九十五階層、幻のhorrorの試練を、【Hollow King Magic】の【Hollow Cannon】によるspaceを歪める程のAttack Powerで階層を破壊すると言う方法で突破したVandalieu一行は、順調に攻略を続けた。
九十六層以降の階層に配置されたmonsters達が怯え、Vandalieuが進むと我先にと逃げ出したからである。
「DungeonのMental支配はどうなったのかしら?」
『maybe、Bocchanの【Hollow Cannon】のAttack PowerでDungeonに穴が空いた衝撃で、緩んだのではないでしょうか』
『DungeonがどうやってmonstersのMentalを支配しているのか分からないので、conjectureですけど』
ボロ布を引き裂くようなscreechを上げて一目散に逃げていくDemon達の後ろ姿を、Eleonora達は眺めていた。
……全てが最低でもRank10の、小国なら一匹現れるだけでほぼ滅亡する事が決まり、大国でもAClass adventurerが駆け付けるまで幾つもの町や村が壊滅しかねない。そんな生物と言うよりも災害と評した存在ばかりの筈なのだが。
「Majin nationの『HELLの宮-dono』の時より怯えられていますね、陛下」
「そうですねー……気のせいか、逃げるDemonが涙目に見えるのですが」
『Demonの目にlacrimal glandsがあるなんて、今まで考えた事も無かったよ』
Succubus化した『Liberating Princess Knight』Irisと、Ghost化したScyllaのOrbiaに挟まれて、Slightly落ち込んだ-sama子のVandalieuは、哀しげな視線をDemon達に向けていた。
何もそこまで怯えなくても。
『HELLの宮-dono』では整列して並ぶだけだったので平気だったが、全力で逃げられるのは気分が良くないようだ。
「気に障るようなら狩ってまいりますが?」
『Bellmondの嬢-chan、油断はすんなよ。奴等、坊主から離れた途端元通りになって襲い掛かって来るからな』
「普通のDemonはそう言うものですからね」
格上相手でも恐れず、チリとなって消えるその瞬間まで遊戯に興じているかのように哂っている。それがDemonの存在の仕方の筈だ。
DungeonのMental支配が乱れているからと言って、彼等が何かに怯え逃げると言う事は無いのだが。
「ふ~む、実はあの怯え方は全て演技で、坊やをからかっているだけという可能性はないかの?」
「kaa-san、Warriorの端くれとして言わせてもらうがそれは無い。見ろ、あそこで逃げ遅れたDemonが腹を見せて服従を表現しているぞ」
Basdiaが指差した先では、Rank10のArk sword Demonが仰向けで転がっている。
手首から先が刃と化している両腕も、knifeのように鋭いclawsの生えた両足も、小さな刃が連結したような形状のtailも、投げ出すようにしてあられもない姿をさらしている。
それは確かに、降伏する野生動物の姿を連想させた。
『Basdia、あたしには死んだふりをしているように見えるけど』
しかし顔にある全ての穴から体液を垂らしながら横たわる姿は、Orbiaには服従の姿勢では無く小動物がするような擬死に見えた。
「ピクリとも動きませんし、もしかして本当にfaintedしているだけかも……」
『Bocchan、Experience Pointにしますか?』
「……それはちょっと。Dungeonの中では無く、地上だったら躊躇わないのですが」
Ritaの提案に、Vandalieuは首を横に振った。
もし地上でArk sword Demonに遭遇した場合なら、止めを刺す事に躊躇いは無い。殺さなければ自分以外の誰かを、それも大勢殺す事が明らかだからだ。
しかし Dungeonの中では、幾ら駆除してもすぐに替わりのDemonが補充されてしまう。増え過ぎて外に溢れ出ないよう間引かなければならないが、それはもうこれまでの階層で十二分にやってきた。
そして食べて美味しいmonstersでも無い。そのためいまいちやる気に成らないVandalieuだった。
「じゃあ、blessingsについての話をするかの。坊や、本当に心当たりは無いのかの?」
『timing的に、この前Bocchanが倒れた時だと思うんですよ』
幻のhorrorの試練でVandalieuが倒れた直後、ZadirisやRita達は新たなblessingsを獲得した。ただ奇妙な事に脳内アナウンスも無く、Statusを確認して初めて気がついた。
そして最も奇妙なのは、blessingsを与えた存在のnameが読み取れない事だ。読めるのは一文字分だけで、後は隠されている。
『普通はそんな事無い筈なんだよね』
そう言うのは、『Saintess of Healing』Jeenaだ。
『blessingsはKami-samaがbelieverに与えるものだから、nameを隠す意味はないし』
「ただ、legendや逸話では前例が無い訳ではありません」
