『如何にすべきか?』
『Evil God of Joyful Life』Hihiryushukakaは、Gubamonを通じてVandalieuを確認し思案していた。
何故なら、かの神がどう考えてもGubamonがVandalieuに勝利する可能性が一割以下、良くて百分の一あるかどうかという程度しか無かったからだ。
強大な中心であるDemon Kingを欠いた、Demon King Army RemnantsのEvil God (M) Evil God (P)に情報交換や相互協力を行うcommunityは存在しない。幾柱かの神が打算から同盟を組む事もあるが、その程度だ。
よってHihiryushukakaはVandalieuがContinent南部で、『Raging Evil Dragon God』Luvezfolがblessingsを与えたmonstersと自らのSpirit Cloneを砕かれた事を、知らない。
だがLuvezfolがContinent南部から逃げ出した事には気が付いていた。
それにこのDhampirは無関係ではないだろう。弱ったTerneciaを殺す寸前まで追い詰め、Demon King Fragmentを奪った後、どれ程強くなったのか。
『この壊れかけた僕を使い捨てて計るとしよう』
Undead達の意識は混濁している。人造のUndeadである彼らは、元からそのように造られているのだ。
己の意思を含めた何もかもが曖昧模糊な中、ただproducerであるGubamonの命令だけがはっきりと響く。だからUndead達はGubamonの命令に反射的に従う。
だがそれを見た時から、Undead達にとってGubamonの声は酷く掠れて響いた。
そしてVampire ZombieやZombie GIANT達は、極自然にVandalieuの周りに集まった。彼らにGubamonを裏切った自覚は無い。
手足が脳の命令に従うのと同じように、Undead達にとってVandalieuの元に集うのは自然な事だったからだ。
『あ゛ぁぁ……』
『い゛ぃぃ、ざぁ……』
『わ、我こそは、ミば、え゛る゛う゛、推し、おしへ、まひ、まい、』
だがGubamonが特別手を掛けて作り上げたHero Undead達はGubamonの元に残った。
「流石に、無意識に垂れ流しているだけの【Demon Path Enticement】では、何万年も続けてきた狂人の拘りには勝てないか」
「ふはははっ! その-samaじゃな! 特殊なskillを持っているようじゃが、儂が丹精込めて作り上げたHero Undeadを奪うには至らなかったようじゃのぅ!」
残念そうに肩を落とすVandalieuと、勝ち誇るGubamon。しかし Gubamonの周囲に残ったHero Undeadは四十体前後。対して、Vandalieuの側に集まったUndeadの数は百を超える。
明らかに形勢はVandalieuの方が有利に見える。
しかも、Gubamonの腹には相変わらず黒い角が生えたままbloodが滴っている。
「どういう事だ? 数で押せばどうにでもなるのでは……?」
「idiotね、よく考えてみなさい」
大人しく事態を見ているIrisを抱えたまま、Milesは部下を叱責した。
「Hero Undeadを数頼みで抑え込んだところで、Vandalieu……Vandalieu -samaに付いたのは所詮量産品よ。Gubamonからすれば、clawsの一振り、呪文一つで消し飛ぶ雑魚に過ぎないわ。
それを幾らallyに付けても意味は無いのよ」
「な、なるほど」
「つまり戦況はdespair的か……」
「いや、別にそこまでは言ってないわよ、ワタシ」
自分の腕の中で、何故か悲壮な瞳で状況を見つめるIrisにそうMilesは言うのだが彼女にはそれを、下手な慰めと解釈したようで、瞳に変化は無い。
「あのchildが何者で、何を目的としているのか私は知らない」
Irisから見ればVandalieuやMilesは自分を助けようとしているらしい者達だ。だが、そのためにRaymondを殺害してその死体を利用する等、常軌を逸した行為を平然と行っている。
彼らがGubamonの敵である事は疑いようがない。だが、彼女のallyとも言い難い。
だがIrisはこう願わずにはいられなかった。
「頼む。勝って、どうか父上を解放してくれ!」
(Aldaよ。祖国のためとは言え、法を守る側からResistanceと言う法を破る側になった不信心な私の願いをどうかっ! あのVandalieuと言うDhampirに勝利を!)
