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Chapter 171: 轟く絶叫

《【Hell King Magic】、【冥Demon Path Enticement】、【Automatic Mana Recovery】、【Thread Refining】、【Mana Recovery Rate Increase】、【-Transcend Limits-】、【Alchemy】、【Commanding】、【Group Binding Technique】、【Surpass Limits: Fragmentsskilllevelが上がりました!》




 Majin King GodwinDark Elf王ギザン達挑戦者のconjectureによると、『Trial of Zakkart』の階層は大きく三種類に分けられる。

 まず一階層目から三十五階層までの上層は、謎掛けの階層。ZakkartProduction related Championらしい行動が求められ、逆にBellwood達戦闘系Championらしい行動をとるとKilling Intentに満ちたpenaltyを与える。


 そして三十六層から六十六層までの、Vandalieu達がlevelling代わりにclearした砂漠の階層を含める中層では、目に見える謎掛けの要素は無くなる。

 各階層の内装によって異なる厳しい環境や、それぞれの環境に適応したmonstersとの戦い。それに生き残る事が出来るかどうかが試されるのだ。


 その中層の階層の一つを、目立つ黒いモコモコとしたfurを纏ったGiant raceらしい大柄な人shadowが三つと、青白く火花を散らしながらmidairに浮かぶ男、そして空を走る馬車が進んでいた。


『つまり普通のDungeonって事かな? 【Shield Bash】!』

 Giant race Zombieの『Saintess of HealingJeenaが、白いfurに覆われた雪男、イエティBerserkerの腹に円盾を叩き込む。

「GOGE!?」

 secondary nameとは裏腹な剛腕によって、イエティBerserkerが吐bloodしながら後ろの氷塊に向かって吹き飛んで行った。


 その衝突音を掻き消すように、耳障りな断末魔のscreechが上がる。

『そう言う事なんじゃねぇか!? maybe Gufadgarnもネタが尽きたんだろ!?』

 『Sword KingBorkusが振るうGiantMagic Swordが、彼よりもGiantpoisonウェンディゴの腹を切り裂いたのだ。一見イエティの親戚のようなappearanceをしているが、実際はDemon系のmonstersであるウェンディゴの上位種だ。しかし彼にとっては油断しなければ負けない程度の雑魚でしかない。


 生前AClass adventurerだったJeenaBorkusの感覚では、『Trial of Zakkart』は上層で謎掛けに間違ってmonstersの大集団や危険なTrapを潜り抜けて疲弊していなければ、この中層を攻略する事は難しく無いように思えた。

 イエティBerserkerpoisonウェンディゴもRankは9。AClass adventurerpartyを組めば、それほど苦戦せずに倒せるmonstersだ。


『【雷刃波】! そうじゃないと思うよ』

 magicで雷の刃を放ち、新たに現れたpoisonウェンディゴを牽制しながら、『Tiny Genius』とのsecondary name通りに身長が二meterしかないGiant race ZombieShoujoZandiaがそう言う。


『そうか? この氷原も前の砂漠も、敵の数が多い事を除けば普通のDungeonだぜ』

『わたしもそう思うけど、何か気がついたの?』

『う~ん、まあ気が付けなくてもBorkusJeena姉ぇは無理無いと思うけど……この中層って、挑戦者の戦闘力だけじゃなくて、創意工夫して適応できるかどうかを試していると思うんだよ』


『適応?』

『そう、厳しい環境に適応してmonstersを掻い潜って進めるかどうか。砂漠の日差しとDryingとか、有毒ガスが不定期に噴き出す湿地帯とか、胞子が霧のように舞っているGiantキノコとカビの森とか、このmonstersの返りbloodも一瞬で凍りつく極寒の氷原も。

 上手く適応しないと、普段は倒せる程度のmonstersにだってやられちゃうよ』


 生物は常にベストなコンディションを保てる訳では無い、環境によって大きく左右される。

 灼熱の砂漠の階層はcertainly、足場が悪く有毒ガスを吸う危険のある湿地帯や、胞子で視界が確保できない暗く湿った菌類の森、そして足元が氷と雪で覆われた極寒の氷原では平時と同じ実力を発揮するのは難しいだろう。


『なるほど~、resistance skillとか根性とか情熱とか気合でそれを克服するんじゃなくて、乗り越えられるよう道具やmagicで工夫しろって事か。Zombie PrincessRank upしたからか、前より頭が良くなって小さくなったね』

Jeena姉ぇ、resistance skillを覚えるまで待っていたらその前に死んじゃうよ。後、根性とかでは絶対無理だから。それに小さくなってないから』


 ZandiaJeenaはこれまでのlevellingの結果、それぞれRank9と10にRank upしていた。それぞれZombie Heroから、Zombie PrincessZombieセイントにraceが変化している。

