サイクロプスと戦った階層よりも十階程上の階層で野営したPrivelは、妙な夢から目覚めた。

(GiantなVan -kunから水晶やfangsを貰うなんて、ボクもIslaの事をとやかく言えないかも)

　夢に見るなら普通、大人になったVan -kunでは無いだろうか？　それがchildの形のまま山のようにGrowした彼が、突然遊びに来る。そんな夢だった。

(まあ、一度くらい変な夢を見てもおかしくないよね？)

　そう心の中で誰かに確認して、Privelは起き上がろうとした。

「変な夢のせいかな……なんだか頭がくらくらす――ま、monsters！？」

　伸びをしながら瞼を開いたPrivelは、周囲の地面に小さなDragonが横たわっているのを見て、ギョッとなった。

「シャアァ！？」

「ギャォウ！？」

　しかも、それまで瞼を閉じていたDragonが目を覚まし、驚いたように吠え始めたのだ。その途端Privelの視界がグニャグニャと歪み、彼女はpanicに陥った。

「か、囲まれてる！？　皆は何処！？　と、とりあえず逃げないと！」

　Privelもmagicだけでは無く武術の訓練も始めているが、未知の敵に四方八方囲まれたconditionで対応できる程の技量では無い。

　呪文を唱えながら、Dragon達から距離を取ろうとした。

『落ち着け』

　その瞬間、背後から現れたIslaのチョップがPrivelの脳天に振り降ろされた。

「はぐっ！？」

　軽くしか手加減されていないチョップの衝撃に、堪らずよろけるPrivel。するとやや離れた物陰に隠れていたらしいPauvinaが駆け寄ってきて、彼女をholdstopい絞めにする。

「な、何するの！？　ど、Dragonがいるんだよ！？」

「だから落ち着いてよく見て。そのDragonが何処から生えてるのか」

　Pauvinaの腕から逃れようともがいていたPrivelは、そう言われて初めて何かがおかしい事に気がついた。

　Dragon達は吠えるばかりで、何時まで経ってもPrivelやそして密着しているPauvinaに襲い掛かろうとしない。

『よく見なさい。ほら』

　IslaがDragonの頭の内一つを掴むと、困惑するPrivelに見えやすいように、持ち上げる。

「何処からって……」

　Wyvernよりも小さな、Privelが脇に抱えられそうな大きさだが、fangsや角を生やした頭部は首に続いている。更にその先に視線を向けると、何故かscaleが無くなりとても見慣れたtentacleに繋がっていた。