不幸が続き信仰を見失い、金の為にmercenaryに身をやつして荒れた生活をしていた男。彼は幾つもの戦いを、運良く生き延びてきた。その彼がVampireに攫われた姉を助けに行こうとする少年の勇敢な行動に心を打たれ、少年の代わりに剣を取る。
その時初めて自分が【Alda’s Divine Protection】を得ていた事に、神は何時も見守っていてくれていた事に気がつくと言う有名な逸話である。
「……まあ、実話とは限りませんが」
以前は熱心なAlda believerだったIrisでも、宗教的な宣伝の為の創作である可能性が大きいと感じるようだが。
「ただ全てが創作とも限らない。実話を脚色して利用する事は、『Earth』でも結構ありましたからねー。宗教に限りませんけど。
けど、nameが分からなくても厄介な効果が無いのなら別に良いのでは?」
「いいえ、Vandalieu -sama。大体nameは分かっています」
「そうだぞ、読めるのは一人一文字だけだが、それぞれ読める文字が違うからな」
『おう、何人か読める文字が同じ奴もいるが、全員の読める文字を合わせると【Vandalieu’s Divine Protection】って読めるんだぜ。どう思う?』
「ギシャアアア」
「え、Pete、文字が読めるんですか?」
「ギシャ」
電撃を放つ角を頭部に生やした大Centipedeのmonsters、Peteは何時の間にか文字が読める-samaになっていたようだ。彼のはしご状nerve細胞は、格段の進歩を遂げているらしい。
「それは凄い。帰ったらお祝いですね」
『いや、坊主、それよりblessingsについて――』
「そっちは……心当たりが無いわけでは無いです」
幻のhorrorの試練で意識を失った後、夢の中で砕けて飛び散った自分のfragmentを勿体ないので配り歩いた事をVandalieuは覚えていた。
それ自体は以前にもしている。『God of Warriors』Garessや『Crystal Horned Dragon God』のLioen達の角やscaleを配り歩いたし、VigaroやPauvinaには自分の一部を千切って渡している。
「やはりか。じゃあ、こ's Divine ProtectionはVandalieu’s Divine Protectionなんだな?」
「でも、そうとは限らないのでは? ほら、もしかしたら俺達が知らないだけでヴルンダリンとかfanトルーとか、そんなnameのKami-samaが存在していて、それが皆に別々にblessingsを与えて、自分のnameを隠しているとか」
「むぅ、その可能性も無いわけでは無いか」
「いや、ある訳無いでしょ。何を言っているの、Zadiris」
半眼に成ったEleonoraにツッコミを入れられたZadirisは「しかしじゃなぁ……」と歯切れ悪く言い返した。
「確かに坊やの主張に無理があり過ぎて穴だらけなのは分かっておる。じゃが、幾ら坊やでも神でもないのにblessingsを与える事が出来るかと考えると、どっちが不自然か儂には分からんのじゃよ」
blessingsを与える。それは、【Familiar Spirit Advent】等のskillと同-sama神の権能である。
基本的な効果は共通しており、Ability Valuesとlevel的な成長の促進を妨げる壁を越える難易度の緩和。それにblessingsを与えた神が司るものに関係するJobに就きやすくなったり、skillの獲得やlevelがincreaseしやすくなったりする。
これに各神やblessingsの所有者によって異なる効果がつくのが普通だ。
そしてblessingsの有用性は与えた神の力の大小によって変わる。
「確かに旦那-samaはGod Slayerではあっても、神その物では無い以上、blessingsのUnique skillを他者に与える事は出来ないのが常識ではあります」
「そうである以上、俺の苦しいconjectureの方が……いえ、流石に無理かなと思いますので、忘れてください」
自分でも苦しすぎると思ったのか、Bellmondの言葉に続いて口を開いたVandalieuが自説を撤回する。
「それに、旦那-samaは基本的に常識を越えると言いますか……埒外を徘徊するお方です」
更にVandalieuに常識は当てはまらない。それをBellmond達は我が身で知っていた。
「なんだか別dimensionの生き物みたいですね、俺」
そう呟くが、彼も自覚はあるようで反論はしない。
「まあ、今のところはVandalieuがblessingsを与えているらしい事が分かれば十分じゃ。得体の知れない神によって押し付けられたと考えるより、落ち着くからの」
「そうだ。我に【Spirit Form】と【Materialization】skillを夢で与えたのが、少し進んだだけだからな」
Zadiris達としては、誰に与えられたblessingsなのか確認したかったらしい。考えすぎかもしれないが、Demon King Army RemnantsのEvil God (M) Evil God (P)から妙なちょっかいをかけられた可能性もあると。
ただblessingsを与えた相手がVandalieuらしいのなら、安心だ。
