Selfが発生した瞬間をGufadgarnはMemoryしている。
親に当たる存在のInstinctに則った活動の結果生まれ、そのままInstinctに従い生き続けたら、悪魔のような偶然の繰り返しによって神に至った。それがGufadgarnと言う存在の半生だ。
Gufadgarnは『Earth』の蜘蛛、若しくはアリジゴクに相当するraceに生まれついた。『Earth』と違うのはそのraceはInstinctの一部としてSpace-Attribute Magicを操り、spaceを歪めてTrapを張りそこにかかった他raceをeating preyする生物であるという事だった。
Instinctに従うだけで思考力をほぼ持たない原始的なrace。そこから神に至る個体はGufadgarnが初であった。しかし、神に至った瞬間GufadgarnはそのInstinctを失ってしまったのだ。
Trapを仕掛け後はただ待つという生態故に闘争Instinctも狩猟Instinctも薄く、単生殖で分裂するように増える為にlibidoも無い。そして神に至った結果、appetiteも睡眠欲も失ってしまった。
その代償に得たのは元のraceでは持ち得なかった思考力やMemory力、神としての力だった。
しかし Gufadgarnはそれらを活かす事が出来なかった。僕である元同族達は彼の意思を理解する事も出来ず、繁栄をもたらす意味も弄ぶ甲斐も見出せなかったのだ。
神に至ったGufadgarnは、それ以外何も思いつかないために神に成る前の事を繰り返すだけの日々だった。違うのは、仕掛けられるTrapがより大きく、より複雑に変化していった事だ。
その内新たにDemon KingとなりworldにReignしたGuduranisによって、another worldへの侵略が始まった。逆らうという発想が無かったGufadgarnは当然Demon Kingに従い、『Lambda』への侵略に加わった。
『Lambda』ではDemon Kingが模倣したCircle of Reincarnation systemと、それを利用したmonstersのProductionにおいて、彼の創るTrapがDungeonとして有用に機能した。
だがそうした力を持つ者はGufadgarn以外にも『Evil God of Demon Castles』等他にもっと強力な力を持つ存在が既にいた。更にDemon Kingによって数多くのEvil God (M) Evil God (P)がDungeonをCreationする術を習得していった。
そのためGufadgarnはただただ他のGodsの間に埋没していった。
そんな時、Gufadgarnに呼びかけたのがChampion Zakkartだ。彼を認め、必要とし、求めた存在。
Gufadgarnはその時こそが、己が真に誕生した瞬間だとMemoryしている。
『ここがDungeonの宝物庫に相当する場所、Zakkartの工房をそのまま取り込んだ場所です』
直接見る事でVandalieuが、Zakkart達のsoul fragmentを組み合わせて創られた魂を持つ存在だと気がついた彼は表面上冷静に、新たな主とその仲間達を案内した。
しかし主とその仲間達は宝物庫の前で立ち止まってしまった。
「この、周りで群れている苦悶の声を上げるcountlessのGhostは何でしょうか?」
何故ならGufadgarnが内心誇らしげに案内した宝物庫の周囲には、千を優に超えるGhostが「オォォォ……」と苦悶の声を上げながら漂っていた。
生前の姿形を失い、漠然と人の顔の形をした千を超える人魂が上げる、苦悶の声のオーKestラ。GhostはRank2のmonstersに過ぎないが、その悍ましさは計り知れない。
『試練の結果死んだ、Alda's FactionのGodsのbeliever共の成れの果てです』
そして真実は、Aldaやそのbeliever達にとってより悍ましいものだった。
『Alda派のGodsにこの『Trial of Zakkart』の情報を渡さぬ為、Familiar SpiritやHeroic spiritになり敵の戦力に加わらせぬため、幽閉しこれまで我が力の一部として利用していました』
神の力は信仰だが、その信仰には恐れや畏怖も含まれる。祈りよりも得られる力は少ないが、塵も積もれば山に成る。
Gufadgarnが特殊性と難易度が規格外な『Trial of Zakkart』を維持運営する事が出来た要因の一つが、このGhostの群れなのだ。
しかし、もう用済みである。
『申し訳ありません、今すぐ虚空の彼方へと追放し始末します』
ちょっとroomが汚れているから、すぐ片づけるね。そんな感覚でGhost達を処分しようとするGufadgarn。Ghost達がhorrorとdespairに戦く。
「ちょっと待ってください、Ghostは使えるかもしれないのでそのままで」
『畏まりました』
そしてVandalieuが止めた瞬間、spaceを歪めるのを止めるGufadgarn。Ghost達は安堵の声を上げ、【Hell Demon Creator Path Enticement】skillの効果で、Vandalieuの周囲に集まり出す。
