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Chapter 128: 跳ねるpaw

 curryを皆で食べ終わった後、VandalieuIris達に滅ぼしたはずの【Death Scythe】を除くReincarnator達の情報を渡し、注意する-samaにと伝えた。

 それぞれが持つCheat Abilityと、得意とするattribute magic、各人のname。そしてReincarnator達の共通点だ。


 Cheat Abilityに関してはUnique skillのような物だと説明すると、『Lambda』では大体通じる。そしてどんなに不可思議で常識はずれなCheat Abilityでも、大抵は「そういうUnique skillだから」と説明すると「Unique skillなら仕方ない」と納得してくれるので便利だ。

 これは実際、過去に理屈や常識を無視するようなUnique skillが確認されているからだ。


 Reincarnator達がそれぞれ得意とするattribute magicも教えたのは、Reincarnator達がCheat Abilityを【Gungnir】のKanata-samaに乱発せずに隠した場合、その代わりにmagicを使うのではないかと思ったからだ。

 Reincarnator達はVandalieuとは違い『Origin』で培った経験と知識、技術をreincarnationした瞬間からskillとして獲得出来るらしい。

 だが大人のbody partreincarnationしてくる場合Cheat Ability以外で頼りにするのは、武術では無くmagicの筈だ。


 Reincarnator達は『Origin』で軍隊式の訓練を受け、銃の扱いはcertainly -sama々な戦闘技術を身につけている。Kaidou Kanataも【Throwing Technique】や【Unarmed Fighting Techniqueskillを身につけていた。

 ただ、Legionによるとこれまで死んだ『Bravers』の中に武術の達人は存在しないらしい。


 彼等はそれなりに高いlevelで軍隊式Unarmed Fighting Techniqueknifeの扱いを習得しているが、多くは「普通のプロ」でしかないらしい。『Lambda』でのskill levelに直すと、大体5から6程度か。

 例外は【Mage Masher】のMinami Asagiと、【Odin】の狭間田彰ぐらいらしい。


 『Origin』ではMartial Artsが存在しないため、どうしても武術は-sama々な点でmagicに劣る。特に銃や爆弾等の近代兵器が存在するため、尚更だ。

 それでも『Origin』にも武術の達人は存在するが……Cheat Abilityを与えられたReincarnatorの多くはそうした達人を目指すよりも、Cheat Abilitymagicの研鑽を積む事を選んだのだろう。


 そして『Lambda』では銃も爆弾も存在しない。……黒色火薬くらいならReincarnator達も作れるかもしれないが、それをやったら「俺はReincarnatorです」と看板を掲げるような物だ。

 それに元Alda believerIrisによると、Alda教ではChampion Bellwoodの名で『燃える黒い粉』の作成と使用を禁忌に指定しているそうだ。……実際に作った者が十万年間一度も出ていないため、古く分厚い聖典にしか記載されていない、殆ど忘れ去られた禁忌らしいが。


 そしてRodcorteReincarnator達にmagicの素質や適性を与える事は出来るが、経験を直接与える事は出来ない。そうでなければ、Reincarnator達を『Origin』へ一度reincarnationさせた意味が無いからだ。

 だからReincarnator達が突然新たなattribute magicの達人に成る事は無い。


 近代兵器に頼らず、Martial Artsも使えないReincarnator達が『Lambda』で活動するにはmagicを、それも『Origin』で培った各人が得意とするattribute magicを使うしかないのだ。


しかしnameは意味があるのでしょうか? 生まれ変わって来るのなら、その際に新しいnameがつけられるのでは?」

Irisの言う事も尤もですが、それは赤ん坊から生まれ直す場合です。大人のbody partでやって来る場合は、nameも前世と同じ物になるはず。

 nameは簡単に変えられる物では無いのは、聞きましたし」


 『Lambda』ではEarth-samaに手続きを踏めば改名できる訳では無い。何故なら、Statusで表示されるのはその人がreal nameだと認識するnameだけだからだ。

 しかもLambda』で長期間活動するのに必要に成る身分証の登録は、real nameでなければならない。口先だけの偽名で登録しようとしても、magic itemを使用してのCard発行の時点でばれてしまう。


 Reincarnatorの中には、明らかにJapanに居た時とnameが異なる者もいるが……赤ん坊からやり直しもせず急にnameに関する認識を変えられる物ではないだろう。


