『Ogreの巣』を攻略したVandalieu達は、Kijin nationに戻って夕食を取った。
そしてそのnight、夢の中でKijin nationのPatron Godである『God of Warriors』GaressのDivine Realmに招かれ死後彼のFamiliar SpiritやHeroic spiritに至った歴代のKijin王達とも話をした。
主であるZantarkと同じようにDemon King Armyの神とFusionした結果、半身は見目麗しい青年でありながらもう半身が異形と化しているGaressは、厳かな口調で告げた。
『黒小鬼(Black Goblin)、冥犬鬼(Anubis)、黒豚鬼(Orcus)、Ghouls鬼(Ghoul)、そしてVampireを従え、【Demon King's Horn】を飲み込み、Kijin達の尊敬を集めるHalf-Vampireよ。汝に『Oni Emperor』の称号を贈りたい』
『その心は?』
『ぶっちゃけ、この機会にFidirgやMerrebeveilに追いつこうかと』
appearanceはとっつき難そうに見えたGaressだが、Kijin nationのPatron Godをしているだけあってその言動は分かり易かった。
『Age of Gods Eraはもっと……戦いとは何か、戦の士となるのに必要な覚悟とは等、教えを説いて来たのだが……Zantark -samaとVida -samaの子等であるKijin達には難解過ぎたようで。分かり易く言わないと、Oracleが通じなくて……』
どうやら昔は哲学的な教えも説いていたようだが、Kijin達に合わせる内に性格が変わったらしい。
今はGaressのFamiliar SpiritやHeroic spiritとなっている歴代のKijin王達も、苦笑いをしている。
『いや~、すまん。生きている頃は何を言われているのか、さっぱり分からんかった』
『Tenmaの三代前ぐらいからか? 多少は考えるようになったのは?』
『女が王だった時は頭も使ったよ。アタシ以外はだけど』
『in any case、今生きている奴らを頼み申す。何なら何人か貰ってくだされ。muscle以外の基準で選んだ者を』
『muscle以外が基準でしたら、返事は保留します。まあ、任せてください。心の友も出来ましたし、kaa-sanやPrincess LeviaもYura -sanと仲が良いみたいですし』
Kijin nationはDungeonに囲まれているので、Explorers’ Guildのguild Cardを導入して階層毎のTeleportationを可能にすれば、日々の生活も楽になるだろう。
友情を深め合ったOniwakaや、母達の友人になったらしいYuraの為ならそれくらいの援助を躊躇うつもりは無かった。
しかし、Garessは微妙な顔をした。
『Oniwakaか……次代のKijin王Candidateなので、差し上げるのは少々……いや、当人の意思を無視するつもりはないのだが』
『ん? いえ、お互いの国を訪ねたり、期間を設けてその間滞在したりすれば良いのでは?』
Vandalieuも他国の王のFirst子をHead huntingするつもりは無かったので、そう提案した。
『通いか……それなら問題無いか。あの子を宜しく頼む。
では、早速『Oni Emperor』の名と、汝の仲間達にblessingsを……それとこれを土産に』
そう言いながらGaressは無造作に自らの異形の半身を掴むと、数本の突起を圧し折った。それをVandalieuに向かって差し出す。
『これは、今はKijinのPatron Godである我の一部。鬼の因子を持たない者でも適性があれば、これを与える事でより強くGuiding事が出来るはず』
『それは貴重な物をありがとうございます』
そして礼を言って受け取ったところで、目が覚めた。だが受け取ったはずのGaressの一部は、何処にも無かった。恐らく物質的な物では無いのだろう。
「まあ、受け取ったのだから使うべき時には使えるはず」
《【Oni Emperor】のsecondary nameを獲得しました!》
そしてVandalieu一行はKijin nationから、次の訪問国に向かって出発したのだった。
「Vandalieu -sama! -chanと迎えに来てくださいましね~!」
「Vandalieu、また来るのだぞ!」
暫く技術交流の為に残るTareaや、Oniwaka達に見送られて。
『Vandalieu、これから行く国で腕試しを挑まれても、tongueはもう使っちゃダメよ。特に、顔に当てては絶対にダメですからね』
ただ旅の途上で何故かDarcia達からそう念を押された。
「でもkaa-san、tongueはWeapon Equipmentとしても結構有用なのですよ」
