Divine RealmでRodcorteは胡乱気な顔つきでLambdaの、Boundary Mountain Range内部の情報を見ていた。
【Perseus】のSamejima Yuri……Sallua Legstonを見捨てる事を決めたRodcorteだったが、まだVida式Circle of Reincarnation systemに導かれていない彼や、他のLegston Earl 家の者達のfive sensesを通しての情報収集は継続していた。
しかし Vandalieuと接触を重ねている訳でもないのに、既にEarl 家の面々はTalosheimで日々導かれつつある。どうやら建造物の外壁や、町中に建てられたVandalieu像等を見ただけでも、導かれる効果があるらしい。
恐らく、psychological効果を及ぼすskillかmagicを使用して作られているのだろう。
既に亡命した者達は殆ど導かれていて、Rodcorte達が手に入れられる情報は大分限られている。
そんなconditionでRodcorteが気に成ったのは、『Trial of Zakkart』についてだった。
『……たしか、百年ほど前から出現した特異なDungeonだったな』
彼も『Trial of Zakkart』を知らなかった訳では無い。耳には入っていたが、当時は興味が無かったのだ。
Demon King Guduranisに魂を砕かれた四人のChampionの一人で、新たにCircle of Reincarnation systemを創り自分の権能を侵そうとしたVidaが魂の無いBodyのみUndead Transformationさせた存在。その名を冠したDungeonに、Rodcorteは今まで興味を持たなかった。
何故なら彼の仕事はHuman達のCircle of Reincarnationを滞りなく行う事で、worldで起きた問題に対処するのはそのworldのHumanと、彼等を教えGuiding Godsの仕事だと認識していたからだ。
『Trial of Zakkart』の真実が何であっても、攻略者が本当にBellwood's Successorに成れるのだとしても、彼には関係の無い事だ。
certainly多くの挑戦者が死に、魂が解放されずsystemに還らない事には困っていたが、彼にとっては『Lambda』で起きている数多くの問題の内一つでしかなかった。
だがそれにVandalieuが挑戦すると知って、初めて興味を持った。
『……これは、Dungeon内部にBarrierが張られているのか? 生還したadventurer達のrecordが不鮮明になっている』
早速攻略者の中で唯一生存しているadventurer party、『Five-colored blades』のrecordを閲覧するが該当する箇所はノイズのような物が走っていて見る事が出来ない。
当人達のMemoryにimpactを与えず、しかし神は見る事が出来ない。明らかにBarrier……それも神が己の領分で、自分以外の神を意識して創り上げた強力なBarrierが張られている。
Rodcorteや、そして恐らくAlda等のGodsから干渉を出来るだけ受けないようにと。
『だとすると、このDungeonはDemon Kingと共に現れたEvil God (M) Evil God (P)が創り上げた物か』
Rodcorteは現在のHuman社会で恐れられている邪悪なGodsの名を思い浮かべるが、そのどれとも違うように思えた。これ程特殊なDungeonを創り、Barrierを張る事が出来る力と権能の持ち主に、心当たりが無かったのだ。
神は幾ら力が優れていても、権能と異なる事柄をしようとすると大きな制限を受ける。God of ReincarnationであるRodcorteは、Reincarnationの輪に還りこれから生まれ変わる魂には絶大な力を発揮できるが、既に生まれ変わった後のHumanにはほとんど何も出来ないように。
Reincarnatorのような半ばbelieverに近い存在になら多少の恩恵を与える事は出来るが、それは例外だ。
『確か、Vida's Factionには『Evil God of Labyrinths』が存在したはず。奴か? しかし、奴だったとして何故こんな事を? 奴がBellwood's Successorを探す筈はない……まさか狂乱し、ZakkartのSuccessor探しでもしているのか?』
だとするなら、あまりに愚かしい行動だ。
Vida達がChampionに与えた力は、一代限りの恩恵だ。遺伝もしなければ、他者に継承させる事も出来ない。生まれ変わった先にも、certainly impactしない。