既に将来Heroic spirit以上の存在に取り立てられる事がほぼ内定しており、Legion等の一部から信仰対象とされているので、仲間達も驚きはするが好意的に受け止められているらしい。
「じゃあ、今度夢を見た時はまた配り歩きますね」
『その時は驚かせない-samaに、出来るだけ人に近い姿でお邪魔するのよ。変に平べったかったり、ドロドロだったりしないようにね』
「はい、kaa-san」
その後Vandalieu達は九十七層から、順調に攻略を進めた。障害の筈のDemonは逃げ去り、残ったのはegoの無いGolem等のmagic生物ばかりで、肝心の試練は何故か何も無い階層が続いた。
無人の野ならぬ、無悪魔の迷宮を往くが如くである。
「Experience Point的には若干物足りないのですが、速く進むのは良いですね。でもDemonが逃げるのは慣れましたけど、何故試練が無いんでしょうか?」
「ボクはDemonが居なくて丁度良いぐらいだけど……ね!」
Privelはそう言いながらMythrilで出来たKnightの彫像、Rank10のMythril Statueの手足にtentacleの先端が変化した竜の頭から、coldのBreathを吐いて凍りつかせて動きを止める。
「【氷獣群殺到】! ……って、ダメかっ!」
そしてWater-Attributeの【Spirit Magic】で氷の獣の群れを創りだして放つが、Mythril Statueの表面を傷つけるだけで、倒すには至らなかった。
「それはそうでござろうな。【斬雨】!」
だがそこにMyuzeの、Empusa特有の【Unarmed Fighting Technique】のMartial Artsによって、Mythril Statueは一抱えほどの金属塊へと切り分けられてしまった。
「Mythrilは硬度も優れているでござるが、それ以上にManaを弾く性質で知られる金属でござる。幾らPrivelのmagicの腕が上がっていても、流石にmagicだけで倒すのは無理でござろう」
「むぅ~、その硬度も優れた金属を自前の鎌でバラバラにした人が何か言ってる」
「それは隠れて奇襲したので【Assassination Technique】の補正も入ったからでござるし……やはりVandalieu -donoとLioenのお蔭でござろうな」
そう言いながら、blessingsのお蔭でCrystal Empusaに成ったMyuzeは自慢の鎌腕を掲げた。透き通った薄緑色の蟷螂の鎌は、Mythrilを切断しても刃毀れ一つしてない。
「まあ、それも敵が動けなかった故。協力の結果でござるよ。そうでござろう、Vandalieu -dono?」
「Statue系のGolemは人型により近い形状の分耐久力が下がりますが、その分動きが速く器用に成りますからね。Myuzeの言う通りだと思いますよ」
「そっか~っ! じゃあ、ボクはMythrilのGolemが出て来たら動きを止める事に集中するから、止めはよろしくね♪」
気を取り直して上機嫌で答えるPrivel。tentacleの先端のDragonの頭部も、嬉しそうにVandalieuを咥える。
この階層本来の難易度だと、PrivelもMyuzeもFirst線で活躍するにはまだ力不足だ。しかし特殊Abilityやmagicを駆使するDemonが逃げ出し、残っているのが素材に使われた金属の特性を除けばただ力任せに暴れるだけのGolemだけなので、こうして中層の頃のようにlevellingを再開する事が出来ている。
流石にOrichalcum製のGolemには敵わないだろうが、今のところMythrilやAdamantite製までしか出現していない。
「そう言えば、試練に関してだけど……maybe Gufadgarnが出すのを止めた試練が幾つかあるんじゃないかな? ただ力を試すだけの階層が何階層も続くのは不自然だもん」
気を取り直したPrivelは、そうconjectureを口にした。
普通なら「それは無いんじゃないか」と言われる類の考えだったが、VandalieuやMyuzeはすぐ受け入れた。
「なるほど……あり得ますね。ちょっとやり過ぎましたか」
何せ、普通なら破壊不可能なDungeonの天井をぶち抜いている。引き換えにVandalieuもManaの枯渇によって一時間ほど意識を失ったが、逆に言うとその程度のriskでDungeonの階層を破壊できるのだ。一日で二十個以上、Dungeonに大穴を空けられる事に成る。
そんな事を繰り返されたら、Gufadgarnとしては堪った物では無いだろう。
「……Dungeonに崩落されたら俺達も困るので、繰り返すつもりは無いんですけどね」
「しかし Gufadgarnの立場でVandalieu -donoが自重する事を信じる、甘える訳にはいかないでござろう。そう考えると、この階層に入った時に起きたあれは試練を途中で中断した結果なのかもしれないでござるな」
「ああ、一瞬気が遠くなったあれの事?」
この百階層に入った瞬間、Vandalieu達全員が一瞬眩暈にも似た感覚を覚えた。しかし、それはすぐに終わり今では何事も無い。
気のせいや、ただの眩暈にしては全員が同時になったのが不自然だったので、暫く警戒していたのだが、本当に何事も起きていなかった。
