「母上、待ってほしい。拙者は、やはりMiko -donoについて行きたい」
一度は纏まりかけた問題だったが、何とそれにGizaniaが異を唱えた。
「確かに拙者はMiko -donoの性別について勘違いしたが、『ついて行きたい』と思ったのは事実だ。それは今も変わらない。
それに命を救われた恩がある。Miko -donoがChampion Zakkartを継ぐための試練に挑むなら、参じない訳にはいかない」
そう述べる娘に、Donaneris Queenは「気持ちは分からんでもない」とnod。
「約百年前より続く、Champion Zakkartの後継、再来を定めるための試練。今まで幾人ものHero豪傑が挑みながらも退けられてきた難関。大半の者は生還するが、死者が出ていない訳では無い。
それに恩人が挑むとあらば、参じたいと思うのが道理と言うもの」
「……道理、なのか? まあ、恩人が死ぬ可能性があるのならそのまま見過ごす事は出来ないのは分かるが」
Basdiaは首を傾げるが、Donaneris Queenだけでは無くバコタMage長や他のArachneやEmpusaも納得しているらしい。
「Basdia -dono、これが武士道というものでござる」
MyuzeがそうBasdiaに教える。やはりZanalpadnaに伝わった武士道は、Earthの武士道とは異なるようだ。恐らく、ロマンや義理人情に関する事が強調されているのだろう。
「……Knight道みたいなものか?」
certainlyそんな違いをBasdiaが気づくはずがない。彼女は武士道をKnight道と似たようなものと解釈したらしい。
「儂は『Trial of Zakkart』に関するBoundary Mountain Range内部と外部での扱いと情報の違いの方が気に成るのじゃが……今は聞ける雰囲気では無いの」
Boundary Mountain Range外では『Trial of Zakkart』は、挑んだ者が『Five-colored blades』以外殆ど生還していない危険極まりないDungeon。そして攻略した者は、Fallen Champion Zakkartを倒したChampion Bellwoodと同じ力を持つ者とされ、Bellwood's Successorに成れると噂されている。
しかし Boundary Mountain Range内部では『Trial of Zakkart』は、難易度は高いものの、挑んだ者は殆ど生還できる。そして攻略した者はChampion Bellwoodでは無く、ZakkartのSuccessor、又は再来と認められる。
まるで正反対だ。
攻略者がBellwoodとZakkartどちらのSuccessorに成るのかは、originally噂の類であろうからBoundary Mountain Rangeの内外で異なっていても不思議では無い。しかし、挑戦者の生存率の違いは噂が異なるだけでは説明が出来ない。
単純にBoundary Mountain Range外の挑戦者が弱く、内の挑戦者が強いからだとは考えられない。
『Trial of Zakkart』はBoundary Mountain Range外でも有名なDungeonだ。だから自分の実力を顧みない無謀な者も挑戦するが、それ以外の挑戦者は最低でもBClass、殆どはAClass adventurerかそれに相当する実力者だ。
それ程の実力に成れば、Boundary Mountain Range内部のHero豪傑と比べても遜色は無い筈。
(挑戦者のraceの違いに原因があるのかの? Zanalpadnaを参考に考えても、Boundary Mountain Range内部でVida's New Racesでは無いHumanやDwarf、Elfがそれ程強くなるとは思えん。
坊やが挑戦すると言った以上、その辺りも詳しく聞いておきたいのじゃが……それには時間がかかりそうじゃしな)
Donaneris Queenやバコタが今まで『Trial of Zakkart』について話さなかったのは、黙っていたからでは無く話すまでも無くZadiris達が知っていると思ったからだ。
彼女達はBoundary Mountain Rangeによって外部から隔離されていて、『Trial of Zakkart』に内外で違いがある事自体知らないのだから。
知らないので、単に「何故違うのか?」と質問するだけでは誰も求める答えを言う事が出来ない。