「ボ、ボクからDragonが生えてる！？」

「そうじゃなくて、Privelのtentacleの先っぽがDragonの頭になってるの」

　Pauvinaの言った通り、Privelのlower bodyのtentacleの先端がDragonの頭部に変化していた。

「ほ、本当だ……うわ～、変な感じ」

　ペタペタとIslaが持ち上げたtentacleの先端にある頭部に触れて、確認するPrivel。

　形が似ているだけでは無い。表面は硬さと滑らかさを併せ持ったscaleに覆われていて、角やfangsは肉の突起では無く明らかにboneで出来ている。

　そして目も本物だと、Privelは引き攣った笑みを浮かべている自分の顔をDragonの目を通して見て、そう確信した。

　目覚めた時から視界が歪んでいる-samaに感じたのは、急に眼が十六個も増えたせいだった。

『落ち着いたようね。Statusは確認した？』

「あ、今確認する。【Status】……Rank upしてrace名がScylla Origin Hi-Druidになってる！？」

　legendでは、古代のScyllaの中にはtentacleの先端にDragonや狼の頭部が生えている個体が存在したとされている。

　ただ実際にその存在を見たという者は誰もおらず、Mage guildの古文書にもlegendとして記されているのみだった。

「ま、まさかボクがそのlegendのScyllaに変化するなんて……夢でしか思わなかったのに！」

『ああ、やっぱり夢で思ったのね』

「うん、今朝夢でちょっと……って、何でそんなに落ち着いてるの！？　ボクはこんなに驚いてるのに！」

『私が見張りの順番の時、眠っているお前達のbody partが変化し始めたからそうだろうと思ったのよ。Gizania達もそんな事を言っていたし』

「成るほどって、GizaniaとMyuzeも何か生えたの！？　二人は何処にいるの？」

「危ないからって、寝ている間にあたしとIslaが離れた所まで運んだの。Privelは、tentacleを引きずっちゃうから放っておいたけど」

『お前達が三人同時にpanicを起こして動き回ったら、落ち着かせるのも一苦労だから一人一人起こしていたのよ』

「あー……確かに危ないかも」

　PrivelとGizaniaは体が大きい分力が強いし、Myuzeは鋭い刃を備えた鎌腕を持っている。それがpanicに陥って力の加減も出来ないまま動き回ったら、大惨事だ。

　主に彼女達三人が。Islaはphysical battleでも彼女達よりずっと強いし、PauvinaはOrichalcumの盾を構えて少し離れていれば、無傷で済むだろうから。

「もう出てきて良いよ～！」

　Pauvinaがそう声を上げると、それぞれ離れた物陰で待っていたGizaniaとMyuzeが姿を現した。

「おお、Privelの変化が一番大きかったようでござるな。そのtentacle、どうなっているのでござるか？」

　Myuzeはキラキラと輝いていた。彼女の鎌腕や緑色のexoskeletonが、エメラルドのような物質に変化していたのだ。

「そう言うMyuze -donoも結構変わったと思うが……拙者は、角が生えたぐらいだ」

　GizaniaはPrivelやMyuze程大きな変化は起きていなかった。ただ、左右の側頭部から一本ずつ、牛を思わせる角が生えている。

　そして、Privelが脅威を覚える部分が更に大きくなっているように彼女には見えた。胸囲だけに。

　はっとして自分の胸を見下ろすが、そこには昨日までと同じ程度の膨らみしかない。視線を上げると、自分と同じように胸を確認していたMyuzeと視線が合った。

「……とりあえず、この件についてはVan -kunに文句を言おう」

「同感でござるな」

　この突然起きた特殊なRank upの原因は、夢に現れたVandalieuのGuidanceによるものだと既に確信しているPrivel達だった。

『夢でVandalieu -samaにGuidanceを与えられるだけで身に余る幸福だというのに、文句をつけるとは……ああ、私も眠れば良かった！

　いや、Pauvinaも夢では会わなかったのだから、寝ていれば会えたとは限らない。そう、落ち着け、落ち着くのよ』

「あたし、Vanに会ったよ。先の尖った何かを貰った」

　自分を鎮めようとするIslaの耳に、Pauvinaの衝撃の告白がthrust刺さる。PauvinaはRankを持たないので、appearanceが変わるRank upは出来ないがしっかり導かれていたようだ。

『くくくく……良いのよ、Loyaltyとは見返りを求めて誓うものでは無いのだから。くふっ……きひひひっ！』

　一瞬の硬直の後、口を三日月状に釣り上げて笑い出すIsla。その-sama子に危険な物を覚えたPrivel達は戦き、思わず後ずさった。

『お前達、支度をしたら早速Rank upした成果を実戦で見せて貰うわ。実戦でね』

「ええっ！？　まだ視界に慣れてなくて凄く気持ち悪いんだけど！？」

「拙者は頭がやや重いだけだが……いや、服がきつい？」

『昨日と同じように危なければ助けてあげるわ、Blood potionもあるし丁度良い。さあ、行くわよ！』

　vent気味なIslaに引きずられる-samaにして、Privel達は今日もlevellingに励むのだった。

　因みに、MyuzeはCrystal Empusa、GizaniaはUshioniにそれぞれraceが変化していた。

　そして同じDungeonの深部では、Vigaroの歓声とZadirisの「何故じゃ～！？」という不満の声が響いていた。

　Farmoun Goldと会ってRicklentからのmessageを伝え、『Storm of Tyranny』を率いるＳClass adventurer、『Thunderclap』のSchneiderは、忙しい日々を過ごしていた。

　地元のAdventurer’s GuildやMage guildへの報告や、寄って来る商人やNobleをあしらうために。

　Amid Empireで表向きAlda believerである彼等は、国家的大Heroだ。その彼等が、大体の位置は分っているが安全な航路が未だ不明のDemon continentから無事帰って来たのだ。