 やはりappearance的な変化は無い……筈なのだが、Jeenaは度々Zandiaをからかっていた。


『お姫-san、創意工夫しようにも前もって物資を持ちこんでなきゃ無理ってもんですぜっ!』

 イエティのUnarmed FighterBerserkerに電撃を放ちながら、Thunder bolt GhostKimberlyが異を唱えた。因みに、Princess LeviaはイエティMageやウェンディゴがWater-Attribute Magicを多用するため、Orbiaは少しでも気を抜くと実体に近づいている体が凍ってしまうため、この階層では引っ込んでいる。


『それに、ここは環境の種類が多すぎる! 全てを想定して装備を持ちこもうとしたら、itemボックスの持ち主かボスでなきゃぁ、とても無理だ!』

 Kimberlyの主張する-samaに、普通のHumanには持てる荷物に上限がある。Weapon Equipmentと鎧だけでも結構な重量なのに、氷原に砂漠にとそれぞれに合わせた装備を持ちこもうとしたら、流石に動けないだろう。


 このworldHumanbody part AbilityJob changeを繰り返すと『Earth』や『Origin』では超人としか思えない域に達するが、その超人でも自分の何倍も大きい荷物を抱えたまま戦闘のような激しい動きは出来ない。


『だからmonstersの素材を利用するんだよ』

 しかし ZandiaKimberlyの異論に、Light-Attribute Magicの光線でウェンディゴを貫きながらそう答えた。

『砂漠の階層に出てきたSand Warムの殻とか、この階層のイエティのfurとか、色々あるじゃない。それを現地調達して工夫しろって、Gufadgarnは言っているんだと思う』


 『Vida’s Resting Ground』に残されていたrecordによると、Demon Kingとの戦争でmonstersの素材の利用法を確立したのはZakkartを含めたProduction related Champion達であったそうだ。

 それまでも食料や装備品に加工されていたが、どのmonstersの肉が食用に適していてどのmonstersbonefangsWeapon Equipmentに加工できるのか、各地域や一族や集落によって知識や技術が共有されていなかった。


 それをHillwillowが更なる加工技術の開発を行い、Arkが【Alchemy】と組み合わせてより優れた武具やitemを創り出す技を発見した。そして二人の発見や発明をSolderが知識として編集し纏め、Zakkartが効率良く学ぶためのマニュアルを作成し、各地に散らばっていた技術者に教え広めた。


 それ以前は地域や職人によって異なっていた素材の利用法が、更に向上し共有されるようになったのだ。


 ただHuman社会ではこのachievementは忘れ去られて久しい。Demon Kingを倒した頃に人口が三千人程までに減ってしまい、広まった知識と技術そのものが失われてしまったからだ。

 更にVidaAldaから離れた時に、Production related Championに恩を感じていた人々の多くが彼女に付いて行ったためその傾向は強まった。

 

 そしてAdventurer’s Guildを創立する際Farmounが改めて人々に広めたのだが、そのせいで現在ではFarmounachievementだと誤解している者が少なくない。

 Farmoun本人は当時から-chanArkSolder達のachievementだと語っているし、文献も残している。それに知識と技術をLostさせなかったと言う点では、彼のachievementでもあるのだが。


 しかし certainly Human社会の事を知らないGufadgarnには、そうした事情は関係無い。

 だからmonstersの素材の有効利用もDungeonの試練に採用されているのだろう。


『ん~、言いたい事は分かったけど、今までの階層でそんなに苦労した覚えなびょっ!?』

 奇妙な声を残してJeenaの姿が消える。攻撃する対象を見失った雪ダルマの形をしたDemonJackフロストも思わず動きを止める。


 しかし、すぐにJackフロストの足元の雪と氷を砕きながら戻ってくる。

『ば~っ! 前言撤回っ! Zandia -chanの言う通り、過酷な環境だよ!』

 どうやらJeenaは雪に隠されていた氷の裂け目に落ちたらしい。

Jeena姉ぇ、クレバスに気を付ける-samaにって陛下-kunに言われたじゃない。敵が歩いた場所か、雪を吹き飛ばした所以外、歩かないようにって。セイントって聖人とかSaintessじゃなくて、脳筋って意味だっけ?』

 普段のお返しとばかりにZandiaがからかうと、Jeenaは『むぅ~』と頬を膨らませる。


『氷の裂け目はin any case、それ以外はそんなに苦労してないぜ。その裂け目にしたって……【剣嵐】!』

 Borkusの【Sword King Technique】のMartial Artsによって起こされた衝撃波によって、二体のイエティとその周囲の雪が吹き飛ばされていく。


