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Chapter 132: どなたかAClass adventurer相当の猛者はいらっしゃいませんか?

 Sauron領を占領統治しているAmid Empireの占領軍は、支配体制の常態化が一向に進まない事に頭を悩ませていた。


「如何いたします、Marme Duke。このままでは本国でのお立場が……」

 占領軍が接収した、Sauron Duke軍の砦の会議室で臣の従軍civil officialの言葉に、生え際が頭頂まで後退している中年の男が、額に青筋を浮かべた。


「ええいっ、言われんでも分かっておる!」

 histericalに叫ぶMarme Duke……Amid EmpireEmperor Mashkzaryounger cousinは、重厚な円卓を殴りつけて叫んだ。


 Marme DukeSauron領の占領軍総Commanderに就任したのは、今年の春の事だった。

 占領後何年も進んでいない占領政策を、Champion Bellwoodと帝室に連なる高貴にしてSacredbloodlineを継ぐMarme Duke 家当主である自分が飛躍的に進めてやろうと、意気揚々と乗り込んだ。


 しかし、着任後すぐに行き詰まった。

 Marme Duke臣達が思いつく「改善案」や「方策」は、既に前任者が全て試した後だったのだ。それで今の状況なのである。


 税を期限付きで全額免除しようが、街道の整備等インフラを整えようが、Sauron領の領民はAmid Empireに靡かない。何時まで経っても「占領軍」と呼び、表だって反抗する事は無いが裏ではResistanceを支持し、Orbaum Elective Kingdomに脱出したSauron Dukeの遺児達が戻って来るのを待っている。


 本国では既に常識と成っているBeast raceGiant race等のVida's New Racesの差別政策は、EmperorであるMashkzarが実施まで長い期限を設けた事で、表だって問題は起きていない。しかし、それ以外の政策では問題が表に出てきている。

 それをどうにかしようとMarme Dukeは連れて来たDuke軍も投入して奔走しているのだが、現在まで悪化しかしていない。


「領民のAlda templeの建立と改宗への根強い抵抗は変わらずで、労働者が集まりません。それどころか、募集の触れを出したSoldierと領民が衝突し、刃傷沙汰に……」

 Amid Empireが国教と定める『God of Law and LifeAldaを頂点とするGodsへの信仰、通称Alda教。Sauron Duchyで盛んだったVida信仰をそれに変えるための政策は、全く進んでいなかった。


「またか……Intimidation的にはなるが十何人もの武装したSoldierを揃えれば、平民共はそう簡単に暴れんものだ。Duke閣下にも許可を頂き、十分な兵員が揃っているはずだぞ。何故それをしない?」

「いえ、それが……最初に暴れ出したのはSoldierの、それもMarme Duke軍所属の方のようで……」

「何だと!? Duke軍に身を置く者が、その-samaな振る舞いをしたと言うのか!?」

 事件を把握していなかったらしいMarme Duke 家の侍従長に怒鳴り返されたcivil officialは、青い顔で報告を続けた。


「何でも、Beast racechildが水たまりで転び、それで靴に泥が跳ねたとかで。childを躾けてやろうとしたらchildの両親が邪魔をしたそうで……頭にbloodが上り抜剣。同僚のSoldierが止める間もなく父親をその場で処罰したと」

「それがきっかけで暴動か。Soldierに平民を処罰する権限は無いと、侍従長は教えていないのですかな?」


Shut Up! そのSoldierはまだ採用してから日が浅いと言うのに、貴-samacivil officialが『数が足りない』と数字だけを見て現場に出すよう要請したのだろうが!」

「確かに要請したが、実際に誰を派遣するかは貴方方武官の仕事の筈だ!」


 報告したcivil officialの上司らしい男が彼を庇うように発言し、Duke軍を纏める侍従長が怒鳴り、男も怒鳴り返す。

 それにMarme Dukeが「Shut Upェ!」と一喝。

「次の報告は有るか!?」


「ははっ! Scylla Autonomous Territoryの砦の再建が遅れております。試算では、Earth-Attribute Mageを五名、工兵を一部隊更に派遣して頂ければ、秋が終わるまでには遅れを取り戻せると出ているのですが……」