　過去にAdventureに向かった者達の多くが消息を絶ち、帰還を果たした者達の多くはDemon continent近くの島から観察しただけであったり、上陸しても外延部を短時間探索しただけだったりと、未だに謎に包まれているDemon continentである。

　当然のように莫大な成果を期待された。未知の効能を持つ植物や、新発見の鉱物、 Bahn Gaia continentには存在しないmonstersの素材と情報。そして何よりも、blood沸き肉躍るAdventure譚。

　それを求めて人々はSchneider達の元に群がるのは、当然の事だった。

　Schneider達は別に依頼を受けてDemon continentに赴いた訳でもないし、sponsorを募って資金提供を受けた訳でもない。だから、集まって来た人々に情報を開示する義務は無い。しかし、ＳClass adventurerとして数々の特権を行使し裏でVida's New Races達の保護活動を行って来たSchneiderには、表向きのreputationを維持する必要がある。

　気に入らない奴は大Nobleや大商人であっても、Ironクローをかましてそのまま天高く投擲するSchneiderだが、流石に自分に近づく者を全員放り投げている訳では無い。少々の社交なら出来る。

　certainly、Demon continentでの出来事をそのまま話す事は出来ない。Champion Bellwoodの戦友であり、EmpireではZantarkに代わるFire-Attributeの代表的な神として信仰されているFarmoun Goldが、まさかAldaを離れZantarkと共にいるなんて話したら……確実に異端と認定されてしまう。

　そのため帰る前にそれらしい話をparty member全員で考え、口裏を合わせる事にした。

　Demon continentには上陸したが、見た事も無いmonstersの群れとそれを率いるTrue giantと遭遇して戦闘になり、結局船で逃げ帰ったという話だ。

　やや情けない話だが、下手に成果を上げた事にして人々を刺激して、Demon continent探索ブームなんて巻き起こったら面倒なので仕方ない。

　実際にSchneider達が見た事も無いmonstersの死骸やその一部を持ち帰ったので、説得力は十分だろう。少なくとも、彼等がVida's Factionだと勘づいているMashkzar Emperorやその側近達以外は疑わないだろう。

　そうした偽情報を話しつつ、「次こそはDemon continentを制覇してやる」と豪語して、再び船を出す。そして過去に匿ったMerfolk達に協力して貰い、こっそり Bahn Gaia continentに戻ってBoundary Mountain Rangeを越えてVandalieuと会う。

　それがSchneider達の予定だった。

「……とんでもねぇな」

「……ええ、一瞬Demon Kingがrevivedのかと思ったわ」

「二人とも、どんな夢を見たの？」

　同じベッドで目覚めたSchneiderと、彼のparty memberであり『Evil God of Degeneration and Intoxication』JurizanapipeのreincarnationであるLissanaの二人は、whole bodyに冷や汗をかいていた。そして目覚めた時の姿勢のまま、暫く荒い呼吸を繰り返した後口から出たのがその言葉である。

　同じベッドで寝ていたDwarfのMeldinが、珍しい物を見る目を向けている。

　SchneiderとLissanaが見たのは、遠くでGiantな異形の何かが蠢いているのを、ただ眺めている。そんな夢だった。

　ただの悪夢でない事は分かっている。何故なら、二人とも夢の中でお互いを認識していたからだ。

「予知夢の類か？　……不思議と邪悪なsignはしなかったが、どう思う？」

「その夢で、何で邪悪なsignを感じないのかが一番不思議」

　手短に夢の事を説明した後に発したSchneiderの質問に、Meldinが半眼になってそう行った後、ため息をついて真面目な顔をした。

「Lissanaも見たって事は、Vida's FactionのEvil God (M)かEvil God (P)じゃないの？　知っている姿から大分変わったみたいだけど」

　Demon King Armyとの戦いで邪悪なGodsとFusionしてしまった神の話は幾つか伝わっているし、Lissanaの口からも聞いている。十万年前のAldaとの戦いで消耗した神同士が同じようにFusionして、姿が変わったのかもしれない。