『こうすりゃあ見落とす事もねぇ! 俺達ぐらいになれば寒かろうが暑かろうが絶好調だ、そうだろ?』

 振り切ったMagic Swordを肩に担いでそう言うBorkusだが、Zandia達の同意は得られなかった。

『だから、それはあたし達がUndeadだからだってば。five sensesが鈍くて、ちょっと暑かったり寒いぐらいじゃコンディションにimpactがないからだよ』


 半眼になったZandiaBorkusに言ったように、Undeadである彼女達は多少環境が厳しくてもimpactを受けない。何故ならBodyが生きていないからだ。

 Humanは体内の水分が数percent、体温が五度も下がれば体調に大きな変化が出る。とても通常通りの戦闘は出来ないし、幻覚を見る等判断Abilityが極度に下がる。そのまま脱水や低体温が続けば、monstersに殺される前に死んでしまうだろう。


 しかし Undeadは、raceによっては多少の変化ならimpactはない。five sensesが鈍い為、psychological stressも覚えないのだ。

 だが無敵と言う訳では無い。


『あ~、確かに気がつかなかっただけでimpactは受けてるかも。手袋の中で指が折れちゃったよ』

 Jeenaは自分の指が凍ってしまい、折れている事に今気がついた。Zombieである彼女だが、体が凍るほどの極寒は流石に平気とは言えない。


 それを防ぐために彼女達は【Demon King's Fur】製防寒具を身に纏っているのだが……普段から体温が低く体液の循環が行われていない分、生身のHumanよりZombieの方が極寒に対する適応力は低いのかもしれない。


『そうでしょ。まあ、この程度で済んでいるのが異常なんだけど。陛下-kunのお蔭で色々楽できてるし……あ、その陛下-kunだ』

 後ろを進んでいるSamcarriageから、黒い毛にwhole bodyが覆われたイエティのchildのような生物が……Activateした【Demon King's Fur】でwhole bodyを包んでいるVandalieuが出てきた。


 黒い毛玉と化しているVandalieuは、【Flight】で空を飛んでJeenaに近づいてくると【Group Binding Technique】で装備していたRitaSalireを外に出した。

Jeena -san、私達と交代です!』

『後は任せてください。私達のbody partSpirit Formですから。父-sancarriageBellmond -sanに縫ってもらってください』


 二人のようなLiving Armorは物理的なBodyが無い為、鎧の材質次第では極寒でもimpactは受けない。

『分かった、ありがとう~。ところで、さっきから陛下-kun黙ったままだけど?』

『口を開くとlungが凍りそうだかららしいです』


『……childは風の子って言っても、流石に限度がある訳か』

『ボス、あっしの同類のような寒冷地対応のUndeadを増員しましょうぜ。今度アーlifeァミリーみたいな連中を始末する時は、あっしにお任せくだせぇ』

 こうしてVandalieuが次に訪ねる街に巣食う悪人の死因が決定したのだった。




「あー寒かった。ちょっと寒冷地を舐めていました。これ程の極寒は今まで経験した事が無かったとしても、想定が甘かった」

『私達も久しぶりに寒いって思いましたよ』

『まあ、思い込みだと思いますけどね』


 氷原の階層をclearしたVandalieu達は、次の階層との間にある階段で休憩していた。

 この『Trial of Zakkart』も、階段だけは基本的に安全地帯となっている。丸一日以上留まっていたり、攻略を諦め階段を利用して生き延びる事が目的になっていると判断された場合は、やはりmonstersが湧いたり次の階層に強制Teleportationさせられたりするが。


 しかし猶予がある分、Vandalieuが作ったAClassモドキのBClass Dungeonより優しいのかもしれない。


『私は外で姿を現しただけでVitalityが徐々に減っていきますし、大変な場所でしたね。Sam -sancarriageの中では、あまり炎を出せませんし』

『私の【Comfort Maintenanceskillでも適温を保てない極寒は想定しておりませんでした』


 キャンプファイヤー代わりになっているPrincess Leviaが、極寒を思い出して溜め息をつく。雨や、それこそ吹雪でも水蒸気に注意すれば普通に活動できる熱量を発揮できる彼女だが、防寒具を着ていてもHumanが凍死しかねない極寒は無理だったようだ。


「【Demon King's Fur】は温かくなかったのかね、師Artisan?」

「俺がimmatureなせいかDemon King's Bodyそのものがoriginally寒さに強かったからか、【Demon King's Fur】は防寒性ではイエティのfurに劣るようです」

