『The 8th Guidance』による『Bravers』本部爆破事件。
それはmemberの一人だったKaidou Kanataが過去に犯した犯罪が明らかに成った、『Fallen Champion事件』の衝撃から未だ立ち直りきれていなかった『Bravers』の威信を、大きく傷つけた。
それまでOriginの人々にとって、『Bravers』は文字通りの意味でheroだった。
member全員がGenius的なmagicのaptitudeや高いbody part Abilityを持ち、更にそれまでフィクション作品の中でしかありえなかった、magicでは無い特殊なsuper Powerを一つ以上持っている。
事故や災害が起これば駆けつけて、助けてくれる。テロとの戦いでも先頭に立ち、数々の活躍で魅せてくれた。
人々の中にはBraversを神が遣わした天使だと、崇拝する者までいた。
しかし Kaidou Kanataが犯した犯罪が明らかに成ると、『Bravers』のmemberもただのHumanなのだと言う事が証明されてしまった。
その失墜したimageから何とか立ち直ろうとしていた時に起こったのが、爆破事件だった。
『Bravers』のmember二名、Shimada IzumiとMachida Aranの死亡に加え、staff数人の負傷。
世間からは『Bravers』への同情と、『The 8th Guidance』への怒りが寄せられた。だが、対テロorganizationとしては拭いがたい敗北だ。
何より、仲間が二人殺されている。
あらゆる偽りを見抜く【Inspector】のShimada Izumiと、生きるsuper computerの【Calculation】のMachida Aranを喪ったのはorganizationとして大きな痛手であり、何よりもこのworldに百人しかいないEarthからの仲間が二人減ってしまった。しかも、母親の臓器を裏ルートで売りさばかれたShihouin MariがKaidou Kanataに行ったような、ある意味自業自得の死ではない。
これまで二人が裏方として支えて来てくれたおかげで、『Bravers』は活躍する事が出来たのだ。
「必ずあの三人の仇を討つ!」
Earthでは運動部だったMinami Asagiの-samaに、『The 8th Guidance』とそれに与している裏切り者のMurakami Junpei達に対して激しい怒りに燃え、自分達の手で罰しようと拳を振り上げる者は多かった。
Minami Asagiも含めて、『Bravers』全員が『The 8th Guidance』のmember全員がdeath attribute研究の被害者であり、かつて自分達が一度保護しておきながら、研究機関にみすみす身柄を渡してしまった事は知っている。
確かに、あの時自分達がしっかりしていれば彼等はterroristには成らなかったかもしれない。
しかし、だからと言って仲間が殺された事は許せない。
「Shimada、Machida、あいつらは俺達の命を何度も助けてくれた仲間だ。そしてMari……あいつはKanataを殺したが、その罪をこれから償うはずだった! その途中でterroristに殺されていい理由は無い! そうだろう!?」
床も天井も、全てが白いspaceでAsagiはそう仲間達に同意を求めた。
そこにいるのはleaderのAmemiya Hirotoに、彼と結婚して姓がNaruseから変わったAmemiya Narumi。十数人のBraversのmemberが集まっていた。
全員が軍用のbody Armorや銃火器、knife類、そして最新式の『杖』内蔵式グローブで武装している。
「その通りだ!」
「後悔させてやる!」
そしてmemberの半数以上がAsagiに同調していた。やはり、仲間を殺された衝撃はReincarnator達にとって冷静に受け止められる物では無かったのだ。
訓練を受けterroristとの実戦を経験しても、Reincarnator達はまず負けなかった。与えられたmagicのaptitudeやFortune、Cheat Abilityによって、今までは勝ち続ける事が出来たからだ。
重傷を負う事もあったし、死にそうな目にも遭った。しかし、傷はmagicやCheat Abilityによって癒され、修羅場も最終的には掻い潜って来た。
例外は、同じReincarnatorに殺されたKaidou Kanataぐらいだ。
それ故に、Reincarnator達は仲間が死ぬ事に慣れていない。
(拙いな。悪い方向に進むばかりだ)