そんなIrisの、Aldaに届いていたらその尊顔を盛大に顰めさせただろう祈りが戦闘開始の合図に成ったのか、二人は同時に口を開いた。
「儂のHero達よ、出来損ないのUndeadを始末し、あの小僧の動きを止めよ!」
「俺に続いてHero Undeadを抑え込んでください」
その瞬間Gubamonは前哨戦の勝利を確信した。数こそ少ないがHero Undeadは最低でも量産品を一度に二体以上相手にして、確実に勝てる性能を持っているからだ。
(動きを止めたら、儂の【Magic Eye】で五体を引き裂いてくれるわ!)
【Demon King Fragment】を持ち、Terneciaが死ぬ原因を作った相手だ。それだけで勝てるとは思わないが、先にfragmentをActivateさせ、【Demon King Encroachment】skillのlevelを上げさせてrunawayさせ、隙を突いて自分の【Demon King Fragment】で倒す。
それがGubamonの狙いであった。その過程で大分彼のcollectionは壊れるだろうが、仕方ない。命あっての物種だ。
だがいきなりその狙いが崩れかける。
「儂のHero Undeadと互角じゃと!?」
意外な事に、対して手間もかけていない量産Undead達が、Hero Undead達と互角の勝負を繰り広げていた。
certainly二対一、三対一の数で押す戦法なのは変わらないが、それでも圧倒できるはずのHero Undeadを抑え込んでいる。
「俺の方がUndead達を上手く使えるようですね」
驚愕するGubamonにそう言ってやるVandalieuだが、実際には【Guidance: Demon Path】skillの効果で量産Undead達のAbility Valuesが急increaseしただけだ。しかし、事実を丁寧に説明する義理は無いのでそれは黙っている。……Iris等の部外者もここには居るし。
Gubamonの見ている前で、Vampire Zombieに刺青が特徴的なBarbarian TribeのHeroがholdstopい絞めにされ、Dwarfの老HeroがZombie GIANTに飲み込まれる-samaにして姿を消す。Beastmenの女Unarmed Fighterは四方八方囲まれて自慢の俊敏さを活かせないままoctopus beatingりにされてしまった。
それぞれ『千人Slash』、『岩断ち』、『俊爪』と生前は立派なsecondary nameを持っていたHeroだったのだが、Undead Transformationされた事で仲間同士のCoordinationを失い、判断Abilityが極端に下がった事で易々と捕獲されてしまった。
「いや、それだけではない。儂のHero Undead達の動きが悪いっ、どういう事じゃ!?」
Gubamonが気付いた通り、彼のHero Undead達の動きが普段よりも数段鈍く、大振りで、雑だった。
『トメテ、ク……』
『イギィィィ! ヤガガガ! だっ、あ゛あ゛あ゛ぁ!』
Gubamonの支配力に負けたVandalieuの【Demon Path Enticement】だったが、その差は彼等が思っているよりも僅差だった。
少なくともGubamonが命令に従いやすくするため、敢えて夢を見ている-samaなconditionにしているUndead達の意識に形を与える程度には有効だったのだ。
彼らはUndead Transformationしてから初めてGubamonの命令にwhole body全霊の力を振り絞って、逆らっているのだ。
「きっ、貴-samaぁっ!」
「俺って思っていた以上に人気者ですね」
beloved loverを寝取られたように怒り狂うGubamonに、Vandalieuはそう軽口を叩きながら間合いを詰めて――はいかない。
先頭には立っているが、そこで立ち止まった。
「皆、そういう訳なので確保をよろしく」
その背中から爆発的な勢いでcountlessのmonstersや人が飛び出した。
「ぎしゃあああ!」
ヴヴヴヴヴヴヴ!