もしZakkart達の子孫が……femaleのArkやSolderはin any case、男であるZakkartとHillwillowの場合は、Rodcorteが知らぬ間にDemon Kingに滅ぼされるまでの間にbloodを残したかもしれない。それが奇跡的に現代まで残っていたとしても、既に十万年以上経っている。
最早bloodの繋がりに意味を見出す事は出来ない年月だ。Gufadgarnには見分ける事も無理だろう。
だからChampionとしての力やbloodlineでSuccessorを探すのは不可能なはずだ。
唯一可能なのはZakkart達の思想や価値観を受け継ぐ者を探し出してSuccessorとする事だが、その為にはDungeonという選別方法が適しているとは思えない。
『いや、Zakkart達の砕かれたsoul fragment、それで私が創った歪な魂なら奴にも見分ける事が出来るかもしれないな』
VidaやRicklentが死者の蘇生という、自分の権能を危うくする目障りな行為を試みないよう、fragmentを全て回収し強引に一つに纏めてCircle of Reincarnation systemに流した魂。
あれなら魂の形を見れば、見分ける事が出来るだろう。
しかし、それはあり得ない。
『あの魂は念のために『Lambda』では無く、magicもmonstersも存在しない、神もまず動く事が無い『Earth』にreincarnationさせたはず。私のsystemではanother world同士でReincarnationの輪が交わる事は無いのだから、『Lambda』にreincarnationするはずが……まさか!?』
Rodcorteは自分の言葉にはっとした。そしてあり得ないと思いつつも、『Earth』のCircle of Reincarnation systemに今も存在しているはずの、Zakkart達のfragmentで出来た魂を探す。
膨大な情報の中からたった一つの、しかし際立って歪な魂を探し出す事はRodcorteと彼のsystemならば不可能では無い。
しかし、systemは『検索結果、none』と答えるのみ。そんなBAKANAと、二度三度と繰り返しても結果は変わらなかった。
『『Earth』に無い……だとすると、Reincarnator達の中に混じっていたのか? 唯一another worldとReincarnationが交わったあの時に!』
そう、Rodcorte自身が行っていたのだ。『Earth』とanother worldのCircle of Reincarnationを交わらせる行為を。
焦燥に駆られたRodcorteはReincarnator達のrecordを検索し、魂を確かめる。
現れた九十七人の検索結果は、どれも異常noneだった。
ferryの事故で死んだHuman達の内、選んだのは百二人。最初に一人がreincarnationを拒否して、『Origin』にreincarnationしたのが百一人。
【Gungnir】のKaidou Kanata、【Death Scythe】のKonoe Miyajiの二名がVandalieuに魂を砕かれ、【Gazer】のMinuma Hitomiが『The 8th Guidance』達の魂共々RicklentとZuruwarnに奪われた。
そして、VandalieuがVida's New Racesと化してRodcorteが直接干渉できないconditionになっている。
『あいつ、急にどうしたんだ?』
『-sama子がおかしい。何かあったのか』
Machida AranやEndou Kouya、Familiar Spiritに昇華したReincarnator達がRodcorteの-sama子に気がついて離れた場所から-sama子を伺っている。
certainly彼等三名の魂も検索済みだ。そもそも、Rodcorteが彼等をFamiliar Spiritに昇華させる際に魂にしっかり触れている。通常とは違う歪な形の魂なら、その時に気がついているはずだ。
『いや、なら最初に『Earth』から『Origin』にreincarnationさせる際に気がついているか?』
Reincarnator達には、最初にmagicの素質やCheat Ability、それにFortuneとDestinyを与えている。その時にRodcorteは彼等の魂に触れている。
という事は、Zakkart達のfragmentで作った魂はReincarnator達の中に紛れ込んでいる訳では無く、それとは別の手違いで『Earth』から他のworldに紛れ込んだのだろうか?