 安全な休憩時間なので珍しく外に出ているLucilianoが、Vandalieuの発言をメモしている。


「では、とりあえず人数分の防寒着を作っておきますわね。この先にも同じような階層が無いとは限りませんし」

 Tareaはそう言いながらBorkus達が回収してきたイエティのfurの処理を始めた。

「間に合わせるために、多少作りが荒くなりますけど。野暮ったくてもスルーしてくださいな」


『構いやしねぇ。やってくれ……ふう、凍りついたbody partに湯が効くぜぇ』

『本当に~。私、これから毎日Orbiaに浸かる~』

 BorkusJeenaは、Princess Leviaが温めた液体に浸かって所々凍りついたbody partを温めていた。

『ちょっと二人とも、遠慮しようよ。Orbia -san悪いってば』

 そしてその液体とは、Dark Broad GhostOrbiaだった。


『いいよいいよ、気にしないで。外に出られないあたし達の代わりに頑張ってくれたんだから。Van -kunも来なよ』

 液体のtentacleBorkus達を温めながら、Vandalieuに声をかける。しかし Vandalieuにはその前にやる事があった。


「いえ、その前にご飯を食べないといけませんから」

 氷原では久しぶりに前線に出たVandalieuだが、それ以外では殆ど食べてばかりだ。しかし、【Group Binding Technique】で装備した蟲や植物のmonstersや、PrivelGizania達が必要とするビタミンやカルシウム、キチン質を賄わなければならないので、怠けている訳では無い。……うっかりHuge Gluttony wormなんてmonstersTamerしてしまったので、負担が激増しているのだ。


「やはり【Demon King's Blubber】だけで賄うのは無理かね?」

 【Demon King's Blubber】をActivateさせてManaから作ったblubberで装備しているmonsters達が必要とする栄養素を賄えないのか。そう尋ねるLucilianoに、「可能、だけど効率が悪い」とVandalieuは答えた。


「常に【Demon King's Blubber】をActivateさせていないといけないので、いざという時にHell King Magicを使う事を考えるとManaが厳しいのですよ。消費量に回復量が追いついていなくて」

「なるほど……ところで、出来たようだよ」

 Lucilianoがペンを止め、鼻を押さえる。


recipe通りに作ったが……poisonウェンディゴの臓物の煮込みなんて食べられるのか、Van?」

「イエティもあまり食用には向かないmonstersだと聞くし、他の物を食べても良いと思うぞ? 武士は食わねどなんとかと言うし」

『何なら、提供するけど? 数キロぐらいならすぐに戻るし』

 Vandalieuが外に出ている間、Samcarriageの中でCookingを担当していたBasdiaGizaniaが、食べ物とは思えない程colorfulな煮込みCookingを持ってくる。


 目にthrust刺さる蛍光色に、思わずLegionが肉の提供を申し出た。幾らすぐ再生するとしても問題があると思うが、これを食べるぐらいならLegionの言葉に甘える者も多いだろう。

「いえ、それは最後の手段にしましょう。【Disinfect】で有毒な成分は消してありますし」

 基本的にDemonは食用に向かない。何故なら、多くの場合人体に有害な成分が含まれているからだ。特にnamepoisonVenomとつくDemonを食べるのは、ただの自殺に等しい。


 しかしその毒をmagicで消してあるので、食べる事自体は出来るはずだ。見た目を無視すれば、匂いも……臭いも何とかなる。意を決して、Vandalieuは煮込みCookingを口にした。

「……二人とも、見た目よりは美味しいですよ」


Van、無理しなくても良い」

「正直に言って欲しい」

「……Gobu-gobuと比べると、ほんの少し不味いです」

 Ghoul伝統の保存食、そのままでは臭くてとても食べられないGoblinの肉を食べられるように加工したGobu-gobu。それよりも少し劣る味と言われた二人は、「そうだろうな」と頷いた。


「私が食べた時も、そんな感じだったからな。匂いは見た目ほど悪くないのだが」

「味見をする前は、上手く行ったと二人で手を叩いたのだけど」

 BasdiaGizaniaは、-chanと味見をしていたらしい。その上で、「辛うじて大丈夫だろう」と思ったようだ。


 実際、辛うじて大丈夫だった。毒が無いからといって、美味い訳では無いが。


「どうする? Cookingは止めるか?」

 今もSamcarriageではMagic StoveIrisEleonoraCooking中だ。流石にpoisonウェンディゴでは無く、イエティの方だが。

 イエティの肉はただひたすら脂っぽく、そのくせ筋張っていて硬い。なので、基本は油を取るだけで食用には使われない素材だ。


「まあ、きっとCooking法によっては美味しくなりますよ。curryで煮込むとか」

『……カエルでもヘビでも、curry粉をかけて焼けば食べられるしね』

 Legionの人格の一つ、Ereshkigalの呟きにnod Vandalieu。尤も、curry粉をかけても驚異の不味さを保ち続けるGoblin肉のような物も存在するのだが。