Hirotoは気勢を上げるAsagiと仲間達に渋面を浮かべていた。【Oracle】のEndou Kouya以外に唯一Undeadの正体が自分達と同じReincarnatorであると知っている彼は、『仲間』が最後に助けた『The 8th Guidance』を出来るだけ穏便に保護するつもりだった。
『The 8th Guidance』は既にworld中で、特に先進各国で犯行を重ねている以上無罪放免は不可能だ。出来るだけ人権が保護された施設に収容するか、説得が可能なら表向きは死んだ事にして、密かに第三国に脱出させるつもりだった。
しかし HirotoとKouyaの想定以上に『The 8th Guidance』のmemberは頑なで、そして本気だった。
後方支援担当のShimada IzumiとMachida Aranを殺し、更に既に独房に収容されていた【Metamorph】のShihouin Mariも同じように爆殺している。
合流したMurakami達のimpactで活動が先鋭化したのかもしれないが、とても穏便にと説得できるconditionではなくなってしまっていた。
「気持ちは分かる。だが、あくまでもmissionは『The 8th Guidance』の確保だ。抹殺じゃない。それを忘れないでくれ」
そうHirotoが仲間達を落ちつけようとすると、Asagi達もその言葉に異議は唱えなかった。
「分っているさ。だがあいつらが抵抗しても反撃するなって意味じゃない。そうだろう?」
だが、そうAsagiに聞き返されると、「そうだ」としかHirotoには応えられない。
『The 8th Guidance』は助けたい。だが、そのためにAsagiを含めた仲間達の命を失って良い訳がない。
「Hiroto、あなたの気持ちは分かるわ。Pluto達も被害者だから助けたいのよね。でも、これはあの人達の選択の結果よ。……仕方ないわ」
「Narumi、それは……そうだな。今は、missionに集中しよう」
妻の言葉に、『The 8th Guidance』が崇めているのは昔彼女が自分と間違えた恩人の少年だと、真実を伝えられないHirotoは胸の中に苦い思いが広がっているのを押し隠して、nod事しか出来なかった。
それに、これは『The 8th Guidance』を助けるための選択でもある。
Endou Kouyaが【Oracle】でMurakamiが潜伏する『The 8th Guidance』のhideoutを遂に割り出したのだ。そして、『The 8th Guidance』を出来るだけ助け、同時に仲間が受ける被害を最大限抑えるためには、急いでhideoutを強襲しなければならない。
その連絡を『Bravers』の専用回線で受け取ったHirotoは、こうして集められるだけのmemberを集めて行動に出た。どうしても自分達だけで動く事が出来ず、各国の特殊部隊もtacticsに加わる事に成ったが、それもKouyaの指示には含まれている。
だから、今のこの状況も【Oracle】が出した選択に沿ったものだ。何も不安に思う必要はない。
(そのはずだが……信じて良いんだな、Kouya)
HirotoとKouyaは親友と言える関係だが、【Oracle】の指示を告げる連絡が文章だけのメールだった事に、引っ掛かりを覚えていた。
「Amemiya、随分浮かない顔つきだね。leaderがそんな-sama子では、全体の士気に関わる」
そう話しかけて来たのは、【Avalon】のRokudou Hijiri。『Bravers』の中では珍しい、特殊Abilityよりもmagicに秀でた技巧派の男だ。
EarthではNarumiやAsagiとは別のclassの学Class委員長をしていた人物だ。
「聖-kun、ごめんなさい。でも今は――」
「-kun達の気持ちもわかるが、『The 8th Guidance』だけじゃない、Murakami達……【Chronos】や【Venus】、【Marionette】や【Death Scythe】、【Odin】、【Hecatoncheir】……危険なAbilityを持ち、しかもこちらの手の内を知り尽くした十人の裏切り者とも戦う事に成る。
Asagiは頭にbloodが上っているようだが、これは今まで私達が経験してきたどんなmissionよりも危険で過酷な戦いだ」
「すまない、確かにそうだ」
Rokudouの言う-samaに、【Chronos】のMurakamiを初めとした自分達とは同じAbility者が敵になる。『The 8th Guidance』だけに目を向けていたら、どんな犠牲が出るか分かったものではない。
Amemiyaの返事に満足したのか、Rokudouはフッと小さく口元を緩める。
「分ってくれればいい。Mrs Amemiya、偶には夫に厳しい事を言うのも良い奥-sanの条件だよ」
「そうね、気をつけるわ。でも、貴方にそんな事を言われるなんて思わなかったわ。奥-sanに甘やかされているくせに」
