入を得るためには大規模な開拓か、先住していたVida's New Races達のwisdomと技術が必要になる。
そんな土地を領地として与えるのは、将兵たちにとっては刑罰に等しいだろう。certainly、Mashkzarもそんな辺境にEmpireの直轄地が増えても喜べない。
だからVida's New Racesは、属国が付け過ぎた力を削り取るためのrasp代わりや、国民の不満を受ける生贄の羊役、そして労働力として残しておくのが丁度良いのだ。
このEclipseの預言をもたらした次代のPope、Eileekがそれを考慮するだろうか?
「『零剣』のCarmine、余が帝位を保てるのはどれ程の間だと思う?」
Mashkzarがそう尋ねると、彼以外無人の筈の私室に前触れも無く壮年の男が現れた。直属の秘密部隊、『Fifteen Evil-Breaking Swords』の司令塔である『零剣』のCarmineだ。
今は老齢の為現場から退いているが、彼自身も元『Fifteen Evil-Breaking Swords』の正規memberである。
「随分と悲観的ですな」
「当たり前だ、相手は神とそれに選ばれた聖人。Emperor如きの権威で勝てるはずがあるまい。天からの光に包まれVoice of Godを聞けば、どんな堅物でもdance狂うものだ」
Human、誰もが自分は特別だと思いたいものだ。legendのHeroが持っていたUnique skillを、もし自分も持っていたら。そうした想像を誰もが一度はした事があるだろう。神's Divine Protectionや声は、それを甘く刺激する。
そしてVoice of Godに従う事で「正しさ」が保証され、逆らう事で「悪」の証明となってしまう。
「治世を維持する上でAldaの教えは都合が良いと、利用しすぎたな。こんな事なら、余が帝位についた時に国教をZuruwarnかRicklent、Botinに変えるべきだった」
「御冗談を。Botinはまだしも、国民を全てZuruwarnやRicklentのbelieverにするなどInsanityの沙汰です。十年ももたずEmpireがDecayしますぞ」
Carmineがそう言いながら苦笑いをする。ちなみに、PeriaがCandidateに挙がらなかったのは国教に据えた場合、属国の一つであるSea Nation Kallahadが聖地になってしまいそうだからだ。
「無論、冗談だ。さて、恭順を示しつつ裏で抵抗を続けるとして……どんなに悪足掻きをしても五年と持たんだろう。悪ければ半年で王冠の代わりに縄を頂く事になるな。つくづく、我が子をSchneider達一党に潜り込ませておいて良かった。最悪でもbloodは残る」
そしてbloodが残れば、限りなく零に近くてもEmpire再興の可能性も残るだろう。
「そんなに悲観なされるのであれば、いっそSchneiderやBoundary Mountain Rangeの向こうのVandalieuに保護を求めますか?」
「Carmine、それこそ冗談だ。余はすぐさま殺され、それで終わりだろう」
「陛下を生かしておけば利用価値があると考えるのでは?」
「いや、奴らにとって余に……Empireを追われて命乞いをするEmperorに価値は無い」
Schneiderの場合はoriginally潜在的な敵同士である以上に、既にEmperorのbloodを引くchild……Siegと名付けられたらしい男子がいる。Emperorのbloodを利用する気なら、Mashkzarを消して幼いSiegを傀儡にした方が良いだろう。
……彼の気性だと、そうした事を考えなくてもMashkzarを殺すだろうが。
Vandalieuの場合も、権威を失ったEmperorに用など無いだろう。拉致した前Marme Dukeを人質として利用しない点から考えても、やはりMashkzarをすぐ始末するだろう。
「いや、幼い子や姫達なら案外受け入れるかもしれんな。余の直系でないなら、尚更。……検討するとしよう」
Mashkzarは寿命がHumanより長いHalf-Elfであるが故に、今までSuccessor作りは最低限にしてきた。今からchildを作っても、生まれた種によっては彼より早く死んでしまうからだ。