「凄い光景だけど……見分けは付きそう?」
スキンHeadで目と口の位置に黒い穴がある事で辛うじて人魂だと分かる。そんなconditionのGhostに囲まれるVandalieuの姿に、合流したEleonoraやIrisは顔を強張らせた。
Undeadに慣れている彼女達だが、VandalieuがTamerしたGhostは実体が無い事以外は生前の姿形を保っている。これほどまで姿を崩したGhostの群れを見た事は、殆ど無いのだ。
「んー……ほぼ無理ですね」
喉を撫でられて気持ち良さそうに唸り声を上げるGhostを観察しながら、Vandalieuは答えた。
個人の特定どころかraceやage、性別すら見分けられる自信は無い。
この中にHeinzの仲間だったElfの女Spiritual Mage、MartinaのGhostも含まれている筈なのだが。
「MartinaってnameのElfはいますか?」
念のために訪ねてみたが、Ghost達は呻き声を上げるばかりで意味のある言葉を答えない。
いや、比較的最近死んだらしいGhostが答えた。
『しラなイいぃぃ』
「……ありがとうございます」
どうやら、ダメらしい。
『お探しのGhostがいるのですか? それは申し訳ありません』
Vandalieu達の挙動に注目していたGufadgarnだったが、詳しい会話の内容までは聞いていなかったらしい。石像や氷像の前で何かしているのも、てっきりUndeadの材料にするための死体を見繕っているのだと考えていたようだ。
certainly Vandalieu達の中にPrincess Levia等のGhostがいる事も知っているが、彼女達はGufadgarnも見た事が無い高RankなGhostだ。それなのにこのGhost達を必要とするとは思わなかったのだろう。生前はAClass adventurerだった者も混じっているが、今はRank2のGhostでしかないのだから。
「もしや、Gufadgarnでも見分けが付けられないのか?」
Boundary Mountain Range内出身のGizaniaが思わずそう呟くと、それに気がついたGufadgarnがピクリと肩を震わせる。
『誠に、重ね重ね申し訳ありません』
そしてその場で許しを請うように、Gizaniaに向かって頭を下げた。
『己の目が節穴だった事を棚に上げ怨念を高め、私のManaに当てられGhostと化した彼等が勝手な事を……遺産の破壊や他の挑戦者に助言を試みる事が無いようにと、短期間で人格やMemoryを失うように仕向けておりました。
そのMartinaと言う名に覚えはありますが、その者がこの中の誰なのかは最早見当がつきません。
全ては私の管理Abilityの無さ故。Gizania -dono、どうぞ罰をお与えください』
「ば、罰っ!? そ、そんな恐れ多いっ 頭を上げてくれ! Zanalpadnaを含めた全てのBoundary Mountain Range内に生きるraceは、今もあなたの恩恵を受けている、謝るのは軽はずみな発言をした拙者の方だ!」
ぎょっとして仰け反り、千切れそうな勢いで首を横に振るGizaniaだが、Gufadgarnはまるで岩のように動こうとしなかった。
『お言葉ですが、私が過去成した事は関係ありません』
「何故っ!? 数々の偉業が歴史に残っているのに!?」
「そうでござるよ! Kijin nationやRyuujin nation、Majin nation周辺のDungeonを創って汚染されたManaを前もって抑え、管理できる形にしたり、『Vida’s Resting Ground』を創ったり!」
「父-sanからも、Zantarkは親父、Xerxは叔父貴、Gufadgarnは親方だと教えられています! どうか頭を上げてください!」
Gizaniaだけでは無くCrystal EmpusaのMyuzeと、Majin化してMajin King Godwinの養女になったIrisが何とか彼が平伏するのを止めさせようとする。
彼女達の慌てようから、GufadgarnがBoundary Mountain Range内の人々からどれだけ畏敬の念を注がれているか分かるだろう。
だが本人はそれを顧みるつもりは無いようだ。
『いいえ、今の私は神である前にVandalieuの僕。senpaiである皆-samaに、新参者の私が礼を持って接する事の何処に問題があるのでしょうか。
皆-samaも、私の事は新人の召使いか従僕とお考えください』
一旦顔を上げるとそう言って、Gizania達だけでは無くEleonoraやLegionと言った面々も視界に入れて再度頭を下げるGufadgarn。
「ちょっとっ! それって私達も入っているの!?」
「いや、それはかなり具合が悪いのじゃが……」
それまで内心緊張しながらも-sama子を見ていたEleonoraとZadiris達、自分達も含まれていると知り、顔を引き攣らせる。
『certainlyでございます、Eleonora -sama、Zadiris -sama』
「なんで-samaをつけるの!?」