Gehenna QueenビーのQuinnがSamのcarriageに産みつけた卵を、そのtongueで舐めて綺麗にしてやりながらVandalieuは抗弁した。
「俺の場合伸縮自在ですし、tongueはほぼmuscleで出来ているから打撃に使えます。それに、【Unarmed Fighting Technique】skillの補正も得られます。
相手の不意もthrustやすいですし、もし切り落とされても今の俺なら【Rapid Regeneration】skillで再び生やす事が可能です。腕や脚よりも、ずっと早く」
tongueの優位性を力説しながら、卵を舐め続けるVandalieu。その姿はまるで働き蜂のようである。
因みにQuinnはその横で、腰からtailのように生えている蜂の腹部から、新たな卵を産みつけている。彼女も産むだけでは無く-chanと卵の世話をするのだが、Vandalieuが本職の働き蜂並の働きをするのであまり出番が無いのだ。
『Bocchan、すっかり子煩悩に……それはin any case、tongueのWeapon Equipmentとしての優位性は分かりましたけど、ダメです』
『特に相手の顔には当てないでください。Oniwaka -sanは頬でしたけど、それでもYura -sanが凄かったんですからね!』
そう訴えるRitaとSalire。どうやら、Yuraと彼女達はただ親しくなったわけでは無かったようだ。
友人であると同時に、手強い交渉相手でもあるようだ。
「旦那-sama、Darcia -samaも別にtongueを使うのは卑怯であるとか外聞が悪いと言っている訳では無いのです。ただ、相手が悪かったというか……やはり顔でしたので」
Bellmondが言葉を濁しながら言うと、Vandalieuも流石に問題があったようだと思い直した。
確かに、顔は拙かったかもしれない。もしlipsに当たっていたら、その意図は無かったとしてもキスになってしまうし。
Oniwakaが、大事な一人息子が公の場で頬をtongueで舐められたのだ。Yuraがその事を何らかの交渉の材料にしても無理は無い。
「拳や蹴りと同じ感覚でtongueを使っていましたが、言われてみれば確かに問題でしたか」
Oniwaka自身は気にもしていないようだったが、彼に悪い事をしてしまったと頭を掻くVandalieu。後で謝ろう。
『いえ、陛下。謝ると余計に拗れるかもしれません。Yura -sanは嬉々としてOniwaka -sanを売り込んできましたし』
『仲が良いみたいだし、両国の良好な未来の為に是非って。お互い期限を決めて通い合うようにしましょうって、すっごく熱心だったよ』
しかし Princess LeviaとOrbiaによると、Yuraも気にしている訳では無いらしい。それは良かったのだが、何故息子を売り込まれるのだろうとVandalieuは首を傾げた。
そして、ふと気がついた。
「……もしかして、Oniwakaって息子じゃなくて娘だったりします?」
『……気がついていなかったのね』
「旦那-sama、OniwakaというのはKijin王のFirst子が名乗る、由緒ある幼名だそうです。何でもChampion Hillwillowが残したrecordの中にその名があり、名のある鬼だったのだろうと考えたKijin raceの始祖が我が子に名乗らせた事が由来なのだとか」
『因みに、real nameはYuumaって言うそうです』
Bellmondの解説と、Salireの補足情報でVandalieuは自分が勘違いをしていた事を知ったのだった。
『まあ、分かりませんよねー。声は高めだけどハスキーですし、何時も鎧を着ていましたし。私達も宴の席でYura -sanから言われるまで気がつきませんでしたし』
『その上口調も仕草も男の子だったもんね~。muscle大好きだったし。顔は確かに女顔だけど、ここまで揃っていたら気がつくのは無理だよ』
そうRitaとOrbiaが擁護してくれるが、思わず目が遠くなるVandalieuだった。
『宴の時女の好みを聞いた時、自分よりmuscleがある人って答えやがったから、妙だとは思ったんだが……坊主じゃなくて嬢-chanだったとはな』
『いやはや、とんだお転婆Princessがいた物です。それで今後どうします、Bocchan?』
「……今更女の子扱いするのも変なので、Oniwakaにはこれまで通り心の友として接します。でも今後は訪問国で戦う事になっても、tongueは首から下にしか使わないようにしましょう」
『おおぉん?』
『ヂュウ、人の社会は大変ですな。口やtongueが当たっただけで問題になるとは』
「舐め合うのは、心地良いのに」
KnochenやBone Man達、人とは異なる価値観に生きる者達はそう言って不思議がっていた。
次に訪問したHarpy nationでは、数多くのHarpyから挑戦を受けた。ただOniwaka達のようにVandalieuの力に疑念を覚えたからでは無く、「折角の機会だから」とevent感覚で皆挑戦してくる。
