【Evil God of Joyful Life】Hihiryushukakaを奉じる残り二人のPure-breed Vampireの片方、Gubamonが何者かに討ち取られた。
Terneciaと違いAdventurer’s Guildにその首とMagic Stoneが持ち込まれる事も、配下のVampire達が烏合の衆と化し各地で事件を引き起こす事も無かった。
しかし、Gubamon派のVampireが裏で支配していた犯罪organizationや、取引をしている商人やNobleからゆっくりと噂が広まって行った。
Gubamonが堕ち、配下のVampire達も何者かに倒されたのではないかと。
取引相手であるVampireの連絡役が姿を現さず、また何の指示も出されない事に繋がりがあった者達は戸惑い、焦る。certainly、自分がVampireと繋がっていた事が知られれば首が飛びかねないので、それを声高に叫ぶことは無い。
しかし数か月の不自然な沈黙の後、pipe役の筈のVampireとは別のBirkyne派のVampireが現れ、犯罪organizationを掌握し、若しくは取引の継続を打診して来た時、疑いは確信に変わった。
ただ一人残ったBirkyneはGubamonの死を隠そうとしたが、Gubamon本人が主だった配下を殆どUndeadに変えてしまったために、残った数少ない末端のVampireを纏めても手が足りない。
そのため、ゆっくりとGubamonの死に関する噂は広まって行った。
一体何者がAge of Gods Eraから生きるmonsterを倒したのか。
名の知れぬChampionが人知れず成敗したのか、それともBirkyneが Bahn Gaia continentの裏社会を独占するために同胞を蹴落としたのか。
若しくは、Pure-breed Vampireを超えるmonsterが闇の中に蠢いているのか。
「きっと、Heinzお兄-chanたちみたいに強い人達が悪い人を退治してくれたのよ」
『Five-colored blades』のleader、SClass adventurer『Blue-flame Sword』のHeinz達に助けられ、保護されているDhampirのShoujo、Selenは無evilにそう思っていた。
SelenはVampireの母と、Humanの父の間に生まれたDhampirだ。しかし何故か彼女達familyが隠れ住んでいた山の中の家を、賊が襲撃した。
Selenは詳細までは知らなかったが、その賊はDhampirの美しいオッドアイを求める悪趣味なNobleが雇ったmercenary団だった。
恐らく裏切り者の母親とDhampirのSelen、そしてついでに父親を始末するためにVampireがそのNobleに情報を渡したのだろう。
Selenの母親はNoble-bornではあったがVampireに成ってからの年月が短く、magicも武術もimmatureだった。そして父親は、純朴なHunterであった。
そして襲撃してきたmercenary団はNobleや大商人から汚れ仕事も請け負う、CClass adventurer相当の腕利きを十人以上要する名の知れた腕利き。
それが対Vampire用の準備をして襲撃してきたのだ。Selenの母は娘と夫を守ろうと奮戦したが、抵抗虚しく討ち取られてしまった。
父親も重傷を負い、泣きじゃくるSelenにmercenary達がそのeyeballをくりぬくために迫った。
そこに駆け付けたのが、Heinz率いる『Five-colored blades』だ。
Orbaum Elective KingdomでAlda Reconciliation Factionに宗旨替えしたHeinzは、流離のDungeon『Trial of Zakkart』でElfの女Spiritual MageのMartinaを喪い、新たなmemberのDaianaとJenniferを加えて再出発した頃だった。
偶然DhampirのShoujoを狙うNobleが雇ったmercenary団の情報を手に入れたHeinz達は、そのままmercenary団を「ただのmountain bandit」として有無を言わさず一掃する。
Selenにとってその姿は、hero以外の何者でも無かった。
残念ながら既に致命傷を負っていた父親は助からなかったが、Heinz達は今もSelenを守り続けている。
「悪い Vampireを倒した人達、どんな人かなぁっ?」
キラキラとした瞳で見上げられたJenniferは、「どんな人だろうね」と首を傾げた。
「Selenの言う-samaにあたし達と同じか、それ以上に強い連中なのは間違いないな」
「えっ? Jenniferお姉-chan達より強い人達っているの!?」
「当たり前だ。Amid Empireの『Thunderclap』のSchneiderや、まだ生きているか分からないがこの国のSClass adventurer『True』Randolphは、確実にあたし達より強い。
他にも、強い奴は幾らでもいるさ」
そう言うJenniferはAClass adventurerで、Superior Skillも獲得している。Alda’s Divine Protectionも賜り、Artifactも手に入れている。しかし、謙遜で述べたつもりは無かった。
彼女が産まれた頃既にContinent中に名を轟かせていたSchneiderや、childの頃にはBardがHero譚で扱う題材に成っていたRandolphは、明らかに自分達より強いと確信しているからだ。
同時に、JenniferはGubamonを倒したのがその二人の内どちらかではないかと考えていた。
(龍やEvil God (M)を倒した『Thunderclap』のSchneiderなら、あたし達が倒せなかったTerneciaと同格のGubamonを倒せるはずだ。Randolphでも)
倒した後名乗り出ない理由については、Schneiderの場合は分らない。Randolphの場合はadventurerとして既に一線を退いているので、騒がれるのが嫌なだけかもしれない。