『Vandalieuの将来妻と成る方々に敬意を払うのは従僕として当然の事です』
Gufadgarnは動揺しているVandalieuの仲間達全員を、本気でヒエラルキーにおいて自分より上に存在すると認識していた。例外は、元挑戦者のGhost達ぐらいだ。
何故なら彼は、ついほんの数分前配下に加わる事を認められたばかりの新参者で、それに比べて彼女達は『Trial of Zakkart』に挑む前からVandalieuに仕え、侍って来た存在だ。どちらがsenpaiか、考えるまでも無い。
そこに神と人の関係性は意味を持たない……Gufadgarn以外は「そんな事は無い」と言うかもしれないが。
「わ、私は元Evil God (M)派のVampireで、貴方方を裏切ったPure-breed Vampire Terneciaの側近だった者です。それでもですか!?」
『certainlyです、Bellmond -sama』
それにはVida's New Racesだけでは無く、謎のchunk of meat(Legion)やHuman、そして元Evil God (M)派のVampireであるBellmondやEleonoraですら含まれる。
何故ならVandalieuが仲間として認め、傍に置いているのだから。
Gufadgarnにとってworldで唯一価値のある存在はZakkart、そして今はVandalieuである。ならばその思想、善悪の判断基準、哲学、好みはVandalieuに準ずるものでなければならないのだ。
『あー、ここにいる女はほぼ坊主に嫁ぐ事に成ると思うが、もしかして全員に-samaを付けるつもりか、あんた?』
『なんと、そうでしたか。Gizania -sama、Myuze -sama、Iris -sama、御無礼をお許しください』
「余計な事を言わないでいただきたい、Borkus -dono!」
『……-sama付で呼ばれたらどうしようか、Shade?』
『……外堀から埋められている気がするのは気のせいかなぁ』
『最近思うんだが、流れに身を任せたら楽なんじゃないだろうか?』
『Gufadgarn -sanっ、私は違うのよ。母親だものっ』
『はい、存じております』
Borkusが余計な事を言ったり、Legionのmale陣が懊悩したり、Darciaが慌てて訴えるChaosとした状況で、Vandalieuは黙ったまま困っていた。
(EleonoraやBellmondと揉めるかもしれないとは思っていましたが、こうなるとは想定外だった。どうしましょー)
まさか『Evil Dragon God of Five Sins』Fidirgより腰の低い……いや、慇懃で低姿勢な神が存在するとはVandalieuの想像力を越えた事態だった。
「ええっと、もっとfrankな感じでお願いします。-samaは止めて、-sanとか-kun、呼び捨てで呼んでください。あと、膝は突かないでください」
しかし何時までも困っている訳にはいかないので、そうrequestした。納得してもらえるまで繰り返すつもりで。
『畏まりました。以後、その-samaに致します』
だがGufadgarnはあっさりと受け入れた。そして立ち上がる。
『ではこのGhost達は如何しますか? 最早私の用は済みましたので、お任せいたしますが』
気がつけばGhost達に対する対応まで柔らかくなっている。Gufadgarnの認識では、Vandalieuに魅了されたGhost達は利用すべき敵では無く従僕の後輩、同僚であるらしい。
「……とりあえず、このまま連れて行きましょう。Ghostなら食費はかからないし、どれがMartinaか分からなくても、まあ構いませんし。
死体の方は見分けがつきますよね?」
『はい。入った直後に死んだ有象無象の者共ならin any case、ある程度進む事が出来た者達の姿形は忘れておりません。
特にお探しの者はAlda's Factionのbeliever達の中では最も深くまで進んだ者達だったので、Memoryに残っています』
「なら問題ありません」
Heinz達への嫌がらせには、Martinaの死体から作ったUndeadがあれば十分だ。その中身の霊が本人の物かどうかなんて、Heinz達には分からないだろう。
そもそも既にGhostと化している場合、死体に【Possession】する事は出来ても宿ってZombieに成る事は出来ないのだし。
適当に選んだ霊に、それらしい演技をしてもらう事にしよう。
『では、Zakkartの工房にご案内します』
Vandalieuが頷いたのを見て、Gufadgarnは中断していた案内を再開したのだった。
Zakkartの工房は、職人の作業場兼Mageやalchemistの研究所といった不思議な雰囲気の場所だった。
床には五芒星や六芒星のmagic陣が大小幾つも描かれ、drillや研磨機など工作機械を模したmagic itemが備え付けられている。他にも金属を溶かす炉等大きい装置が置かれ、金属のインゴット、粘土や木材がそれぞれまとめられている。
そして空いたspaceにはcountlessのTreasure Chestが積み上がり、そこに納まりきらない金銀財宝やmagic itemが散乱していた。