しかも、戦い以外で。
『よーい……ドン!』
Princess Leviaの号令で、VandalieuとHarpyの地上種達の陸上競技が始まった。
「空は飛べないけれど、地上じゃ負けないよ!」
大柄な体に短い翼のHarpyの地上種達。彼女達はダチョウやエミュー、モア等の飛べない鳥の特徴を持つHarpyだ。
当然彼女達は飛べないが、地上を走る脚力はCentaurやArachneに勝るとも劣らない。
「何の、黒星は一つだけで十分です!」
だが両手足のclawsで大地を抉るVandalieuの四足走行も、迫力はloseいない。
「十分なのにー」
しかし、実際に出せる速さでは負けた。Ghoul秘伝の四足走行も、地上種のHarpy達の走力には及ばなかったようだ。
「勝ったよ~!」
「や~いっ、Emperorビリッケツ~!」
そう口々に言いながらゴールまで一気に走り抜ける地上種のHarpy達。その後ろ姿が凄い勢いで遠のいて行く。
「……速さは、脚の数では無く、やはりmuscleでしたか」
地上種達の引き締まった脚線美に敬意を抱きつつ、Vandalieuは敗北の二文字を背負いながらも走り続けたのだった。
『陛下、陛下の肩から伸びているのは前足じゃなくて腕ですよ。忘れていませんよね?』
スタート地点から追いついて来たPrincess Leviaが、何故か不安げにそう確認を求める。
「これで旦那-samaの零勝二敗ですか」
『気にしちゃダメよ、Vandalieu。どちらも得意な競技じゃなかったじゃない。それに、勝つ事よりも頑張った事が大切よ!』
Bellmondがメモを取る横で、Darciaがそう声援を送る。
因みに一つ目の黒星は、特に色鮮やかな飾りfeatherを持つHarpy達とのdance対決だった。certainly惨敗。
『でもdance対決、勝っていたらきっとHarpy -san達沢山来ましたよね』
『loseいて良かったかもしれません』
ぼそぼそとDarciaの左右で呟くSalireとRita。そうかもねとDarciaも二人の意見に同意した。
『政略結婚が嫌な訳じゃ無いけど、どうせなら-chanとVandalieuや皆と仲良く出来る娘に来て欲しいものね』
それがDarciaの、息子に望む異性との交流である。
立場がadventurerやNobleでは無く国王、そしてこれから正式にEmperorとなるVandalieuだが、社会的地位とは関係無く、彼は大勢に好かれる。
何故なら【Death-Attribute Charm】から変化した【冥Demon Path Enticement】のskillがあるからだ。Undead、GhoulやVampire等特定のVida's New Racesや、蟲型や植物型のmonsters、そして一部のHumanにまで効果を及ぼす魅了系skill。しかもその効果範囲と力は当初より増えている。
この傾向は、これからも続くだろう。
なので、これからもVandalieuの周りには人が増える事は避けられない。そして割合的に増えた人の半分はfemaleという事になるだろう。
それが嫌ならVandalieuを閉鎖されたspace、roomにでも閉じ込めるしかない。
そのためDarcia達は以前male陣から隠れて行った相談の結果、するべきは「制限」では無く「選別」であると考えていた。
……放置していると、Vandalieuは増えるままにしてしまいそうだし。
『Oniwaka -samaはBocchanと気が合っていたようですが?』
Samがそう尋ねると、Darciaと娘達は『別に反対している訳じゃ無いの』と答えた。
『父-san、問題は経緯です。親同士が勝手に決めて当人同士の気持ちが上手く行かなかったら、長続きしません!』
『だから反対じゃないです。もうちょっと-sama子を見るべきだと思うだけで!』
一応Emperorとそのimpact下に置かれる事になる国のFirst子の縁談なのだが、Vida's New Racesの価値観が浸透しているこのBoundary Mountain Range内部では、政略結婚だからと言って当人達の気持ちを無視する事はタブー視されていた。主神が『Goddess of Life and Love』であるだけに。
『それにOniwakaの坊主……じゃなくて嬢-chan、そういう意味で坊主の事が気に入った訳じゃ無いと思うぜ』
『確かに。ありゃあ、やんちゃ坊主が遊び友達とじゃれ合うような感じで、色気はfragmentも……』
Borkusと、『Ogreの巣』を攻略している間も憑いていたKimberlyがそう言う。実際、Oniwakaは二人の言う通りの態度でVandalieuに対して接していた。
そして彼女の好みのTypeは、自分よりmuscleがある人だ。そのmuscleにtongueを含めても、Vandalieuは好みのTypeの中に入っていないだろう。
