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Chapter 142: 三日天下後の国で働く王と、中のEmpireに在るEmperor

 ガルギャのCoup d'état後、荒れる一方だったHigh Kobold nationの建造物や道路が見る見るうちに修繕されていく。

 その-sama子は建造物に使われている石材や木材、地面の石畳がまるで粘土に変わったように形を変え、欠損した部分や罅割れが消えていくと言うものだった。


「見る見るうちに街が元通りに成って行くぞ!」

「うわ~、ありがとう~!」

「ワンワンワンワァ~ン!」

 それを見て歓声を上げるHigh Kobold nation人々。多くはchildで、特にHigh Koboldchild達は大興奮している-sama子で何を言っているのか分からない。


 tailを振ってくれているから、喜んでいるのは分かるのだが。


 それを成し、人々に手を振って応える一人の……筈なのだが十数人に分裂しているVandalieuは、若干不満だった。

「……工事よりCookingしたい」

『シアの実……シアButter……』

『アサイー……』

Earthには無い数々のfruitsに、絶滅した動物の肉……』


 そう小声で呟く程、Vandalieuの関心は修復工事よりも食材に傾いていた。


 ガルギャを倒しRemnantsの殲滅とDismantlingも終わった。城やに残っていた見張りもサクサクと倒し、非戦闘員は無事解放する事ができた。

 戦いでこちら側に死者は出ず、負傷者は出たが幸い戦いで手足を欠損する等の重傷を負った者はいなかったので、Zadiris達の治癒magicpotionで十分治療できた。


 ガルギャがCoup d'étatを起こしてから半年と経たずに国を取り戻せたのが幸いして、High Kobold nationの民にも深刻なconditionの者はいない。ガルギャのあの-sama子では、元通りに治らない重傷者は「役立たずはいらん」と治療しないで食料にでもしかねなかったので、解決まで時間がかかっていたら悲惨な事になっていただろう。


 そしてガルギャが愛妾にしようと、唯一前王の直系で生かしておいたルルゥ姫をBudarion皇子達が(Kasim達はbarely間に合った)解放したのだが、その時も特にtroubleは起きなかった。……Kasimに春も来なかったようだが。

 そこでVandalieuは自分にしか出来ない事として【Golem Creationskillを使用してHigh Kobold nationの再興の手伝いをしていた。


「別につまらない訳じゃない」

『皆から感謝されるのは嬉しいですし』

High Kobold nationの建物はArchitecture -sama式が変わっていて面白いですし』

High Koboldの人達って集団で暮らすのを好むのか、一軒一軒が大きく造られているなとか、色々発見もあります』


 High Kobold nationは、High Koboldと、HumanDwarfElfの民、そして多くは無いが他国から移住した他raceが暮らす国だ。総人口はoriginally一万数千程で、High Koboldの数はガルギャのCoup d'étatによってずいぶん減ったが、Zanalpadnaに落ち延びた者達を合わせて千数百。他の国に落ち延びている者も戻って来れば、もう少し増えるだろう。

 民は一万程。Humanが最も多く、Elfは百人程しかない。そして下位raceKoboldが数百匹。


 その国体制はNoble Orc Empireに近く、素のRankが5であるHigh Kobold達が国の防衛と国の外部やDungeonでの狩猟採集を担当し、民が国内でのProduction活動を担当する。

 そして下位raceKoboldは下Class兵や警備員、Body労働などを担当していた。ただ、国に残っているKoboldBody労働担当のKoboldばかりだが。


 戦闘担当のKoboldはガルギャのCoup d'étatに賛同して獣のようになり、その後はBugitasが支配するNoble Orc Empireに下Class兵として貸し出されたからだ。


 High Koboldが大幅に減ってしまった事で暫くは国を維持するだけでも苦労するだろう。ただ、幸いな事にHigh Kobold nationには定期的にmonstersを間引かなければ国の存亡にかかわる、高難易度のDungeonは存在しなかった。

 国内にはDClass Dungeonが一つ、周辺に同じくDClass Dungeonが幾つかしかないので、数が減ったHigh Kobold達でもmonstersを間引くくらいなら難しくない。


 Bugitasが支配するNoble Orc Empireという最大の障害さえなくなれば、High Kobold nationが再興する事は十分可能だ。

 その前に、建物や城壁が修復されていれば、それにかかる時間が少しは省略されるだろう。


 因みに、まだ地上に残っていたため回収できたHigh Koboldの魂をUndead Transformationさせてrevivalさせたり、【Labyrinth CreationskillDungeonを新たに発生させたり、移動させる等の提案はしているが、Bugitasを倒した後日High Kobold nationの新しい王と側近で検討される事に成るだろう。