その分直系のchildの数が少なく、Sieg以外にはまだ少年とも言えない幼い皇子が一人しかいない。
他の親類を残せるのなら、一人でも生き残らせた方が後の為になるだろう。
Mashkzarはそう頷いた時、私室のドアがノックされた。Eclipseが預言通りに起きた事に対して、至急会議を行う必要があると言うPrime Ministerからの報せであった。
「分かった、すぐ向かおう」
Mashkzarがそう答える前には、Carmineは姿を消していた。
Eclipseが起きた事を知ったBirkyneは、苛立ちと焦燥を抑えるために指を噛んだ。
「拙い……Aldaが動き出すのは拙い……!」
十万年 Bahn Gaia continentの闇を牛耳ってきた、『Evil God of Joyful Life』Hihiryushukakaを奉じる三人のPure-breed Vampireの一人である彼だが、それは『God of Law and Life』Aldaと渡り合ってきたからではない。
誘惑したHuman達を操り、その背後に潜んでいたからだ。
age of the godsが終わり、人治時代の始まりと共に作られたHumanの国の複雑な階Class社会は、Birkyne達が暗躍するのに十分な暗いshadowを内包していた。
それにBirkyne達は適応していたのである。certainly、それでも危機に陥った事が何度もあった。その度に力を合わせて乗り越えて……逃げ切って来た。
だがここ数万年はそういった危機に陥らず、彼等の闇での地位は安泰だった。
その結果それぞれの派閥を纏める三人のPure-breed Vampire達の結束は緩み、仲間は蹴落とすべき競争相手となってしまった。それがVandalieuの出現と重なり、十年に満たない時間でTerneciaとGubamonは滅ぼされてしまった。
「このtimingで、今更Aldaが動くだと!? ふざけるなぁっ! age of the godsに逆行でもするつもりかっ、地上にAdventする事も出来ない身で!」
苛立ちと悔しさを怒りに変え、噛んでいた自身の爪を指ごと喰い千切り、bloodの混じった咆哮を上げるBirkyne。
一度癇癪を起こすと部下もmansionも全て破壊するまで止まらない事で知られるため、既に彼の周囲には部下は一人もいない。
空気が咆哮で震え、繰り返した地団駄が床材を砕きそのまま一階に落下する。無人のmansionに轟音が響く中、一階に着地したBirkyneは、そのまま腕の一振りで壁を砕く。
「……いや、Aldaを罵っても何も変わらないな。私とした事が」
壁を破壊した事で、Eclipseを直接目にしたBirkyneは冷静さを取り戻した。黒く陰っていても、久しぶりに太陽を目視した事でInsanityが静まったのかもしれない。
「Aldaは我々の事等眼中に無い……いや、事のついでに一掃しようとするだろうが、その程度だ。我々は十万年前から『Evil God of Joyful Life』を奉じ、Vampireを増やしてきたのだからね。
ならば、やはりAldaが動いた原因はVandalieuか」
ここまで性急にAldaが動く理由と言えば、それしか思いつかない。それなら、物のついででしかない自分はorganizationと一族の大部分を切り捨て、数名の腹心と隠れ潜むという手もあるかとBirkyneは思った。
どうせAldaが始めるだろう不完全なage of the godsは、千年と持たないだろう。その間何処かで眠り、Aldaが力を失って地上から離れた隙に、再びHuman社会の裏で根を張るのだ。
神が直接治めようが、所詮Humanの本性が変わる事は無い。一握りの善良で純粋な者と同じ数だけ、悪徳だけで構成された者がおり、それ以外の大多数はどちらにも転ぶ半端な者達だ。
その大多数の者達を誑かし、利用すれば良い。大きく減った一族を増やし、再びorganizationを創り上げるのだ。
「いや……もしVandalieuが勝てば千年後に私を待っているのは確実な敗北。そうでなくても、眠っている間にAldaの手の者に見つかれば命は無い。
やはり、穴熊を決め込む訳にはいかないか。Mortor! Mortorはいるか!?」
「はっ、ただいまっ!」