「貴-samaっ、初夏の頃には『夏の終わりには遅れを取り戻せる』と言ったではないか! magic兵の中でも貴重な腕利きを派遣してやっているのにどう言う事だ!?」

「も、申し訳ありません! 建材と労働者の集まりが悪く、工事が進まないのです」


「ええいっ、他に報告は有るか!?」

 唾を飛ばして怒鳴るDukeに、青く強張った顔でcivil official達が次々に報告を述べる。Adventurer’s Guildからの苦情、他にもmercenaryに商業にMageに、各種guildからの陳情書が-samaに溜まっている。

 更に武官達からも、春に全滅したResistance討伐部隊の再編成が進んでいない事、占領軍の将兵達に重症では無いがDiseaseで動けない者が増えている事等が報告された。


 これらの問題は、まだ着任して半年も経っていないMarme Duke臣団の責任ばかりでは無い。

(すべてはResistance organizationachievement……いや、妨害によるものか)

 紅茶で喉を潤すCuoco Ragdew Baronは会議室の端の席で、どす黒くなるDukeの顔色を他人事のように眺めていた。


 Amid EmpireSauron領占領政策の失政は、二つの有力なResistance organizationの結成を許してしまった事に始まる。『Liberating Princess Knight』率いる『Sauron Liberation Front』、そしてSauron Dukeの遺児Raymond Paris率いる『新生Sauron Duke軍』。

 二つのResistance organizationは、占領軍によって占領conditionを日常へと慣れさせられようとしていた領民達の希望と成り、Empireへの反抗心を維持させた。


 それにより占領軍は、現地のHumanを新たに警備兵や砦などの軍事施設の建設補修の労働者として雇えなくなってしまった。

 何重にもcheckして平民を雇用したが、『新生Sauron Duke軍』のmemberが高い割合で入り込んでいて事件を起こされた事が続いたのだ。


 では本国や国境が近いMirg Shield Nationから労働者や軍の補充要員を連れて来れば良いという、簡単な話では無い。

 盾国を含めた属国や、Empire本国にも不穏分子は存在するのだ。それがResistanceに合流したら、本国の治安まで不stabilityに成りかねない。


 それが無くともMirg Shield Nationは三年前のBoundary Mountain Range遠征で失った兵力の再編がまだ終わっていない。


 労働者も、Empireや属国から大量に連れてくるのは悪手だ。

 まず単純に人件費が高くつく。国教であるAldaは「働く者に相応の報酬を支払う事」を定めている。不当に賃金を下げる事は出来ない。


 そして占領国から来た労働者が働くのを見れば、「雇用を奪われた」とSauron領の平民、そして職能guildが不満を溜める。最悪、平民と労働者がぶつかり合う暴動にdevelopmentしかねない。

 最悪まで行かなくても、Resistanceが付け入る隙を自分で作るようなものだ。


 そうした諸々の理由でMirg Shield Nation側の国境を封鎖して人の行き来を厳しく制限しているのだが、それによって物流が滞るようになった。


 originally Orbaum Elective Kingdomの各Duchyは、Elective Kingdom建国以前はそれぞれが独立国だったため、ある程度単独でも回るようになっている。

 しかし全てが潤沢に揃う訳では無い。それに交易で利益を出していた商人と商業guildに不満が溜まる。


 商いに関わる者達だけでは無く、他所に行けなくなった事で、本来渡り鳥のように戦場を行き来するmercenary guildmercenary達が稼ぐ事が出来なくなってしまった。

 Mage guildMage達も研究に必要な素材が手に入り難くなってしまった。ただでさえ占領軍に危険だとされた上位のMageは監視され、Alda教が禁忌に指定する研究は禁止されているので、火に油を注いでしまっている。


 Adventurer’s Guildはまだマシだが、Sauron領から出る事が出来ないのはadventurerも同じだ。それに、DClass以下のadventurerNobleより民衆や商人に雇われる事が多い。占領軍にへつらって彼等から嫌われれば、収入が激減しかねない。


 そして占領軍の人員も無限では無い。

 Marme DukeDuke軍は、Nobleが抱える軍の中ではかなりの規模だ。しかし全軍をSauron領に連れて来られる訳がない。領地の治安維持のためにある程度残さなければならない。それに、あまり大勢連れて来ても維持費や滞在させる場所に困る。だから、占領軍に合流したMarme Duke軍は全体の三分の一ほどである。