『彼女はまだ恋の季節を迎えるには早いのでしょう。主とどうなるにしても、今は静観するべきかと』
『おおぉ~ん』
動物的な二人はそうOniwakaに関する話を締めくくった。
「ところでDarcia -sama、『選別』するのは分かりましたが、どう『選別』するのですか?」
選別する基準が、『Vandalieuや皆と仲良く出来る事』としか決まっていない事に気がついたBellmondがそう尋ねる。
普通、親は自分のchildの交際相手にあれやこれやと注文を付けるものだから、Darciaにもあるのではないかと思ったのだ。
『そうね……』
改めて問われたDarciaは、頬に手を当てて考え込んだ。昔はVandalieuに少し口を出した事があるかもしれないが、最近はすっかり気にならなくなっていた。それに、些末な事はweak霊である彼女のMemoryには残らない。
だから改めて考えると……なかなか思いつかない。
『どうしましょう、私、Vandalieuの異性関係に口を出す資格が無いかもしれないわ』
それどころか、自分の事を顧みてそう思ってしまった。
故郷の森を飛び出してHumanの町でshadowのある男と付き合い、その男、ValenがEvil God (M)派のSubordinate Vampireだと知った後も交際を続けてchildを産んだDarcia。
一般的なDark Elfから見れば、かなりの親不孝者であろう。
それに思い至り動揺するDarciaを宥めようと、Bellmondは慌てて言葉を探し……彼女も気がついてしまった。
「そう言えば、私は異性と交際した事がありませんでした。一方的に襲われた事はありますが」
先祖が交わったLamiaのbloodが瞳やtongueの形に現れたという理由で、故郷を追放されたBellmond。その後Shoujoだった彼女はHuman達に襲われ、Vampireに拾われ、一万年の人生の殆どを一人地底湖の辺に建てられたmasterの隠れ家の番をして過ごした。
被害を受けた事はあるが、交際した経験は全く無かったのだった。
『アタシの場合は……相手がアタシを騙して殺すような奴だし、見る目に関しては偉い事は言えないよね』
『私も、婚約者もまだ決まっていませんでしたね』
「……前世で、一度だけなら雄蜂と」
『私達sistersは言うまでもありません。これは、全滅?』
『他に真面な異性との交際経験がある人は……Ghoulの人達はダメだから……そうだ、Fester -sanとリナ-sanに帰ったら話を聞きましょう! LegionのJackと瞳-sanでも可!』
『いや、皆-san落ち着きましょう。Ritaも慌てる物ではありません』
「そうそう皆慌てない。ところで何の話ですか?」
「ただいま~、Emperor返しに来たよ~」
地上種Harpyの背に乗ってVandalieuが帰って来た事で、この時の相談は打ち切られたのだった。
尚、Harpy nationで行われた三戦目の種目は曲芸Flightだった。Spirit Formを翼の形にMaterializationさせる怪鳥formを持つVandalieuだったが、そのformは輸送Abilityに特化していて速度や機動性ではHarpy達には敵わないのではないかと思われた。
しかし Vandalieuは皆の予想を裏切り、【Group Binding Technique】でCemetery Beeのfeatherを背中から生やして巧みに空を舞ったのだった。
「midair三回転捻りー」
ヴヴヴヴヴヴヴヴ。
「上手いけど何か違う!?」
しかし Flightに使うのは翼でもfeatherでも、No-Attribute MagicやWind-Attribute Magicでも自由というruleだったので、問題無くVandalieuの初勝利となった。
続いてはCentaur nationで受けた挑戦だったが、馬のlower bodyを持つraceであるため一戦目はやはり陸上競技だった。
しかし、種目は障害物競争である。
「我々は馬のlower bodyを生まれ持つrace! 故に、Human以上に巧みにlower bodyを操らなければ過酷なこのBoundary Mountain Range内部の地で生き残る事は出来ん。だからこそのこの挑戦だ。
Harpy達同-samaに付き合ってもらうぞ、新しきEmperorよ!」
インディアンを思わせるfeather飾りやtatooで飾ったCentaur nationの王、Silvariがそう宣言する。それを正面から受けたVandalieuは、示された障害物競争のcourseを見て首を傾げた。
「……寧ろ、俺にとっては普通の競争より有利な気がするのですが、いいのですか?」
障害物競争のcourseに設置された障害物は、ジャンプ力を競う壁が三つ、balance感覚を競う平均台、脚力を競う上り坂、身のこなしと勇気を競うのだろう燃え盛るフラフープ。