mansionの外に避難していたらしいBirkyneの四人の腹心の一人、Dwarf生まれのNoble-born Vampireがmasterの元に駆けつける。
「食事をご入り用でしたら、すぐにご用意いたしますが……」
何時もより早く癇癪を治めたmasterの機嫌を伺うMortorに、Birkyneは「いや、喉は乾いてないよ」と穏やかな微笑で返した。
「あの、Vandalieuに接触したHuman達の動向は掴んでいるね?」
Birkyneは、Sauron Duchyの旧Scylla Autonomous Territoryを配下に見張らせていた。そのためKanakoやAsagiがVandalieuと接触した事に気がついていた。
「はい。Kanako Tsuchiyaと他二名はVandalieuと共に姿を消しましたが、Asagi・Minamiと他二名は現在Sauron Duchyで【Demon King Fragment】のsealedに関わる文献や、その物を探しているようです」
一度捕捉すれば、各guildに根を張るEvil God (M)派のVampireの情報網を辿ればnameをすぐ調べる事が出来る。
organizationの再編が未だ完全では無い現在でも、それくらいは可能だった。
「【Demon King Fragment】のsealedの文献はin any case、その物を? 随分と危険な真似をしているな。another worldから来たHumanともあろう者が」
「なっ!? あのHuman共はanother worldから来たのですか!? 確かに、聞き慣れない名だとは思いましたが……」
驚くMortorに、そう言えば教えていなかったなとBirkyneは口を開く。
「恐らくそうだろう。Bellwood達も、最初は彼等のように妙なnameだったのさ。たしか……Showヘイ・スズキだったかな?
それに、結局彼等の出身地は分からなかったのだろう?」
「はい、目下調査中です」
Mortorは手の者にAsagi達が登録を行ったAdventurer’s Guildの周辺の町や村を調べさせているが、誰も彼等の事を知らなかった。親brothersはcertainly、幼馴染や友人知人の一人も見つける事が出来ない。
それは、あまりにも妙だった。
Adventurer’s Guildへの登録は、branchなら何処でもできる。そしてAdventurer’s Guildのbranchは、町なら必ずある。
だからadventurerを志す者は、当然生まれ育った場所から一番近いAdventurer’s Guild branchで登録を行う。態々遠いbranchに向かい、路銀を消費しmountain banditに襲われる危険性を冒してまで登録する利点が無いからだ。
「それも、奴らがanother worldから突然現れたと言うのなら納得がいきます。なるほど……しかし、Kanako Tsuchiyaと仲間のMelissa J SaotomeはElfで、もう一人のDoug AtlasはHumanですが普通のnameですが?」
「さあね。そっちは知らんよ、どの道Vandalieuと一緒に消えたのなら、追えないんだ。再び姿を現すまで無視しておこう。
それよりも彼等が相次いでVandalieuと接触したという事は、やはり彼もanother worldから来た? いや、another worldにはHumanしかいないはずだ。だとすると何故……?」
Vandalieuがanother worldから召喚された存在ではないかと疑いを持つBirkyneだったが、another worldの死者をMemoryと人格をそのままのconditionでこのworldにreincarnationさせた神がいるとは、彼も気がつかなかった。Circle of Reincarnationの概念を知っているが、それだけに前世のMemoryや人格は来世に持ちこせないと言う常識も知っているからだ。
「まあ、それも彼等を調べれば分かる事か。彼等がどの神によってこのworldに召喚されたのか、そしてその思惑も合わせて。
それで調査の進捗具合は?」
尋ねられたMortorは肩を震わせて平伏し、声を絞り出すようにして答えた。