 だが、その連れて来たDuke軍からはsickが続々と出ている。気候が異なる場所に長期滞在しているのだから、sickが出るのは当然なのだが……本来はDuchy内の治安維持と警備が仕事のDuke軍に慣れない遠征をさせたのが悪かったようだ。


 これらの諸問題を好転させるための手が無い訳では無い。Resistanceを討伐すれば良いのだ。

 Resistanceがいなくなれば上手く行くと聞くとただの誤魔化しのようだが、占領軍はResistanceの妨害や襲撃のせいで、Sauron領で自由に人や物を集められず、平民達は何時までも占領軍に靡かない。


 Resistanceを打倒した次の日から全てが順調に進む訳ではないが、状況が好転するのは確実だ。

 その好機は、『新生Sauron Duke軍』のRaymond Parisと弟のRick Parisを一度に討ち取った頃だった。

 あのまま残る『Sauron Liberation Front』も壊滅させる事が出来ていれば、今頃占領軍の政策は何歩も進んでいたはずだ。Marme Dukeが赴任する事も無かっただろう。


 ただ、実際には『Liberating Princess Knight』によって烏合の衆に成りかけていた『新生Sauron Duke軍』は『Sauron Liberation Front』にAbsorptionされ、大きく強固な一つのorganizationに再編されてしまった。


 しかも今年の春には精鋭を集めたResistance討伐部隊が、その『Liberating Princess Knight』率いる精鋭部隊によって全滅させられているので、今の占領軍がResistance討伐を実現できる望みは薄いだろう。


(特に、topMarme Dukeではね)

 そう内心嘆息するCuocoの耳に、Marme Dukeの怒鳴り声が届いた。


「ええいっ、卑しい連中め! 依頼なら警備の仕事をくれてやっているではないか! それが気に入らんのなら、Devil Nestsで勝手に狩りでもしていればよいのだ!」

Duke閣下っ、Adventurer’s Guildにはある程度配慮致しませんと、彼等がResistanceに与したらどうします」

「ならばtemple建立のための依頼もAdventurer’s Guildに出せ! あの野蛮な連中でも石材を運ぶ事ぐらいは出来るだろう!」


「そ、それでは職能guildの領分を侵す事に……」

Sacredにして正統なるAldaの教えを広める事に協力しない連中の領分が何だ! 邪淫の悪婦を崇める邪教徒共め!」


(また始まったか)

 Cuocoは美味なる食材に釣られてResistance organizationSauron Liberation Front』に情報を売る内通者である。しかし、実は美食以外にも国を裏切る動機があった。

 Marme Dukeが占領軍総Commanderに着任する事が去年の冬には決定しており、それを耳にした彼は察したのだ。EmperorDukeを、同時期に派遣されたCuocoを含めたNoble達を含めて生贄の羊に選んだのだと。


(Marme Dukeは敬虔過ぎるAldaの信徒で、EmpireAlda templeとも強い繋がりを持っている。だが、Empireでも過激と評される程に激しいVidaの排斥を行っている)

 Amid EmpireでもVidaを信仰する事は禁じても、Vidaそのものを貶める事は推奨されていない。Vidamonstersと通じて異形のraceを産みだしworldの秩序を狂わせたという間違いを犯したが、それでもAlda達と共にworldを作り上げ、Demon Kingと戦った神であるからだ。


 つまり、多くのAlda believerにとってVidaは過ちを犯し罰せられている囚人であり、何時の日か贖罪を終えたら再び生命attributeを司る神に戻る存在であると解釈されているためだ。


 だと言うのにGoddessを邪淫の悪婦と罵るのがMarme Dukeという人物だった。過去には領地で密告を奨励してVida教徒狩りを行おうとして、Popeに「法を何と心得る!」と一喝された話はNobleの間では有名な話だ。

 それだけでは無い。Marme Dukeは、adventurerを卑しい者達として扱っている。


 信仰に関する価値観以外にも問題は在る。

 Empireやその属国では、軍事活動では滅多にadventurerを活用しない風潮がある。それはEmpireが建国されるより昔、ある国が他国との戦争に勝つためadventurermercenaryとして大勢雇って投入したら、monstersを討伐する戦力が足りなくなり国内の各地でmonstersによる被害が増え、戦争には負けなかったが国内が荒れに荒れたという故事があるからだ。


