Gubamonから師Artisanが大量に回収してきたUndead。その数に私は嬉しいscreechを上げた。
「師Artisanっ、あなたは最高だぁ!」
「もっと褒めてくれても良いですよ」
無表情のままふんぞり返っている師Artisanを顧みる時間も惜しい程、countlessのUndeadが王城地下の地下spaceを改装した工房に並んでいる。
その全てがPure-breed Vampire Gubamonの作り上げた手製のUndeadだ。
「くふふふっ、涎が止まらん! 脱水症状を起こしそうだ!」
『心做しかZombie達が彼に怯えているように見えますよ、Miko』
『よっぽど嬉しいのね、Luciliano -san。まるで新しい玩具を貰ったchildみたい』
『やべぇぞ坊主! お袋-sanの目がcrazyちまった!』
後ろで失礼な事を言っているNuazaやBorkusの言葉も、今の私の耳に入らない。私にとってこのUndead達は、それほど貴重な資料なのだ。
まずUndeadの大半を占める、最近作られた量産型のZombie GIANTやVampire Zombieだが、これが素晴らしい。
「何と効率的な……必要な個所に必要な施術と加工を確実に行い、それでいて手を抜くところは抜いている!」
『……ぢゅ? 手を抜いては駄目なのでは?』
検査と施術の手伝いをしてくれているBone Manがそう聞き返すが、私は「場合に依るのだよ」と答えた。
「それはcertainlyだが、Gubamonにとって彼等は量産品……例えるなら鋳物のWeapon Equipmentだ。数を作って初めて意味がある。だから必要以上時間はかけられない。だが、手を抜き過ぎて役に立たないのでは意味が無い。
ここを……見たまえ!」
『お゛ごぼっ』
Zombie GIANTの核であるZombieの頭蓋boneを縫合痕に沿って再び開き、脳を露わにする。そして右脳と左脳の間に挟むように差し入れ得られた小さな金属板を引き抜く。
「この金属板が、Undead自身の意思とemotions、思考力を制限しているのだ! そして唯一はっきりと認識できるmasterであるGubamonの声のみに反応する-samaに細工したのだよ。
だが簡単な事ではない。このHihiryushukakaの聖印が刻まれた金属板が効果を発揮するためには、脳の決められた位置に適度な深さまで埋め込む、精密な施術が必要なのだ!」
このworldの医療知識や生化学は師Artisanが居たworldと比べて、ずっと遅れているようだ。だから私がGubamonの施術をすぐ理解できたのは、師Artisanから脳の働きについて教わったお蔭だ。
とは言っても、EarthやOriginと言ったworldでも脳について完全に解明した訳ではなかったらしいが。
恐らく、Gubamon達Pure-breed Vampireはanother worldから召喚されたChampionから脳の働きについて教わったか、Hihiryushukakaが知識を授けたのだろう。
『『『あ゛え゛げべぐぼ』』』
次に私はZombie GIANTの関節部分、死体と死体の間の継ぎ目を切り開いてmuscleやboneを露出させ、そこを指差して見せた。
「だが、ここを見ろ! skinと浅い部分のmuscleを縫い合わせただけで、深い場所に在るmuscleやboneはバラバラだ! これでは素材にしたSubordinate VampireのMysterious Strengthを活かしきれず、更に動く度にbalanceを崩しやすくなる。
しかし、複数の死体のmuscleやbone格をbalance良く効率的に繋ぎ合わせるのは至難の業だ。私だったら何日もかかる大仕事だ」
恐らく、Gubamonなら一体を完全に仕上げるのに一日あれば十分だろう。しかし Gubamonは短期間で大量のZombie GIANTを仕上げるために、完成度を落としたのだ。
それでいて最低限Rank通りの戦闘力を持たせているのだから、素晴らしい。実際、このZombie GIANT一体でDClass adventurer partyに甚大な被害を与える事が出来るだろう。
今Life-deadとして首から下のみ保存されているTerneciaが作ったUndeadとは大違いだ。