「それが……奴らの一人、Tatsuya・Tendouが妙に勘が鋭く、思うように近づけません。折を見て支援者を装った手の者を接触させる予定ですが……」
「なるほど。神から与えられた力かもしれないな……では通常ならしないような方法で探りたまえ。何処にでもいるmouseや鳥、蝙蝠等の使い魔を遠く離れた場所から……いや、いっそ地下室に籠もってそこから使役するとか。
若しくは、気づかれるのを承知の上で探り、そのTendouと言うHumanを観察するんだ。何度か繰り返せば、そのTendouが何故こちらの手の者に気がつくのか分かるだろう」
「か、畏まりました」
失望した-sama子も無くそう命じるBirkyneに、Mortorはほっと安堵した-sama子で更に頭を下げる。だが顔を上げた彼が目にしたのは、clawsの生えた指だった。
「次の報告では、私の期待に応えるように。いいね?」
Birkyneが五本に戻った指で何かを掻き斬るような仕草をしながらそう告げると、Mortorは「御意っ!」と半ばscreechに聞こえる返事を残して、逃げるように去って行った。
「もしAsagiと言うHumanがVandalieuと敵対関係にあるなら、奴らも交渉の材料になる。【Demon King Fragment】について調べているのも、Vandalieuに与える為ではなく対抗するための何らかの手段を探そうとしているのだとしたら、理想的なのだが」
Birkyneはこの束の間のage of the godsを、Vandalieuが勝つ事に賭けた。その上で、休戦協定を結びAldaと共に彼が疲弊するか、死ぬまで息を顰める。そしてその後、再び社会の闇にReignする事を目標に定めた。
たとえDark Elfが母親でも、DhampirはUnaging不死では無い。数千年は生きるだろうが、やはり一万年は生きないだろう。
VandalieuがいなくなったTalosheimなら、Boundary Mountain Range内部なら、自分が返り咲く芽もあるはずだ。そう考えているBirkyneは、Vandalieuが【Youth Transformation】の術を使える事をまだ知らない。
Bahn Gaia continentの南の深海にsealedされていた『Evil God of dark seas』Gyubarzoは、Insanityの声を上げた。
『愚かなGodsめ! 何故Eclipseを起こしたのかは知らんが、感謝してやるぞ!』
その姿は、Evil God (M) Evil God (P)の中では比較的simpleと言える。魚の頭部にfangsをぞろりと生やした口、scaleに覆われた四肢にヒレの生えたtail。細部は異なるが、ほぼGillmanと同じだ。
ただ大きさは城を越え、大型の帆船を一掴みに出来る程の巨体を誇っている。
『Eclipseのお蔭で、海は星々も無い暗闇となった! ZuruwarnとRicklentのFollowersの監視も無く、Tristanの施したsealedが弱まった今、この我を縛るものは何も無い!
集まれっ、我がFollowers共!』
Gyubarzoの叫びが冷たい深海に響き渡ると、闇の中から次々に彼のFollowersが現れた。
「ギュブブ!」
「ギョッパブギュゲ」
口々に神であるGyubarzoを称える言葉を唱えるのは、馬の代わりにサメや深海魚に似たmonstersにMountしたGillmanの群れだ。
GyubarzoはGillmanを創り出した邪悪なGodsの一柱であり、その中でも特に『God of the Seas』Tristanと激しく争ったEvil God (M)だった。
激戦を繰り返した末にTristanと、彼に協力したGodsの手によってsealedされてしまったが、FollowersであるGillman達に命じ続けていた。Tristanに祈る者を、TristanのFollowersを殺せと。
GillmanがHumanと見なすraceの中でも特別Merfolkを憎悪するのは、彼等を創り出した邪悪なGodsの多くがGyubarzoのように、『God of the Seas』Tristanを恨んでいるからだった。