「なるほど。ですが、顔を教えてもらえないのは何故ですかい?」

「体や、maybe raceは変える事が出来るからです。後、ageで結構顔つきが変わりますし」

 Vandalieuが【Clairvoyance】の天道達也を【Abyssskillで見つめ返した際、魂だけのReincarnator達の姿をほぼ一通り見た。


 その姿は、Legionからの情報があったからこそ特定できたものの、EarthでのMemoryだけだったら絶対見分けられなかっただろう。

 人しか居ない『Origin』でそれなのだから、異raceが存在する『Lambda』ではどうなるか分かったものでは無い。

 体格がHumanに近いElfならまだしも、体格が大きく異なるDwarfや、獣の特徴を宿すBeast raceRyuujin等にでもreincarnationされたら見た目だけで見分ける事は絶対に無理だろう。

 実際には、Rodcortesystemが異なるせいでReincarnatorVida's New Racesreincarnationさせる事は出来ないのだが。


「そしてReincarnatorの共通点は、最初は【No-Attribute Magic】が使えない事です」

 『Origin』にはtime attributeと、No-Attribute Magicが存在しない。time attributeに関してはRodcorteが改めて適性を与えたとしても、No-Attribute Magicの適性は存在しないので使えるように成るにはVandalieuがしたように最初から研鑽を積むしかない。


「つまり、我々は情報に在る効果を持つUnique skillを持ち、特定のattribute magicを得意とする人物や、attribute magicが使えるのにNo-Attribute Magicが使えない人物を警戒すれば良いのですね」

「そうなります」

 大人のbody partreincarnationしてくる場合、Irisが言う-samaにどうしても前歴が不明に成ってしまう。それでいて既に5level前後のskillを獲得しているのだ。


 余程巧妙に立ち回らなければ、絶対に目立つ。

 特にIris達がいるSauron領はAmid Empireの占領下に在る。Orbaum Elective Kingdom側からの出入りは難しく、Amid Empire側からの出入りも、軍人と通行証を持った商人以外は制限されている。


 なのでSauron領の人々に広く支持され、占領軍にも内通者がいるIris達ならReincarnator達の存在に気がつく事が出来るだろう。


しかし、ここへの侵入が難しいのはReincarnator達も気がつくはず。私達が役に立てるかどうか……」

「いや、気がついたら捕まえようとかしちゃダメですからね。俺にこっそり教えてくれれば、それで良いですからね。連絡用のGolemとか残しておきますし」


「そんな陛下っ! 俺達なら負けませんて! いくらUnique skillを持っててもMartial Artsも使えねぇ奴等なんか、一捻りでさぁっ! なあっ、皆!」

 Haj達はspoonを握ったまま拳をthrust上げて戦意を露わにする。Vandalieuはそれを「いや、ちょっと厳しいでしょう」と落ち着かせようとする。


「落ち着けってのよ! いい、奴らはとんでもない連中なの、あんた達が敵う相手じゃないわ!」

 そのVandalieuの声を掻き消す大声を出したのが、Milesだ。

「昨nightボスはそのReincarnatorの一人と戦って、死にかけたのよ! あんた達は大人しく報告だけすればいいのよ! 分かった!?」


「な、何だって!? 陛下が死にかけた!?」

「そんな、陛下が……Pure-breed Vampire Gubamonを相手にしても余裕すらあったという陛下が……くっ、確かに、今の私達では足手まといにしかならない」

 驚愕に目を見開くHaj達に、悔しげに唸るIris


「……いや、まあ、確かに死にかけましたけど」

 しかし Slightly彼女達を騙しているような気分に成るVandalieu。確かに、heartと呼吸は止められたし、Zadiris達もやや危なかったのだが。


「良いじゃない、納得してくれたんだし。嘘も方便よ」

 バチン! そんな音がしそうな力強いウィンクをしながらそう囁くMiles

「それもそうですね。実際Reincarnatorが強敵なのは事実ですし。じゃあ、俺はこのhideoutに【Clairvoyance】対策をしたら帰るので」


 その後、Vandalieuによってhideoutの屋根に奇怪な文-samaが刻まれ、周囲には謎のStoneサークルが配置されたのだった。




 Talosheimに戻ったVandalieuは、何時ものJob change roomに向かった。

 本来なら自分も一緒に戦いながらlevelを上げた方がskillの獲得も進むのだが、今回は時間が無かったのでBorkusMikhailを倒す時に近くにCloneを配置したりして、Infestする-samaExperience Pointを稼ぎ、【Zombie Maker】のlevelを百まで到達させたのだ。