「かもしれませんね」
Vandalieuも曖昧にnodが、実はMyuzeのconjectureが真実を言い当てていた。
試練の内容は、特殊なspaceにMentalのみを強制的にTeleportationさせられ、そこでHumanのMentalに巣食う特殊なmonstersであるマインドDemonとMental力のみで戦うというものだ。
だが、その試練は開始された直後VandalieuのMentalを目にしたマインドDemon達が戦意をLostした事で、終了していたのである。
Mental生命体のマインドDemon達が覚えたhorrorは、今逃げ回っているDemon達の比では無かったようだ。
『ところでBocchan、そろそろJob changeしては如何でしょうか?』
次の階層へ続く出口が見えた頃、SamがそうVandalieuを促した。実は彼は既に100levelに到達していたのだが、自分がSamの中に設置したJob change roomに入ったら、逃げていたDemon達が今だと身を翻すのではないか。そう考えて-sama子を見ていたのだ。
しかし、ここまでくればその心配もなさそうだ。
「そうですね、じゃあJob changeしてきます」
慣れた仕草でSamのcarriageに乗り込むと、Job change roomに入る。
「maybe、【Hollow King Mage】とかそんなJobが増えていると思うのですが……」
そんな予想をしながら水晶に触れた。
《選択可能Job 【Disease Demon】 【Spirit Warrior】 【Whip Tongue Calamity】 【Vengeful Berserker】 【Dead Spirit Mage】 【Hell Healer】 【Magic Cannoneer】 【Hell King Mage】 【Divine Enemy】 【Fallen Musha】 【Insect Nin】 【Destruction Guider】 【Fragment Bestower】 【Dungeon Master】 【Demon King】 【Chaos Guider】 【Hollow King Mage】(NEW!) 【Eclipse Cursecaster】(NEW!) 【String User】(NEW!)》
脳内に表示された情報に予想通り【Hollow King Mage】が増えた事と、予想しなかったJobが増えた事を知る。
「しょくじゅし、げんじゅつしと読むのかな? まあ、とりあえず今回選択するのは【Hell Healer】ですが。
【Hell Healer】を選択」
もうすぐDarciaがrevivalする。その際不慮の事態が起きないように医療に関するJob効果やskillが欲しい。【Hollow King Magic】と【Hell King Magic】はJobに就かなくてもskillの修行は出来るのだし。
《【Rapid Regeneration】、【Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue)】、【Thread Refining】、【Mana Recovery Rate Increase】、【-Transcend Limits-】、【Alchemy】、【Surgery】、【Parallel Thought Processing】、【High-speed Thought Processing】skillのlevelが上がりました!》
・Name: Vandalieu
・Race: Dhampir(Dark Elf)
・Age: 10age
・Title: 【Ghoul Emperor】 【Eclipse Emperor】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】 【Scaled Emperor】 【Tentacle Emperor】 【Champion】 【Demon King】 【Oni Emperor】
・Job: Hell Healer
・Level: 0
・Job History: Death-Attribute Mage Golem Transmuter Undead Tamer Soul Breaker Venom Fist User Insect User Tree Caster Demon Guider Archenemy Zombie Maker Golem Creator Corpse Demon Commander Demon King User Nether Guider Labyrinth Creator Creation Guider
・Ability Values
Vitality: 10,799
Mana: 3,517,672,074+(1,758,836,037)
Strength: 2,107
Agility :1,687
Endurance :2,292
Intelligence :4,337
・Passive skills
Mysterious Strength:8Lv
Rapid Regeneration:4Lv(UP!)