「とりあえず、これが落ち着いてからじゃな」
そう決めて事態を見守るZadiris。
「気持ちは分かる。分かるが、お前がMiko -donoと一緒に居てはややこしいままじゃしなぁ……いや、Miko -donoがお前を気に入っていれば問題無いのかの? その辺り、どうなのじゃ?」
「確かにMiko -donoがGizania -donoを気に入っていれば、親愛の首飾りに関して誤解があったとしても、そのままでも問題無いですな」
もしかしてワンチャンあるか? そんな-sama子のDonaneris Queenにバコタもなるほどと納得する。
「いや、流石にそれは厚かましくは無いだろうか。それに、聞けばMiko -donoには既に何人も妃Candidateがいるそうだ。Basdiaもその一人だ」
Vandalieuには付いて行きたいが、故意では無いとはいえ騙した形に成るので、それを利用するのは気が引ける。それに、Basdia達にも悪い。そう訴えるGizania。
「その通りだが、気にしなくて良いぞ。別にVanを独占するとか、そう言う話では無いのだろう? originally Gizania達は夫をシェアすると聞いたし、問題無い」
「何人も居るなら、そこにGizania -chanが入ってもきっと大丈夫よ! ダーリンも妾以外にも妃を娶る予定だし、Gizania -chan可愛いから!」
そしてそんな事気にするなと言うBasdiaと、シスコンだがImoutoは誰にも渡さないと言う方向には行かないらしいKurnelia姫。
「普通は、何人いても気にする事ではないでござろうか?」
本来ならMyuzeの言う通りなのだが、実はGizaniaがそうなるのではないかという予感をBasdiaだけでは無く、ZadirisやEleonoraも抱いていた。だから実際にそうなっても、皆「やっぱり」と思うだけだろう。
そしてVandalieuがその事に関して何を考えているのか、Zadirisもよく解らない。
(坊やはその辺り来る者拒まずで来たからの~。何も感じていない訳では無いようじゃが)
そう考えるが、同時にこうも思う。
「まあ、Vigaroよりは少ないから問題ではないか」
Basdiaの父親Vigaroが経験した人数は、Zadirisを抜いても十や二十ではない。VandalieuがGhoulの出生率問題を解決してからは少なくなったが、それでも昔と比べればだ。
だから問題にはならないだろうと、Zadirisは思っていた。……Vigaroの場合はEarthやOriginでは結婚ではなく、事実婚に当たるのでSlightly事情が異なる筈なのだが。
「Gizaniaよ、問題はお主が坊やをどう思っているかじゃ。どうせ坊やへの恩返しを終えたら、結婚も含めて身の振り方を考えるつもりだったのじゃろう?
その相手が坊やに成るかもしれんというだけじゃ。坊やの意思を確認するにしても、まずそれについてどう思うのかが先じゃ」
「拙者がどう思っているのか……」
Zadirisに問われたGizaniaは瞼を閉じて考える。だがoriginally彼女はVandalieuに対して好感を持っていた。妙な魅力以外にも、初めて自分を美しいと言ってくれた異性……そう、異性という事に成る。
GizaniaはBody的にRobust HealthなLarge-buildの中でも、姉であるKurnelia姫の役に立とうと、何時か真の【武士】に至ろうと鍛錬を重ねてきた。
そのため、多くがProduction related Jobに就くZanalpadnaのmale陣とは殆ど関わって来なかった。例外は父親ぐらいだ。
将来は、同じ塔に住むKurnelia姫以外のsistersや民達が夫と認めた男の中から、childを作る相手を選ぶのだろうと漠然と考えていた。
彼等に魅力が無いわけでは無い。気の良い者達だが、しかし……。
(彼等とMiko -donoを比べると、やはりMiko -donoの方が好ましい)
自分よりずっと強いから、寧ろGizaniaがVandalieuに追いつけるよう努力しなければいけないが、鍛錬でも一緒に居られる。そう、本当に一緒に居られる。【Insect User】のVandalieuは、【Insect Binding Technique】skillでGizaniaを体内に装備できるのだから。
しかし、今まで同性だと思っていた少年を、将来異性として見る事が出来るだろうか?