　そうconjectureするMeldinに、Lissanaは首を横に振った。

「あれはFusionなんてもんじゃないわ。それに、Demon Kingのsignまでしたし……でも不思議と嫌な感じはしなかったのよね。思いっきり冷や汗かいたけど」

「そうだな、神ならはっきりと分かる……かと言って、Humanの魂の形じゃなかった……ありゃ何なんだろうな？　……とりあえず、俺達にとっては脅威じゃないらしいが」

　長年並のadventurerでは経験できないだろう脅威と戦い続けた勘が、そう告げている。

「とりあえず、出来るだけ早くBoundary Mountain Rangeを越えようぜ。今気がついたが、あの何かが居たのはベッドから見てBoundary Mountain Rangeの方向だ」

「今年中に行けるかしらね。『Fifteen Evil-Breaking Swords』も鬱陶しいし」

「偽装工作含めると、来年になるかもね」

　翌朝、Merfolk nationを出発したVandalieu一行は、最後の訪問国であるDark Elf nationに向かった。

『Jack達、letterは-chanと届けたよ』

『監視用と【Teleportation】のマーKing用のGolemやUndeadも都の外と中に置いて来たわ』

　途中で【Teleportation】してきたLegionから、Legston Earl 家にChezareとKurtのletterを届けたと報告を聞いた。

「ご苦労-sama。letterの返事を受け取りに行く時は、俺とChezare、それにKurtも一緒に行きますからよろしく」

　あのletterを受け取ってどう行動するのかが、Legston Earl 家の今後を左右する事になる。

　Kurtに「まず寝返るよう説得する」と約束したので、どんな説得か……言葉だけで済ますか、言葉以外も使うのかが変わるだけだが。

「出来れば良い返事が聞けると良いのですけど。流石にchildが生まれたばかりの夫婦に、乱暴な事はしたくないですし」

　KurtがSauron領の砦に務めていた頃、一番上の兄で現Legston Earlであるアルサードから妻が懐妊したという知らせを受け取っていた。

　それ以後はKurtが表向き死んだ-samaに偽装した後Talosheimに下ったので情報は無いが、何事も無ければ無事産まれているはずだ。

　このworldの医療は未発達だが、やや落ち目とは言えEarl 家程のNobleなら、お産の際にMageのSuportも得られるはずだ。maybe大丈夫だろう。

　少なくともここ暫くLegston 家の縁者に不幸が無かった事は、死者のnameを知る事が出来る力を持つLegionの『Enma』によって判明している。

「そう言えば、もう生まれたはずですよね。見ました？」

『……ごめんなさい、忘れていたわ』

『死んでいないなら別にどうでもいいかと思って』

『そう言えば、mansionにstealth込むときに入ったroomがchild roomっぽかったかもしれない。あのroomに居たのかもしれないわね』

　尋ねてみたが、Legion達は赤ん坊に興味を持たなかったらしい。彼女達の仕事はletterを届ける事だったので、Kurtの甥っ子か姪っ子を確認する必要を覚え無かったのだろう。

『それより、letterを届けるついでにあのMarshallの首を獲って来なくて良かったのか？　俺達なら出来たと思う……見つけられればだが』

　Legion達が興味を覚えていたのは、Mirg Shield Nationの現Marshall Thomas Palpapek Earlの事だった。

　今は亡きPure-breed Vampire Gubamon配下のVampireと繋がり、つまらない陰謀の為にVandalieuとDarciaを殺そうと糸を引いた男だ。

　その後もZadiris達が暮らしていた密林Devil Nestsに討伐隊を派遣する等、手を出してくれた。

　Vandalieuにとって間接的だが仇であり、Talosheimにとっては敵国の軍事を司る重要人物。当然抹殺するべき対象である。

『今はtimingが悪い。始末すると、Kurtの旦那の実家を警戒させちまう。それに、もうMarshall閣下は死に体だ、急いで殺す必要は無いねぇ』

　Legionの『Ghost』の質問に、Vandalieuに代わってKimberlyが答える。

　生前Amid Empire軍の軍人だった彼は、ある程度Mirg Shield Nationの状況にも通じていた。そこからconjectureすると、既にPalpapekはVandalieu達にとって何の脅威でも無いのだと言う。