「あれもZakkartの遺産なのか?」
それを見たGhoulのWarrior長Vigaroが、訝しげに尋ねる。低姿勢から丁寧でやや慇懃な態度程度に成ったGufadgarnに、彼は早速慣れ始めているようだ。
『あれは私が『Trial of Zakkart』を創った結果、自然に生成されたDungeonの宝物です。Zakkartとは何の関係もありません』
Dungeonでは各階層にTreasure Chestが、そして最奥には財宝が生成されるのが定められた法則である。Dungeon造りの専門家であるGufadgarnも、それを止める事は出来なかったようだ。
だがそのままにしていては試練の邪魔になるので一か所に集め、そのまま保存していたらしい。
Gufadgarnにとっては何の価値も無いが、新たなZakkartにはそうでは無いかもしれない。それに先代Zakkartは「もったいないMental」なるものを重視していた。
『迷宮を攻略した正統な報酬です。これも石像や氷像と化した者共同-sama、ご自由にお持ちください』
「それは後で良いので、kaa-sanをrevivalさせられそうな遺産を早く」
城を家具とServant、城下町と田畑付きで買った上に七代先まで遊んで暮らしても使いきれないだろう、『Trial of Zakkart』百年分の財宝に、Vandalieuは目もくれずそう急かした。
そのくらいの財宝、Vandalieuなら百年もかければ確実に稼ぐ事が出来る。しかし Darciaのrevivalは百年かけても確実とは言えないからだ。
『はい、こちらです』
Gufadgarnが腕を一振りすると、工房の壁が動きだし隠されていたspaceが露わになった。そこにはSFを連想する謎の装置や、Barrierの中に安置されたハザードmarkの刻まれた金属筒、試作品と思われる何丁もの銃、VandalieuやLegionの目から見ても用途不明な装置や物品の数々が置かれていた。
その中の一つが、人が入れそうな円筒形の透明なカプセル群。その中に満ちた液体の中に漂う白い泥のような物をGufadgarnは指し示した。
『あれが偉大なるZakkartが創り上げた、『The root of life』でございます』
不定形のまま脈打ち、形を変える-sama子がLegionの元となったchunk of meat -chan……『base form of life』に似ていた。
「The root of life……!? base form of lifeとは違うのかね!?」
それまでメモやスケッチを取るのに集中していたLucilianoが、思わず声を出す。
『非常に近いものですが、異なります。Zakkartはこれを万能細胞と評していました。再生医療を可能にするものです』
『万能細胞!?』
「another worldの方で先に再生医療の実用化を目指すとは、先代も予想の斜め上を行きますね」
『The root of life』よりも馴染み深い名称を聞いて、LegionのMinuma HitomiとVandalieuが声を上げる。『Earth』と『Origin』それぞれのworldで失った器官を取り戻す為の再生医療は研究が進んでいたが、Champion Zakkartは十万年前に完成させていたらしい。
Demon King Armyとの戦いでは、数多くの傷Disease者が出た。しかし当時はGodsが地上に存在した。手足や内臓に障害が残った者達も、彼等の治療を受ける事が出来ればすぐに健康体に戻る事が出来た。
だが戦況が悪くなるとGodsに全ての傷Disease者に完璧な治療を行う余裕は無くなっていった。
切り傷やbone折、切断された手足の接合ぐらいなら神に仕えるClergyman達でも可能だったが、四肢を焼き斬られ脳に大きな損傷を負ったWarrior達を再び戦えるbody partにする事は出来なかった。
『Goddess of Life and Love』Vidaから力を得て、originally法医学者を目指していた為それなりの医療知識を持っていたZakkartでも、限界があった。何よりChampionであっても一人では、一度に癒せる人数に限りがある。
そのため、Zakkartが創ったのがこの『The root of life』と名付けた万能細胞だ。
Zakkartの知識を基に科学では無くmagicとAlchemyで再現し、完成させたそれは万人のあらゆる部位に適合、再生を促す正に万能の細胞であった。
腕に移植すれば新たな腕が、機能を停止した内臓に注入すれば内臓が再生する。bone、nerve、eyeball、脳すら元通りだ。それは既に再生医療と言うよりも、再生magicと評するに相応しい。
流石に本当のmagic程即効性は無かったし、脳の損傷によって失われたMemoryや人格までは再生しなかったが、それでも数日あれば傷Disease者は戦場に戻る事が出来た。
『The root of life』の生成自体はZakkartしか出来なかったが、移植措置はやり方を知っていれば誰でも行う事が可能という利点もあった。