Hell King Magic:3Lv
Abnormal Condition Resistance:10Lv
Magic Resistance:7Lv
Dark Vision
Hell Demon Creator Path Enticement:5Lv(UP!)
Chant Revocation:6Lv
Guidance: Dark Demon Creator Path:6Lv(UP!)
Automatic Mana Recovery:10Lv
Strengthen Subordinates:8Lv
Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):9Lv(UP!)
Enhanced Agility:5Lv
Body Expansion (Tongue):7Lv
Strengthened Attack Power while Unarmed: Large
Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs):8Lv
Thread Refining:6Lv(UP!)
Mana Enlargement:5Lv
Mana Recovery Rate Increase:4Lv(UP!)
・Active skills
Bloodwork:4Lv
-Transcend Limits-:3Lv(UP!)
Golem Creation:4Lv
Hollow King Magic:1Lv(No-Attribute Magic awakened into!)
Mana Control:8Lv
Spirit Form:10Lv
Cooking:7Lv
Alchemy:10Lv(UP!)
Unarmed Fighting Technique:9Lv
Multi-Cast:8Lv
Long-distance Control:10Lv(UP!)
Surgery:8Lv(UP!)
Parallel Thought Processing:10Lv(UP!)
Materialization:8Lv(UP!)
Coordination:8Lv
High-speed Thought Processing:10Lv(UP!)
Commanding:8Lv
Thread-reeling:6Lv
Throwing Technique:6Lv
Scream:5Lv(UP!)
Dead Spirit Magic:7Lv
Artillery Technique:8Lv
Armor Technique:4Lv
Shield Technique:4Lv
Group Binding Technique:3Lv
Surpass Limits: Fragments:3Lv
・Unique skill
God Devourer:3Lv
Deformed Soul(Grotesque Mind awakened into!)
Mind Encroachment:8Lv(UP!)
Labyrinth Creation:1Lv
Demon King Fusion:9Lv
Abyss:5Lv
Divine Enemy
Soul Devour:3Lv
Vida’s Divine Protection
Earth’s Hell Gods’ Divine Protection
・Demon King Fragment
blood、角、suction cups、ink sacs、carapace、scent gland、Luminescent organs、blubber、chin、eyeball、proboscis、fur、exoskeleton、Arthropod Legs、antenna
・Curse
Experience gained in previous life not carried over
Cannot learn existing jobs
Unable to gain experience independently
予想通り【Surgery】skillのlevelが上がった事に、Vandalieuは満足気に頷いた。
「他の【Alchemy】や【Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue)】等のlevelが上がったのは薬品的な関係からですかね」
他にも【-Transcend Limits-】や【High-speed Thought Processing】等のlevelも上がったが、丁度levelが上がる頃合いだったのだろう。もしかしたら医療に携わる者には、限界を超越する必要があるとかそんな解釈なのかもしれない。
そう独り言を呟きながらSamの外に出て、次の階層に向かった。
そこで目にしたのは……旗を掲げるDemonの大群だった。
『Trial of Zakkart』百八層。そこで待ち受けるのは意地の悪い試練でも、複雑怪奇な迷宮でも、多種多-samaなmonstersの群れでも無い。
草木一本生えていない荒野に待ち受けるのは、Giantな岩石や金属で組み上げた山のような、しかしたった一体のgiantだった。だが、ただのGiant Golemでは無い。