 High Kobold nationにとってVandalieuは簒奪者を倒した恩人だが、同時に他国の王だ。国内に他国の王の支持者を大量に創り、自由に出入りできる抜け道を発生させる事に慎重に成るのは当然だろう。


「後、戦勝の宴はBugitasを倒してからに成りそうですしねー」

 Noble Orc Empire軍は、情報の伝達網が整備されていない。各地に派遣したGeneral達が倒されている事をBugitasはまだ気がついていないだろう。


 小競り合いすら数万年前まで遡らなければ無いこの地で生まれ、軍略について書かれた本も存在しないため読んだ事が無いまま、初めて本格的な侵略戦争を起こした簒奪者Bugitas

 彼が戦争を始める前は、Noble Orc Empireの軍の役目は対monsters用の防衛、次に城壁の外やDungeonでの狩猟採集であった。そのため、数百から千以上の大集団で、数日以上国を離れる事が元から想定されていない。


 そしてBugitasも情報の伝達や兵站の問題を重要視していないため、伝令担当の部隊がほぼいないのである。

 そしてNoble Orcは突進力に優れるし、決して鈍いraceでは無いが……長距離を素早く移動する事が得意なraceでも無いし、monstersを使役するTamerが多い訳でも無い。


 今頃Bugitasは王座で苛立ちながら、今は亡きブディルードやブーフーディンからの、決して来ない報告を待っている事だろう。

 それを利用しない手は無いので、Bugitasが魔の手を伸ばしている国を全て迅速に解放し、そして迅速にEmpireに攻め込み、Budarion皇子にBugitasの首を獲ってもらう予定である。

 それが終わったらBugitasのカルビで焼き肉である。


「あのーっ! ちょっと良いですか!?」

 いや、チャーシューにするか? 味噌カツやポークcurryも捨てがたい。そんな事を考えているVandalieuだったが、歓声に混じっていたが、下から話しかけられてはっと我に返った。


「どうしましたー?」

 もしかしたら、考えるのに夢中に成っている間に建物を間違えた直し方をしてしまったのかもしれない。そう内心では慌てて地面に降りたが、話しかけてきたDwarffemaleの用件は苦情や要望では無いようだった。

「いえ、を直してくれたのと……ワン-sanの仇を取ってくれたお礼を言いたくて」

 Dwarffemaleは彼が地面に降りて来ると一瞬だけ哀しそうな顔をしたが、すぐにSmiling Faceに変えて持っていた籠を差し出した。


「これ、ワン-sanが好きだった果物です! ありがとうございました!」

「これはありがとうございます」

 ワン-sanって誰だろう? Vandalieuがそれを聞く前にDwarffemaleは自分のに駆け戻って行った。


 その小柄な後ろ姿を見送りつつ、maybe彼女と親しい関係のあるHigh Koboldの事だろうと想像する。

monstersの霊はすぐにReincarnationの環に戻っちゃいますからね……ブーフーディンもガルギャも覚えが無いようですし」

 二人の霊もMemoryに無いようだ。maybe、ワンと言うのはHigh Koboldの間では珍しくないnameなのだろう。


 それはin any case有りがたく果物を頂こうと籠の中身を見ると、そこに在ったのは今までVandalieuが見た事も聞いた事も無い果物だった。赤い皮にナマズの髭のような毛が何本も生えた、手に収まるほどの大きさの果物にVandalieuは首を傾げる。


「あのー、これどうやって食べるんですか?」

「ワフワンワンワフ!」

「……ありがとう」

 High Koboldchildは直立した子犬の-samaで可愛いが、やはり何を言っているのか分からない。Orc語もそうだが、Kobold語も難解だ。


 とりあえず皮を爪で切ってみると、中身はappearanceに反して白くつるりとした果肉が詰まっていた。食べてみると、果肉は柔らかく、甘い果汁が口の中に溢れるようだ。

「味はEarthで一度だけ食べた事のあるライチに、少し似ている気がする。Lambdaには面白い果物がありますね。

 ワン-san、良い趣味です」


 今は亡きワン-sanに思いを馳せていると、前触れも無くVandalieuの周りが暗くなった。

VandalieuHigh Goblin nationを支配していた簒奪者と、派遣されていたGeneralの討伐、国の解放が終わったわ。ブディルードのZombieが役立っていたわよ』