certainly、『Lambda』のWarriorだけでは無くChampion達もこの『The root of life』の世話になっている。
「再生医療は確かに魅力ですが、kaa-sanの場合Body全体を再生しないといけないのですが、可能なのですか?」
『可能です。この『The root of life』は対象の魂に適応した形に変化し、部位を再生します。Undeadには適応しませんが、魂を内包した通常の霊であれば問題無くBodyを再生するはずです…過去、そのせいで使用を停止する事に成りましたので』
ある時、『The root of life』から死んだはずのWarriorが出現した。霊を知覚する事が出来なかったZakkart達は、『The root of life』に彷徨っていた霊が入り込んだのに気がつかなかったのだ。
それだけなら奇跡的な死者のrevivalで済むが、revived Warriorは死に際に味わったhorrorとdespairによって正気を失っていた。
Zakkartの工房で無茶苦茶に暴れまわり、治療を待っていたinjure人をmonstersと誤認して殺そうとしたので、結局Zakkart本人の手で二度目の死を迎えた。
それを問題視した『God of Law and Life』Aldaの主張で、再発防止策を徹底するまで再生医療は中止される事になった。
そして再開する前に、Zakkart達はDemon Kingの手によって討たれたのだ。
残った『The root of life』は「再発防止策がどこまで進んでいたのか分からない」事と「残った三人のChampionが重傷を負った場合に使うため」そのまま工房に保存された。そしてVidaがAlda達から離れる際に、Gufadgarnが工房ごと持ち出したのである。
『見れば、御母堂の霊は多少の損傷が残っており弱ってはいますが、正気を保っておりUndead Transformationしておりません。revivalは、十分可能だと思われます。
ただこの『The root of life』が創り出された当時Dark Elfは存在していませんでした。多少の不具合が起こるかもしれません』
「なるほど……どうします、kaa-san?」
危険性がある事を説明するGufadgarnに頷いて、VandalieuはDarciaを見上げる。
『certainlyお願いするわ。だって、Vandalieuや皆が私を生き返す為に協力してくれたのだもの。何も怖がることは無いわ。それに……あれを使うのよね?』
「はい。Gufadgarn、ちょっとここにSamを出しますね。皆、出すのを手伝ってください」
名状しがたい音を立てて、空いた場所にSamのcarriageを出すVandalieu。そして中からDarciaの新しいBodyに使うために用意してきたOrichalcumのbone格や、monstersの内臓、そしてGubamonから摘出した【Magic Eye of Destruction】を取り出していく。
『いよいよですね、Bocchan!』
『Darcia -samaがrevivalするのが楽しみですね!』
「ありがとう、Rita、Salire」
『おおおおおん!』
『主、いよいよ大願成就とは……感無量です』
「Knochen、Bone Man、うっかり成仏しないように気を付けてください」
「師Artisan、私はこの瞬間に立ち会える事を誇りに思う!」
「……Lucilianoは立ち入り禁止にしようかな」
「何故かね!?」
record用にスケッチしようと身構えているLucilianoに、思わずそう思うVandalieuだった。ただ、必要性が無いわけでは無いので、今回は見逃す事にする。
『Vandalieuよ、それは……『The root of life』に合わないのでは?』
新鮮でもmonstersの部位をHuman Sizeに加工した物に、そもそも生命体では無い金属製のbone格。そんな素材を使った例は過去に存在しない。遠慮がちに止めようとするGufadgarnに、Vandalieuは肌身離さず持っていたある物を見せた。
「大丈夫です、このVidaから貰ったGoddessのbloodが有ります」
crystal化したVidaの紅いbloodを見て、Gufadgarnは感嘆の声を上げる。
『おおっ! それはVidaのblood液。それも憎き敵に流されたのではなく、寵愛を注ぐ者に自ら授けたblood crystal! bloodは生命の象徴、それならば御母堂の新しいBodyに何をどれだけ組み込もうと、必ずやrevivalが叶う事でしょう!』
『止めてGufadgarn -san!? Vandalieuをこれ以上煽らないで!』
感嘆の声を上げるGufadgarnを慌てて止めるDarcia。
「……Darcia -samaって、revivedら何に成るのかしらね?」
「Dark Elf、ではない気がしますね」
『Absolute Elfとか、Unlimited Elfとか、そんな新raceかもしれないわね』
「わぁ~っ! スゴーイっ! Darcia MamaもTransformだね!」
EleonoraやBellmond、Islaがそう囁き合い、Pauvinaが手を叩いて喜ぶ。