あり得る事だ。最近はVandalieuのせいでCircle of Reincarnation systemに繰り返し障害が発生している。その際に手違いがあったのかも――。
『待てっ! そうだ、Vandalieuだ! 私はVandalieuの魂に触れていない!』
Rodcorteはその事実に思い至って、愕然とした。
『Earth』から『Origin』へreincarnationさせる際は、彼の分のmagicの素質やAbility等を全てAmemiya Hirotoに与えたために渡す物が無く、魂に触れる事も無くそのまま送り出した。
『Origin』から『Lambda』にreincarnationさせる際も、彼が他のReincarnator達に危害を加える可能性が高いように思えたので、新たにAbilityやmagicの素質を与える等の調整を何も施さず、ただCurseだけを投げつけるようにして与えただけだった。
Rodcorteは、Vandalieuの魂に一度も触れていない。
『BAKANA……そんな……七十億人の、数え切れない程多くのEarth生命の中に紛れ込んだ大外れが、百人の中に紛れ込んでいたと言うのか!?』
愕然とした顔つきのままbody partを小刻みに震わせ、喚きだすRodcorte。彼は気がついてしまった事実を否定する材料を必死に探した。
だが見つかるのは肯定する材料ばかりだった。
Vandalieuの、幾らEmpty Frameがあったとしても異常としか言えないManaの量。あれは四人分のsoul fragmentを組み合わせて作った魂だからではないのか?
砕かれたfragmentの中にDemon King GuduranisのManaか何かが染みついていて、それがdeath attributeを発現させる呼び水に成った可能性を否定できるのか?
そして何より『Lambda』のGodsの妙な動き……Vandalieuの魂がZakkart達のsoul fragmentから作られたからこそ、RicklentやZuruwarn、そしてVidaが奴に協力しているのではないのか?
『おい、いったいどう――』
『なんと、何と忌々しい事だ!』
怒りが頂点に達したRodcorteが放った怒号の衝撃を受けてAranが吹き飛んだが、彼はそれに気がつく余裕も無かった。
Alda or LambdaのGodsの反対を無視して行われたanother world『EARTH』からのChampion召喚。その結果が巡り巡って彼のCircle of Reincarnation systemを危うくしている。
自らの過ち、迂闊さにRodcorteは眩暈を覚えた。恐らく『Evil God of Labyrinths』も、Vandalieuを探す為にあのDungeonを創ったのだろう。
このままだとVandalieuは今まで以上に強大な力を手に入れ、Zakkart達の再来として、Boundary Mountain Range内部に蠢く者共だけでは無く、全てのVida's New Races共を率いる事になるだろう。
そして自らに導かれないHuman達を迫害……いや、虐殺し滅ぼし尽くすかもしれない。
そして『Lambda』ではRodcorteのCircle of Reincarnation systemでは無く、VidaのCircle of Reincarnation systemが運用される時代が到来する。それを防ぐための有効な手段は――今のところない。
『ならば、最早一刻の猶予も無い。これ以上system全体に負荷がかかる前に、『Lambda』をsystemから切り放す』
一時的に損害を被っても、これ以上傷を広げないために。Rodcorteは決断を下したのだった。
……既に『Lambda』にreincarnationしているSalluaやAsagi、Murakami達はcertainly、Alda達Human側のGods、そして『Lambda』の人々を顧みる事無く。
ギラギラと輝く偽りの太陽の元、隊列を成して軍勢を形成する存在があった。
物理攻撃に強いResistanceを持つ砂状のBodyのSand Demonの上位種である、Rank8のGreater Sand DemonのSoldier達。
砂の海を自由に泳ぎ回り、キャラバンに畏れられるHuge Sand Warム。鉄のように硬いexoskeletonを持つIron Scorpion。Crypsisで砂に溶け込み、素早く伸びるtongueでHumanをeating preyするdessert Chameleon。砂漠を徘徊し犠牲者に幻を見せてMentalを苛む悪霊、MillerジュShade。