そして自由となったGyubarzoがまず恨みをぶつけるのも、やはりTristanとその子等であるMerfolkであった。
『我に続け! この海からTristanとそのFollowersを、そして海を往く全てのHuman共を排除し、我等が真の支配者だと証明するのだ!』
Gyubarzoは海の底を蹴ると、千を超えるGillmanの精鋭を引き連れ海面に向かってincreaseを開始した。
闇を見通す彼の目には、海面を往く一隻の船を捕えていた。underwaterで息をする事も出来ない下等生物が使う船を、彼はTristanとMerfolkの次に嫌悪していた。
『revivalの祝いだ! 腹の足しにならんだろうが、喰らってやろう!』
船を嫌悪している彼だが、船を破壊して乗っているHumanを海に落とすのは大好きだった。ヒレも水掻きも無い手足でもがく姿は、堪らなく滑稽だ。
その船はどうやら龍のFollowersに船を引かせているようだが、Gyubarzoはそれをteethにもかけずまず船を狙おうとした。神の身にとっても永かったsealedからの解放感が、彼から慎重さを奪っていたのだ。
『んっ!?』
そのGyubarzoが一瞬動きを止めたのは、自分を覗き込む二つの大きなeyeballに気がついたからだ。
そのeyeballに宿った、青白い輝きが強くなって行く。
『何だあ――』
何だ、あれはとGyubarzoが言いきる前に、eyeballから光が放たれた。
「Cuatroの真下、五百meterぐらいにGiantなGillmanっぽいshadowが」
『こいつぁでけぇ! Talosheimの王城より大きいですぜ!』
暗い海の中も、【Dark Vision】skillを持つVandalieuやUndead達は見通す事が出来る。流石に海underwaterの不純物までは透視は出来ないのではっきりとは見えないが、Gyubarzoの巨体は見逃しようが無かった。
『如何します、主? Leoは潜るのはあまり得意では無いので、迎え撃ちますか?』
『idiot言ってんじゃねぇっ! Cuatroが沈んじまうぞ! 大急ぎで逃げるんだよぉっ!』
落ち着き払ったBone Manに、彼と同じくboneしかない元海賊船の船長が食ってかかる。ここ一週間の航海でLeoやBone Manが適度に弱らせたmonstersを倒し、Rank upしたCuatroと船長達だがそのRankはまだ5程度だ。とてもGiantなGillmanを相手に出来る程では無い。
寧ろ、近くで暴れられただけで余波で海の藻屑になりかねない。彼が慌てるのも当然である。
『面舵いっ――』
「狙いがずれるので、このままでお願いします」
『取り消しぃ! この場で停止しろぉぉっ!』
Vandalieuは元船長の叫びを聞き流しながら、antennaの先端でActivateさせた【Demon King's Eyeballs】で照準を定め、【Demon King's Luminescent organs】を最大限Activateし、光線を続けざまに放つ。
海が青白く輝き、何かの耳障りな吠え声がPauvinaやOniwakaの耳にthrust刺さる。
「な、何て不気味な声だ……!」
「煩いよね」
Instinct的なhorrorを隠せない-sama子のOniwakaに、耳を手で押さえるだけのPauvina。
『Bocchanっ、仕留めましたか?』
Samの問いかけに、Vandalieuは海面に垂らしていた二本のantennaを引き上げて答えた。
「……外れました。どうやら、水で光線が拡散してしまったようです。ただGiant Gillmanに掠りはしたので、Damageは与えたと思いますが」
その頃水深約五百meterでは、Gyubarzoが耐えがたい苦痛に咆哮を上げていた。水で歪曲し拡散されたお蔭で直撃こそしなかったが、青白い光の柱は彼のscaleを引き裂き、肉を焦がしていたのだ。
致命傷には程遠いが、生皮を剥がされたような激痛は彼のprideを大きく傷つけた。
『これは、Demon King -samaのsign……!? そんなBAKANAっ、Demon King -samaが……Demon Kingが健在の筈が無い。ならば【Demon King Fragment】を宿したHumanの仕業か!