「Transformって、Magical Girlでは無いのじゃぞ?」
『ZadirisがMagical Girlなら、Darcia -sanもMagical Girlで行けると思うよ』
「そういう問題では無い」
「お墨付きを貰うと今からもっと素材に拘りたくなる気がしますが……まあ、これ以上の素材を集めるのは時間がかかるでしょうし。
始めましょう」
Vandalieuがそう言うと、Gufadgarnは『The root of life』が入ったケースの内一つを開く。そして数々の素材を中に入れる。
『The root of life』はそれを飲み込みながらも、何処か困惑した-sama子で持て余している。だがVidaのbloodのcrystalを入れると、途端に全ての素材が溶けだした。そして完全に『The root of life』と混ざり合い、Fusionする。
『後は御母堂だけです』
そしてGufadgarnは最後にDarciaを手招きする。
『分かったわ……Vandalieu、行って来るわね』
「はい、kaa-san。行ってらっしゃい」
Vandalieuの頭を実体の無い手で撫でるような仕草をして、Darciaの霊は宿っていたbone片ごと『The root of life』の中に消えた。
その瞬間、『The root of life』は大きく脈打った。
・Name: Kühl
・Rank: 10
・Race: Satan Blood Slime
・Level: 0
・Passive skills
Blunt Damage Nullification(Blunt Damage Resistance awakened into!)
Hunger Resistance:3Lv(UP!)
Predator’s Restoration:10Lv(UP!)
Body Form Manipulation:10Lv(UP!)
Venom Secretion:10Lv(UP!)
Magic Resistance:5Lv(UP!)
Mysterious Strength:7Lv(UP!)
Physical Resistance:2Lv(NEW!)
Self-Enhancement: Guidance:3Lv(NEW!)
・Active skills
Silent Steps:7Lv(UP!)
Bloodwork:7Lv(UP!)
-Surpass Limits-:8Lv(UP!)
Grow:6Lv(UP!)
Unarmed Fighting Technique:5Lv(UP!)
Coordination:4Lv(NEW!)
Charge:3Lv(NEW!)
Parallel Thought Processing:4Lv(NEW!)
Long-distance Control:5Lv(NEW!)
Infest:4Lv(NEW!)
・Unique skill
■■ン■■■'s Divine Protection(NEW!)
・Monster explanation::Satan Blood Slime Luciliano著
Huge Deep Blood Slime、Black Blood Slime、Dark Blood SlimeへのRank upを経てKühlが至ったmonsters。Demon King's BloodのSlimeである。
Princess Leviaと同じくBlood potionを飲む事と、時折師Artisanが直接potionの原材料……自分のbloodを与えているからだと思われる。
appearanceは赤黒いSlimeだが、最近では【Body Form Manipulation】skillを使ってHumanや動物の姿を模して行動する事も多い。そのせいか【Unarmed Fighting Technique】に加えて【Charge】skillを獲得した。更に師Artisanの真似をしたのかmain bodyから分けたCloneを【Long-distance Control】で操る事も出来る。
……赤黒い師ArtisanやLegionを見かけたら、それはKühlだと考えた方が良いだろう。稀に、【Demon King's Blood】をwhole bodyに纏った師Artisanが逆にKühlの仮装をしている時があるが。
そのCloneを獲物の傷口から体内に侵入させ、【Infest】し頃合いを見て体内から継続的に攻撃する事も、一気にbloodを吸い尽くして殺す事も可能である。
この特技の為、獲物のblood抜き作業の担当がKühlに成ったのは当然の成り行きであった。
GolemやUndead、Anima等bloodが無い存在とは相性は悪いが、相手がHumanの場合は恐ろしいpredatorに成るだろう。
因みに、もうblessingsについてはコメントしない。私にも生えたし。
・Name: Pete
・Rank: 11
・Race: Great Roaring Lightning Metal Demon Centipede
・Level: 0
・Passive skills
Hunger Resistance:3Lv(UP!)