それ等Rank自体は4や5と低いが砂漠の環境に適応した恐ろしいpredator達。
それらをCommandingするのはRank10、AClass adventurerでも簡単には倒せない悪夢を司るMage。KnightメアDemon Wizard。
Gufadgarnが創り出したこのDungeonで生成された彼等は、raceが何であろうが全て偽りの生命だ。目的の為に創りだされたBodyに宿るのは、DungeonのMental支配を強く受けた生存Instinctすら無い虚ろなMental。
しかし、この時彼等の瞳には共通した意思の輝きが宿っていた。
まるで同じ旗の元に集った、志高いKnight達のような気高さがそこにはあった。
「GAAAAAA!」
何としてもあの強大な敵を打倒するのだと、KnightメアDemon Wizardが檄を飛ばす。
『おおおおおおぉぉぉぉん!!』
それが聞こえたのか彼等が待ち受ける強大な敵……砂漠を自走するboneの要塞、Knochenが咆哮を上げる。
人が普通に歩くのと同じ程度の速度で、砂漠の砂にimpactを受けずに小山程の大きさの要塞が確実に近づいてくる。
そして彼等にとっての激戦が始まった。
『おおおお!』
Knochenから分離したboneがSkeletonやRotten Beastの形となって、毒の息を吐きながらSand DemonやSand Warムに襲い掛かる。
しかも 同時にKnochenのそこかしこからboneがProjectile Fireされ、遠距離攻撃を行う。そのAttack Powerはちょっとした砲弾並で、直撃すればHuge Sand Warムの巨体にすら一撃で大穴が穿たれる。
だが一方的に有利という訳では無い。Knochenの手数は多いが、所詮一体のmonstersだ。攻撃の種類は限られる。
特にSand DemonやMillerジュShade等、毒も物理攻撃も効かないmonstersがKnightメアDemon WizardのUnder Commandには多い。
『『『GYUGYOOOOO!』』』
appearanceよりもずっと高度な知能を持つSand Demon達が、咆哮のような声で唱えたLight-Attribute MagicでKnochenや彼のCloneを攻撃する。
皮肉な事に、Demonでも対Undead用のLight-Attribute Magicを唱える事は可能だった。
magicの直撃を受けた部分やCloneが、溶けて蒸発したように消える。
『おおおおおん』
しかし Knochenにとってそれは痛手ではない。body partを構成するboneが少々減った程度では、彼には掠り傷でしかない。
だがSand Demon達はこれを何度も繰り返せばいずれ勝てると、再び呪文を唱えようとした。
『『『GYUGY――』』』
『ヂュオオオオオ!』
だが、上空から奇妙な咆哮と共に降り注いだboneの雨が、Sand Demon達を蜂の巣にした。
高いPhysical Resistanceをものともしないその攻撃は、KnochenからProjectile FireされたBone Manだ。
『ヂュォ、boneも肉もbloodも残さないとは、何と不毛なmonstersだ』
whole bodyのboneを刃にする事が出来る【Bone Blades】のUnique skillを持つSkeleton BladeデュークであるBone Manは、Sand Demonの倒し甲斐の無さを嘆いた。
「せめてboneだけでも残してくれれば、Knochenの補充になるのにね」
【Mental Corruption】skillの効果で幻が効きにくいEleonoraが、MillerジュShadeをMagic Swordで次々にSlash倒していく。
『あ、でもSand Warムの肉は栄養満点らしいですよ! 焼きすぎると直ぐパサパサになっちゃうみたいですけど!』
『残念ながらboneは無いですけど。でも、殻が良い素材になるそうです。【Demon King Fragment】とは比べるまでもありませんが』
Knochenの一部からSkeletonに混じって出てきたRitaとSalireが、【Spirit Form】のBodyを露わにしながらGlaiveとHalberdを振るい、肉が栄養満点らしいSand Warムを輪切りにしていく。
この砂漠の階層の最大の障害は、今彼女達が戦っているmonstersの軍勢ではない。常に照らすPseudo-太陽だ。