『我は『Evil God of Labyrinths』Gufadgarnの力の現身。挑戦者達よ、Zakkartを継ぐ資格を示せ』
恐らく自らが創りだしたDungeonの内部という条件が整って、初めて可能になる力の現身のRealization。その迫力は、BugitasのBodyを乗っ取ってAdventした『Evil god of release』Ravovifardとは比べ物にならない。
神main bodyがAdventしているのと違い、力の何割かをCopyしただけで判断力も思考力も限られる木偶人形に等しい存在だが、その分戦闘Abilityは高い筈だ。
「Rankにすれば、どれくらいでしょうね?」
「神main bodyにはRankは無いそうじゃからな。じゃが、その化身や現身なら……ここまで大物じゃと、Ravovifardより上だとしか分からん」
Vandalieu達は階層の入り口でGufadgarnの現身を見上げ、-sama子を見ていた。
何故なら、彼等はBarrierに阻まれ現身の攻撃を受けない代わりに戦闘に参加する事が出来ないからだ。
このBarrierを通り抜ける事が出来るのは、Jobに就けない存在……monstersのみだ。
この階層の試練は、Zakkartの偉業の中でも最も有名なもの……Demon King ArmyのEvil God (M) Evil God (P)を多数寝返らせた事に由来している。
ZakkartのSuccessorにならんとする者なら、本来敵であるmonstersをallyにつけるぐらい当然出来なければならないと言う事だ。
恐らく、Gufadgarnの主観ではworldで最も偉大なTamerはShizarionのChampion Nineroadでは無く、Zakkartなのだろう。
因みに、最初からmonstersをTamerしていなかったり、この階層に至るまでにmonstersをTamerできなかったりする場合は、試練を受ける事も出来ない。
だが当然Vandalieu達にとっては簡単な試練だ。
『うおおおおっ! 【Dragon God Killer】!』
先頭に立って飛び込んだRank12、Zombie Folklore Heroの『Sword King』BorkusのMagic Swordが、Gufadgarnの現身に深々と傷を刻む。
『はっはぁっ! Orichalcum Golem以上の強敵が出るとは良い所だぜ、『Trial of Zakkart』は!』
神の力を前にして、Borkusの顔には鬼気迫る戦意しか浮かんでいなかった。
『テメェ等も続けぇっ!』
だがその背後に続く者達は、一-samaにhorrorに塗れていた。
「「「GAAAAAAAA!」」」
「GYUOOOOO!」
ArkキャスターDemon達が咆哮のような呪文を唱え、Ark sword Demon達がscreechに似た鬨の声を上げてBorkusに続く。
それ以外にも数百匹のDemonの軍勢が、現身に波状攻撃を仕掛ける。それらは全てこの『Trial of Zakkart』によって生成されたmonstersであり、彼等が行っているのはCreatorへの反抗に等しい。
何より、本来ならMajin Race以外DemonをTamerする事は出来ない。
だがVandalieuがDungeonを一部破壊した事でMental支配を乱されたDemonは、本来彼等が覚えるはずの無いemotionsに支配されていた。
それは、fundamentalなhorrorである。
食事も睡眠も生殖も必要としない、生命体として必要不可欠な行為全てが娯楽でしかないDemonには、生命体としてのInstinctが欠如している。
故に全ての命の価値を軽んじ、自らの死ですら娯楽の一部でしかない。彼等はDemon King式Circle of Reincarnation systemによって、すぐ別のDemonとして何処かにreincarnationするからだ。
Rank upを何度も果たした上位のDemonならやり直す手間を面倒がって、多少命を惜しむがそれぐらいだ。
彼等に本当の意味のhorrorは理解できない。魂を砕き、彼等に真の消滅を与える事が出来るDemon King Guduranis以外には。
だがVandalieuは魂を砕く事が出来て、『God of Law and Life』Alda公認の次代のDemon Kingにして、数々の【Demon King Fragment】とFusionしている存在だ。
当然Demon達はそのRankに関わりなく、歪な魂の芯から震え上がった。それをDungeonのMental支配が無理矢理押さえ込んでいたのだが……それが力を失った今、彼等の心は一つだった。
どんな死に-samaでも構わないが滅ぼされるのだけは嫌だ、と。
そして彼等は掲げたのだ、降伏の白旗を。
「……そこまで怖がらなくても良いのに」
Vandalieu当人はCircle of Reincarnation system云々の仕組みを知らないので、相変わらずDemon達の怯える-sama子に納得していなかったが。
『ウオオオオォォォ……渦潮よ、押し流せ! magmaよ、飲み込め! miasmaよ、蝕め!』
現身はBorkus達の攻撃に対して、spaceを歪め『Trial of Zakkart』の各階層と繋いだゲートを複数出現させ、そこに存在する渦潮やmagma、Deadly Poisonのmiasmaを召喚する。