壁や上り坂はin any case、他の障害物は全てCentaur SizeなのでHumanにはどれも大きい。
最後だけ何故かサーカスっぽいのはin any case、大体の障害物がCentaurの方が不利になるように設置されているように思える。
だから確認したのだが、Silvariは腕を組んだまま堂々と「いいのだ」と頷いた。
「これは普段我々が祭で競い合う時に使うcourseなので、我々に丁度良い難易度に作られているのは当然だ。二本足と競うのだから、これぐらいはハンデにもならん……筈なのだが、Emperorは四本脚だったり八本脚になったりするのだったか」
だが、話の途中で急に凛々しい眉を八の字に下げる。
「しかも、噂によると最大十二本脚だと言うではないか。もしかして、ハンデとかなくても楽勝だったりするのか? 実はchild達も見ているので、情けない所は見せたくないのだが。……勝ちを譲れとは言わんが、接戦で頼めんかな?」
ぼそぼそと声を潜めて尋ねた上に、暗に八百長を提案するSilvari。彼が目で指した先には、如何にも気が強そうな黒馬のlower bodyを持つShoujoを始めとしたCentaurやHarpyのchild達が、他のCentaur達に混じって観戦していた。
因みに、SilvariはHarpy nationのQueenと通い婚をしている。
「最近上の娘と上手く行っていないのだ。頼むっ」
「いや、【Demon King Fragment】は使いませんから、四本脚にしかなりませんから」
足の数に深刻なcomplexを持っているらしいSilvari王に、Vandalieuはそう保証した。
「そうかっ! なら安心だ。正々堂々競い合おう、Emperorよ!」
すると、その途端Silvari王は元の威厳と凛々しさを取り戻し、そう言いながらVandalieuの肩……には身長差があるため触れにくかったのか、頭にポンポンと二度触れた。
彼と話しているとPrivelを思い出す。今もDungeonでlevellingをしているのだろうか?
「……Harpy nationでPrincess Leviaも言っていましたが、旦那-samaの肩から生えているのは前足では無く腕ですからね」
遠い目をしているVandalieuに、Bellmondが釘を刺すのだった。
因みに肝心な勝負の行方は、Vandalieuも善戦したが地力の差が出てSilvari王の勝利となった。
「ではEmperorよ、事前に説明した通り敗者の義務を頼むぞ。形式的な物だから、ブラシを当てるだけで構わんぞ」
この勝負では敗者が勝者を讃え、勝者のbrushingをするのが決まりであった。
「いえいえ、丁寧にやらせていただきます」
そう言いながら、VandalieuはTarea謹製の百percent【Demon King's Fur】製ブラシを取り出すのだった。
結果、Silvari王は十分と持たず陥落し、それを見て我も我もとbrushingを求めたCentaur達も次々に倒れたのだった。
『凄いわねぇ。私、てっきりBellmond -sanが特別敏感なんだと思っていたわ』
「ご理解いただけましたか。私は特別敏感な訳でも、自制心がweak訳でもないという事が」
『Tarea -sanが作ったブラシと、【Demon King's Fur】の力もあるの……かしら?』
『ヂュウ……Demon Kingとは一体?』
『いや、悩むなよ。【Demon King's Fur】でブラシを作らせたのも、それを使ってbrushingしたのも、間違いなく坊主が初だぜ』
「因みに、Spirit Form massageも施しました。Centaurの人達は、上半身とlower bodyの繋ぎ目の辺りが凝りやすいようです」
『つまり腰ですね。Tarea -sanと話が合うかも』
『腰痛談義? ちょっとお年寄りっぽいですね』
『二人とも、ScyllaやArachneみたいに上半身とlower bodyにギャップのあるrace共通の悩みだからあんまり茶化さない。まあ、アタシはもうGhostだから関係無いけど』
こうしてCentaur nationの有力者や名のあるWarrior達、Silvariのfamily等は全員bone抜きにされてしまったため、二戦目以降は全てVandalieuの不戦勝となった。
「あ、うちは挑戦とか別に良いです。認めます」
Lamia nationでは挑戦自体が無かった。
「一体何故?」
ちょっと楽しみにしていたVandalieuが驚いて聞き返すと、QueenのTanatoを先頭にLamia達は口々に答えた。
「もう勝負しないでも新Emperorになる-kunの人柄は大体わかったしぃ」
「うちの国の種目、magicと歌と楽器の演奏だから、結果はやる前から決まってるようなもんじゃない?」
「それにほら、うちの国では-kunのreputationが良くなって行ったから、もう良いかなって」