『軍を動かそうにもBoundary Mountain Rangeを安全に超えられるtunnelはボスが塞いだし、そもそも動かせる軍が無ぇ』

　あと数か月で失敗から四年が経つ事になるMirg Shield NationのTalosheim遠征。その遠征軍を構成していたBlack Bull Knight団を含めた精鋭六千が全滅した穴が、まだ塞がりきっていないのだ。

　Marshallに復帰したPalpapek Earlの働きで、退役した将兵を復帰させ新人を鍛え、素質のある者を各地から集め、何とか千人規模の軍として形になりつつある。しかし、実際は張子の虎に近い。そんなconditionらしい。

　originally遠征軍は、平時は防衛missionに就いていない。予期せぬmonstersのrunawayや災害指定種の出現、Orbaum Elective Kingdomからの攻撃等に対応するための兵力を集めた物だったので、通常の守りに問題は無い。

　だからPalpapek Earlが形にした千人規模の軍だけなら、動かそうと思えば動かす事は出来る。しかし Mirg Shield Nation王も、Earl自身もそんな事を許しはしないだろう。

　前回惨敗しているのに、それ以下の戦力で前回を遥かに超える危険なルートでMountain Rangeを越えさせる遠征に、成果が期待できるはずがないからだ。

『でも、世論は応援するかもしれませんね。四年前の雪辱を晴らすんだって』

『そうでも無いと思うよ、Levia。ほら、Sauron領をElective Kingdomに取り返されて、Mirg Shield Nationの国境とElective Kingdomが接しているconditionに戻ったでしょ。遠征よりもそっちに備えて欲しがるんじゃない？』

『それに私達はMirg Shield Nationをとっくに出ているからNobleとしてのinfluenceも怖くないし、Mountain Rangeのお蔭で向こうからは手を出せない状況なのね。

　……Marshall -san、なんだか少し可哀そうね。同情してしまいそうだわ』

『Darcia -samaに、自分が陰謀で殺した人に同情されたなんて知ったら、どんな顔をするんでしょうね、Earl -san？』

『そもそも、どんな顔をしているか私達知りませんよ、姉-san』

　RitaとSalireが本気で同情している-sama子のDarciaの言葉に、苦笑いを浮かべる。

『でも、そう言えばGubamon配下のVampireと繋がっていたんですよね？　今はそのGubamonもBocchanが始末しましたけど、今はどうなっているんでしょう？』

『はて？　何かわかりますか、Bellmond -dono』

　Samに話を振られたBellmondは、暫く考えると「conjectureですが」と口を開いた。

「Mirg Shield Nationでは伯peerageがNobleとしての最高位ですから、『Evil God of Joyful Life』を奉じる最後のPure-breed VampireであるBirkyneが逃す事は無いでしょう。今は、彼の配下と繋がっている筈です」

　すっかり可哀そうな人扱いのPalpapek Earlだが、Mirg Shield Nationでは有力な大物Nobleである事に違いは無い。

　BirkyneもGubamonが死んだ後organizationの再編に苦労しているだろうから、有象無象のシンパ程度なら放置される可能性は高い。しかし、Palpapek Earl程の有力人物なら優先して新たなpipe役のVampireを派遣しているはずだ。

　そうBellmondはconjectureした。

「尤も、だからと言って旦那-samaの脅威になるとは思えませんが。彼がBirkyneに流せる情報は、何も無いでしょう」

　Vandalieu達は今のところ、先日LegionがLegston Earl 家にletterを届けた時以外Mirg Shield Nationに入っていない。だからPalpapek EarlがBirkyneに流せる情報そのものが無い。

「ただ放置してMirg Shield Nationの軍を立て直されても目障りですし、彼が軍の再編にかかりきりになっている間は所在を探りやすいので、旦那-samaに都合が良い時に始末なされば良いかと」

　そうBellmondは続けた。既に宗主国であるAmid Empireに非公式ながら宣戦布告し、Pure-breed Vampireの内二名を倒したVandalieu達にとって、Thomas Palpapekはその程度の存在なのだ。