彼女はどうもUndeadを芸術作品のように考えていたからか、作り上げたUndeadの実用性(戦闘力)は高くなかった。その分、肌の仕上げや防腐技術などは見事だったが。
対してGubamonは芸術作品ではなく優れた武具を収集するコレクターと言ったところだろうか。
『はぁ……』
しかし、残念な事にBone Manはこの素晴らしさを理解してくれなかったようだ。
『主は一人で一体十分程で仕上げて仕舞われていますが』
「師Artisanは例外だ」
Bone Manと私の視線の先では、五人程に分裂したSpirit Formの師Artisan達がテキパキと、流れ作業でZombie GIANTの仕上げを行っている。
全員が師Artisan自身であるためCoordinationも完全。ただ単に仕上げるだけではなく、【Demon King Fragment】を使って完成度を上げる事までしている。
「師Artisanとそれ以外を同じ土俵で語ってはいけない」
師Artisanはいまいち自覚していないが、彼はごく普通に余人が登れない土台に立っているので、師Artisanと他人を比べると感覚がおかしくなる。
『ふむ……とりあえず主は偉大だと』
「それが分かっていれば良い」
monsterと見るか、Geniusと思うかは、見た者の自由だ。私はcertainly後者である。
因みに、今師Artisanのmain body(そう言っていいか微妙だが)は何処に居るのかと言うと、TalosheimのHero、ZandiaとJeenaの調整を進めている。
二人は『Sword King』Borkusのparty memberであり、ZandiaはPrincess LeviaのImouto、JeenaはNuazaが尊敬するChurch of Vidaの元Temple Head。つまり、思い入れのある特別なZombieなのだ。
態々Raymondの中に隠れ、地下templeまでTeleportationしてGubamonを殺した理由の一つでもある。
『い゛ぎっ……いぎひっ……』
『あ゛ぁ……ひゅ……かひゅ……』
しかし、今のconditionは良好とは言えない。単純に戦闘Abilityだけなら十分なのだろうが。
Gubamonは量産品とは違い、Hero Undeadにはその当時注ぎ込める技術の限界まで注ぎ込み、機能美を追及する傾向があるようだ。
だが、その技術と創意工夫が戦闘力以外の物全てを蔑にしており、こそぎ落としていた。
……使役するUndeadに対して機能や戦闘Ability以外が損なわれているのを見て、「良好なconditionとは言えない」とは、私も変わったものだ。
『もう少しの辛抱だぜ、嬢-chan、Jeena』
『陛下、Imoutoは、ImoutoとJeena -sanは良くなりますよね!』
「certainlyです」
痛みに喘ぎ続けるZandiaと、呻き声と妙な息を吐き続けるJeenaを心配そうに見つめるBorkusとPrincess Leviaに、師Artisanはそう言い切る。
自信が無い時は正直に言う事が多い師Artisanだから、二人は良くなるのだろう。Undeadが良くなるというのもおかしいが。
「Zandiaは、死体に宿らせた霊からtubeでManaを搾り取り、数種類のmagicをActivateさせる仕掛けを施した杖の動力源にしているようですね。Pseudo- Mage Zombie、って感じです。
痛覚が無いZombieの筈なのに痛みを感じているのは、Manaを搾り取る時に霊が痛みを感じるからでしょう」
「霊からManaを搾り取る仕掛けか。表社会には存在しない技術だな、恐らくGubamon originalで、希少な素材や霊薬が使われているのだろう」
「Jeenaの方は、lungの代わりにManaを消費してこの特殊な煙を作る装置を入れているようですね。それで分離後、上半身だけで空を飛ぶ事が出来ると。
そのせいで喋る事が出来ないみたいですね。magicを使わせるつもりがないなら、別に問題無かったのでしょうけど」
「未知のmagic装置、それも貴重な代物だな。量産すれば、師Artisanが言っていた『気球』や『Flight船』の製作も夢ではないのではないかね?」