「それは私が夫として完璧だからさ。夫としての経験は、私の方が上だよ、Amemiya -kun」
「確かに。結婚三回、離婚二回の経験豊かなお前には敵わないな」
それは言わない約束だろうと笑うRokudou。適度に緊張と顔の強張りが解けたAmemiyaはNarumiとRokudouに短く礼を言い、今度は自分の番だと演説を続けるAsagiの頭を冷やしに向かった。
「……Asagiの奴、相変わらず煩いね」
一人で特殊ステルス機を操縦しているMao Smithはそう言ってclicking tongueをした。
Earthでは長野真桜の名でferryの乗務員をしていた彼女は、OriginではEarthのEurope圏に相当する国にreincarnationした。
そしてEarthでは船で海を行き来していた彼女は、Originでは何と戦闘機のpilotに成っていた。
Originで生まれついた家が代々軍人一家だった事がimpactして、何時の間にか空を飛ぶようになっていた。
「人のAbilityの中で好き勝手演説してくれるわ、まったく。気が散るでしょうが」
対magicと対RadarのステルスBarrierが機能しているか、水晶製の計器類に視線を走らせて確認するMao。
彼女が得たCheat Abilityは、【Noah】。特殊な亜spaceを保持し、その中に生物や物品を入れて運ぶことが出来る力だ
所謂、gameのplayerキャラが持つAbilityだ。上限はあるが、大体タンカー一隻分程度の容量まで物でも人でも、特殊な亜spaceに入れ重さを無視して自由に運ぶことが出来る。
それを利用してMaoは災害現場に大量の援助物資を運び、逆にterroristのhideoutから大量の証拠品を押収してそれを迅速に持ち帰って来た。
今回は、仲間の運送である。輸送ヘリを使っても良いが、こうしてMaoが一人で戦闘機を操縦して運んだ方が圧倒的に速く、『The 8th Guidance』のhideoutに仲間を届ける事が出来る。
「しかし、妙な指示だったね」
Maoが気にしていたのは、Endou Kouyaからの指示だった。このステルス戦闘機にはもう一つシートがあるのだが、そこにはサブpilotの代わりに、小さな箱が設置されていた。
その箱の存在を彼女以外の『Bravers』に教えないまま運び、目的地に到着後に箱の中身をAmemiya Hirotoに渡す事。それが指示だった。
何故【Noah】で一緒に運ばず、しかも箱の存在そのものを秘密にしなければならないのか。不可解すぎる。
「だけど、【Oracle】の指示じゃねぇ。maybe、Endouに直接聞いても答えられないだろうし」
【Oracle】で出た結果には、解説が付いていない。Abilityを保持するEndou Kouya自身、何故そうなるのか分からないはずだ。
だが、【Oracle】の妙な指示が仲間の命を幾度も救って来たのは事実だ。
「小さな箱を一つ秘密にするぐらいで仲間の命が助かるなら安い物か。さて、もうそろそろ到着か」
ステルス戦闘機をFlight modeから垂直移動modeに移行する操作にMaoが取りかかろうとした時だった。
「MurakamiとShadeが言った通りになったね」
前触れも無く、聞き覚えの無い甲高い声が背後から聞こえたのは。
「っ!?」
何事かと反応する前に、後ろから伸びて来た白い手が握るknifeが、彼女の首に刺さる!
「これで呪文使えないよね、Jack、大金星?」
視界の隅に映るのは、pumpkinでも被っているかのように肥大した頭部を持つ『The 8th Guidance』のmember、『Jack-o'-lantern』。
「ああ、凄いわ、Jack。これで皆、死ねるわ」
そしてhorrorムービーから出てきた幽霊のようにEnergyの無い女。Murakami達と共に、accurateには拉致されて『The 8th Guidance』に連れて行かれたReincarnator、【Gazer】のMinuma Hitomiだった。
(こいつ等、The 8th Guidanceのmemberに、【Gazer】!? なんで、ここにっ!? この機体はまだ減速してないっ、音速で飛んでいるのよ!?)
Space-Attribute Magicを使えばteleportは可能だ。しかし、それには目標と成る地点の正式な座標が必要に成る。
どんな達人でも音速でFlight中の戦闘機の、それもコックピットの中にteleportするなんて絶対に不可能だ。
少しでもtimingがずれれば戦闘機と衝突するか、上空何千meterもの空に放り出される。
(そもそもこいつ等、どうやってこのステルス機の空路を……ヤバイっ、考えている時間が無いっ!)