「【Clairvoyance】対策にけっこう時間がかかりそうですからね。LizardmanScyllaMarshlandsには、Stoneサークルかな」

 Reincarnatorへの対策の為に時間が取れないのに、Reincarnator達が新たな脅威であるため対抗するために強くならなければならない。何とも面倒な話だ。


《選択可能Job 【Corpse Demon Commander】 【Disease Demon】 【Spirit Warrior】 【Whip Tongue Calamity】 【Vengeful Berserker】 【Dead Spirit Mage】 【Hell Healer】 【Labyrinth Creator】 【Demon King User】 【Magic Cannoneer】 【Golem Creator】 【Hell King Mage】 【Divine Enemy】(NEW!) 【Nether Guider】(NEW!)》


 水晶に触れたVandalieuの意識に表示された選択可能なJobに、また物騒な名称のJobが増えた。

「【Nether Guider】は【Demon Guider】と似たJobとして……Guiderって、一人が複数就けるものなのか? しかしDivine Enemy】……誰かに知られたらそれだけで邪悪な存在扱いされそうなJobだ」

 最近Kami-samaとも親しく付き合っているのにこんなJobが生えるのは、きっとRodcorteか、それともGod of Law and Life Aldaのせいに違い無い。


 ……単にGubamonを滅ぼしたせいかもしれないが。いや、あの後【Zombie Maker】にJob changeする前には出なかったから、やはりRodcorteのせいか。


 気を取り直して、Job changeするJobを選択する。

「……【Golem Creator】を選択」

 Ability Valuesincrease率を考えるなら【Demon Guider】と同じGuiderJobの【Nether Guider】だろう。しかしAlchemyと関係がありそうな【Golem Creator】をVandalieuは選んだ。


 何故ならlife goldspirit silver等新しい金属をCreationし、Alchemyの三大奥義に成功したconditionで、更に【Alchemyskillへの補正を高めれば、Darciarevivalへ更に近づくのではないかと思ったからだ。

 それに、やはり【Golem Transmutationskillは有用だ。


《【Golem Transmutation】、【Alchemyskilllevelが上がりました!》

《【Golem Transmutationskillが【Golem CreationskillAwakeningしました!》

《【Carpentry】、【Engineering】、【Blacksmithskillが【Golem Creationskillintegrationされました!》




Name: Vandalieu

Race: Dhampir(Dark Elf)

Age: age

Title: Ghoul King】 【Eclipse King】 【Second Coming of the Demon King】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】 【Monstrosity】 【Scale King】 【Tentacle King

Job: Golem Creator

Level:

Job History: Death-Attribute MageGolem TransmuterUndead TamerSoul BreakerVenom Fist UserInsect UserTree CasterDemon GuiderArchenemyZombie Maker


Ability Values

Vitality: 2,241

Mana: 1,082,220,588+(324,666,176)

Strength: 996

Agility :748

Endurance :1,053

Intelligence :2,225




Passive skills

Mysterious Strength:5Lv

Rapid Healing:10Lv(UP!)

Death-Attribute Magic:10Lv

Abnormal Condition Resistance:8Lv

Magic Resistance:6Lv

Dark Vision

Demon Path Enticement:2Lv

Chant Revocation:6Lv

Guidance: Demon Path:4Lv

Automatic Mana Recovery:6Lv

Strengthen Subordinates:7Lv

Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):5Lv

Enhanced Agility:3Lv

Body Expansion (Tongue):5Lv

Strengthened Attack Power while Unarmed: Large

Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs):4Lv

Thread Refining:3Lv

Mana Enlargement:3Lv


Active skills

Bloodwork:3Lv

-Surpass Limits-:8Lv(UP!)

Golem Creation:1Lv(Golem Creation awakened into!)

No-Attribute Magic:8Lv

Mana Control:7Lv

Spirit Form:8Lv

Carpentry:6Lv→(Golem Creationintegration!)

Engineering:4Lv→(Golem Creationintegration!)

Cooking:5Lv

Alchemy:7Lv(UP!)

Unarmed Fighting Technique:6Lv

Soul Break:10Lv(UP!)

Multi-Cast:6Lv

Long-distance Control:7Lv

Surgery:6Lv(UP!)