Emperorへの挑戦は、単純にEmperorの強さだけでは無く人柄を見るための物でもあった。
挑戦に応じ、相手国のdemandするruleに則って戦い、無理難題を吹っかけられても怒らず、loseもそれぞれの国を立てられるのか。それを試す意味もあったようだ。
「まあ、それはHarpy nationの辺りで薄々察してはいましたが」
これまでの歴代EmperorはNoble Orc Empireから輩出されていた。彼等が地上種HarpyやCentaurとの競争や、曲芸Flightで好成績を取ったとは考えにくかった。
本来これらの挑戦を受けるはずだったNoble OrcのBudarionにしても、同じだ。VandalieuにはBudarionが風のように走り、軽やかに宙を舞う姿がどうしても想像できない。特に、火の輪潜りは絶対無理だろう。
なので、重要なのは勝敗以外に在るのではないかと思っていた。
「えっ!? 気がついていたの? じゃあ、今までのは全部演技!?」
「いえ、思ってはいましたけど楽しかったので、自然体で応じていました」
「なんだ、そうなの。じゃあいいや」
Harpy nationやCentaur nationでのVandalieuの-sama子を見て、Lamia達は彼をEmperorと認める事にしたそうだ。
それに、Lamia nationでの種目では彼女達が言う通り、結果はやる前からVandalieuの一勝二敗だと分かりきっているし。
「それに卵の世話が上手いってreputation良いし、legendのOrochiもいるらしいし。今度来る時はぜひ連れて来てね」
「Orochi?」
卵の世話が上手いと言われた理由は、考えるまでも無い。VandalieuがQuinnの産んだ卵の世話を、Cemetery Beeの働き蜂に混じって……進んで頻繁に行っているからだろう。
同じ卵生であるLamiaやHarpy達にとって、育児の出来るEmperorとして好感を得られたようだ。
しかし Orochiとは何の事だろう? maybe武士やNinjaのようにChampionの残したrecordの中に八岐大蛇のlegendが断片的に記されていて、それが-sama々な誤解の末にLamia達の尊敬と崇拝の対象になったのだろう事は、conjecture出来るが。
「……ああ、Yamata」
Memoryを巡らせると、本来の頭部の代わりにraceが異なる九人の美女の上半身を繋ぎ合わせた、Hydra ZombieのYamataの事だと思い至った。
「そうそうっ! 確かZombieだけど、八叉だしね。歴代のQueenの中にはRank upしてEchidnaに至った人もいるけど、YamataノOrochiには至った人はいないから、皆注目していたのよ」
どうやら誰からかYamataの事がLamia nationに伝わっていたようだ。
こうしてHarpy nation、Centaur nation、Lamia nationを訪ねたVandalieu一行は翌日、『Vida’s Resting Ground』の前に訪れる予定の残り三国、Ryuujin nationとMerfolk nation、そしてDark Elf nationに向かったのだった。
・Title explanation::『Oni Emperor』
『God of Warriors』Garessと彼のFamiliar SpiritやHeroic spiritが、Vandalieuとのconnection Enhanced (1)のために考え出したsecondary name。certainly、このsecondary nameを獲得した前例は無い。
鬼と名のつくmonstersや、raceへのcharisma性をEnhanced (1)する。また、Garess達にとっても予期せぬ効果だが、Undead全般への【Guidance:Hell Demon Path】の効果をincreaseさせる。
・monsters(race)解説:Harpy (Human社会のrecord)
両腕両足に鳥の翼とgrip talonの特徴を持つVida's New Races。 Harpyと呼ばれる事も在る。
Vidaがmonstersと交わった結果生まれたraceの一つとされているが、一説にはBeast raceと同じくBeast Kingと交わった事で生まれたraceであるとする説がある。しかし、そのBird Beast Kingが邪悪な神のCurseを受けていた為に、鳥のBeast raceでは無くHarpyとして生まれて来たのだとその説ではされている。ただ、この説を支持するのはVida believerとHarpy達本人以外には少ない。
femaleだけの単性raceであり、卵で生まれ大体約十年で成人する。寿命は基本的に百年程。通常種、猛禽種、地上種の三raceが存在する。Rankは通常種と地上種が3、猛禽種が4。