疑問は尽きなかったが、Maoにはそれを追及する時間は無かった。運悪く計器の操作中で自動操縦装置を切ってしまったから、操縦桿から手を離せない。狭いコックピットの中では、得意のWind-Attribute Magicも使えないし、そもそも呪文の詠唱に必要な声が出せない。
「これでJackたちが一番乗りかな? ヒトミ-chan」
「まだよ、Jack。そのknifeをもっと深くthrust刺すか、強く引くの。こいつ等は緊急時に生命を維持するためのmagic itemを持っているから、殺さない限り生き残る可能性があるのよっ!」
「そうなんだっ! ありがとう、ヒトミ-chan」
barelyとJackが【Gazer】の指示に従って、Maoの首を切断しようとknifeを握り手に力を込める。
Maoにとってせめてもの幸いは、Jackが殺しに慣れておらず、また腕力自体もさほど無い事だった。しかし、このままでは後十秒も持たないだろう。
(どうするっ!? 【Gazer】はその気に成ればmagicが使えるから、操縦桿を放して抵抗すれば最悪自分ごと自爆しかねない! 私は、まだ死ねない!)
何故なら、【Noah】の中には仲間達がいるのだ。自分が死んだら、彼等がどうなるか分からない。
【Noah】は、所有者であるMaoが死ねば恐らく解除される。中に居るAmemiya Hiroto達は、その場に放り出される事だろう。
そして、ここは雲よりも高い空の上を音速でFlight中の戦闘機。突然放り出されても『Bravers』全員が一流のmagicの使い手だから、生き残れるかもしれない。
しかし、出現した瞬間この音速でFlight中のステルス戦闘機と激突したら? 気圧の変化等で瞬間的にfaintedしたら?
magic itemがあったとしても、とても楽観はできない。【Gazer】は過大評価しているが、あれの性能は、致命傷を負っても死ぬまでの時間を幾らか稼ぐ事が出来る程度でしかないのだ。
(まさかっ、私が命と引き換えに仲間を助けようとするほど、熱い奴だったなんてね!)
「Jackっ、早くその女を――っ!」
「ヒトミ-chanっ、お顔にinjureしちゃうよ」
【Gazer】とJackの声がした瞬間に、コックピットが爆発するように弾け飛んだ。そして、Maoが座るシートがProjectile Fireされる。
(脱出成功。自分の仇も、取れそうね)
脱出装置を起動したMaoは、大空にProjectile Fireされそのまま落下を開始した。その視界には、瞬く間に遠のく彼女の生涯年収より高価なステルス戦闘機が、そして地面に向かって落下して行くJackと【Gazer】の姿があった。
Maoが脱出する刹那、Jackは【Gazer】を庇った。そのせいでその肥大していた頭部は大きく凹んでいる。あれでは即死だろう。
そして即死したJackを、【Gazer】は抱きしめたまま落ちて行く。
(独り身に見せつけやがって。どうしてそんなに好きな相手がいるのに、こんな自爆みたいな真似が出来るのよ……)
「ごぶっ」
喉からknifeが抜けたせいで、出bloodが一層激しくなった。音速でFlight中に脱出装置を無理矢理起動させたせいで、boneも何か所が砕けている。内臓もまずそうだ。
これではmagic itemも、どの致命傷を癒せば良いか分からないだろう。
(この分じゃ、【Noah】の中から皆を出して助けて貰う余裕も無いね……絶賛地面に向かってAcceleration中だし)
【Gazer】が最期に攻撃したからか、開くはずのパラシュートが開かない。
(そして私は、これでfainted……か……)
もし外に放り出されても無事だったら、私の葬式は盛大にやってくれよと思いながら、Maoは意識を手放した。
「そろそろJackと【Gazer】が先に逝った頃かな」
Endou Kouyaは、そう言いながらパソコンを操作していた。
「ここをこうして、ここは……ややこしいなぁ、これだから機械を操るのは嫌いだよ」
そう言いながら、複雑な手順を幾つも踏んで、programを仕込んで行く。
「これで終り、と。これで全ては-kunの犯行って事に成った。犯行理由はとりあえず『悪魔の声が聞こえた』で、【Oracle】は全て悪魔の預言だったって、事にして置いたから。悪魔っていうのが何なのか、僕は知らないけどね」