しかしHeinz達は何処まで攻略して、どの時点で戻ったのでしょうね?」

 そして煮込みCookingを食べながら、Human社会唯一の生存者であり復讐の対象であるHeinz達の事を思い浮かべる。


「さて、Irisも言っていたが彼等は『Trial of Zakkart』で何があったかはあまり語っていなかったからね。いい加減な噂ばかりで、conjectureも出来んよ。

 しかしArtisan、妙に彼等の事を気にするね? 彼等の仲間の死体らしい像が発見されたのは、恐らく下層と思われる場所のはずだが」


 『Five-colored blades』唯一の犠牲者であるElfSpirit UserMartinaの死体をUndeadにするために手に入れる事も、Vandalieuの目的の一つだ。ただその優先順位はかなり低い筈だった。

 Darciarevivalの為ならcertainly、仲間の安全を脅かすなら当然、諦めても構わない程度だ。

 そう『Trial of Zakkart』に入る前は言っていたのに、もしかして心変わりでもしたのだろうか? そう思ったLucilianoの心配は杞憂だったようだ。


「いえ、それは比較的どうでもいいのですが当時のHeinz達の実力で何処まで行けたのか気になっただけで」

 Vandalieuが気になったのはHeinz達の当時の実力と、それで推し量れる『Trial of Zakkart』の難易度であった。

 どれくらいまでlevellingや新装備の実験等をしながら、つまり余裕を持って進む事が出来るのか。それをconjectureしようとしているようだ。


Heinz達が一回目に挑んだ時、Terneciaを相手取った時より人数も実力も下だった当時に進む事が出来た程度なら、levellingをしながら強引に進んでも俺達なら問題無いだろうなと思いまして」

『まあ、確かになぁ』

 当時のHeinz達も既にadventurerとして強いだけではなく、-sama々なmagic itemで厳しい環境に備え、monstersに関する知識も深く、総合的に高い実力を持っていた。


 しかし、今のVandalieu達は全ての面でそれを上回る。戦闘力、人数、物資、事前の情報。比べるまでも無い。

 彼等が死力を振り絞って進んできた道は、Vandalieu達にとっては観光用に整備された登道に等しいのだ。


『それならGodwin -san達から聞いた話で十分じゃないかしら?』

 だが、比較対象の攻略経験者ならDarcianameを出したGodwin達がいる。

『それとも、やっぱりGodwin -san達は大体正しい方法で攻略しているから、この場合はあまり参考に成らないの?』


「そうなんですよ、kaa-san

 ただGodwin達は、ギザン達識者によって『Trial of Zakkart』の正しい回答を選んで進んでいる。どうしてもわからなければGodwinのような武闘派が強引に攻略するが、そうしてclearする階数は少ない。

 それに流石のGodwin達も、砂漠や氷原等の厳しい環境の階層では正攻法を選ぶ。灼熱の太陽が沈むまで待ってnightに素早く砂漠を駆け、monstersの素材から防寒具を作ってから最小限の戦闘で済むように隠れながら氷原を進む。


 戦闘狂のGodwinも、不利な状況での連戦は流石に好まなかったらしい。


 正面からmonstersの大軍相手にlevellingをしながら進むような真似をするVandalieu達にとって、参考になるのは間違った攻略法のままthrust進んだだろうHeinz達の方なのだ。


「まあ、考えても仕方ないかもしれませんが。もしかすると、Heinz達が攻略出来た階層はとっくに過ぎているかもしれませんし」

「師Artisan、過ぎているに一票だ」

「あら、意見が合いますわね。私もですわ」

『私もかなぁ』


 既にそのHeinz達が攻略出来た階層は通り過ぎているのではないか。そうLucilianoTareaJeenaconjectureしていた。

「当時の彼等はAClass adventurerだったのだろう? それもPure-breed Vampireやその側近と戦う何年か前の事だ」

『私が現役だった頃と比べてAClass adventurerの質が数段上がったならin any case、そうじゃないなら砂漠の階層前後が限界だと思うよ』


 中層で出現するmonstersは、Rank8から10のraceが多く11や12が各階層に一体存在するか否かと言った程度だ。最も強い個体をやり過ごせば、AClass adventurer四人でも攻略する事は可能のように思える。