ただ、これはconjectureでしかない。暗殺等を請け負う闇guildの凄腕のAssassinや、Amid EmpireやOrbaum Elective Kingdomの特設部隊。それらの存在は半ば迷信に近いが、Jennifer達が知らない実力者はまだまだ存在する。
それに、Gubamonを倒したのがHuman側の存在だとは限らない。
(あのTerneciaが態々あたし達の所に殺されに戻るくらい恐ろしい何か。そいつかもしれないからね)
あの【Demon King's Horn】をTerneciaから奪っただろう正体不明のmonsterは、今頃何をしているのか。
それを考えると、Jenniferは嫌な胸騒ぎを覚える。
だが、それを今Selenに告げて不安にさせる事は無い。
「でもいつかは、あたし達が一番強くなるけどね」
「本当っ!? すご~いっ!」
「あっはっはっはっ、まだSClassはHeinzだけだけど、今にあたしもDaianaも、皆SClassに成ってやるよっ」
胸を張ってそう宣言するJenniferに、Selenが更に瞳を輝かせる。しかし、そこに彼女と同じ時期にpartyに入った『Goddess of Sleep』MillのClericであるElfのDaianaがやってきた。
「Jennifer、night遅くにSelenをあまり興奮させないで。寝つけるためのお話で、目を覚まさせてどうするの?
Selenにはnightしっかりsleeps事が大切なのよ。そもそも眠りとは――」
「悪かったよ、悪かったから説法は止めてくれ。Selenだけじゃなくて、あたしまで眠くなる」
「ふぁ~」
Daianaが語るGoddess of Sleepに纏わるありがたい説法に、早速Selenは欠伸をした。
くぐもったscreechを漏らした覆面姿の男が、人気のないnightの路地に転がる。
「幾らなんでも、浅はかだと思うぜ」
得意の短剣を抜かず、無手で男のsolar plexusを付いたHeinzの仲間、scout職のEdgarは溜め息混じりにそう言った。
その周りには、同じ-samaな覆面を被った者達が十人以上転がったまま呻いている。
全員が動きやすい軽装の皮鎧を身につけており、一見するとAssassinのように見える。しかし、地面に転がる彼等のWeapon Equipmentは短剣よりも、小ぶりのMaceや斧が多く、中には腕に装着する盾を装備している者もいた。
「偽の依頼を出して俺達をSelenから引き離そうとするにしても、この襲撃にしても、かなり雑だ。バタバタ喧しく足跡を響かせて。お兄-sanは真night中にchildがかけっこでもしているのかと思ったぜ」
「だ、Shut Upっ……fake-believer、めっ」
覆面集団のleader格……では無く、最初に地面に転がされたので他の覆面よりも比較的回復している男が、苦しげな声で毒づいた。
しかし、それにEdgarが返すのは失笑だ。
「Shut Up、か。貴方達は、自分達が永遠に黙る事に成っても文句が言えないと、分っているのか?」
そして男を見下ろすHeinzからは、怒りの籠った視線と声だ。bloodthirstは抑えられているが、SClass adventurerの怒りに男が怯えるのが覆面越しにでも分かった。
「何故……God of Lawに祈りを捧げる貴方達が無法の徒のような真似をしてまで、何故Selenを手にかけようとする?」
覆面集団はAssassinやThiefでは無く、普段はtempleで祈りを捧げるClericや、Clericやtempleを守るCleric-warrior達だった。
彼等は、友好的な関係ならばmonstersのbloodを引いているVida's New Racesでも人権を認めるOrbaum Elective Kingdomでは、『Alda過激派』と呼ばれる人々だ。
ScyllaやLamia、Centaur等のmonstersのbloodを引いたVida's New Racesは人では無く、monstersであるとして有害無害にかかわらず討伐すべしと訴える人々である。
Amid Empireなら当たり前の主張だが、Orbaum Elective Kingdomでその主張は危険思想とされており、普段は普通のbelieverの-samaに装って暮らしている。
彼等はHeinz達が保護しているDhampirのShoujo、Selenを暗殺するためにtempleの名でAdventurer’s Guildを通じて偽の依頼を出し、Heinz達をSelenから引き離そうとした。
それをEdgarが見破り、騙された演技をしてSelenを信頼のおける知人に預けた-samaに装った。女DwarfのDelizah、そしてJenniferとDaianaに護衛を任せ、HeinzとEdgarが誘き出された過激派を逆に襲撃したのだ。
「私達が手を下さなくても、このままGuardにthrustだせばどうなるか分からない訳ではないだろう」
その主張を実行に移せば、宗教関係者でも他の罪人以上に厳しく罰せられる。法を司るAldaに仕える身でありながら法を破ったのだから、より厳しい処罰を求められるのが当然だ。
武装して計画的に人を殺そうとした場合、Orbaum Elective Kingdomの法では未然に防がれたとしても犯罪Slaveに落されるのは免れられない。
特に狙ったのがSClass adventurer、Pure-born殺しの大Hero、Alda Reconciliation Factionの星、そしてHonorary Noble位を持つHeinz達が保護しているShoujoと成れば、極刑もあり得る。
しかし、それは過激派達にとって覚悟していた事だったらしい。男は怯えを抑えられない-sama子だったが、呻くように「どちらでも、好きにしろ」と言った。
「事が成功したとしても、我々は自らGuardに捕まるつもりだった。法と秩序を乱した以上、公の場で罰を受けるのは当然の事だ」
「……そこまでの覚悟を固めてまで、何故Selenの命を狙う? 彼女が一体何をした? 実の両親を失った、ただの幼いchildだぞ!」
Heinzの詰問に、男は内心の心情を絞り出すように叫んだ。
「正しい事だからだ! Aldaは言われたはずだっ、Vida's New Racesはこのworldを乱す存在だと! 今は無害でも、友好的でも、何れ大きな禍に成ると!