「じゃあ、Legston Earl 家の説得が終わったら始末しに行きましょうか。

　俺達がPalpapek Earlを始末しに行く事を予測してTrapを張っている可能性もあるので、油断はできませんけど。Eleonoraによると、Birkyneはそういう事をしそうな性格らしいですし」

『なるほど、待ち伏せされている可能性もあるのか……分かった。近づかないでおく』

　Thomas Palpapek本人は自覚しているか不明だが、彼の命運は風前の灯同然だった。

　そうした相談を終えてLegionがTalosheimに『Teleportation』で戻った後、Dark Elf nationに到着した。

　Dark Elf nationはBoundary Mountain Range内部の中原、『Vida’s Resting Ground』の北に存在する。『迷宮墓所』と呼ばれるDungeonを中心に築かれた、墓守の国とも評される国だ。

「よくぞ来られた、Mikoよ」

「我等Dark Elfは、貴方の帝位継承を心から祝福しよう」

　恐らくDark Elf nationの有力者だろう者達が集まり、口々にVandalieuを祝福するDark Elf達。その-sama子を見て、Vandalieuは思った。

(この国のDark Elf達は、予想以上にkaa-sanと雰囲気が違うなぁ)

　Darciaは生前Ghoul程ではないが露出度が高い格好を、自然体でしていた。しかしこの国のDark Elf達の多くが黒いローブを身に纏い、hoodを目深にかぶっている。覗き込まなければ人相も確認できず、body partのシルエットも分からないので性別も見ただけではわからない。

　Noble Orc kingdomでの戦勝の宴でも、Dark Elf達は今のような恰好をしていたが……まさか国民全員が黒ローブにhood姿だとは思わなかった。

『あのー……皆-san、そのローブは民族衣装か何かなのかしら？』

　異-samaな空気に耐えきれず、Darciaがそう尋ねるとDark Elf達は答えた。

「これは我が国の制服です。今は国賓を歓迎するための公務中なので」

「我々's ancestor先は『Vida’s Resting Ground』の管理を願い出た墓守の一族。そのため、公務中は喪に服す意味も兼ねてこの格好を始めたとrecordに在ります」

　どうやら、怪しげな黒ローブはただの制服だったらしい。

「戦いの後でもこの制服をHaoriる事が多いです。これを着ると戦いの後の心の乱れが鎮まる気がするので。Darcia -donoの故郷ではこう言った風習はありませんか？」

『私の故郷の森では無かったわね。制服そのものが無かったし……ところでそのローブの下はどんな服を着ているのか、聞いても良いかしら？』

「はい、問題ありません。各人それぞれが好む格好をしております」

　そう言いながらローブを脱ぐDark Elf達。chocolate色の肌に、長く尖った耳、整った顔立ちといった特徴的な姿が露わになって行く。

　そしてローブの下は軽装の物が多かった。中には金属鎧やleather Armorを纏っている者もいたが、大多数の者はDarciaと同じ程度の露出度だった。

「じゃあ、早速我らがGoddessとそのChampionの寝所へご案内しますね！　あ、私がこの国の今の長でギザンと申します」

　Darciaと会話をしていたDark Elfの青年が、先程までの何処か事務的な態度を一変させて、手招きしながら案内を始める。

　他のDark Elf達も、「行ってらっしゃい～」と見送る姿勢だ。

「まるで別人の-samaですね」

『あの制服を脱いだ瞬間、privateになるのでしょうな』

　BellmondとSamがDark Elf達の変わり-samaに戸惑ってそう言うが、Vandalieuにとっては今のギザン達の方が好感を持てた。

『Bocchan、嬉しそうですね』

『やっぱりmuscleが見えるからですか？』

「いえ、今の方がkaa-sanと同じraceらしくなったからです」

　DarciaがHeinz達によって捕えられ、Gordan High Priestに殺されなければVandalieuが行ったはずのDark Elfの森。そこをVandalieuは想っていた。