 しかし実際には攻略を続ける事でFatigueは溜まり、階層毎に大きく異なる環境によってMentalBodyの両方にstressが溜まる。その上物資は余程上手く補給しない限り、どんどん減っていく。


「それに、彼等の中に素材を加工し武具を補修できる私のような腕利きの職人がいるとは聞きませんし。まあ、素人でもイエティから剥いだfurを継ぎ合わせる事は出来るでしょうけど……戦う時に激しく動くとそれだけでバラバラに成りますわ」


 そしてこのworldのAClass adventurerは、『Earth』では映画やコミックの中にしかいないはずの超人だ。その驚異的なbody part Abilityに、適当に作った防寒着等では耐えきれない。


「なるほど……じゃあ、levellingが出来るのは後数階まででしょうか。その前に下層に辿り着くかもしれませんが」




 その頃Rodcorteはあらゆる準備を終え、今まさに『Lambda』を、『Earth』と『Origin』ごと自身のsystemから切り離そうとしている所だった。

 ほんの数日間で作業を終えた事に、彼の焦りと危機感の大きさが分かるだろう。


『なあっ、やっぱり止めておこうぜ!』

 そのRodcorteAran達が必死な-sama子で声をかける。

『実際にsystemから急にworldを切り離したら、それも三つ同時になんて、どんな不具合が出るか分からない。そうじゃないのか!?』

『それに、今まで『Lambda』をdevelopmentさせようと手を尽くしてきたんでしょう!? それを諦めていいの!?』


 Endou KouyaShimada Izumiの叫びに、Rodcorteは答えた。

-kun達の言葉は尤もだ。私は今まで一度接続したworldを、systemから切り離した経験は無い。

 『Lambda』を含めたworldCircle of Reincarnation systemから切り離せば、発生した不具合の対処に暫く私はかかりきりになるだろう。更に、今まで-kun達を使って三十年程かけて行って来た事が無駄になる。

 更に『Lambda』はまだしも『Earth』や『Origin』のLostは、私にとっても小さくない』


 実行すれば、ボディBlowのように今後長くRodcorteDamageを与え続けるだろう。元のconditionに戻る事が出来るのは何百年か、それとも何千年も先かもしれない。

『だが、今ならそれだけで済む』

 しかし、ボディBlowを一発受けるだけで済むならそれはFortuneだ。


 Rodcorteの返事に、Kouyaと泉が小さく呻いた。

LambdaGodsallyについているVandalieuHuman達の魂を無差別に砕き出せば、system全体に致命的な不具合が発生する。

 Championの生まれ変わりである彼にとって、Vida's New RacesVida believer以外のHumanは価値の無い存在の筈。何時大量虐殺に走るか――』


『そんな事はしないって分かるだろう!? 今までのあいつの行動を見れば!』

 Aranが今まで収集したdataから【Calculation】で分析すると、Vandalieuemotionsを優先する非合理主義者で、そして善良とされる側に分類される心の持ち主だ。

 確かにUndeadを創り出し、敵と見なしHumanを殺して食料にする事すら躊躇わない等、Human社会から見ると放置できない価値観に従って行動している。


 しかしそれでも彼なりのruleに従っており、そのruleは今考えるとかなり寛容なものだとAranは考えていた。少なくとも、無差別虐殺は余程追い詰められない限り……Aran達が「仕方ない」と思う段階を過ぎても暫くはしないだろう。差別的な虐殺は躊躇わないだろうが。

 これで死者を弄んだり、霊に洗脳染みた魅了を行わなかったりすれば、文句は無い。そう思う。


『確かに今まではそうだが、これからしないと何故言い切る事が出きるのか?』

 だがRodcorteHumanemotionsを理解せず、もっと言えばHumanを信用しない神だ。既に正気を失っているVandalieuが、更に錯乱する事が無いと信じる事は出来なかった。


『そうだとしても、それは彼にallyをするVidaRicklentと言った神も止めるはずだ!』

Endou Kouya、それも疑わしい。『Origin』と『Earth』の神も同-samaに』

 そしてRodcorteは、自分以外の神も信じてはいない。これまでの経歴や情報から、「こうするだろう」とconjectureする事はあっても。


 そのconjectureによるとVandalieuは当然自分を恨んでおり、それを晴らせるならと何時一線を越えるか分からない。それを止めるべきVidaRicklent、そしてZuruwarnは、彼から見ると狂っているとしか思えない。