普通のMageなら、「何故態々そんな高度な技術をZombieに使うのか」と言いたくなるような技術ばかりだ。私ですら若干そう思うのだから、よっぽどだろう。
「貴重なのは分かりましたけど、全て取り外して、後脳と脊髄に埋め込まれている金属板を抜いて、霊薬が混じったbloodを取り換えれば、とりあえず良くなるでしょう。
そう言う訳で衝立を設置するのでLucilianoは下がってください」
「な、何故!?」
突然私を締め出そうとする師Artisanに、私は反射的に叫び返していた。
「乙女の柔肌や脳髄や内臓が露わになるからです」
「そんな素晴らしい物が見られるのに何故なのだ、師Artisan!? 二百年前の死者の-sama々な部位が現在どのようなconditionにあるのかを観察する事が、どれほど貴重なのか分からない師Artisanではないだろう!?」
理不尽な理由で目隠し用らしい衝立をCloneに並べさせる師Artisan。私は半ば以上screechが混じった抗議の声を上げるが、それは逆効果だったようだ。
「いや、前Undeadにしか興味が無いって言っていましたし」
「ちょっと待ってくれ師Artisanっ! それはそう言う意味では――ふげっ」
『良いからこっちに来やがれ!』
『Luciliano -sanっ、Imoutoは嫁入り前なんですよ!』
『恥を知りなさい、破廉恥な!』
Borkusに襟首を掴まれた私は、Princess LeviaとNuazaに理不尽に罵られながら衝立が設置されるのを見ているしかなかったのだった。
-kunらTalosheimのGiant raceは、私から見れば常に半裸の-samaな物で、嫁入り前とか破廉恥だとか言うなら、普段からもっと肌を隠すべきだと思うのだが。
因みに、Hero Undead達のSurgeryと調整が終わる頃には、Gubamonの魂は砕かれたようだ。
『Vandalieuの【Soul Break】、【God Slayer】、【Surgery】のskill levelが上がりました』
生きとし生ける者全てに、魂は宿っている。それは疑うべくもない。
しかし、生ける者の何処に魂が宿っているのかは、古来よりSageの間でも論争が絶えなかった。
heartがある胸なのか、脳がある頭なのか。
heartや頭だとしたら、それらが複数あるmonstersやVida's New Racesの場合は複数の魂を持っているのか? それともmonstersやそのbloodが流れている者の魂が宿る場所は別なのか。
【Spiritualist】にも確認できないこの難問に、研究者達は頭を痛めてきた。
私も若い頃はwisdom熱が出るまで考えたものだ。そして結局納得できる答えは出なかった。
聞けば、師Artisanが居たanother worldでもその確かな答えは出ていないのだという。それどころか、『Earth』では魂の存在すら確認されていないらしい。
意外な事だ。進んだ文明を持っているのに、魂の存在が確認されていないとは。
だが聞けば『Earth』ではUndeadの存在が未確認で、【Spiritualist】も大体が詐欺師であるらしい。それなら無理も無いかもしれない。
……このworldに比べれば生きやすい場所の多いworldらしいが、私や師Artisanの-samaな者には生きにくいworldの-samaだ。
それはin any case、私が興味を持ったのは、複合Undead……それも複数の死体のpartsを使いながら、魂を一つしか持っていない事が確実であるUndeadだ。
「師Artisanが居た『Earth』では、驚くべき事だが死んだHumanから取り出した臓器を生きているHumanに移植する治療法があるらしい。神をも恐れぬ素晴らしい医療行為だが、私が興味を持ったのはその後の患者に起こる事だ。
何でも、移植した臓器の元の持ち主のMemoryを夢に見たり、元の持ち主の癖が身についたり、生前好んでいた食べ物が食べたくなるらしい」
Earthでも最初は『Occult』、迷信や噂話の類の話だったらしいが、師Artisanが『Earth』で死ぬ少し前には、それなりに根拠のある話だと言われるようになったそうだ。
その頃の師Artisanはその手の話にあまり興味が無かったからか、「脳以外の場所にも人のMemoryがrecordされる可能性があるらしい」とあやふやにしか覚えていなかったが。