五十度を超える高い気温とDryingした空気が挑戦者のEnduranceや気力、思考力を奪い。肌をさらそうものなら、強烈なSunlightがskinを焼く。
この環境では金属鎧を纏うなんて、生きたまま蒸し焼きにしてくれと言う-samaな物だ。
そのため本来なら攻略に際して周到な備えか、戦闘以外の巧みなmagicが求められる。熱気を遮る砂漠用のmagic itemや、Water-AttributeやSunlightを遮るLight Attributeのmagic等だ。
それをVandalieu達は最も簡単な方法で攻略した。Sunlightや多少の高温ではビクともしない戦力に任せたのである。
skinが無くboneだけのKnochenとBone Man、鎧がmain bodyでありその青白い肌はSpirit Formでしかないliving Killer Maid ArmorのSalireとRita。
「……私、砂漠に適応するために【Sunlight Resistance】skillを獲得した訳じゃ無いんだけど」
そして、Noble-bornだった頃に【Sunlight Resistance】skillを身につけたAbyss種VampireのEleonoraだ。彼女の白い肌は、砂漠の太陽の下でも日焼けする事は無い。
『良いじゃないですか、空も飛べて幻覚も効きにくいなんて、この階層では大活躍ですよ?』
『姉-san、Eleonora -sanはBocchanから離れて、Bocchanが見ていないところで活躍してもイマイチなんですよ』
「別にそう言う訳ではないけど、別にこれぐらいの敵なら私が居なくてもとは思うわね」
『いや、主も見ていますよ。ほら』
Bone Manが不意に指差した先をEleonoraが見ると、Commandingを執っていたKnightメアDemon Wizardの右肩が爆ぜた。
「あれはVandalieu -samaの【Artillery Technique】! Knochenから見ているのね!」
肉片を後ろにばら撒いたKnightメアDemon Wizardがもんどりうって倒れる。Commanderが重傷を負った事で、敵軍に動揺が走った。
その機に乗じたのか、Knochenの一部が扉のように開く。同時に「Transform!」と言う複数の声が響いた。
「本気狩る~Maceぅ~!」
そして飛び出してきたmetallicな三meter程の巨体が、Iron ScorpionをMaceで叩き砕いた。
『裏々……狩る?』
『『『るるるる……RUUUUUU』』』
そして巨体に続く異-samaなシルエットの、しかしやはりmetallicな二体が周囲のmonstersを倒していく。
二体目は、胴体はfemaleだとはっきり分かる形をしているが、肘と膝から先が異-samaにGiantで背中に翼が、腰からtailが生えている。
三体目は、GiantなHydraだが大蛇の頭の代わりに女の上半身が生えている。
そして共通してwhole body metallicだった。
一見すると、液体金属で作られた高性能Golemのように見える。
「……あれ、PauvinaとRapiéçageとYamataよね?」
『……でしょうな』
謎のmetallic軍団は、ビスケットを砕くように敵をMaceと拳で粉砕するPauvinaとRapiéçageと、【Scream】skillでEnhanced (1)した絶叫による衝撃波とtailの一撃で敵を倒すYamataだった。
『何でmetallicなんでしょうね?』
『maybe、Zadiris -sanに渡したTransform杖の試作品じゃないでしょうか? 試作品だけに幾つも作ったらしいですし』
『なるほど、あれでSunlightを防いで三人にlevellingをさせているのですか。流石主』
「そうと分かれば、敵のCommanderは適度に瀕死にして渡すべきね。ふふっ、Vandalieu -samaに尽くすところを見て貰わないと♪」
その頃Knochenの中では、Vandalieuが大忙しであった。
「敵Commander沈黙。新たな脅威none」
『Sand Warムの蒸し焼きトマトsauce仕立てと、Sand Warムハンバーグ上がりー』
『【Group Binding Technique】でもっと緑黄色野菜を』
「……坊や、儂も少しなら手伝えるから、Cloneを減らしたらどうじゃ?」