 その上空に、音も無くLegionTeleportationしてきたのだ。


「うわああああ!? Mama~っ!」

「キャインキャイン!?」

 途端逃げていくchild達。どうやら、肉で出来た人形を何体も捏ねまわして作った直径三meter程の球体という姿のLegionは、刺激が強すぎたらしい。


『……何も泣きながら逃げなくても良いと思うの。私、前世では狂信的なfanもいたのに』

「仕方ありませんよ、初対面ですし。Borkus達はどうです?」

 Vandalieuの質問に、shockを受けている-sama子のPlutoに変わり、生えて来たShadeが答えた。


Borkusは敵が弱すぎてつまらないとぼやいてたよ。彼がHigh Goblin nationを支配していたギィドー王を、派遣されていたブギャップGeneralBone Man -sanが倒したけど、大した相手じゃなかったみたいだね』

certainly、我々にとってはどちらもEreshkigalCounterを上手く使わないと勝てない強敵だったがな!』

Valkyrie、それは言わなくても良いと思うわ』


 Vandalieu達は軍を二つに分けて、このHigh Kobold nationHigh Goblin nation同時に攻略していた。

 それはGhoul nationから二国が近く、更にNoble Orc Empireに完全に支配され、戦力の供給源にされていたからだ。

 後これは倒してから分かった事だが、Bugitasを倒してもガルギャが改心するとも思えなかったので、先に解放したのは間違いではないだろう。


 Legion達に話を聞くと、High Goblin nationの支配者と派遣されていたGeneralも似たような連中だったようだ。

『ところで、それは?』

「謎の果物です。Lambda独自のものらしくて、nameは聞きそびれました。食べます?」

 Vandalieuから果物を受け取ったLegionは、それを皮ごと飲み込んだ。そして、にゅるりと別の人格が生えて来て答えた。


『……この果物、EarthOriginにもあったわ。見た目も味もだいたい同じだから。Jackも好きよ』

Rambutanって言うんだよね、瞳-chan

「マジで?」

『『マジマジ』』


 Rambutan。東南Asia原産の果物である。瞳が言うようにEarthにも存在する果物だが、VandalieuMemoryには無かった。

 気候的にややAfricaに近いHigh Kobold nationProductionされているので、accurateにはRambutanの近似種なのだろうが。




 時間が出来たらTalosheimRambutanImmortal Entを創りたいが、近い将来交易する相手国の特産品を自国でProductionするのは問題があるのではないだろうか?

 そんな事を考えながら、VandalieuHigh Kobold nationJob change roomに居た。


 monstersであるHigh Kobold達はJobに就く事は出来ないが、民がProduction relatedJobに就くために必要なので、この国にもJob change roomが在った。

「今度は特に珍しい事はしていないので、増えはしないと思いますけど……」

 そう言いながら、水晶に触れる。


《選択可能Job 【Corpse Demon Commander】 【Disease Demon】 【Spirit Warrior】 【Whip Tongue Calamity】 【Vengeful Berserker】 【Dead Spirit Mage】 【Hell Healer】 【Labyrinth Creator】 【Demon King User】 【Magic Cannoneer】 【Hell King Mage】 【Divine Enemy】 【Nether Guider】 【Creation Guider】(NEW!) 【Fallen Musha】(NEW!) 【Insect Nin】(NEW!)》


「……うーん、増えた。Guider系のJobって、こんなにポンポン出て良いものなのか?」

 このJob systemBugってない? 大丈夫? 胸中でJobskillを作ったとされる『Magic God of Time and ArtsRicklentに問いかけるが、答えは無かった。


 声が届かなかったのか、それとも意図的にスルーされたのかは不明である。


しかし、他の二つは……【Fallen Musha】って、落ち武者ですよね。【Insect Nin】は、【Insect UserJobとも関係があるのかな? とりあえず、次につくJobは決まって居るのですが。

 【Corpse Demon Commander】を選択」


 最近皆をCommandingしながら、若しくは皆の先頭で集団戦を行う事も多くなってきた。だからCommanderと同じ読みの【Corpse Demon CommanderJobに就けば、【Commandingskillに補正が得られて事が有利に進むのではないか。そう思っての事だ。


《【Corpse Demon Commander】にJob changeしました!》

《【Commanding】、【Coordination】levelが上がりました!》

《【装屍術】skillを獲得しました!》

《【装屍術】、【Plant Binding Technique】、【Insect Binding Techniqueskillintegrationされ、【Group Binding Technique】に変化しました!》