 だからadventurerを信用していない訳ではないのだが、Marme Dukeはその経緯を考慮せず、『Thunderclap』のSchneiderのような常識の埒外を除き、adventurerを不当に差別している。


(それでも領地で大人しくしていれば、まだ良い。歴史あるDuke 家だけあって、臣団は優秀なのだが……侍従長を含めた武官が……。

 少なくとも、今のSauron領に派遣して状況を悪化させる事は在っても、好転させる事は無いとEmperorなら分っている筈)


 Cuocoがこの不毛な会議が終わるまでの暇つぶしに思考へ没頭している間に、Marme Dukeの苛立ちがピークに達したようだ。


「おのれっ、Mashkzarめ! Dukeであるこの儂をTrapに嵌め、厄介な占領地に送り込み、政策の失敗を儂とMarme Duke 家に負わせ、Emperorである自身の力を強める策略であったか!」

「お、お館-samaっ、Emperor陛下を呼び捨てにするのはおやめ下さい!」


 意外な事に、Marme DukeCuocoと同じ事を考えていたらしい。

(流石にDuke 家は潰せないだろうから、現Marme Dukeを隠居させるぐらいか。しかし、借金まみれの法衣Baron 家はあっさり潰すだろうしね。まあ、それだけなら別に構わんが……)


 mansion財を売り払って、adventurerをやりながら残りの借金を返すだけだ。Adventurer’s Guildには今まで便宜を図って来たし、Cuoco自身も武威にはそれなりの自信がある。

 originally潰れる寸前だったので、諦めもつく。


(しかし下手をすると、出して一生信仰に生きる事を強制させられるか、『責任を取って自決した』と言う事にされかねない。それは御免だ)

 美味い物を食してこその人生だ。質素なtemple暮らしなんて耐えられない。死ぬのも御免だ。


Shut Up! 全ては貴-sama等がResistanceに手を焼いているからではないか! 奴等さえいなくなれば全てが上手く行くのだ!」


(私としては、こうして無駄な時間を使っている内にOrbaum Elective KingdomIris -dono達とCoordinationしてSauron領を取り戻してくれると嬉しいのだが。BaronからKnight爵、もしかしたらHonorary Nobleへ降爵するかもしれないが、借金は返さなくて良くなるだろうし)


「こうなれば……Fifteen Evil-Breaking Swordsを呼ぶしかない!」


 しかしMarme Dukeが下した結論にCuocoはそれまで内心で保っていた余裕を無くした。

Fifteen Evil-Breaking Swords!? 初代Emperorバルシェミットを助けたという十五人のKnight由来の、Emperor直属の秘密部隊。一人一人がAClass adventurerに勝るとも劣らない力を持つといわれる……実在したのか」

 驚くCuocoだが、Marme Duke臣たちにとってもDukeの決断は驚きだったらしい。


「確かにFifteen Evil-Breaking SwordsならばResistance如きすぐ討伐できるでしょうが、彼等を動かせるのはEmperor陛下のみ。いくら帝位継承権を持つお館-samaでも、彼等を動かす事は無理かと」


「儂がMashkzarに頭を下げる! このままではどの道我がDuke 家の権威は堕ちる。ならば敗戦の責任を負う前にMashkzarに頼った方が、我がにつく傷も浅くて済むと言うもの!」

 prideを投げ打つその決断は、情けないが英断と言えるかもしれない。少なくとも、自分達だけで何とかしようとするよりも、ずっと良い判断だろう。


 しかしCuocoにとってそれは拙い事態だった。

(Iris -donoの腕は、恐らくadventurerならCClassからBClass程度。彼女のageを考えれば驚くべき技量だが……Fifteen Evil-Breaking Swordsには及ぶまい。

 まさかあのResistance organizationにAClass adventurerに匹敵する者が存在するわけはないだろうし……このままでは、あのEnt syrupが二度と手に入らなくなってしまう!)