Knochenを構成するboneは髄が詰まっていた部分が空洞になっているため、断熱効果がある。そのboneで作った屋根を更にx2にして間に空気の層を作っているため、内部は適温に保たれていた。
そこでVandalieuは【Demon King's Blood】で銃身を作ったまま戦況を見守りながら、【Out-of-body Experience】で作ったCloneで携帯Magic Stoveを使ってSand Warムの肉をCookingしていた。
「Zadirisは地面から攻撃してくるSand Warムを倒す仕事があるじゃないですか」
「それはそうじゃが……」
「Van -kun、張り切るのは分かるけど少しは休むべきだと思うよ」
『Privel -sanの言う通りだと思いますよ、Bocchan』
ゆっくりと地面を歩きながら、ZadirisやSamのcarriageから顔を出したPrivelが言う。
そう、移動を続けるKnochenの内部の床は剥き出しの地面……と言うか、砂面であった。
Knochenは建物の形状を保ったまま移動する事が苦手であるため、砦の壁の地面に接している部分が実は脚になっており、それで歩きながら進んでいるのだ。
当然、内部の者も同じpaceで進むかKnochenの壁や天井に張り付かなければならない。
そんな構造であるため時折足元からSand Warムが襲い掛かって来るのだが、それはZadiris達が排除していた。
『しかし Bocchan、いっそ私に乗って一気に通過した方が良かったのでは? この階層ではmonstersを全て倒さなければならない訳では無かったはずですぞ』
SamがmidairをHigh-Speedで走れば、Flight Abilityに秀でたmonstersが存在しないこの階層は楽にclearできただろう。それが事前に分かっていながら、Vandalieuはmonstersを正面から殲滅する事を選んだ。
「Sam、このDungeonのDemonやUndeadは、通常のDungeonよりも強くMental支配を受けているので簡単には俺の【冥Demon Path Enticement】の効果を受けません。
だから、皆のlevellingには丁度良いのです」
Vandalieuは速やかなclearよりも、多少時間をかけても仲間の戦力を底上げする事を選んだ。Pauvina達は世間一般から見ればin any case、今回のmemberの中ではweak部類に入るからだ。
「幾ら早く攻略できても、犠牲者が出たら意味がないですからね。今はまだ以前に攻略した経験者がいる階層ですが、その内未知の階層を進まなければなりません。
Pauvina達が治せないinjureをしたら俺も嫌だし、kaa-sanも悲しむし、Zakkartの遺産で何人もrevivalさせる事が出来るとは限らないし」
『確かに、今彼女達はVandalieuが渡した試作品でとてもやる気になっているし、levellingが捗りそうね』
外に出たらSunlightで香ばしい焼肉に成ってしまうため、大人しくしているLegionがそう言う。すると、Zadirisが「そう言えば」と口を開いた。
「Pauvina達が掛け声代わりにしている『本気狩る』や『裏々狩る』と言う言葉は、どう言う意味なのじゃ? Magicalなら分からなくはないが、リリカルの方はさっぱり分からん」
「……EarthでTransformした女の子の決め台詞みたいなもんでしょうか。何故知っているのかは、俺は分りませんけど」
『私が教えた!』
『……Valkyrie、-kunって奴は』
『良いじゃない、Shade。三人とも楽しそうだし』
どうやら犯人はLegion達だったらしい。
「ふむ……なら、儂も言った方が良いかの? それをするとQueenと名のつくraceにRank upしやすくなるとか?」
monstersのRank upには、日頃の行動もimpactしていると言うのが通説である。Dungeonに生息しているOgreが、MinotaurにRank upするのがその例の一つだ。
だから台詞もimpactするかもしれないと考えるのも、無理は無い。
「寧ろ遠ざかりますね」
「分かった、絶対言わん」
《【Artillery Technique】、【Cooking】skillのlevelが上がりました!》
・Name: Knochen
・Rank: 10
・Race: BoneグRandフォート
・Level: 48
・Passive skills
Dark Vision
Monstrous Strength:1Lv(Mysterious Strength awakened into!)