瞼を開いたGizaniaは、顔を上げ口を開いた。
「……ほ、保留ではダメか、な?」
そして視線を逸らしながらそう言ったのだった。
「む、むう、そこでヘタレるか、我が娘よ」
「Gizania -chanらしい……そう言えばMyuzeはどうするの?」
「某でござるか? 是非も無くMiko -donoの傍に置いていただければと思っているでござるよ」
話を振られたMyuzeは、Gizaniaとは対照的にあっさりとしていた。
「Miko -donoはCloneに隠れ身に、それに将来大蛙にTransformできるようになるかもしれない、ninjaに最も近い方! その傍に居られれば、某の修行もはかどると言うものでござる。
それに某も、もう七十でござるからな。百の大台に乗る前にchildを作るつもりだったので、丁度良いでござる。Miko -donoは最初無表情で付き合い難く見えたのでござるが、気性の良い方の-samaでござるし。
もっとも、Miko -donoが某を気に入って頂ければの話でござるが」
「Myuze -dono、そ、そんな風に割り切って良いのか?」
「Gizania -dono、某ぐらいがZanalpadnaのStandardでござる。Kurnelia姫とBudarion皇子の-samaな関係は、寧ろ例外でござるぞ」
何せ、夫達を同じ塔に住むfemale達で共有する多夫多妻制だ。当然自分が望む男を自由に婿入りさせられる訳でない。自分以外の女達が選んだ男達の中から、childを作る相手を選ばなければならない事も多いのだ。
「そうだったのか!?」
「Gizania -chan、ダーリンと妾は特別なのよ。妾達の出会いは――」
「それはin any case、早めにVanの意思を確認しておいた方が良いな。答えは分っている気がするが」
「そうじゃな。答えは大体予想できるがの」
「……今更ながら、若干不安を覚えて来たのじゃが?」
「Queen、とりあえずは婚約と言う事で-sama子を見ましょう」
その後、既にBudarion皇子の反応からGizaniaを含めて皆から性別を勘違いされていた事を知ったVandalieuは、何時もより死んだ目で「親愛の首飾り」についてのaccurateな情報を聞いたが、Basdia達の想像通り「二人がそれで良いのなら、今後ともよろしくお願いします」と答えたのだった。
「怯むなっ! 相手はたった三人だ!」
「数で押せっ! Mageは術を絶やすな!」
「ぐああああっ! 無理だっ、幾ら囲んでも相手に成らない!」
Bugitasが他の戦場から兵を引き、Zanalpadna攻略とBudarion抹殺に戦力を集中させるか否かを決め兼ねていた頃、Ghoulの国は存亡の危機に立たされていた。
Ghoulの国は、国全体がDClass Dungeon『Zozogante大森林』の内部に在る。
このDungeonは出生率の低いGhoul達の為に、彼等のraceの後見となった『Evil God of the dark Forest』Zozoganteが創り出した、二十階層全てが森の形をしたDungeonだ。
Dungeon内部で生活する事により、Devil Nestsで暮らすよりも更にBodyや生殖Abilityが活性化したGhoul達は、十万年が経った今でも国と呼べる規模を維持していた。
それでもZanalpadnaのEClass Dungeon『殻要らずの原っぱ』とは違い危険なため、民を養う余裕はない。
だから国民はほぼGhoulだけで、人口も五千人程だ。
Zanalpadna周辺では、最も人口が少ない国である。
しかし Dungeonで日々の糧を得られ、更に外でも生き残れるようにWarrior達が己を鍛え終えてから地上に出て狩を行う、小さくとも豊かな国だった。
その平和を破ったのがBugitas配下の中で、最も優れた槍の使い手である『fangs槍の猪』のブディルード率いる軍勢だった。
Rank9のNoble OrcハイGeneralであるブディルードは、自身がかつて討伐したmonsters、プロミネンスマンモスのfangsから作ったMagic Spearを振るう武人。個人の武威だけではなく、部下を巧みに動かす優秀なCommanderとしても知られる男だった。
彼が率いるNoble OrcやHigh Goblin、High Koboldで構成された数百の精鋭を前にGhoul達は善戦するも、下層階への撤退を繰り返していた。