Self-Enhancement: Subordinate:10Lv(UP!)
Venom Secretion (Neurotoxin): Jaws:10Lv(UP!)
Wind Attribute Resistance:8Lv(UP!)
Enhanced Flesh:exoskeleton 角:10Lv(UP!)
Monstrous Strength:1Lv(Mysterious Strength awakened into!)
Self-Enhancement: Guidance:3Lv(NEW!)
・Active skills
Silent Steps:1Lv
Charge:10Lv(UP!)
-Transcend Limits-:1Lv(-Surpass Limits- awakened into!)
Armor Technique:7Lv(UP!)
Roaring Lightning:1Lv(Lightning awakened into!)
Coordination:4Lv(NEW!)
・Unique skill
Dragon Devourer:6Lv(UP!)
Zanalpadna’s Divine Blessing(NEW!)
ヴ■■■■■'s Divine Protection(NEW!)
・Monster explanation::Great Roaring Lightning Metal Demon Centipede Luciliano著
……これ、もうCentipedeでは無いだろう?
大きさはDragon以上、突進の勢いは城壁どころか砦も貫通しかねない、放つ雷は空から落ちてくる物より強力、exoskeletonの硬さはAdamantite並。しかも Unique skillを三つ持っている。
下手な竜種はもう近寄りもしない。寧ろ、Peteを先頭にして進んだら、Hurricane Dragonも避けるのではないだろうか? 師Artisanによると竜種が好物のようだし。
地味に【Coordination】 skillも獲得している。種によっては群れで行動するSlimeや植物型のmonstersと違って、単独で行動する事が基本であるCentipedeのmonstersなのに。
まあ、以前から師ArtisanがTamerした蟲型のmonsters達の纏め役をやるとか、senpaiであるCemetery Bee(今はGehenna Beeだが)との仲介役をやっていたが。それでcommunication Abilityが磨かれたのだろうか?
因みに、Ryuujin nationを訪ねた時は歓迎されていた。「これを捧げますから暴れないでください」的な意味合いのご馳走を振る舞われ、ご機嫌だったようだ。Wyvernの丸焼きなんて初めて見たよ、私は。
・Name: Eisen
・Rank: 11
・Race: Skogsrå Empress
・Level: 98
・Passive skills
Monstrous Strength:3Lv(Mysterious Strength awakened into!)
Rapid Regeneration:10Lv(UP!)
Abnormal Condition Resistance:8Lv(UP!)
Magic Resistance:9Lv(UP!)
Physical Resistance:9Lv(UP!)
Augmented Vitality:10Lv(UP)
Enhanced Body Part (Bark, Branches):10Lv(UP!)
High-speed Fruit Production:3Lv(Fruit Production awakened into!)
High-speed Sap Production:3Lv(Sap Production awakened into!)
High-speed Branch Production:3Lv(Branch Refining awakened into!)
Allure:8Lv(UP!)
Self-Enhancement: Subordinate:7Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:5Lv(NEW!)
・Active skills
Unarmed Fighting Technique:6Lv(UP!)
Throwing Technique:7Lv(UP!)
Armor Technique:6Lv(UP!)
Drain Vitality:9Lv(UP!)
No-Attribute Magic:4Lv(UP!)
Earth-Attribute Magic:5Lv(UP!)
Life-Attribute Magic:5Lv(UP!)
Shrink:2Lv(NEW!)
Mana Control:2Lv(NEW!)
Commanding:1Lv(NEW!)
Coordination:5Lv(NEW!)
・Unique skill
Zozogante’s Divine Protection
Invigoration: Plant(NEW!)
■■■ダ■■'s Divine Protection(NEW!)