たった一人しかいないroomで、鏡に向かってそう告げるEndou Kouya。certainly、鏡に映っているのも彼一人だ。
しかしその顔が、奇妙に引き攣る。顔面のmuscleが痙攣を起こし、口元や頬が歪む。
「そう怒るなよ、【Oracle】のEndou Kouya。Murakamiと僕達を探す事に夢中に成って、自分の身を守る事を疎かにした-kunが悪いんだぜ。
そんな事だから、悪霊に……『Shade』にbody partを乗っ取られるのさ」
Endou KouyaのBodyを操る人物、それは『The 8th Guidance』のmemberの一人、Bodyを喪う代わりに死体に憑りつくAbilityを得たShadeだった。
本来彼は死体にしか憑りつけない存在だが、実は一度だけなら生きているHumanに憑りつき、Bodyを乗っ取る事が出来る。その力で、Murakami達を囮にしてその隙にEndou KouyaのBodyを乗っ取ったのだ。
そして、【Oracle】の指示だと言ってAmemiya Hiroto達をTrapにかけた。ステルス戦闘機のコックピットに仮死conditionにした鼠の箱を設置させ、死にかけている人……accurateには、死にかけの生物の近くにTeleportationできるJackを送り込むための細工を指示した。
「楽だよね、【Oracle】の結果だって言えば、それだけで皆面白いように動いてくれる。-kunが言えば、どんな妙な指示も皆実行する。
例えば、『Undead』の前で敵意が無い演技をしろ、とか」
そうShadeが言った瞬間に、顔の痙攣が止った。
「驚いてるの? Murakamiや【Gazer】から聞いて、知っているよ。だから、-kunは絶対殺すって決めたんだ」
そう言いながら、Shadeはやはり【Oracle】の指示に必要だからと手に入れておいた手榴弾を手に取った。
「Bodyを奪っても、-kun達のAbilityやmagicが使えるようになる訳じゃない。だから確実に死ぬ方法を取らせてもらうよ。
ああ、自分だけのBodyが無いと自殺も手間だなぁ」
Shadeが生きているHumanのBodyを奪えるのが一度だけなのは、その際に奪ったBodyとFusionして二度と出る事が出来なくなるためだ。
つまり、Endou Kouyaが死ねばShadeも死ぬ。
死ぬ事が出来る。Bodyを持たない自分が、皆と同じように死ぬ事が出来る!
「三時間後、Endou Kouyaのbody partで僕が細工した偽情報がworld中に流れるのを待っても良いけど……もし皆死んだ後僕だけ生き残ったら嫌だからね」
ピンを引き抜き、Shadeは手榴弾を口に咥え、目を閉じた。
「ほぉやふひ……」
「Jack、Gazer、Mao Smith、Endou Kouya、そしてShadeが逝った」
本来なら白目の部分まで黒一色に染まったeyeballを持つ少年、『Enma』が仲間達に告げた。
『The 8th Guidance』のhideout……accurateには、決戦の為にPluto達が用意した戦場は、北欧にある廃墟だった。
前の大戦で使われた最終兵器とやらの結果、生きとし生ける者が死に絶え岩だらけの岩石砂漠と化した土地の真ん中に残る、歴史の遺物だ。
インフラも何もかも死んでいて、普通なら長期間の滞在は出来ない。その砂漠の地中に残った地下鉄網をPluto達はhideoutとして使っていた。
廃墟で見つけた大きなtableを残ったmember全員で囲む『The 8th Guidance』は、一斉にPlutoに視線を向けた。
「それで、他の連中は死んだの?」
仲間達の視線を受けても眉一つ動かさないPlutoの質問に、『死んだ存在のnameや顔が分かる』Abilityを持つEnmaは、暫く目を閉じて集中した後答えた。
「いや、Amemiya Hiroto達のnameは無い。他の連中も無いから、全員生きている」
「まだ死んでいないだけで、致命傷を負っているかも」
dreadlock hairの黒人系の女、『Isis』がそう言うが、Enmaは首を横に振った。
「あいつ等は高度なattribute magicに、俺達より強力なAbilityの使い手だ。magic itemもある。数人が無事なら、それで治してしまう。
確実なのは即死だけだ」