因みに『Origin』でも同じ事が起こっていて、「移植した臓器に宿っていたドナーのManaがimpactを与えているのだろう」との学説が唱えられていたらしい。
「それで、複合Undeadである-kun達と、Lambdaで唯一生体移植を受けた二人に話を聞きたいと思ったのだが」
上下逆さまにされたまま私が長い前置きを話し終えると、EleonoraとBellmondは胡乱気な顔をした。
「貴方からVandalieu -samaの話を聞くと、途端胡散臭く感じるわね」
「流石に与太話ではないでしょうか?」
どうやら、二人にはその経験は無いようだ。
『ゆめ? 食べ物……?』
『ら~♪』
『たべ……る?』
『るるる~♪』
そしてRapiéçageと、私に巻きついているYamataとは会話が成立していない。Pauvina嬢か師Artisanに通訳を頼むべきだったか。
これは師Artisanから聞いた『Earth』や『Origin』で起きた現象が、このworldでも起きるのか非常に重要な検証なのだが。
このworldとanother worldである『Earth』、そして『Origin』。三つのworldに同じ現象が共通して起きるなら、他にも共通して同じ現象を起こせるかもしれない。
……それが分かったからといって、何か試したい事が現時点で在る訳でもないが。正直、Undeadが存在しないらしい『Earth』について、私は研究に取り組むほどの興味が無いのだ。
食文化は素晴らしいと思うが。
しかし、将来的に何か思いつくかもしれないので、確かめられるなら確かめておいた方が良いだろう。
Yamataの場合臓器の一部ではなく、各首に他raceのfemaleの脳を含めた上半身を移植しているため、『脳以外にもMemoryがrecordされている』事を検証するにはあまり適当ではないが。
とりあえず、この検証の趣旨を話すとEleonoraとBellmondの態度は協力的に成った。RapiéçageとYamataは、あまり態度を変えてくれなかったが。
「悪いけど、特には無いわね。私は傷跡のskinやその下のorganizationを少し移植しただけだからimpactが少ないのかもしれないけど。前よりもbloodが好きに成ったけれど、それはAbyss種に変化したからかもしれないし」
しかし Eleonoraには心当たりが無いようだ。私は彼女と比べて格段に移植した部位の多いBellmondに視線を向けるが、彼女も顔を横に振った。
「私も、TerneciaのMemoryや嗜好にimpactを受けた事は無いと思います。ただ、何度か密林の木々の枝を飛び移り走り回った夢を見た事がありますが、このtailの本来の持ち主のMemoryなのか、それとも私の幼少期のMemoryなのか判別がつきませんので」
Bellmondに移植されたtailは、猿型のmonstersのtailだ。出現頻度が極めて低い為、Talosheimの誰もnameを知らなかったmonstersだが、長いtailを持つ俊敏なmonstersだったらしい。
しかし彼女はJungle Monkey-species Beast raceの生まれだ。一万年も経っているためあまり覚えていないそうだが、生まれた集落を追い出される前の幼少期は、密林で生活していたらしい。
これではどちらか分からない。
「なるほど。ではまた時間を置いて同じ事を質問するかもしれないが、その時も協力してくれたまえ。
ん? 何か思いついたのかね?」
こちらを覗き込むRapiéçageとYamataに若干の期待を持って質問すると、その期待の大きさに相応しい答えが返ってきた。
『Rapié、たべる゛う、にく、むし、くさ、なま』
「……なるほど」
Rapiéçageはどうやら、「嗜好が生きている時とはmaybe変わったのではないか」と言いたいらしい。
Rapiéçageには二百年前のAClass adventurer、『Divine Spear of Ice』のMikhailのparty memberだった女Warriorの頭部に、女Mageの胴体、そしてTamerされていたOgreの両肘から先と両膝から下、更に角竜型のmonsters Trihornの角をbone格に使い、翼竜の翼や蛇のtail、Cemetery Beeの"poisonous needle"やVenom glandsを繋ぎ合わせている。