Parallel Thought Processing:6Lv

Materialization:4Lv

Coordination:4Lv

High-speed Thought Processing:5Lv

Commanding:4Lv

Plant Binding Technique:5Lv

Thread-reeling:5Lv

Throwing Technique:5Lv

Scream:4Lv

Dead Spirit Magic:5Lv

Insect Binding Technique:5Lv

Blacksmith:1Lv→(Golem Creationintegration!)

Artillery Technique:4Lv

Shield Technique:1Lv(NEW!)

Armor Technique:1Lv(NEW!)


Unique skill

God Slayer:8Lv(UP!)

Grotesque Mind:7Lv(UP!)

Mind Encroachment:6Lv(UP!)

Labyrinth Creation:6Lv

Demon King Fusion:4Lv

Abyss:4Lv(UP!)

Hostility



Demon King Fragment

blood

suction cups

ink sacs

carapace


Curse

 Experience gained in previous life not carried over

 Cannot learn existing jobs

 Unable to gain experience independently




 鳴り響く脳内アナウンス。Production related skillが一気に【Golem Transmutation】のSuperior Skillらしい【Golem Creation】にintegrationされた。


「ふむ……?」

 Vandalieuは若干困惑した。これまでの経験からskillintegrationされる場合、integration前のskillも消える訳では無いのは分っている。

 なので、早速試そうと今持っている投擲用のクナイのDeath Ironを使って試そうと思ったのだが……なんだか感覚がおかしい。


「違和感は覚えますが、【Danger Sense: Death】に反応は無いし……Manaの問題かな?」

 クナイをGolemにして形を変化させようとすると、二通りの方法がIntuition的に思い浮かぶのだ。一つは、今まで通りの方法。もう一つは、今までとは桁違いのManaを消費する方法。


「何でしょう、この百円Shopの一画に百万円cornerが出来たみたいな感覚は?」

 そういえば、何時かTalosheimにも一Luna Shopとか作った方が良いだろうか? Earthの百円Shopの利益率はどうなっていたのだろう。night行性の国民が多いので、既に二十四時間経営の小売店は増えているのだが。


 若干思考をあさっての方向に飛ばしつつ、Vandalieuはまず何時も通りの方法でDeath Iron製クナイをGolemにした。

 形を変える感覚も精度も、何時も通りだった。


「次に、大量消費の方を……っ!?」

 すると、Manaがごっそりと減った。百万どころか、一億以上減っただろう。

 そしてVandalieuの手の平からクナイが出現し、そのまま落下して足の甲に「びじゃん!」と重い音を立ててぶつかった。幸いな事に液体金属故に刺さりはしなかったが……液体でも重さは鉄と同じなので、結構痛かった。


 涙目になりながら足元に広がるクナイ型で出現したDeath Ironと、Golem Transformationして形を変えたDeath Iron製クナイを交互に見る。

「これは、Lucilianoが見たら喜びそうな結果ですね」

 どうやら【Golem Creationskillは、その名称の通り物質を創成し、それをGolemとして扱えるようだ。


 これまでの【Golem Transmutation】では既に存在する物質を材料にしなければGolemは作れなかった。建造物を作るにも、材料となる石材や木材は必要不可欠だった。

 しかしSuperior Skillの【Golem Creation】は無から物質を創り出す事が出来る。

 その分大量のManaを使うようだ。Vandalieuが投擲用に使うクナイ一本分のDeath Ironを創成するのに一億以上のManaが必要となると、通常の荷物運びや戦闘要員として使うGolemを創成するのにどれ程Manaが必要になるのか。


 しかし、このskillを使いこなす事が出来ればVandalieuは本当に何も無い荒野に城塞都市を築く事も可能に成るだろう。

「まあ、もうKnochenが居るのでそこまで出来なくても良い気もしますけど」

 大量のboneが組み合わさってboneでできた砦と成ったBone FortKnochenは、空を飛ぶ移動要塞である。今もIsla率いるDark Night Knightsの拠点として、Marshlands南端で砦をしている。


「とりあえず、物質の種類や量によって消費するMana量を検証して……その前に、Resurrection Deviceを修理できるか試しましょう」

 そう言いながら彼はJob change roomを後にした。




 CClass Dungeon、『Borkus’s Sub-Dragon Savannah』に生息する亜竜……今では恐竜と呼称されているmonsters達は、pawに恐れをなして逃げ出していた。