「この国はoriginally『迷宮墓所』の中にありました。『迷宮墓所』は、『Trial of Zakkart』が創られる前は『Evil God of Labyrinths』Gufadgarnが最も心を砕いて創り上げたと伝えられています。

　そこで祖先達は力を蓄え、今のようにDungeonの外にも国を築くに至ったのです」

　そのVandalieuの視線を背に受けながら、ギザンが観光ガイドのように解説を行う。

「そして『迷宮墓所』はこの国の南にある『Vida’s Resting Ground』へ安全に入るための唯一の方法でもあります」

　十万年前Aldaとの戦いに敗れたVidaは、東西のBoundary Mountain Rangeを創りだした直後眠りについた。彼女とZakkartの亡骸を守るため、そしてAldaやRodcorteからBoundary Mountain Range内を守るためのBarrierを張るための儀式場として寝所を築いたのが、Gufadgarnを始めとしたGodsと生き残っていたPure-breed Vampireだった。

　『Vida’s Resting Ground』はこのBoundary Mountain Range内部でも最重要施設として創られ、何者の侵入も許さない堅牢で危険な城塞となっている。

　その寝所に入る事が出来る入口が、『迷宮墓所』の最深部に造られたspaceを繋ぐ門だ。

「recordでは、失敗談として残っていますよ。寝所を堅牢に築きすぎてしまって、Gufadgarn以外出入りが出来なくなってしまったから仕方なく出入り口を新しく創ったと」

　そして寝所内での祭祀や清掃を行うために、Dark Elf達を住まわせたらしい。

　その後、GufadgarnはKijin nationやRyuujin nation等で求められるままDungeonを創り、それが終わると石のように動かなくなり、眠りについたらしい。約百年前、『Trial of Zakkart』を創り出してworldを彷徨い始めるまでずっと。

「『迷宮城塞』の前に妙なOpen Plazaがあるでしょう？　あそこでGufadgarnが眠っていたのですよ。百年前はいきなり動き出したので、みんな驚きました」

『まあ、それじゃあこの国のPatron Godは今どうなっているの？』

「それは大丈夫です。Gufadgarnはここでsleeps前に、自分以外の神にこの国のPatron Godになるよう言い残していたそうですから。元からGufadgarnはこの国のPatron Godでは無いのですよ。

　……本当に言い残しただけで、誰の返事も待たず眠りについたそうです。その後、誰がPatron Godをするかで揉めたと石板には書かれていました」

　どうやら、Gufadgarnはとてもマイpaceな性格をしているらしい。

「ところで、Dungeonの難易度は？」

「はい、大体出てくるmonstersはRank３から４で、皆-sanの言うＤClass相当だと思います。階層は十二で、内装は明るい森や山、一階層だけ湖があります。また、全ての階層にZakkartを讃える石碑が有ります」

「……墓所っぽくないですね」

「ええ、Undeadはまず出ませんよ。どうやらGufadgarnは、このDungeonでZakkartに供える花や果物を揃えさせるつもりだったようです。

　さあ、入口に着きました。皆-sanの実力なら問題無いと思いますが、一応ご案内します」

　そう言うギザンの案内もあり、『迷宮墓所』は数時間とかからずに攻略する事が出来た。monstersとの戦闘を最低限にして、Treasure Chestを無視し、最短ルートを進んだからだ。

　そして辿り着いた最深部の祭壇にギザンがVidaの聖印が刻まれたメダルを嵌めると、spaceを渡るための門が出現した。

「この先がVida’s Resting Ground……」

　食事の前に手を合わせる等Earthに居た頃の習慣を続けているだけで、Vidaを信仰している実感がやや薄いVandalieuだったが、流石にいよいよGoddessがsleeps場所に足を踏み入れると成ると緊張を覚えた。

　『Evil Dragon God of Five Sins』Fidirgには気軽に会いに行く彼だが、このworldを創ったGreat Godの一柱にして自分を含めるVida's New Races全ての母に会いに行くのだ。同じようには考えられない。