 十万年前にVidaZakkartrevivalさせようと無駄な行動を繰り返し、更にRodcorteに不満を持って自らがCircle of Reincarnationを司ろうと画策した。不満や不信は想像できなくもないが、折角 Demon Kingから助かったworldを自分で二つに割り、争いの芽を産みだすなんてInsanityとしか言いようがない。


 RicklentZuruwarnはそれを良しとし、Reincarnatorを送り込んだ事を咎めるだけならまだしも、Demon King Guduranis-samaworldstabilityと秩序を危うくするVandalieu達のallyに回った。

 更に『Origin』の神は、ReincarnatorであるMinuma Hitomiと『The 8th Guidance』の魂を勝手にsystemから奪い、RicklentZuruwarnに渡している。


 『Earth』の神も、他の神同-sama敵対的だ。Legston 家の者達のrecordによると、Vandalieuanother worldの神's Divine Protectionを手に入れたらしい。その神とは『Earth』の神以外に無いだろう。

 Zakkart達が生まれた『EARTH』の神とも考えられるが、Vandalieu自身は『EARTH』と何のかかわりも無い存在だ。そんな存在にblessingsを与える事は不可能であるはず。


 やはり、『Earth』の神しかない。


 そのようなGodsだ。Vandalieuが行う事なら、無差別な殺戮や虐殺でも黙っている可能性がある。

 この分ではまだsleepssealedされているPeriaBotinも怪しいものだ。過去にProduction related Championと関わった神は、ことごとく狂ってしまうのではないか。そんな妄想染みた考えすら浮かぶ。


『あれらのworldで正気を保っているGreat Godは、Aldaだけだ』

 そうRodcorteは考えていた。もしRicklentがこの言葉を聞いたら怒りを通り越して憐れみを覚えるか、失笑するだろう。


『だったら……それぞれのworldHuman達は、俺達Reincarnatorはどうなる?』

 万策尽きた。そんな思いと共にAranRodcorteに質問を投げかけた。


『それぞれのworldは……特に『Earth』と『Origin』は数年から数十年で滅亡に向かうだろう。Humanだけでは無くあらゆる動植物、全ての生命体のCircle of Reincarnationが滞るのだから』

 systemから切り離されたworldでは、Circle of Reincarnationが行われない。故に、Humanを含めた全ての動植物の次世代は魂を持たないBodyだけの存在として産まれてくる。


 植物はほぼimpactはないだろう。しかし生存するのに意思が必要な知能の高い動物程impactは大きくなる。……自発的に食事すらしない生命体が増えるのだから、事態は深刻だ。

 ただ行き場を失った霊が勝手にBodyに潜り込んで魂を備える可能性はあるが……それはいわゆるキツネ憑きのconditionだ。とても正常とは言えない。


 また『Earth』ではin any case、『Origin』と『Lambda』ではUndeadの自然発生が爆発的に増える事が考えられる。行き場を無くした霊魂が溢れ、浄化しようにも還るReincarnationが存在しないのだから。


『恐らく、『Earth』と『Origin』は百年もすれば植物以外にはInstinctと反射のみで行動する原始的な生物だけのworldに成るのではないだろうか?

 そう考えると、『Lambda』が最も被害が少なくて済む事に成る。私のsystem以外にもVida式とDemon King式のsystemが存在するため、Vandalieuに導かれた存在やVida's New Races、そしてmonstersCircle of Reincarnationが可能だ』


 systemを切り離すきっかけに成ったVandalieuが現在存在するworldが最も被害が軽くて済むとは、皮肉な話だが。


worldの事は分かったわ。私達の仲間はどうなるの!?』

『まだ『Origin』で生きているReincarnator達に私が与えたCheat AbilityFortuneDestinyはそのままだ。彼等が生きている間は。

 二度目の人生を終えた後は、他の『Origin』のHuman-samaに行き場を無くして彷徨う事に成る』


 systemとの接続が切れているため、Amemiya Hiroto達は『Lambda』にreincarnationする事は出来ないし、RodcorteDivine Realmに来る事も無い。事前に施したprogramも機能しなくなる。

 彼等の人生は、二度目で終わりだ。


『三度目のreincarnationに否定的な者も多かった。彼等にとっては、悪い事ばかりでは無いのではないと思うが』

『だったら……既に『Lambda』にreincarnationしたAsagiMaoはどうなる!?』

『……なるようになるだろう。少なくとも、直接死ぬような事は無い。AldaVida達の対応によっては、死後に未来永劫彷徨う事に成るかもしれないが』


 Circle of Reincarnationが出来なくても、それですぐに死ぬわけでは無い。単に、自然に生まれ変わる事が出来ないだけだ。


VidaVandalieuが責任を取って、Circle of Reincarnationをしっかり運行する事に期待する事だ。『Earth』や『Origin』にもZuruwarnCircle of Reincarnation systemの創り方を教える等して、案外滅亡を免れるかもしれないぞ』