Name: Vandalieu

Race: Dhampir(Dark Elf)

Age: age

Title: Ghoul King】 【Eclipse King】 【Second Coming of the Demon King】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】 【Monstrosity】 【Scale King】 【Tentacle King

Job: Corpse Demon Commander

Level:

Job History: Death-Attribute MageGolem TransmuterUndead TamerSoul BreakerVenom Fist UserInsect UserTree CasterDemon GuiderArchenemyZombie MakerGolem Creator


Ability Values

Vitality: 2,541

Mana: 1,190,442,646+(357,132,793)

Strength: 1,071

Agility :804

Endurance :1,203

Intelligence :2,475




Passive skills

Mysterious Strength:5Lv

Rapid Healing:10Lv

Death-Attribute Magic:10Lv

Abnormal Condition Resistance:8Lv

Magic Resistance:6Lv

Dark Vision

Demon Path Enticement:3Lv(UP!)

Chant Revocation:6Lv

Guidance: Demon Path:5Lv(UP!)

Automatic Mana Recovery:6Lv

Strengthen Subordinates:8Lv(UP!)

Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):5Lv

Enhanced Agility:3Lv

Body Expansion (Tongue):5Lv

Strengthened Attack Power while Unarmed: Large

Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs):4Lv

Thread Refining:3Lv

Mana Enlargement:3Lv


Active skills

Bloodwork:3Lv

-Surpass Limits-:8Lv

Golem Creation:3Lv(UP!)

No-Attribute Magic:8Lv

Mana Control:7Lv

Spirit Form:8Lv

Cooking:5Lv

Alchemy:7Lv

Unarmed Fighting Technique:6Lv

Soul Break:10Lv

Multi-Cast:7Lv(UP!)

Long-distance Control:7Lv

Surgery:7Lv(UP!)

Parallel Thought Processing:6Lv

Materialization:5Lv(UP!)

Coordination:6Lv(UP!)

High-speed Thought Processing:5Lv

Commanding:6Lv(UP!)

Plant Binding Technique:6Lv→(Group Binding Techniqueintegration!)

Thread-reeling:5Lv

Throwing Technique:5Lv

Scream:4Lv

Dead Spirit Magic:6Lv(UP!)

Insect Binding Technique:6Lv→(Group Binding Techniqueintegration!)

Artillery Technique:5Lv(UP!)

Armor Technique:2Lv(UP!)

Shield Technique:2Lv(UP!)

Group Binding Technique:1Lv(NEW!)



Unique skill

God Slayer:9Lv(UP!)

Grotesque Mind:7Lv(UP!)

Mind Encroachment:7Lv

Labyrinth Creation:7Lv(UP!)

Demon King Fusion:4Lv

Abyss:4Lv

Hostility



Demon King Fragment

blood

suction cups

ink sacs

carapace


Curse

 Experience gained in previous life not carried over

 Cannot learn existing jobs

 Unable to gain experience independently




 【Commanding】や【Coordination】 skilllevelが上がったのは想定内だったが、【装屍術】skillと、そしてそれ等がintegrationされ変化した【Group Binding Techniqueskillを獲得した。

「どんな効果なのかは【Plant Binding Technique】や【Insect Binding Technique】から連想できますけど。これでBorkusBone Manも装備できるようになるのかな?」

 想定以上に良い結果になったようだ。Vandalieuは上機嫌でJob change roomを後にした。


Miko -dono! Budarion皇子が移植した目や腕が疼くと、body partの不調を訴えている! すぐ来てくれ!」

 するとGizaniaが駈け込んで来た。

 まさか医療missを起こしてしまったのかと、Vandalieuは慌ててBudarion皇子の元に向かったのだった。




 暴-kunventで床に叩きつけられた杯が、澄んだ音を立てて砕け散った。

「ブガア! ブキャブガガ!?」

 報告はまだ来ないのかと怒鳴り散らすBugitasに、部下のNoble Orc Mage達は怯えて縮こまった。その中の一人が、見るからに嫌々と言った-sama子で口を開く。


Bugitas陛下、Ghoul nation攻略中のブディルードGeneralからの報告はございません。High Kobold nationのガルギャ-donoと派遣したブーフーディンGeneralHigh Goblin nationのギィドー-donoとブキャップGeneralからも定期連絡が途切れております。