恐らく、これがspace attributeのEvil God (M)であるGufadgarnの戦い方なのだろう。
『Transform! 【時間逆行】!』
『皆っ、凍りつかせるよ!』
『Transformっ……出来ないけど【大浄化】!』
だが、Transform杖の試作品でmetallicにTransformした『Tiny Genius』ZandiaのTime-Attribute Magicが、渦潮が飛び出ようとしたゲートをActivateする前まで時間を逆行させて消し、magmaの奔流はDark Broad GhostのOrbiaやウェンディゴ達のProjectile FireやWater-Attribute Magic、coldのBreathによって固められた。
miasmaの奔流も、『Saintess of Healing』Jeenaの【Life King Magic】によって浄化された。Transform杖の試作品が足りなかったので、Transformはしていないが。
攻撃を全て無力化された現身の動きが目に見えて鈍る。恐らく、与えられた判断力を越えた事態に次の手が思いつかないのだろう。
その現身にcountlessのfeather音が迫る。
「ギギギッ!」
「キリキリキリ」
その姿は一見すると、蜂をモChiefにしたfemale用の鎧を纏った女Soldier達に見えるだろう。しかし鎧に見えるのはexoskeletonで、目に当たる部分にあるのはcompound eyesである。
「行け、娘達よ。関節を狙え」
『Trial of Zakkart』に入ってから蛹からgrown wingsして成虫に成ったGehenna Bee達は、QueenであるQuinnの命に従って現身の関節部分にWeapon Equipmentである槍や"poisonous needle"をthrust刺していく。
appearanceからして無機物的な構造をしている現身に毒は効かないだろう。しかし彼女達の一撃に込められたAttack Powerは削岩機を越えている。
「ギシャアアアアア!」
『ぶぐるるるる』
雷を纏ったPeteの角が現身の爪先を削り、SlimeのKühlが脚の表面を這い上りながら徐々に溶かしていく。
『吸い尽くしてやるよぉぉぉ』
更にEisenが背中から伸ばした枝、では無く根を現身のbody partの隙間にthrust入れ、根を張りながら【Drain Vitality】で少しずつDamageを与える。
だがそれらは現身にとって痛手ではなく、掠り傷でしかない。逆に停止していた判断力が僅かだがDamageを受けた事で再始動したのか、咆哮を上げて腕を振り上げる。
『ウオォォォォォ!』
そのまま力任せに自らに群がる敵を薙ぎ払おうとする。その攻撃を受ければ、Rank10未満の者は一溜りも無いだろう。
だがその頭部に、High-Speedで撃ち出された何かが連続で打ちこまれた。
『ウオォォォォっ!?』
堪らずscreechを上げ、攻撃を中止し振り上げた両手で頭部を守る現身。その両腕に、黒い角やcarapaceが衝突して轟音を立てる。
「うーん、流石に神の現身。見るからに頑丈そうなのもあるのでしょうけど、一撃必殺とはいきませんね」
Barrierの向こうにいるVandalieuの【Artillery Technique】による支援である。
……本来なら彼はBarrierに阻まれ戦闘に直接参加できない。しかし彼とFusionしている【Demon King Fragment】はあらゆるBarrierを貫く事が出来る。
だから遠慮無く【Demon King's Blood】製のgun barrelで撃ち込む事でBarrierに穴をあけ、援護射撃と言うには高Attack Power過ぎる攻撃を行っていた。
「Van、何で最初からしないの?」
「不意を突いて行った方が、相手の動揺を誘えるかと思いまして。実際、攻撃の出鼻を挫けましたし」
Barrierが破られる事をGufadgarnは想定していない。そのため、現身はBarrierの向こうにいるVandalieu達を攻撃するための思考が、programが組まれていない。
両腕の隙間から見える現身の顔にも、何処か愕然とした-sama子が見てとれた。
『胴体が留守だ!』
『集中攻撃~!』
『あっしの攻撃、効いてるんですかね?』
その隙にIslaがMagic Swordで現身の腹部に当たる部分をSingle Flashして離脱。すかさず、Princess LeviaやOrbia、Kimberly達Ghostの火炎や氷、雷撃の集中攻撃が叩きつけられる。
それに対応するために現身が動き出そうとしたが、すかさずVandalieuの射撃が現身を穿つ。
この繰り返しによって、驚異的な耐久力を誇っていた現身は徐々に削られ効果的な反撃も出来ないままcountlessの破片に砕かれてしまったのだった。
現身を倒した後、Vandalieuはその背後にあった扉から階段を下りる前に装備できる仲間を全て装備して、出来ない者は階段の途中に残して下に向かった。
これまでとは異なる存在を……Evil God (M) Evil God (P)のmain bodyが顕現しているsignを感じ取ったからだ。