 Cuocoは胸の内でそう絶叫していた。




 一方、その頃Vandalieu達はArachne族の集落に向かって移動していた。

 Gizaniaの集落はMarshlandsから歩いて三日ほどの距離にあるらしい。そう聞くと大した距離は離れていないように思えるが、Arachne族が歩いて三日の距離である。


Gizaniaの嬢-chanよ、歩くのが速すぎるぜ』

 身長三meterでコンパスが人よりずっと長いため、一歩が大きく結果的に歩くのが速いBorkusがそう言って止めるほど、Gizaniaの歩みは早かった。


「済まない、焦ってしまって……つい早歩きに成ってしまう」

 そう言って立ち止まったGizaniaの歩くpaceは、早歩きどころでは無かった。全力疾走している短距離選手並だ。

 大きいbody partから鈍重かと思いきや、Gizaniaは八本の脚を巧みに操りclawsで地面を蹴って素早く進むのだ。しかも、その際上半身が殆ど揺れない。


「気持ちは分かるし、追いつけなくはないが……Arachneは皆足が速いのか?」

 Basdiaがそう尋ねると、Gizaniaは「そうだ」と頷いた。

「拙者達Arachneは見ての通り脚が多いから、皆足が速い。拙者のようなLarge-buildは小回りが効かないが、その分真っ直ぐ走るのは得意だ」


 歩いて三日ほどの距離しかないのに、Arachne族がMarshlandsに住むLizardmanと接触した事が無いのは不自然に思えたが、人やLizardmanにとっては歩いて十日ほどの距離に相当するらしい。

 よくあのNoble Orc達は追いつけたものだ。尤も、Orcも見た目の割に突進力に優れたVigor的なmonstersなので、意外と迅速だったのかもしれない。


 距離的な理由以外にも今までLizardmanと接触しなかった理由は、certainlyある。単にMarshlandsに進出する必要が無かったのだ。

 Boundary Mountain Rangeに東西を隔てられているContinent南部は、大まかには北と南に長い菱形の形をしている。北端がTalosheimで、そのすぐ南が大Marshlands。そして、Arachne族の国やNoble Orc Empireが在るのが東西に最も長い地域にあたる。


 そのため自分達の生態に合わないMarshlandsに進出しなくても、土地は持て余す程存在している。それに、周囲がDevil Nestsばかりなので強ければ食料に不自由する事は無い。

 certainly、各raceAdventure心溢れる者が存在しなかった訳では無い。だが、そういった者は北のMarshlandsを超えるよりも、東西のBoundary Mountain Rangeを越える事に挑戦する者が殆どだった。


 中にはMarshlandsに足を踏み入れた者も居ただろうが……少なくともTalosheimの歴史に南から来た異racerecordは存在しない。


「その、足が速いのはKurnelia-samaも?」

certainlyだ。姫-samaは中型種で、拙者よりずっと速い」

 誇らしそうに断言するGizaniaScyllaもそうだったが、Arachneも他raceから見て異形のlower bodyは誇るべき特徴であるらしい。


「速いのね、姫-samaって……」

 しかし Eleonoraが注目したのはArachnerace的価値観ではなく、「凄く速く動くArachneOhime-sama」のようだ。


「意外か? Arachneの脚が速いのは」

「気に障ったらごめんなさい。外で聞くArachneimageと大分違ったから」

「外と言うと、Boundary Mountain Rangeの外側か。暴虐の神Aldaが支配しているという……やはり、拙者達は悪しき-samaに伝えられているのか?」


「ええ、私は西のAmid Empire側で活動していたから、特に。蜘蛛のように強力な糸でTrapを張って捕まえたHumanを頭から齧るとか、Humanに化けて男を誘惑して攫うとか、そんな風に聞いたわね。一般的には、妖艶なappearanceと仕草をしていると思われているわ」

 Eleonoraが語る外のworldでのArachneimageは、如何にもAlda教の勢力が強いAmid Empireで聞きそうな悪評だった。


 それを聞いたGizaniaは、想像しているより酷い言われ-samaにげんなりとした顔をした。

「それでは……女にCamouflageするただのmonstersじゃないか。酷いな、勇猛な兵のraceとか、巧みな織物のAdeptとか、Arachne族の正しい姿はやはり伝わっていなかったか」