「そうか、じゃあ今頃こっちに向かっている頃だな」
シルバーブロンドを長く伸ばした長身の美女、『Valkyrie』がそう言って腕を組んだ。
仲間が一人殺されたからと言って、Braversは引き返す事は出来ない。既にこのhideoutの周りには各国の特殊部隊が展開しつつある。
それよりも、仲間の仇を取るために動き出す筈だ。煩わしい事にleaderのAmemiya Hirotoは自分達を助けようとしているらしいが、そのためにもtacticsから離れる事は無いだろう。
今更Amemiya Hirotoがtacticsを止めても、もう特殊部隊は動いている。彼等とMurakami達がぶつかれば、特殊部隊は全滅。Braversは自分達が呼びかけたtacticsを中断して、特殊部隊員を見殺しにした事に成る。
尤も、それが無くてもShadeのした工作で『Bravers』の名声は地に堕ちるだろうが。
『Bravers』の名声が地に堕ちようと、Pluto達にとってただの嫌がらせで大した意味は無い。何せこれから自分達は死ぬのだから、死んだ後の事なんてどうでもいい。
だが、自分達が死んだ後も生き残った他の『Bravers』が苦労するなら、良い気味だと思う。その程度だ。
「じゃあ、Murakami達ももうすぐ裏切るのね」
whole bodyに赤ん坊の頭程のbumpが生えた性別不明の、辛うじて人型をしていると分かる生物、『Izanami』が同盟者の裏切りを決めつける。
しかし、それを誰も否定しない。彼等の中でBraversを裏切ったMurakami達が自分達も裏切る事は、既定路線だったからだ。
「それでどうするんだい、Pluto?」
髪を三つ編みに纏めた可憐な容姿の『Baba Yaga』が尋ねる。
「そうね。とりあえず、食事を済ませましょうか」
tableの上に並んだ皿の上にある、幾つものオニギリを指差してPlutoは言った。
今は食事中である。
『The 8th Guidance』のrule、「一日一回は、皆で食事を取る」を実行中だ。
ただ、Bodyの無いShadeは常に憑りついた死体のstomach袋に流し込むだけだったし、彼は数日前から別行動をとっている。それに今日は、予定よりMaoのステルス戦闘機が速く発進したせいで、Jackと【Gazer】が途中で居なくなってしまった。
「お休みJack、Shade、Gazer。向こうで会いましょう」
「どうかな、Shadeは今頃寝ているかもしれないよ。Bodyが無いから寝られないって、nightになると愚痴を言っていたから」
「JackとGazerはどうしているかな? Undeadに挨拶出来たと思う?」
「ふんっ、あの二人じゃ緊張して何も言えやしないさ」
「それじゃあ、Shadeは寝ている暇も無いな。Undeadに二人をintroductionしないといけない」
そう言いながら、楽しげに『The 8th Guidance』のmemberは-sama々な具を包んだオニギリを口に運ぶ。
Undeadが生前食べたいと言っていたらしい、米で出来たオニギリを。
そして食べ終わると、それぞれ立ち上がってtableから離れて行く。
「それでは、向こうで」
最後の会食は、終わった。そして、今生の命が終わるのはこれからだ。
「……」
最後にオニギリを食べ終わったPlutoは、瞳が座っていた席に視線を向けた。彼女が最後に残した予言が気に成ったからだ。
『Pluto。貴方は、二人見逃す』
「私が、二人見逃す……助けるじゃなくて見逃すって事は、『Bravers』やそれ以外の軍人よね? 確実に後者ね」
maybe、故郷に婚約者がいるとか、幼いchildや身重の妻が帰りを待っているとか、それとも情けなくMamaに助けを求めて泣きじゃくる奴とか、そんな連中から二人見逃すのだろう。
実は特殊部隊の中に生き別れのbrothersが……なんて事は、流石に無いか。
しかし、確実に『Bravers』では無いだろう。
「私達があいつ等を見逃すなんて、あり得ないのだから」
Bravers:Endou Kouya、Mao Smith死亡。死者二名
The 8th Guidance:Jack-o'-lantern、Shade、【Gazer】Minuma Hitomi 死亡 死者三名
Murakami Junpei率いる反Bravers:九人全員生存