Spirit Form:7Lv(UP!)
Bone Form Manipulation:8Lv(UP!)
Physical Resistance:8Lv(UP!)
Absorption Healing (Bone):8Lv(UP!)
Fortress Form:4Lv(UP!)
Fission:6Lv(UP!)
Strengthened Attribute Values: Fortress Form:4Lv(NEW!)
・Active skills
Silent Steps:2Lv
Breath【Poison】:7Lv(UP!)
High-Speed Flight:6Lv(UP!)
Long-distance Control:9LV(UP!)
Projectile Fire:8Lv(UP!)
Parallel Thought Processing:4Lv(NEW!)
・Monster explanation::BoneグRandフォート Luciliano著
Giantなboneの城塞。Bone Fortがcountlessのboneを手に入れ、Rank upしGrowしたmonsters。
Rankこそ10でAClass adventurer程の実力があるなら対処できるように思えるが、それは錯覚だ。main bodyには急所に相当する部分が存在しないため、このmonstersを倒すには数え切れない数のboneを全て粉々に砕くまで延々戦い続けなければならない。……多少切断された程度では「bone」として機能し続けるので、剣や槍をWeapon Equipmentにする者にとっての相性は最悪である。
特にKnochenの場合単純に押し迫るだけでは無くmidairから、自分には効果の無い毒のBreathを吐きかける事が可能であるためより厄介になっている。
更に普通のBoneグRandフォートの場合砦form以外を取ったと言うrecordは無いが、Knochenの場合は師Artisanの言うbulldozerと言うEngineering工事用車両を模した物等、-sama々なformをとる事が出来る。
これはskill的な問題では無く、Knochenが普通のBoneグRandフォートよりも賢いからだと思われる。
既に個人単位でどうにかできる存在では無い。対処したければ軍団か、それともSClass adventurerのような超人を超越した超人が必要だろう。
・Name: Sam
・Rank: 7
・Race: Deep Nightmare Carriage
・Level: 67
・Passive skills
Spirit Form:8Lv(UP!)
Mysterious Strength:8Lv(UP!)
Rough Road Travel:6Lv(UP!)
Impact Resistance:7Lv
Precise Driving:6Lv(UP!)
Comfort Maintenance:7Lv(UP!)
Murder Healing:3Lv(UP!)
Space Expansion:6LV(UP!)
Air Running:3Lv(UP!)
Strengthen Attribute Values: Transportation:5Lv(NEW!)
・Active skills
Silent Steps:2Lv(UP!)
High-Speed Running:6Lv(UP!)
Charge:6Lv(UP!)
Size Alteration:5Lv(UP!)
Spear Technique:3Lv(UP!)
Aura of Fear:4Lv(UP!)
Space-Attribute Magic:1Lv(NEW!)
Time-Attribute Magic:1Lv(NEW!)
・Monster explanation::Deep Nightmare Carriage Luciliano著
Samが大量transportationやDungeonで階層が進むたびに変わる過酷な環境など、-sama々な悪条件とmonstersを轢き潰し……乗り越えた結果Rank upした存在。
carriage内部は【Space Expansion】skillの効果で三頭立ての馬車六十四台分の面積が確保され、灼熱の砂漠や極寒の氷原でも快適性が維持される。
そのため乗る側としては夢の乗り物だが、彼の運行を阻む側に回ると一転して悪夢の存在となる。High-Speedで空をかけるのは以前と同じだが、【Strengthen Attribute Values: Transportation】skillの効果により人や荷物をtransportationしている時はAbility ValuesがEnhanced (1)され、更に見ているだけでMentalにimpactを受ける【Aura of Fear】skillのlevelもincreaseしている。
……最近Instinct的に初歩のSpace-Attribute MagicとTime-Attribute Magicを使う事が出来るようになったらしく、まだまだ成長の余地がありそうだ。
現在彼のcarriageで運ばれている身としては、安全性が格段にincreaseするので彼の成長は非常に喜ばしい事である。