【Danger Sense: Death】に反応は無いが、現身や化身ならともかく神main bodyを直視するとpsychological Damageを受ける恐れがある。
そのためVandalieuは単身向かったのだ。
そして予想通り、Gufadgarnが待ち受けていた。
『ようこそ、最後の挑戦者よ。この百九階層が『Trial of Zakkart』の最奥……本来なら最後の試練を執り行う場所に成ります』
Gufadgarnの姿は大柄なmaleほどにまで縮めた以外は現身とほぼ同じだった。だが、その存在感は現身を更に上回っている。
「最後? それに本来なら?」
内心身構えていたVandalieuが聞き直すと、Gufadgarnは答えた。
『はい、最後の試練とは挑戦者がAldaのbelieverである場合やZakkartの真実を知らぬ場合、我が訴えを聞き入れ、心を入れ替えられるか否か。
故に、次代のZakkartよ、あなたには必要の無い試練です。そしてこのDungeonが次の挑戦者を必要とする事は無い』
そう答えるとGufadgarnはその場に膝をthrust、Vandalieuに向かって頭を垂れた。
『次代のZakkartよ、これまでの数々の無礼をお許しください。いかなる罰もお受けいたします』
「いえいえいえ、頭を上げましょうよ、罰とか無いですから。無礼については寧ろ俺達が怒られるのではないかと思っていたぐらいですし」
『いいえ、あなたを試すためとはいえ課した試練の数々は僕として決して許されないものばかり。頭を上げる事等できませぬ』
「いえいえ、元からそう言うDungeonだと分かったうえで挑戦したのですから文句をつけるのは筋違いというものです。それについカッっとしてDungeonを破壊しちゃいましたし」
幻を見せられた時は頭に来ていたVandalieuだが、あれからもう数日過ぎている。それにDungeonを一部壊したimpactで、monstersに対するMental支配が疎かに成り試練も殆ど行われなくなってしまった。
そのため怒りはかなり冷めていた。苦情を言って、謝罪があれば忘れようと思うぐらいには。
だがその前にGufadgarnが神とは思えない腰の低さと丁寧さで謝罪したので、Vandalieuは慌てていた。
『それは砕かれるDungeonをCreationした私の落ち度です』
そしてGufadgarnは、数々の裏技や裏回答で試練を攻略したVandalieuに心から謝罪していた。
試練を課した自らの想定の斜め上を行く事は、Gufadgarnにとって喜びであった。そうでなくても迷宮の形式で試練を課した以上、挑戦者が試練の穴を探そうとするのは当然だと解釈していた。
それに、命がけの試練を課しておいて全力を出すなと言うのはただの理不尽だ。その全力の結果Dungeonが破壊されたとしても、それは自分の落ち度であるとも考えていた。
「む……じゃあ、謝罪を受け入れる事にしますからとりあえず頭を上げてください」
『畏まりました。我がDungeon『Trial of Zakkart』の攻略者にして、新たなる我が主よ』
《【Trial Conqueror】のsecondary nameを獲得しました!》
《nameがVandalieuから、Vandalieu Zakkartに変更されました!》
Gufadgarnがそう言って頭を上げた瞬間に、Vandalieuの脳内にアナウンスが響く。
「……では、Zakkartの遺産について説明をお願いします。死者のrevivalに関する物があるなら、最優先で」
nameまで変わったとか、それによって今後Boundary Mountain Range外で活動する時色々問題が起こりそうだとか、そういった事は脇に置いて、Vandalieuは母であるDarciaのrevivalを可能にするはずの遺産を求めた。
『死者のrevival……畏まりました。こちらです』
そしてGufadgarnは事情の説明を求めようとはせず、Vandalieu達を十万年以上守って来たZakkartの遺産が保存されている宝物庫に誘った。
・Job解説:Creation Guider
Mana、そしてVitalityや力、Endurance等が上がりやすい。
そしてJobに就いた者の「Creation」に関する事全般に補正効果がかかり、また創りだした物や技術に関する者達をGuiding事が出来るJob。
本来ならProduction related Championに相応しい、創りだした武具や衣服、装飾品を装備した者達や、Cookingを食べ、日用品を利用する者達。そして技術を伝授された多くのpupils達を導いたと思われる。
しかし VandalieuがこのJobに就いた事で、Jobの意味合いが大きく変化した。
Creation物の中にDemon King Fragment製の武具や製品、分泌した毒物や薬品、【Golem Creation】で作られたGolem、そしてdeath attributeのManaによって創られたUndeadや他のmonstersも含まれるようになったのだ。
その結果Vandalieuの創道は、Demon PathやNether Pathと同じ常人には決して先導できない道と化している。