・Monster explanation::Skogsrå Empress Luciliano著
もうこれSkogsråじゃないだろう……いや、originally Skogsrå自体新種のmonstersなのだが。
Skogsrå・Widowから、ウィッチ、Queen、そしてまさかのEmpress。女帝である。
appearanceは緑色の肌に"tree bark"の服、背中に生えた何本もの枝とあまり変わらないが、頭に月桂樹の王冠を被っている。
Ghoul nationのPatron Godにして『Evil God of the dark Forest』Zozogante’s Divine Protectionを得たためか、色鮮やかな花を咲かせ、甘い蜜や最近では鉄のように硬いリンゴだけでは無く-sama々なFruitを付けるようになった。……Humanのeyeballに酷似したGanteの実等を。
彼女が生成するsyrupは正に天上の甘露と評すに相応しく、未だにCuoco Ragdew一家が夢中なのも頷ける。現在人気拡大中で、Legston Earl 家の中にも彼女のfanがいるようだ。
彼女自身はあまり嬉しくなさそうだが。まさか彼等がアブラムシか何かに見えているという事は……ないと思う、maybe。
ただ花の蜜を集めに来る蜂達は歓迎しているらしい。やはり受粉を助けるからだろうか?
更に獲得したUnique skill【Invigoration: Plant】の効果で、彼女はいるだけで周りの植物を活性化させる事が出来る。どんな繊細な植物でも雑草のように旺盛に成長し……偶にmonsters化する。
certainly、skillの効果は植物型のmonstersにも作用する。
そのためかTalosheimのImmortal Entの森では、Immortal Ent達がRank upしてSkogsråやLeshy(Skogsråのmale版のようなmonsters)に成る事が最近増えており、自然とEisenがその纏め役に成っている。
・Name: Quinn
・Rank: 12
・Race: Gehenna Absolute Queen Bee
・Level: 0
・Passive skills
Abnormal Condition Resistance:8Lv(UP!)
Rapid Regeneration:4Lv
High-speed Egg Spawn:1Lv(産卵awakened into!)
Peerless Vigor:5Lv(UP!)
Mana Enlargement:7Lv(UP!)
Automatic Mana Recovery:7Lv(UP!)
Deadly Poison Secretion: Stinger:2Lv(UP!)
Enhanced Body Part:exoskeleton:2Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Under Servitude:7Lv(UP!)
Self-Enhancement: Guidance:4Lv(NEW!)
Allure:3Lv(NEW!)
・Active skills
Mana Control:2Lv(UP!)
Space-Attribute Magic:4Lv(UP!)
Bee Swarm Coordination:10Lv
Bee Swarm Commanding:10Lv
Limited Alchemy:3Lv(NEW!)
Sewing:3Lv(NEW!)
Architecture:5Lv(NEW!)
・Unique skill
High-speed Bee Swarm Development
Zanalpadna’s Divine Blessing
■■■■■ー's Divine Protection(NEW!)
・Monster explanation::Gehenna Absolute Queen Bee
Rank upの結果Gehenna QueenビーからHi-Queenビー、Great Queenビーを経てQuinnが至ったrace。appearanceに大きな違いは無いが、より存在感と評すべきかオーラ的な物が増している。
相変わらずQuinn本人の戦闘AbilityはRankに比べると低いが(それでもBClass adventurerぐらいなら力任せに殴殺できるのだがね)、それを補って余りある群れの力がある。
万が一群れから離れていても、彼女はManaを大量に消費する事で卵をtailのように生えている蜂の腹部から即座に産卵する事が出来る。そして産まれた卵からは、次の瞬間には成虫が孵化する。それを一分間に十匹程度まで行う事が出来るらしい。
Manaを大量に使うのと、そうして産まれた娘達は普通に育てた娘達よりもAbility Valuesは同じだがskillのlevelが低く、寿命も短くなるらしく、緊急事態以外は行わないそうだ。
また普通のQueen蜂と違ってmagic itemを作ったり、蜜絹でSewingをしたり、巣のArchitectureをCommandingしたりしている。ただ【Limited Alchemy】をInstinct的に使って製作できるのは蜂蜜や蜜蠟を使ったmagic itemのみで、巣のArchitectureで実際に動くのは働き蜂達だ。
会話も可能に成ったのだが……時々師Artisanと無言で見つめ合っている時がある。どうやらお互いのantennaでcommunicationを取っているらしい。師Artisanのは、【Demon King's Antenna】で生やしたので生来のものではないが問題無く通じているらしい。