 また、Zanalpadna攻略のための前線基地建設中のブブーリンからも報告の類は来ておりません』

 Noble Orc Mageが報告を続けるごとに、Bugitasの機嫌が更に悪化していく。


 Noble Orc Mageも出来ればこんな報告をしたくはないが、Bugitasの機嫌を良くする材料は何も無く、しかし黙っている訳にもいかない。


Kijin nationRyuujin nationの監視に差し向けた連中はどうした!?』

 Noble Orc Empireに戦力で匹敵するKijin nationRyuujin nationは、『Evil god of releaseRavovifardの力によって引き起こされたmonstersrunawayに対処するため、Empireに軍を差し向ける余裕は無い。

 しかしKijin nationRyuujin nationの武力を考えればrunawayするmonstersを駆逐するのに時間はかかっても、やられる事は無いだろうとBugitasは考えていた。


 寧ろ、Kijin nationRyuujin nationをどうにかしてしまう規模のmonstersrunawayを起こされたら、自分達の身も危険にさらされてしまう。RavovifardDungeonに生息するmonstersをより凶暴化させrunawayさせただけで、支配している訳ではない。monsters達は一番近い敵に襲い掛かっているだけなのだ。


『それが、到着後最初の連絡を寄越して以後音沙汰が……恐らく、runawayするmonstersの群れに見つかってやられたのかと』

『役立たず共が! 次の偵察部隊を送り込め! あの二国の動向は確実につかんでおかねばならんのだ!

 Majin nationに送り込んだゲラゾーグとブゴバー、他の中小国の相手をしているブモーガンはどうした!?』


 Bugitasは侮りがたい力を持つが距離があるMajin nationには、以前Empireに留学していたゲラゾーグという名のMajin Raceの若者を仲間に引き込み、Coup d'étatを起こさせる算段をつけていた。High Kobold nationのガルギャと同じtacticsである。

 Ravovifard 's Divine Protectionを得たゲラゾーグがMajin nationで賛同者を集め、派遣したブゴバーGeneral率いる軍も加わり、Coup d'étatを引き起こして身動きを封じる、あわよくばMajin nationを乗っ取る予定だった。


『それが全く音沙汰無く……恐らく、伝令が途中で遭難したか、運悪く強力なmonstersと遭遇し全滅したのかと』

 しかし、報告が一切無かった。距離があるし、道中は危険に満ちているので仕方ないと言えばそれまでだが。

『陛下っ! Bugitas陛下! ブゴバーGeneralの、Generalの!』

 だが、突然王座の間に別のNoble Orc Mageが転がり込むようにして駈け込んで来た。


『伝令がやっと来たか!?』

 ようやく待ちに待った報告が聞ける。思わず玉座から立ち上がったBugitasだが、齎されたのは最悪に近い知らせだった。


『い、いえっ! ブゴバーGeneralの軍の生き残りが帰還しました!』

『何だとぉぉぉぉぉぉ!?』

 激高する猪のように叫ぶBugitasに、駆け込んできたNoble Orcが失禁寸前になりながらも報告したところによると、Majin nationでもCoup d'étatは失敗に終わったらしいとの事だった。


 Majin nationCoup d'étatの賛同者を集めようとしたゲラゾーグだったが、驚く事に殆ど賛同者が集まらなかったらしい。賛同者は数人で、しかも特別有能だったり、高い地位に在ったりする訳では無い。多少の悪巧みや一度だけのテロ計画ならまだしも、国転覆なんてとても狙えない。


 だと言うのにブゴバーGeneralは「何としても陛下の期待に応えるのだ」と無謀なLoyalty心を発揮して、Majin nationに対して攻め込んでしまった。圧倒的に足りない戦力を率いて善戦はしたが、そのまま玉砕。本人も討ち死にし、僅かな生き残りが何とか帰還したそうだ。

 ゲラゾーグもその中に含まれていて、亡命を希望しているそうだ。


『……BAKANA。確かに声をかけた時から冴えない奴で、留学という名目の島流しにされたのも無理も無い愚か者だったが、Ravovifard 's Divine Protectionを得たのだぞ。High Kobold nationのガルギャもHigh Goblin nationのギィドーも、似たような物だったが、上手く行ったというのに!』


 そう叫ぶBugitasだが、現実は変わらない。しばらくしたらゲラゾーグ本人とブゴバー軍の生き残りから話を聞く事が出来るだろうが、愉快な事は聞けないだろう。

 ただMajin Raceは数が少ない為、ゲラゾーグのCoup d'étatが失敗したからと言ってすぐに大軍を派遣してくる事は無いだろうというのが救いか。


 ただ、Majin Raceは一度怒りに火がつくと恐ろしい戦人に変貌する戦闘raceだ。時間はかかっても、必ずEmpireに軍を差し向けて来るだろう。


(やはり酔狂者しかいないMajin Raceには、High KoboldHigh Goblinに使った手は通じないと言う事か……)