神の言葉に従う事の、何が悪い!?」
Orbaum Elective KingdomのAlda過激派は、Heinz達が名声を得ている事に強い焦りを覚えていた。
Pure-breed Vampireを倒したSClass adventurer、しかも Championの証明である【Guider】Jobに就いている。
そして、何とDhampirのShoujoを保護している。
今ではSelenをReconciliation Factionの象徴にしようという有形無形の動きが既にあり、このままHeinz達が活躍を続ければ、Heinz同-samaにSelenにHonorary Noble位を与えようとするDukeも出て来るだろう。
そうなれば、Orbaum Elective KingdomでVida's New Racesを認める動きはますます強くなる。そうなってからでは遅い。
既に十分遅いが、少しでも早くSelenを抹殺しなければならない。
しかし、何か手を打とうにも犯罪organizationを利用する事は出来なかった。……心情的な問題では無く、Gubamonが何者かに倒された事で、このDuchyの過激派の大物が伝手を持つ犯罪organizationが、動けなくなったからだ。
そのため、この覆面の過激派達は極端な手段に出るしかなかったのだ。
「Reconciliation Factionなどっ、軟弱な妥協っ、ただの異端の教えに過ぎないっ! それを正しいかのように喧伝する貴-sama等は、背信の徒だ!」
自分の立場も忘れて喚き散らす男に、流石に額に青筋を浮かべたEdgarが黙らせようとする。
「確かに、その通りだ」
しかし、それをHeinzが止めた。
「Aldaは過去、-kunの言う通りVida's New Racesを根絶する事を望んでいたし、きっと今もそうだろう。そうでなければ共にDemon Kingと戦ったGoddessと争うはずがない。考え方を変えたのなら、Amid EmpireのPopeやClergymanたちに迫害を止めるよう、Oracleを下す筈だ。
それが今までないと言う事は、過激派と呼ばれる-kun達の主張とAldaの意思は同じと言う事だろう」
Heinzが続けた言葉に、Edgarや覆面の男はcertainly、他の過激派も驚いて動きを止める。
「な、何がいいたい?」
Reconciliation Factionの思想を根底から否定するHeinzに、それを先に訴えた覆面の男も困惑する。その彼にHeinzは更に問うた。
「だがReconciliation FactionでDhampirのShoujoを保護している私に、Aldaはblessingsを与え自身のFamiliar Spiritを遣わしてくださる。これは何故だ?」
「っ!?」
Aldaの意思がHeinzの行いを認めないのなら、彼が異端で背信の徒なら、何故彼は【Familiar Spirit Advent】のskillでFamiliar Spiritをその身に降ろす事が出来るのか。
それはAldaがHeinzを認めているからではないのか?
目を見開いて絶句している覆面の男にHeinzは苦笑いを浮かべた。
「だからと言って、私の主張が正しい訳じゃない。きっと、Aldaも迷っているのだと思う」
「神が、迷うだと? そんな事が……?」
「だから、私はそれを確かめたい。そしてもし、AldaがReconciliation Factionを認めずVida's New Racesの根絶こそが正しいと言うのなら……訳を聞いて、説得するさ」
神に会って話を聞き、説得する。不遜にも思えるHeinzの言葉に覆面の男は息を飲み……大きく息を吐いた。
そして自ら覆面を取ると、何処か吹っ切れたような顔つきで言った。
「我々の、負けだ」
Selenの暗殺を目論んだAlda過激派の者達はこの後、自らGuardの詰め所に出頭し縛についた。
当然極刑が検討されたが、Heinz本人の嘆願に寄り命は助けられたものの、犯罪Slaveの身に落される。しかし、その彼らの身柄をHeinz達が買い取り、『Trial of Zakkart』の場所の探索とAldaの真意を探るためのAdventureに導いたという。
これが彼の【Holy Guider】として初めて他者を導いたrecordである。