「etiquetteとかあります？」

　失礼があってはいけないとギザンに確認すると、彼は「常識の範囲内なら、特には有りません」と答えた。

「落書き等の悪戯禁止とか、ゴミを捨てないとか、そんなところですね。私達の場合は、清掃業務中は制服着用が義務付けられますけど」

「相変わらず緩い……まあ、安心しました」

　安堵の息を吐いて、門に足を踏み入れる。すると、景色と感覚が一変した。

『おや？』

　そこは見渡す限り大小-sama々な草木が生え、花が咲き、Fruitが実っていた。-sama々な鳥と獣が憩う泉が湧いていて、空には温かな太陽の輝きがあった。

『よく、来てくれましたね』

　そして正面には、二つの玉座があった。一つには朽ちた鎧を纏ったSkeletonが凭れる-samaにして安置されており、もう一つには、妙齢のfemaleが座っていた。

　初々しいShoujoの-samaであり、大人の女の-samaであり、成熟したfemaleのようでもある。ただ優しげな美女である事は確かだ。

　しかし、同時に彼女は痛ましい姿をしていた。

　魅力的だっただろう肢体には太い杭が何本も打たれ、それ以外にも剣で斬られたと思わしき傷が体中に刻まれている。傷からは未だにbloodが滴り、草花や鳥獣のfurやfeather毛で作られたdressが元の色が分からなくなるほど染まっていた。

　しかし彼女はその傷の痛みを感じていないかのようにVandalieuに向かって手を伸ばして、話しかけた。

『まず、お礼を言わせて。私のお願いを聞いてくれて、ありがとう』

　それを聞いたVandalieuは、確信した。

　何故礼を言われたのかは分からない。だが、彼女が『Goddess of Life and Love』Vidaなのだと。

・Name: Privel

・Age: １７

・Title: none

・Rank: ６

・Race: Scylla Origin Hi-Druid

・Level: ０

・Job: Water-Spirit User

・Job Level: ４５

・Job History: Apprentice Shrine Maiden、Shrine Maiden、Mage、Spiritual Mage

・Passive skills

Underwater Adaptation

Dark Vision(Night Visionから変化！)

Mysterious Strength：１Ｌｖ

Enhanced Body Part (Lower body half)：４Ｌｖ(ＵＰ！)

Ink Secretion：３Ｌｖ(ＵＰ)

Automatic Mana Recovery：４Ｌｖ(ＮＥＷ！)

Mana Recovery Rate Increase：３Ｌｖ(ＮＥＷ！)

Mana Enlargement：２Ｌｖ(ＮＥＷ！)

・Active skills

Farming：４Ｌｖ

Unarmed Fighting Technique：３Ｌｖ(ＵＰ！)

Dancing：４Ｌｖ(ＵＰ！)

Singing：２Ｌｖ

Dismantling：２Ｌｖ(ＵＰ！)

No-Attribute Magic：２Ｌｖ(ＵＰ！)

Water-Attribute Magic：５Ｌｖ(ＵＰ！)

Earth-Attribute Magic：４Ｌｖ(ＵＰ！)

Mana Control：４Ｌｖ(ＵＰ！)

Chant Revocation：１Ｌｖ(ＮＥＷ！)

Spirit Magic：４Ｌｖ(ＮＥＷ！)

Parallel Thought Processing：１Ｌｖ(ＮＥＷ！)

・Unique skill

Merrebeveil’s Divine Protection

Jugarion 's Divine Protection(ＮＥＷ！)

　Ryuujin nationの守護龍の一柱である『八水Dragon God』Jugarion 's Divine ProtectionとGuidanceを得て、Scylla OriginにRank upしたPrivel。

　tentacleの先端がDragonの頭部に変化しており、この事からtentacleの先にDragonや狼の頭部を持つScylla達は、Merrebeveil以外の龍やBeast King 's Divine Protectionを得て体が変化したlegendの個体ではないかとconjectureされる。

　PrivelはJugarionを信仰していないにもかかわらずblessingsを得る事が出来たのは、Vandalieuから夢でJugarionのscaleとfangsを直接与えられたためである。

　magicを中心に研鑽を積んでいたPrivelだが、このRank upによってmagicだけではなく近接戦闘Abilityの向上も期待できるようになった。ただ、現在は新しく増えた器官に慣れていないため格闘戦をするどころでは無い。