「そうね、勇猛な兵のraceだとは私も思わなかったし」

「正直俺も予想外でした」

 残念そうに言うGizaniaに、EleonoraVandalieuはそう言った。やはり、一般的にはArachneWarriorや兵のimageは無いらしい。


 Princess Leviaに聞いても、そうだと言う。

MythではVidaや私達の始祖Talosと共に戦ったraceの一つと伝わっていますが……巧みに糸を使いAldaに従うWarrior達を絡め取ったとは記されていたとMemoryしています』


「何とっ! そうなのか……もしかしたら、十万年前は拙者のようなLarge-buildは少なかったのかもしれないな。

 しかし、拙者ら以外にもVampireGhoulも外ではまるでmonstersその物の如く扱われ、迫害されているのだろうな」


「そうね……Vampireの場合は、そう外れても居ないけど」

「……まあ、そうじゃな。半分ぐらいあっているが」

 大変だっただろうと言うGizaniaに、微妙な顔で答えるEleonoraZadiris


  Bahn Gaia continentVampireEvil God (M)派のPure-breed Vampireに従う悪の走狗だし、Ghoulも撃退したHumanは獲物として喰ったり、捕まえた女を同族に変化させて子を産む道具にしたりしているので、あまり強く違うとは言えないようだ。


「それよりも私はSamuraiというJobに興味があるのだが」

 微妙な空気に成りかけたが、Basdiaが上手く話題を変えてくれた。

「【Samurai】はChampion Hillwillowが残したrecordにあった【武士】と言うJobを再現したものだ。HillwillowChampionが居たworldでは、その昔【武士】と言う百の武術系skillに秀で、特に太刀と言う片刃の剣の扱いに長けた兵が大勢いたらしい」


skillを百もかっ!? 流石Championが居たworldだな……ではGizaniaも?」

「いや、【Samurai】はそこまでのJobでは無い。太刀も、未だに再現出来た者はいない。拙者も、真の【武士】ならVandalieu -donoに助けられる前に自力で追っ手をSlash伏せる事が出来ただろう。

 何でも真の【武士】は戦では太刀の一振りで敵の騎兵を乗騎にしている獣ごとBisectionしたと、伝わっている」


「乗騎ごと騎兵をBisection……今の私なら並のKnightと軍馬程度なら同じ事が出来ると思うが……そんな兵が大勢いたと考えると、凄まじいworldだったのだな」

 女Warrior同士らしく、GizaniaBasdiaは波長が合うらしい。


(……武芸百般に秀でてこそ武士と言いますが、武芸百般に秀でていないと武士じゃない訳じゃないかと。後、馬ごと敵を斬ったのは、太刀じゃなくて斬馬刀を使ったのではないかと)

 内心Vandalieuはそうツッコミを入れていたが。


 そうしてお互いに情報を交換しながら、林や小規模な森と、草原がcheck-samaに幾つも隣り合う地形を時折襲い掛かって来るmonstersを倒しながら進む事五日。

 Arachne族が暮らす国に一行は辿り着いたのだった。




Name: Eisen

Rank:

Race: SkogsråWidow

Level: 17


Passive skills

Mysterious Strength:8Lv(UP!)

Rapid Regeneration:7Lv(UP!)

Abnormal Condition Resistance:6Lv

Magic Resistance:6Lv

Physical Resistance:6Lv

Augmented Vitality:7Lv

Enhanced Body Part (Bark, Branches):8Lv(UP!)

Fruit Production:10Lv

Sap Production:10Lv

Branch Refining:10Lv

Allure:6Lv(UP!)

Self-Enhancement: Subordinate:3Lv(NEW!)


Active skills

Unarmed Fighting Technique:4Lv(UP!)

Throwing Technique:5Lv(UP!)

Armor Technique:3Lv(UP!)

Drain Vitality:2Lv(UP!)

No-Attribute Magic:1Lv(NEW!)

Earth-Attribute Magic:1Lv(NEW!)

Life-Attribute Magic:1Lv(NEW!)




Monster explanation:SkogsråWidow


 TamerされたconditionRank upを重ねたSkogsråが至るraceであるとconjectureされる。詳細は不明だが、このmonstersから採れるSapRefiningしたEnt syrupは、通常のEnt syrupとは比べ物にならない程濃厚な味と香ばしさをしているらしい。


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