「ぬおおおおっ! 何としても止めろっ! これ以上好きにやらせるな!」
「長を守るのだ! Warrior達よっ、意地を見せろ!」
「女達を渡してなるものか!」
skillのlevelや種類が足らずに中々Rank upできないBoundary Mountain Range外のGhoulとは違い、Job changeが可能な『Zozoganteの大森林』のGhoul達は熟練のWarriorと成ればstabilityしてRank5までRank upする事が出来る。
また優れたBlacksmith技術は無いが、Dungeonで見つかるTreasure Chestからitemを回収し、それで武装していた。
そのため数は少なくても精強なWarrior達によって守られていた。たとえRank6のNoble Orc相手でも、JobとRankの両方を持つGhoul達は、一対一なら五分の勝負が出来る。そのGhoul五千人に対して、ブディルードが率いるのは、たった数百匹。決してGhoul達に不利な戦いに成る筈が無かった。
だが、ブディルードとその軍勢は何らかの力によってEnhanced (1)されていた。それは【Commanding】や【Coordination】 skillの効果よりも、はっきりと分かるlevelだった。
そしてGhoul達はDungeon内で生活しているため、Zanalpadnaに在るような堅牢な城壁を築く事が出来なかった。家ぐらいなら問題無いのだが、monstersが入って来られず簡単に壊せない城壁の類は、【Labyrinth Creation】skillを持っているVandalieuくらいしか、築く事が出来ないのだった。
それもあって、森の形をしていてもDungeonという限定されたspaceでの戦いは、ブディルード率いる少数精鋭の軍に有利だった。
しかもブディルードは以前発生したあるDungeonのrunawayを軍を率いて鎮めた経験が、Boundary Mountain Range内でも珍しい大集団をCommandingして大勢の敵と戦って勝った経験を持つ男だった。
そんな敵を相手に撤退を重ね、十階層まで追い詰められたGhoul達は決戦を覚悟した。
「ぎゃああああっ!」
「ブディルード……お前ほどの武人が何故……いや、もう聞くまい。反逆者ではあるが、お前はEmpireを支え続けたWarrior。今まで良く仕えてくれた。休むが良い」
「も、もうダメだっ! とても堪えられん!」
「……Budarion皇子、ブディルードの霊は貴方の後ろですよ」
しかし決戦の前に、ブディルードの軍をVandalieu達が背後から襲撃したのだ。
ブブーリンの霊からGhoulの国が侵攻を受けている事を聞きだし、途中に配置されていた監視部隊等を瞬殺しながら侵攻したVandalieu達は、『Zozogante大森林』の入り口から入りそのまま立ち塞がる敵を、ブディルードの軍を上回る少数精鋭で蹴散らしながらthrust進んだのである。
足を踏み入れた階層の構造を一瞬で理解でき、更にDungeon内の内装を変化させる事が出来る【Labyrinth Creation】skillを持つVandalieuによって、ブディルードの軍は分断され本来の力を発揮できないconditionに追い詰められた。
更にBorkusやVigaro、ZadirisにBasdia、Bone Man、そして腕と目を取り戻したBudarion皇子によって蹴散らされたのだった。
ブディルード達は全員がVandalieu達にとっては未知のskill効果によってEnhanced (1)されていたが、Borkus達も【Guidance: Demon Path】によってEnhanced (1)されている。そしてEnhanced (1)の効果は、Borkus達の方が大きかった。
もしこれがDungeonでは無く地上で、ブディルードが率いていたのが数百の少数精鋭では無く千を超える軍勢なら、敵を少々取り逃がしたかもしれない。
しかし Dungeonの中が戦場だったため、一人も取り逃がす事無く全滅させる事が出来た。
恐らくNoble Orc Empireで今も悩んでいるだろうBugitasに情報が伝達するのを遅らせる事が出来たのは、Fortuneだった。
「ぶむ、そうだったか」