『ハハハハハハハッ!』

 pawと言っても、犬科や猫科の動物の足にあるpawではない。Giantな球体状の肉の塊である。

 それがGiantシダ植物の木をなぎ倒しながら迫って来るのだ。幾ら通常のmonstersよりも凶暴性が増しているDungeon産のmonstersでも、反射的に逃げ出しても無理は無い。


 しかもそのchunk of meatの表面には幾本もの腕や脚が側面に生えていて、地面を叩き蹴り、自走しているのだ。

『フアッハッハハッハハハハハッハッハァ!』

 しかも、何処からか女の声で哄笑を上げながら。


 思わずTyranosaurusが逃げ出しても無理は無い。

 ただ、TyranosaurusmonstersとしてのRankは4。CClass Dungeonである『Borkus’s Sub-Dragon Savannah』ではザコに分類されるmonstersだ。


『BMOOOOOOOO!』

 そのTyranosaurusが逃げ出す先に居たのが、Rank5のHuge Triceratopsだ。既に臨戦態勢だったGiant 角竜は、肉食恐竜も蹴散らす突進を持ってchunk of meatを迎え撃った。

『フハハハハ! 我ガ進軍ハ、のんすとっぷダ! spyラルアターク!』

 非常に怪しい発音で、女の声が叫ぶ。だが、その瞬間chunk of meatから生えた腕がHigh-Speedで動き、chunk of meat全体の回転運動がSuper Acceleration! 


『BUMO!?』

 体長十meterを超える巨体で突進してくるHuge Triceratopsと正面から激突し、何と竜の方を弾き飛ばした。

 衝撃の大きさのあまりと頸椎を砕かれたHuge Triceratops、そして両者の激突から逃げきれなかった数匹のTyranosaurusが周囲に転がる。

 その光景は、Sizeを無視すれば交通事故で車に跳ねられた動物を連想させる。


『ハハハハハ! ズィーク!』

 突進対決を制したchunk of meatは回転を止めると、上部からにゅっと女の上半身が生えた。表面はchunk of meatと同じ色で、目も鼻も無いが、輪郭とフォルムから長身の女の上半身だろうと言う事が分かる。


 女の上半身は腰に手を当てると胸を張り、高らかに勝ち誇る。

 だが、その横から少年かShoujoか分かり難い中性的なフォルムの上半身が起き上がり、声をかけた。

Valkyrie、アウト』

『ナッ!? Enma、何故!?』


『ズィークは、Lambdaでは通じないからだよ』

『ソ、ソンナっ! Experience Pointモ入ッタシれべるモ上ガッタカラ良イネ!? OK!?』

『ダメだよ。Lambda語しか話しちゃいけないgameなんだから。BerserkValkyrieを抑えて』

 新たに出現した肉色の熊がValkyrieを押しつぶすようにしてpaw main bodyに戻る。


『ノーッ!? 私ハ、貧弱ナンダゾ! 労ワ――』

Valkyrie-kunPlutoの次に貧弱だったのは前世までだ。現世ではAbility Valuesは全員共通だよ』

 chunk of meat……Legion達はlevellinglevelを上げ、skillの獲得やJob changeを行う内に、ある程度思考を分割させる事に至った。


 今ではValkyrieEnma達『The 8th Guidance』のmemberと【Gazer】のMinuma Hitomiは、別々に発言する事も可能に成っていた。

 ただ一つのBodyに間借りしているconditionや多重人格とは異なり、Memoryは完全に共有している。


例えるなら、LegionというサーバーにEnmaValkyrieという名の端末が繋がっている。そんなconditionだ。

 そんなconditionLegion達は、(accurateには、Earthでは無くEARTHの)Japan語が元に成っているLambda語を習得するために「Lambda語しか話しちゃいけないgame」をしながら、levellingに励んでいたのだった。


『全く……痛いじゃないか』

 ふとEnmaが彼から見て後ろの方を見てみると、隙ありとでも思ったのか三匹のTyranosaurusが齧りつき、肉を食い千切っていた。


『GAAAA!』

 鋭いfangsと強靭なchinでブチブチと肉を喰い千切り、咀嚼する三頭のTyranosaurus。既にHuman十人分の肉が喰われただろうか。

 しかしEnmaは大した痛みも危機感も覚え無かった。

Status。……なるほど、これがVitalityの存在する事で起きる現象か』

 冷静にNo-Attribute MagicStatusを唱え、自分達のconditionを確認する。


 Legionの一千万程在るVitalityが、一万程減っていた。つまり、今Legionは一万点のDamageを受けている。

 それなのにEnmaを含めたLegion達が大した痛みを覚えないのは、全体から見るとそのDamageが小さいからだ。


 Tyranosaurusに噛みつかれ肉を口一杯喰い千切られたら、『Earth』や『Origin』の生物なら痛いでは済まない。Humanや、大型哺乳類でも絶命するだろう。クジラやゾウなら噛みつかれた場所によっては生きているかもしれないが、激痛に絶叫を上げてとても平静ではいられまい。