だから生肉や蟲、草を食べるのは私の言った現象ではないかという事だが……。
「-kunはUndead、Zombieだからな」
Undeadは、特にZombieは肉ばかり食べる-samaに思われているが、他に食べ物が無ければ意外と植物も食べる。ただ凶暴性が高すぎるので、目の前の動く物を攻撃する事を優先するだけだ。
『たべる~♪』
『さか、な、にく、ひと……たべ、る、とき……』
『かむ~くだく~♪』
Yamataの方は、九人分の美女の上半身に意識を奪われがちだが、主体は根元のHydraだ。そのため彼女の場合は、Hydraらしくない行動が移植された部位からのimpactという事になる。
こうして話す事や歌を歌う事もHydraらしくない行為だが、これはTerneciaから仕込まれた行為なので考慮外である。
「確かにHydraは物を食べる時丸飲みだろうが……私がHydraに詳しくないので、さてどう判断したものだろうか」
「とりあえず、離してもらってはどうですか?」
「顔色が凄い事に成っているわよ」
結果はすぐには分からないか。継続して調査と検証が必要だろう。
ああ、このままでは寿命が足りなくなるかもしれん。Undead Transformationするのも心惹かれるが、その際Memoryや思考力に損傷を受けるのは避けたい。私もVampireになる事を考えるか。
師Artisanから延々【Youth Transformation】を受ける選択肢もあるが……その際取り返しのつかない弱みを師Artisanに握られそうなので避けたい。現在に至るまで、【Youth Transformation】の際に感じる快感と違和感に勝てた者は一人も居ないそうだ。
一人の王が没した。
彼は、誰もが称える偉大な王だった。
戦時には自ら剣を取って誰よりも多くの敵を討ち取り、兵の消耗を抑え、民を守った。
平時には民の見本となるべく清く正しい態度で過ごし、民と兵を飢えさせる事は無かった。
盟約を結んだ同盟国に対しても増長する事無く接し、誰からも愛された。
しかし、この偉大な王にも一つ失敗があった。Successorに関する問題を纏めきる前に没してしまった事だ。
王には二人の息子が居た。
長男は王の素質を受け継いだ秀才。彼が王位を継げば、王同-samaにEmpireを導いてくれると期待を寄せた。
次男は武勇に優れるが粗暴さと短慮が目立つ問題児。
だが、王が没した時次男を次期王と担ぐ者が居た。
王が没してから一月経ったその日、brothersはそれぞれの部下を引き連れ相対した。
手にWeapon Equipmentを握り、鎧を纏って。
兄は問うた。弟よ、Empireを割り、この兄とbone肉の争いを繰り広げて、それでも王に成りたいのかと。
弟は答えた。兄上、あんたが王になったら一生日陰者に成っちまう連中も居るのさ、俺-samaの-samaになと。
兄は弟を叱った。何故自分の栄達よりも民の事を想えない! そんな者に王を名乗る資格は無いと。
弟は兄を嘲笑った。民? 家畜の間違いだろ。俺達の糧になる事が奴らの幸せってものだと。
兄は怒りを抑えて弟を諭した。そのような勝手が許されると思うのか? 同盟国も、そして何より神が決してお前を認めない! と。
弟は兄に対して侮蔑を返した。だから父上や兄上は駄目なのさ、何をするにも民、同盟国、そして神! そればっかりだ。俺なら同盟国の奴らを全て俺達のSlaveに出来る。そして、俺達には新しい神がいる、と。
弟が口にした新しい神という言葉にざわめく部下達を手で制した兄は、鞘から剣を引き抜いて弟に告げた。
「ブゴゴ、ブヒブヒヒ」
ならば、最早お前を弟とは思わん!
弟も兄に対して、大鎌の切っ先を向けた。
「ブッヒヒヒ! ブフフブヒ!」
そいつは最高だぁ! 遠慮無く殺してやるぜぇ!
「Mububujenge、ブゴオォォォォ!」
「Ravovifard、ブキャキャキャ!」
Noble Orcのbrothersは、それぞれが奉じる神に祈り、Familiar Spiritをその身にAdventさせると、お互いの首を狙って駆け出した。
ここに、Noble OrcのEmpireを二つに割る内乱の幕が切って落とされた。