 そう無理矢理自分を納得させたBugitasは、怒りを何とか抑えることに成功する。

『それで、ブモーガンからは報告は無いんだな?』


『い、いいえっ! たった今届きました!』

 blood走った目で問うてくるBugitasに、Noble Orc Mageは引き攣った声で答えた。


『何だと!? まさか敗走したから撤退を助けて欲しいなんて報告では無いだろうな!?』

『いいえっ! 援軍要請です! LamiaCentaur Harpy共が思いの外手強く、更に何故か少数のMajin Raceまで敵軍に加わった模-sama! 下Class兵の損耗が激しく、物資も足りないと……』


 ブモーガンはCoup d'étatを起こすためのminionsが無いが、それほど脅威では無い国がZanalpadnaGhoul nationと手を結んで連合軍を結成しないようにするために、軍を率いて抑えをしていた。

 LamiaCentaurの国は小さく、Zanalpadnaや老人とchild以外は全て戦闘員と言って過言では無いGhoul nationと手を結ばなければ、脅威ではないと考えての布陣だった。


 しかし、実際には三国が手を結んだ連合軍が予想以上に手強く、しかも恐らくブゴバー軍を破ったMajin Race達がEmpireに対する報復の先触れとして、少数の精鋭部隊を差し向けてきたようだ。


『ブググ……! 援軍をくれてやれ! ブモーガンにそのままザコ共を押し返して国を蹂躙するまで帰って来るなと伝えろ!』


しかし、誰に救援部隊のCommandingを執らせれば良いのか……』

『貴-samaが行け! 今すぐ!』

『ひぃ! ぎょ、御意っ!』

 Noble Orc Mageの一人を指名したBugitasは、他の者達にも『下がれ!』と怒鳴りつけて王座の間から追い出した。


 このまま近くで顔を見ていると、癇癪を起して殺してしまいそうだったからだ。

 替えの効く女共ならin any caseNoble Orc Mageとなると簡単には代わりがいない。……本来なら数十人はいるのだが、殆どのMageBudarion皇子を支持している。


 Empire内に残っているMageの殆どは、Bugitasの力を恐れて渋々従っている者達だ。彼にLoyaltyを誓いRavovifardを奉じているMageEmpire内に残っているのは、先程まで王座の間に居た数人だけだ。

 そのため、幾らBugitasでも簡単に殺す事は出来ない。


(どいつもこいつも使えん! 俺の【Guidance】で力を得ている筈なのに……奴らの頭は飾りか!?)

 そう胸中で罵ると、酒瓶を直接口に運び、ラッパ飲みする。喉が焼けるように熱くなるが、その熱さが苛立ちを鎮めてくれる。


(そうだ、便りが無いのが良い便りという言葉もある。ブディルードやブーフーディン、ブキャップから報告が無いのは、順調である証拠だ。そうに違いない)

 alcoholの見せる都合の良い妄想にnod Bugitas


 だが、幸せな時間は終わりを告げた。


「ブヒ!?」

 【Familiar Spirit Advent】をActivateさせた時と似た、しかしより強大な存在が自分に降りてきた感覚に、Bugitasの酔いは一瞬で消し飛ぶ。

 そして『Evil god of releaseRavovifardOracleによって、恐ろしい事態が進んでいる事を知った。


BAKANA……そんな強大な敵が存在するのか!? それでは俺はどうすれば!? ……そんな事が可能なのか!? それならば……勝てる! たとえ敵が【Demon King Fragment】の所有者だとしても勝てるぞ!』


 Ravovifardから提示された解決策に、Bugitasは自身の必勝を確信した。




Job解説:Golem Creator


 【Golem Transmuter】の上位Job。【Golem Transmuter】のJobを経験している事や、他のProduction related skilllevel、更に新しい素材を創り出している等の条件を満たすと選択する事が出来る。

 Ability Valuesincrease率は低いが、全てのProduction related skillに広く補正がかかる。


 Job効果としてManaを消費して金属等の物質を創る事が出来るが、Humanの枠を超えたManaが無ければ使いこなすのは難しいだろう。

 ただこのJobに就いた時点で、Humanの枠を超えたManaの持ち主である事が確実であるため、欠点とはいえないかもしれない。


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