 しかしVitality……gameでのヒットpointの概念が存在するLambdaでは、傷の大きさは最大ヒットpointに対するDamageの大小によって決定されるのだ。

『最大ヒットpointが大きければ、Tyranosaurusに噛みつかれても掠り傷に過ぎないのか』

『……だからっテ、食われすギ』

『すぐ、治るけどねぇ』


 Enmaの横に、EreshkigalIzanamiが上半身を生やす。二人とも曖昧なフォルムだけで、特に腫瘍のような突起物が無いIzanamiは、一見しただけでは分からないが。

『そう思うなら、反撃してよ。僕はまだ戦うのが苦手なんだから』

『分かっタ』

 Ereshkigalがそう呟くと、次の瞬間Legionを一方的に食っていたTyranosaurusの内一頭が、bloodを迸らせながら見えないfangsに肉を抉られ絶命した。


 突然の反撃に怒り狂って再びfangsthrust立てようとする残り二頭のTyranosaurus。だがその内一頭はfangsの隙間に残っていたLegionchunk of meatが突然爆発し、頭部が弾け飛んだ。

 残り一頭は何時の間にか伸びていたLegionの腕の一本が握る短剣が放ったMartial Arts、【クイックBlow】によって首の動脈を切り裂かれて絶命した。


 そして大きく抉られていたLegionの傷口は、新しい肉が盛り上がり瞬く間に元通りになってしまった。

『じゃあ、運動した分食べようか』

『皮とMagic Stoneboneは食べちゃダメよ、Jack

『分かったヨ、瞳チャン』


 Legionの側面から生えている手足が伸びて蠢き、死んでいるHuge TriceratopsTyranosaurusの肉を、まるで同化する-samaに喰らって行く。


 その-sama子をやや離れた場所で見ている、休憩中のPauvina達はのほほんとお弁当を食べていた。

「ねぇ、『ずぃーく』ってなんて意味なの?」

『勝利、と言う意味よ、Pauvina

 その中には、Shoujoのフォルムをしたchunk of meat……Legionから分離しているPlutoの人格がいた。


「ところで、【Long-distance Controlskill Activate中の-kun達って、どんなconditionなの?」

『離れている間は、Undead……Vandalieuと違ってMemoryの共有は出来ないわね』

「ふうん。やっぱり、一人が分裂しているVan -kunと違って、originally別人だからかな?」

『だと思うわ。私達の場合【Long-distance Control】というよりも、【分離】って感じね』

『おたべよぅ』

『ありがとう、Eisen -san


「周りの恐竜が全部Legionに行くから俺、とても楽だ。お前、もしかして美味しい?」

『食べないでね、Braga -san

 LegionPauvinaRapiéçageYamataPrivelEisen、そしてscout職として付いて来たBragapartyを組んでlevellingをしていた。


『分離……』

『『『分離……♪』』』

 RapiéçageYamataは、Plutoの真似をして【Long-distance Controlskillを試しているらしい。それぞれツギハギ部分のpartsを離して、動かしている。


 Rapiéçageは既に【Long-distance Control】を獲得していたが……Yamataの場合地面の上で上半身だけの美女九人分が地面を這い回るという、見た目だけは凄惨な光景に成っている。


 因みにEleonoraは、昨日はLegionPauvina達が『Borkus’s Sub-Dragon Savannah』で通用するか確かめるために一緒にいたが、上層階から中層なら問題無いと考えたのか、今日からBClass DungeonScale Kingの巣』でlevellingをしている。

 Rank9のVampire Viscountである彼女にとって、CClass Dungeonで得られるExperience Pointでは不満だったらしい。


 ……Rank10の訓練用木人、Mikhailと戦えば良いのかもしれないが、Eleonoraの戦闘Abilityでは彼に勝てないため、skillを磨くための熟練度は大量に得られるが、Experience Pointが全く手に入らないのだ。