「【Visualization】します? 話せるようにもなりますけど」
「いや、止めておこう。あの-sama子では余とは会話が成立しないだろう」
『そうでもなさそうですぞ。今は不自然なくらい落ち着いた-sama子ですな』
ブディルードはBudarion皇子に倒される寸前まで、獣じみた咆哮を上げながら戦い続けた。Budarion皇子によると冷静な歴戦のGeneralらしいのだが、Vandalieuにはbloodに飢えたBerserkerにしか見えなかった。
だが、Budarion皇子のMagic Swordによって止めを刺されて死に、霊に成った途端reasonを取り戻したらしい。
『醜態を晒し、申し訳ありません。Bugitas Emperor陛下……いえ、Bugitasの力の虜となった私は、monsters本来の力と引き換えに、reasonを失っていたのです』
生前は吠える-samaなOrc語で部下をCommandingし、聞くに堪えない言葉でBudarion皇子を罵り、BasdiaやEleonoraに下卑た嘲笑を浴びせかけた男の、死後の言動である。
……普通逆ではないだろうか? 死者の霊の方が生者よりもemotions的なものだが。
Vandalieuも戸惑いのあまり、ブディルードの魂を砕くのを中止したぐらいだ。
尤も、死んだ途端正気に戻ったのはブディルードだけではない。彼の部下全員が生前は獣の-samaだったが、やはり死んだ途端reasonを取り戻している。
『恐らくBugitasかRavovifardの何らかの力のimpact下に在ったブディルード達は、死ぬ事によって解放され、主のimpact下に入った事で本来の人格に戻ったのでは?』
「Bugitasがそのようなskillを持っていたとは知らなかった。Ravovifardから授けられたのかもしれん。
やはり、Miko -donoと同じGuidanceのskillなのだろうか? だとしたらブディルード程の男が惑わされたのも頷ける」
Budarion皇子は腕と目を移植するSurgeryを受けた直後までは、Vandalieuの【Guidance: Demon Path】のimpact下には無かった。しかし、今ではimpact下に入っている。
どうやら、Surgery後の会話でVandalieuはBudarion皇子に認められたらしい。
そしてBudarion皇子に続くように、彼の忠臣達も【Guidance: Demon Path】のimpact下に入ったのだった。
「Guidanceだとしたら、何でしょうね? 外道とか畜生道でしょうか」
「焼けたよう、お食べよう」
「マンモスの串焼きが出来たぞ、Van」
「わーい、頂きますー」
少し考えたVandalieuだったが、焼肉には勝てずにappetiteを優先させる。
ブディルードがTamerし乗騎として使っていたマンモスの肉を、EisenとBasdiaが豪快に串焼きにして焼いた物である。
何とZanalpadnaやGhoulの国周辺の地上では、恐竜はいないがマンモスやSaber-toothed Tigerが、accurateにはそれらにそっくりなmonstersが出現するのだ。
マンモスはVandalieuがimageするようなwhole bodyがfurに覆われたGiantな象ではなく、Africaゾウが大きくなったような姿だったが。
LegionのEnmaから、暖かい地域のマンモスは長いfurが無かったと聞かされた時は驚いていた。
それはin any case、恐竜肉に続いてluxuryな食材である。
受け取った串焼きに齧りついたVandalieuは肉を噛み千切って咀嚼し、味わう。
『Eisenの鉄林檎から作ったタレが効いていて、肉の臭みが押さえられ柔らかく成っていますね。焼き具合も丁度良くて、噛めば噛むほど旨味が口の中に溢れてとても美味しいです』
咀嚼するのに忙しいので【Out-of-body Experience】をして感想を言うと、EisenとBasdiaはハイタッチをして喜んでいた。
「ハンバーグや照り焼きにしても美味そうじゃな。ただ肉が全体的に硬めじゃから、steakには向かんかもしれん。Zanalpadnaではどうやって食べているのじゃったかな?」
「肉質が硬いから拙者達はマンモスの肉は煮込Cookingに使う事が多い。拙者は生の方が好きだが」
「某もマンモスを狩った時は、つい生で食べてしまうでござるよ」