おのれっ! 敗北しfragmentを利用されるDemon Kingも、それを利用する小賢しいHumanも、何と忌々しい!』
怒りに任せてGyubarzoは再びincreaseを開始した。あの光線を幾度撃たれても、海の中である限り本来のAttack Powerは出せないだろう。そもそも、幾ら【Demon King Fragment】を宿していても脆弱なHumanの身であれほどの光線を何度も放てるはずがない。
撃てたとしても、後一発か二発のはず。
『我のrevivalに泥を塗ったHumanめっ! 我がfangsで引き裂いてくれる!』
数を三分の二ほどに減らしたGillmanの群れを引き連れて、Gyubarzoは再びCuatroに狙いを付けた。
『そう言えば、Zadiris -sanがunderwaterではLight-Attribute Magicが効きにくいって言っていましたね』
『【Demon King's Luminescent organs】の光線も、光なのは変わらなかったようですな。それでどうしますBocchan? 【Hollow Cannon】の出番ですか?』
特殊spaceであり、通常なら破壊不可能なDungeonすら破壊するHollow King Magicの【Hollow Cannon】なら海中のGiant Gillmanでも倒せるのでは?
しかし VandalieuはそのSamの質問に首を横に振った。
「【Hollow Cannon】なら水で拡散する事は無いと思いますが、軌道上の物も消滅させながら進むので……from here Giant Gillmanに向かって放つと、Cuatroの下に大渦が出現する事になるかもしれません」
『ひぃっ!? そんな事になったらまた沈没してしまうっ!』
『難破するのはもう嫌だ~っ!』
恐れ知らずの船乗りたちも、二度目の海の藻屑は嫌なようでscreechを上げた。
『でもどうするんで? あっしの電撃は光以上に拡散しますぜ』
『私の炎はまず届かないですし』
『アタシのcoldは、もっと近づかないと……って、また近づいて来るよ!』
海を覗き込んでいるOrbiaがGyubarzoが再びincreaseを始めた事に気がついて声を上げる。
「仕方ない……決定打には欠けますが、Barrageしますか」
そう呟いたVandalieuは【Demon King's Jointed legs】をActivateさせ、背中から蜘蛛の足を思わせる八本のArthropod Legsを生やした。
「【Death Cannon】、一斉砲撃」
黒い光線がGyubarzoに向かって降り注いだ。光線と言っても、実際には凝縮されたdeath attributeのManaであるためunderwaterでも拡散せず、Gyubarzoのbody partに直撃した。
『――――!?』
先程の光線と比べれば圧倒的に細い、しかし強固なscaleや肉、boneすら無視して命を直接削り取ろうとする【Death Cannon】の一斉砲撃に、Gyubarzoは声にならない絶叫を上げた。
だが流石は神と言うべきか、Gyubarzoはまだ死ななかった。
『アアアアアアアアア!』
海面に向かってincreaseするのを止め、screechを上げたまま逃走に移る。数秒前に誤った判断を下した自分を罵る事も忘れる程、死に物狂いで海水を掻き、少しでもCuatroから遠ざかろうする。
八発の【Death Cannon】はGyubarzoのVitalityとManaを大幅に削り取り、心を圧し折るほど追い詰めたのだ。
『Bocchanの【Death Cannon】に耐えきるなんて……何者でしょう?』
「攻撃した時、【God Devourer】skillがActivateしたので、Evil God (M)かEvil God (P)の類だと思います。位は……FidirgやZozoganteよりちょっと上くらいかな?」
「神!? じゃあ、逃がすと拙いんじゃないか!?」
Oniwakaが顔を青くする。神は基本的に、Aldaの『Pile of Law』等のDivine Authorityを受けない限りどんな傷でも回復する。必要な時間は神としての格やbelieverの数によって変わるが……深海から延々狙われ続けるのは確かに拙い。……傷の再生を止める【Healing Negation】のmagicをかけるには距離があり過ぎるし、そもそも何年も効果を持続させる事は出来ない。
深海に潜まれては流石にVandalieuでも殺しに行く事は出来ないし、magicも攻撃も届かない。
『一旦Cuatroを装備してmidairに退避して、海面に上がって来るのを待つべきでしたな、主よ』
戦術的な失敗をBone Manに指摘され、Vandalieuは「全くです」と頷いた。Gyubarzoが海面近くまでincreaseするのを待って攻撃していれば、Bone ManやLeoも戦闘に加わる事が出来たし、Orbia達の力を借りたDead Spirit Magicも効果を発揮する事が出来た。
「仕方ありません。もうそれなりにManaを使ったのですが……使い切ってでも禍根を断っておきましょう。皆はSamに乗ってついて来てください」