 Hero ZombieZandiaJeenaも別行動である。二人は今朝、Legionの一部であるIsisの【Surgery】で生前のconditionに限りなく近くなり、今Borkusと共にUndead Transformationしたbody partに慣れる為BClass DungeonBarigen減命』で訓練をしている。十分慣れたら、因縁のある相手と一度戦うらしい。


「ご馳走-sama! じゃあそろそろ行こう。ところでさ、あんなに大きくなって階段通れるの? 詰まっちゃわない?」

『るの?』

『ない?』


 Pauvinaが、ひょいひょいと地面に転がるYamataの上半身を拾い集めながらPlutoに聞く。今のLegion main bodyは直径十meter半ば以上にまでGrowしていたので、そう思っても無理は無い。


『あれは【Size Alterationskillで大きさを変えているだけだから、問題無いわ』

「そうなんだ! いいなぁ、【Size Alteration】。あたしも覚えたいなーっ。覚えられたらBraga達の御に遊びに行けるのに」

 身長二meter半ばのPauvinaは、大きさを自由に変えられるのが羨ましいようだ。しかし、【Size Alteration】は通常はmonstersしか獲得できないskillだ。


magic itemや薬で小さくなる効果の物は無いの?』

「うーん、分かんない」

「ボクも知らないなぁ。大きくなる類の物なら昔話で聞いた事があるけど。帰ったらkaa-sanに聞いてみるね」


 こうして一週間、人外Devil Nestsな女子+αなpartylevellingを続けたのだった。




Name: Legion

Age:

Title: none

Rank:

Race: Legion

Level: 87

Job: Enormous Meat Sphere Warrior

Job Level:

Job History: Apprentice MageMageApprentice WarriorWarriorMeat Sphere Warrior


Passive skills

Mental Corruption:7Lv

Composite Soul

Magic Resistance:3Lv(UP!)

Special Five Senses

Physical Attack Resistance:5Lv(UP!)

Form Alteration:3Lv(UP!)

Super Rapid Regeneration:2Lv(UP!)

Mysterious Strength:3Lv(NEW!)

Mana Enlargement:1Lv(NEW!)

Vitality Enlargement:6Lv

Strengthened Attribute Values: Consumable Meat:3Lv(NEW!)


Active skills

Limited Death-Attribute Magic:10Lv

Size Alteration:5Lv(UP!)

Commanding:3Lv

Surgery:5Lv

Unarmed Fighting Technique:6Lv(UP!)

Dagger Technique:3Lv(UP!)

Fusion:2Lv(UP!)

Charge:5Lv(NEW!)

Chant Revocation:1Lv(NEW!)

Parallel Thought Processing:5Lv(NEW!)

Long-distance Control:3Lv(NEW!)

No-Attribute Magic:1Lv(NEW!)

Mana Control:2Lv(NEW!)

-Surpass Limits-:1Lv(NEW!)

High-Speed Running:1Lv(NEW!)

Strengthened Regeneration: Consumable Meat:3Lv(NEW!)



Unique skill

God of Origin’s Divine Protection

Zuruwarn’s Divine Protection

Ricklent’s Divine Protection

Gazer:5Lv




Job解説:Zombie Maker


 死体からZombieを創るJobZombieを含めたUndead(特にZombie)を創る際に必要な時間やManaを大幅に削減するJob効果がある。

 Ability Valuesincrease率は僅かだが、大量のZombieを創る事が可能に成る。ただVandalieuの場合、originallyあまり時間を使わずにUndeadを創る事が可能で、莫大な量のManaを保有していた。


 そのため、Zombie MakerJob changeして必要な時間とManaが削減された結果、無意識に周囲の死体をUndeadにしてしまう予想外の副作用が発生してしまった。




Job解説:Meat Sphere Warrior


 体重千キロ以上の肉だけの知的raceのみが就く事が出来るJob。当然ながら、LambdaでこのJobに就いたのはLegionが初めてである。

 力、EnduranceVitalityが大幅にincreaseし、【Unarmed Fighting Technique】や【Charge】、【Rapid Healing】(又はそのSuperior Skill)、【Size Alteration】、【Cooking】の獲得に大きな補正を持つ。また肉が美味しくなる、肉を美味しく出来るようになるJob効果がある。


 Meat Sphere Warriorlevelが百に到達し、一万キロ以上の肉だけのBodyを持つ場合、上位Jobの【Enormous Meat Sphere Warrior】のJobchange可能となる。


 尚、上記のLegionStatuslevelling終了時の物である。


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