「……刺身にでもするかの」
Zadirisがマンモス肉の活用法を考えGizania達に質問するが、答えが想像以上にワイルドだった。
「ところでVandalieu -sama、止めなくて良いの? さっきからVigaroが一方的に暴れているけど」
Eleonoraが指差す先では、VigaroがGhoul nationのWarriorとMage相手に腕比べをしていた。
ブディルードを倒した後、助けてくれた事を『Zozogante大森林』のGhoul達は感謝し、Vandalieuの『Ghoul King』や『Vida's Miko』等の諸々の効果によって熱狂し、そのまま倒したブディルードの軍の肉を使って勝利を祝う宴に突入した。
「どうした!? もっと向かって来い! Weapon Equipmentを拾って立ち上がれ! そんな事では女childを守れんぞ!」
「ブモォ~。俺、奥-san居るから別にモテなくて良いのに……」
「Delegation Leader、甲斐性あるから後一人や二人はいけると思う」
そして現地のfemale陣にモテだしたVigaroやGorba達Orcusに現地のmale陣が挑戦し、Vigaroが快くそれを受け、何時の間にかVigaroが大勢の『Zozogante大森林』のmale陣を一方的に薙ぎ払う展開が続いている。
accurateにはVandalieuもモテかけたのだが、BasdiaとZadirisが横に居て、話を聞けば「まだVanはchildを作れるageではない」との事だったので、代わりにVigaroやGorbaがモテたのだ。
因みに、この場に姿の無いBorkusは「暇つぶしに攻略してくるぜ」と『Zozogante大森林』のソロ攻略に挑戦していた。maybe、しばらくしたら難無くclearして帰って来るだろう。
「まあ、大丈夫でしょう。ただ、腰を痛めないように言っておきましょうか。……それよりも、今度Talosheimに戻ったらKasimとZenoに声をかけないと」
「『Ghoul King』でもあるのだから当然かもしれないがMiko -dono、-kunのageでそれを言うのはどうなのだろう?」
「age……そう言えば、Budarion皇子って何ageですか?」
「余か? 余は今年で十五に成る」
身長三meterのBudarion皇子は、そう答えたのだった。
Noble Orcは十ageで成人するので、十五ageでも若造という事は無いのだった。
・Job解説:Dark Fighter
【Assassin】Job経験者が就く事が出来るJob。【Assassination Technique】や【Unarmed Fighting Technique】や【Dagger Technique】、【-Surpass Limits-】、scout職に必要なskill全般に補正を得る事が出来る。
・Skill explanation::Assassination Technique
主に不意打ち時に行う攻撃の殺傷力に補正を受ける事が出来るskill。また服やDefense Equipmentの中の暗器を隠し、使用する際も効果的に使用する事が出来る。
・Monster explanation::High Kobold
High Goblin同-samaにKoboldの上位種として邪悪なGodsによってCreationされたmonsters。
背丈は平均的なHuman並で、一見すると直立した狼の-samaにも見える。
素のRankは5で、Weapon Equipmentを持っていなくても【Unarmed Fighting Technique】skillでclawsとfangsを操って戦う事が出来る為油断できない。
仲間同士のCoordinationが得意なのはKobold譲り、更にHuman並みに発達した知能を持つ。ただ仲間との絆が強く、High GoblinやNoble Orcと違い群の中の下位raceも同じ群れの仲間と見なし、Slave扱いはしない。
通常のKoboldよりもずっとBreeding力が弱く、一度に一匹から二匹のchildが生まれ、五年から六年で大人に成る。
ただHigh Koboldが一匹でもいるとKoboldを従えて強固な戦闘集団を形成する。そのため、Adventurer’s Guildでは災害指定種とされている。