そう言うとVandalieuは【Flight】してCuatroから飛び上がると、遠ざかりつつあるGyubarzoを追った。
そしてCuatroから十分に離れた頃に、Gyubarzoの真上で指先にManaを集中させる。
『Bocchan、我々はどうすれば?』
「俺が合図をしたら、あのGiant Gillman神に向かって全力で攻撃してください。
では……【Hollow Cannon】」
Vandalieuの指先から黒いManaの光線が放たれ、海を穿つ。spaceが軋み、海水が砕かれ、柱状に何も無いspaceを作りながら海底までthrust進む。
『ギュガアアアアアアア!?』
突然周囲の海水が流れを変え、猛然と渦を巻き始めた事でGyubarzoや彼と共に逃げていたGillman達がscreechを上げた。
『なるほど、今ですぞ皆-san!』
「は~いっ!」
『ヂュオオオオ!』
『後で回収するのが難しそうだから、boneは投げない方が良いと思います!』
「的が大きい分、当てやすいな!」
『まあ、参加する事に意義がありますよね! 【Screw Projectile】!』
PauvinaやOniwaka、Bone Manが石や槍を投げ落とす。特に成果を上げたのは、Rank11のTartarus Maid ArmorにRank upしたRitaの投げ槍と、Salireの【Archery】によるSustained Fireだった。
Death Iron製の槍と矢が、Gyubarzoの再生して間もないためまだ柔らかいscaleを容赦無く貫く。
だが追い詰められ弱っていてもGyubarzoは神。それぐらいでは倒す事は出来ない。
「【Hell Thunderbolt Spear】、【Crimson Ice Execution Circle】、【Great Bone Flame Jailing Destruction Bullet】」
しかしそこにVandalieuの【Dead Spirit Magic】が降り注ぐ。Trial of ZakkartでそれぞれRank upしているKimberlyが変化した黒い雷の槍、Orbiaが変化した氷のGiant円刃、止めにPrincess Leviaが変化した大型船も噛み千切れる程Giantな髑髏のchinに、Gyubarzoは為す術も無く蹂躙された。
『giveバアアァァァァァァ……海上にこそ、真の闇があったか……』
海の支配者だと思い込んできたが、それは海にしかReignできない弱者の思い込みだった。打ちのめされたGyubarzoは絶対的な敗北感を味わいながら、渦に呑まれて消滅した。
「なんだか、失礼な事を言われたような気が……おっと」
ふらりと、Vandalieuが体勢を崩した。意識が危うくなるほどManaを消費してはいなかったが、長時間【Hollow Cannon】を持続して撃ち続けた反動でLeft Armだけでは無く左半身全体にDamageが及んでいたせいだ。
すぐ体勢を立て直そうとしたが、その前にしっとりとした手がVandalieuの右手を掴んだ。
「迎えの時間には少し早いけど、Rank upした姿を見て欲しかったのと、こっちでも何か起きてないか気になったから来たのだけど……やっぱり何かあったの?」
白い簡素なone pieceを着た、漆黒の髪と瞳をしたabnormalに白い肌のShoujoがmidairに浮かんだまま尋ねる。
Vandalieuの視界の隅で、SamやPrincess Leviaが驚いている。彼は微かに見覚えがある姿と、よく聞き覚えのある声のShoujoに訪ねた。
「もしかして、Plutoですか?」
尋ねられたPlutoは、嬉しそうに微笑んだ。
「ええ、私はLegionのPluto。この姿で会うのは、十年ぶり以上ね」
彼女のずっと下の海では渦が鎮まり、バラバラになったGyubarzoのBodyが次々に浮かび上がっていた。
気がつくとEclipseは終わり、明るい太陽の輝きがworldを照らしていた。
《Manaが五千万、Vitalityが一万上がりました!》
《【Mysterious Strength】、【Rapid Regeneration】、【Hell King Magic】、【Magic Resistance】、【Mana Recovery Rate Increase】、【-Transcend Limits-】、【Hollow King Magic】、【Multi-Cast】、【Dead Spirit Magic】、【Surpass Limits: Fragments】、【God Devourer】、【Soul Devour】skillのlevelが上がりました!》
・Name: Salire
・Rank: 11
・Race: Tartarus Maid Armor
・Level: 77
・Passive skills
Special Five Senses
Physical Ability Enhancement:10Lv
Water-Attribute Resistance:10Lv
Physical Attack Resistance:10Lv
Self-Enhancement: Subordinate:10Lv(UP!)