『や、止めろぉぉぉぉっ!』

 Aran達が堪らず大声で叫び出すが、RodcorteFamiliar Spiritである彼等は彼の邪魔を直接する事が出来ない。


 Rodcorteは彼等の叫びを無視して、systemの接続を切断するための作業に着手した。

『ぎっ? ぎやあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 その次の瞬間、断末魔じみた絶叫がDivine Realmに響いた。


 その絶叫の主は、ほかならぬRodcorte自身だった。




Name: Jeena

Rank: 10

Race: Zombieセイント

Level: 65

Title: Saintess of Healing】 【Saintess of Muscle】(NEW!)


Passive skills

Dark Vision

Mental Corruption:6Lv

Monstrous Strength:1Lv(Mysterious Strength awakened into!)

Physical Resistance:8Lv(UP!)

Augmented Mana:6Lv(UP!)

Strengthened Attribute Values: Religious Faith:8Lv

Strengthened Defense Power when equipped with a Shield: Large

Poison Resistance:5Lv

cold Resistance:1Lv(NEW!)


Active skills

No-Attribute Magic:5Lv(UP!)

Life King Magic:2Lv(UP!)

Mana Control:7Lv

Halberd Technique:10Lv

Holy Shield Technique:2Lv(UP!)

-Surpass Limits-:8Lv(UP!)

Surpass Limits: Magic Shield:10Lv(UP!)

Familiar Spirit Advent:4Lv(UP!)

Long-distance Control:7Lv(UP!)

Spirit Form:4Lv

Chant Revocation:3Lv(NEW!)

Coordination:2Lv(NEW!)


Unique skill

Healing Effect Enlargement:8Lv(UP!)




Monster explanation: Zombieセイント Luciliano


 Mage guildの文献に記されたlegendUndead。それによると無実の罪によって貶められ、無念の内に処刑されたSaintessが邪悪なGodsの誘惑に負け、Undead Transformationした個体が唯一確認された出現例だとされる。

 その時はKingdomが滅び、Alda’s Divine Protectionを受けたHeroによって浄化されるまでの間災禍を撒き散らしたと伝わっている。


 私もUndeadの研究として、何時か創り出したいと夢想していた存在……だった。


 Jeenaの場合Bodybuilding大会を主催したため『Saintess of Muscle』とのsecondary nameを獲得し、Saintessらしくない豪力を獲得し、更にLife-Attribute MagicSuperior Skillである【Life King Magic】、【Augmented Manalevelincreaseし、【Chant Revocationskillも獲得している。そのため、physical battlemagic戦も高度なlevelで行う事が可能。

 戦闘Abilityでは、Mage guildの文献に残るZombieセイントを越える存在だ。……普段の行いと言動は、聖人やSaintessとは全く異なるのだが。




Name: Zandia

Rank:

Race: Zombie Princess

Level: 88

Title: Tiny Genius


Passive skills

Dark Vision

Mysterious Strength:2Lv(UP!)

Magic Resistance:5Lv(UP!)

Augmented Mana:10Lv

Mana Recovery Rate Increase:9Lv(UP!)

Automatic Mana Recovery:3Lv(NEW!)

Enhanced Magic and Attack Power when Equipped with : Medium(NEW!)

cold Resistance:1Lv(NEW!)


Active skills

No-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Life-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Light-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Fire-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Water-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Earth-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Wind-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Space-Attribute Magic:9Lv(UP!)

Time-Attribute Magic:10Lv(UP!)

Precise Mana Control:1Lv(Mana Control awakened into!)

Dismantling:1Lv

Chant Revocation:6Lv(UP!)

Aura of Fear:3Lv(NEW!)


Unique skill

Genius of Magic

Ricklent’s Divine Protection(NEW!)




Monster explanation:Zombie Princess Luciliano


 生前高貴な身分だった者がUndead Transformationした場合と言うよりも、Undeadの姫に相応しい上Class UndeadのみがRank up可能なraceなのだろう。

 恐らく歴史上複数の先例があるはずだが、recordには残っていない。


 Zandiaの場合【Aura of Fear】で目視した者のMentalDamageを与えつつ、高度なmagicで攻撃する事が出来る。Ricklent’s Divine Protectionを得たためか、【Time-Attribute Magic】が他のattribute magicよりも頭一つ抜きんでている。


 恐らく、二人目のMagical Girl


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