Self-Reinforcement: Murder:10Lv(UP!)
Murder Healing:9Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Creator:6Lv(UP!)
Strengthened Physical Ability: Spirit Form:5Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:5Lv(UP!)
Strengthened Attack Power while equipped with a spear: Small(NEW!)
Magic Resistance:1Lv(NEW!)
Mana Enlargement:1Lv(NEW!)
・Active skills
Housework:6Lv
Halberd Technique:10Lv
Coordination:9Lv(UP!)
Archery:8Lv(UP!)
Spirit Form:10Lv
Long-distance Control:10Lv
Armor Technique:10Lv
Aura of Fear:8Lv(UP!)
No-Attribute Magic:3Lv
Mana Control:4Lv
Water-Attribute Magic:5Lv(UP!)
-Surpass Limits-:4Lv(UP!)
・Unique skill
■■■■ルー's Divine Protection
・Name: Rita
Rank: 11
・Race: Tartarus Maid Armor
・Level: 79
・Passive skills
Special Five Senses
Physical Ability Enhancement:10Lv
Fire-Atribute Resistance:10Lv
Physical Attack Resistance:10Lv
Self-Enhancement: Subordinate:10Lv
Self-Reinforcement: Murder:9Lv(UP!)
Murder Healing:9Lv
Strengthened Attribute Values: Creator:6Lv(UP!)
Strengthened Physical Ability: Spirit Form:5Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:5Lv(UP!)
Magic Resistance:1Lv(NEW!)
Mana Enlargement:1Lv(NEW!)
・Active skills
Housework:5Lv(UP!)
Naginata Technique:10Lv
Coordination:9Lv
Archery:8Lv(UP!)
Throwing Technique:10Lv
Spirit Form:10Lv
Long-distance Control:10Lv(UP!)
Armor Technique:10Lv
Aura of Fear:6Lv
No-Attribute Magic:2Lv
Mana Control:3Lv(UP!)
Fire-Attribute Magic:5Lv
-Surpass Limits-:2Lv(NEW!)
・Unique skill
ヴ■■■ル■'s Divine Protection
・Monster explanation::Tartarus Maid Armor Luciliano著
Tartarus……師Artisanによると、あの世やHELLを意味する言葉の一つらしい名を冠するLiving Armorである。
appearanceはlivingジェノサイドMaid Armorの時と変わりは無いが、より濃密な【Aura of Fear】を纏うようになり、師ArtisanやLegionによると、「悪の女幹部っぽさ」が増したらしい。
そしてもちろんだが、Lambda初のmonstersだ。そもそもLiving Armor系のUndeadは、多くの場合素材になった鎧によってRankやその強さが決定される。
いくら元がmagic itemの鎧だったとはいえ、11までRank upする個体なんて普通はいないのだ。
RitaとSalireの戦闘Abilityは、一人でもAClass adventurerに匹敵し、二人揃えば【Coordination】 skillの効果も合わせて更に強くなる。
本人達は、『Demon KingでもあるBocchanのMaidらしくなった』と喜んでいるようだ。