PeteやCemetery Beeを含めた蟲のmonsters達が次々に襲い掛かったように見えたが、実際には行動不能に成ったUndeadを運び出していく。
「やれやれ、相変わらず酔狂な方だ。普通ならここまでしないと思うのですが」
そして動きが鈍っていて尚抵抗を続ける、手練れのHero Undeadの四肢をBellmondの金属糸が切断する。
「しかし旦那-sama、移植していただいた【Petrifying Magic Eye】、活かしどころが難しいのですが?」
「生け捕りには逆に使いにくいMagic Eyeですからね。手足だけ石化させるとか出来ません?」
「集中すれば可能ですが……それなら糸で手足を切断して捕獲した方が容易です」
全体を石化してしまうと、乱戦conditionの場合倒れて四肢や首など細い部分が砕けてしまう可能性がある。特に、無造作に手足やWeapon Equipmentを振り回すだけで岩を砕くような連中が戦っていると、不自然な姿勢の石像などすぐ瓦礫にされかねない。
そのため捕獲後のconditionを考えないなら、手足を切断する方が確実であった。
「切断した後の手足も-chanと回収してくださいね。後でくっつけますから。それと、あまり手荒にならない-samaにしてあげてください」
「畏まりました」
手荒ではない四肢切断とは何なのか?
『ぎぎぃぃぃ!』
その答えを求めている訳ではないだろうが、現在Samが持っているOrichalcumの槍に似たMythrilの槍を、やや動きに精彩を欠いているものの巧みに振るい、Vampire Zombieを薙ぎ払ったHero ZombieがBellmondに迫る。
「あ、でもそれは手荒で良いです」
「畏まりました」
『ぎぎっ、トメテ……ガガガ!?』
四肢をそれぞれ三カ所以上で切断されたHero Undead……生前は『Divine Spear of Ice』のsecondary nameで称えられたMikhailは、胴体だけに成っても突っ込んできた勢いそのままにBellmondに向かって飛んで行く。
『え゛べっ』
そしてtailの一振りで奇声と鈍い音を立てて、Adamantiteの鎧の破片を撒き散らしながら吹っ飛んで行った。
しかし吹っ飛んだ先で-chanとCemetery Beeに回収された。Zombieと化したMikhailのRank次第だが、Vandalieuには彼を有効活用する考えがあるらしい。
だがMikhailのZombie以外にも、その優れた戦闘Ability故に自らの意思でも抵抗を止められないHero Zombieは幾体も居た。
『お゛お゛お゛!』
三対の腕でWeapon Equipmentを振り回すBearheart Zombie。Gubamonは出来に関して不満がある-sama子だったが、Mysterious Strengthと手数で量産Undeadや蟲達を近付けさせない。
『あ゛あ゛あ゛あ゛!』
body partのあちこちから生やしたpipeから毒々しい色に輝く煙を出しながら、『Saintess of Healing』Jeenaがそのsecondary nameに似合わない、不気味なdesignのMaceと盾でZombie GIANTを弾き飛ばし、Vampire Zombieを牽制する。
『い゛ぎぃぃぃっ! あ゛ぁい゛っ! い゛だい゛ぃぃぃぃ!』
そのJeenaの背後を守るのが、Mikhailに切断された手首と妙な形状の杖を一体化された【Tiny Genius】Zandiaだ。
生前はAll-Attributes Affinity(death attributeを除く)を持つGenius Mageだった彼女だが、GubamonにUndead Transformationさせられたためmagicの詠唱とActivateに必要な意思を失ったはずだった。それなのにどんな理屈なのかmagicを放っている。
【Flame Bullet】や【風刃】、【土槍】等どれも単純な初Classのmagicばかりだが、杖を振るう度に攻撃magicが放たれVandalieuのmonsters達を退けている。
他にも合計十体ほどのUndeadが頑強に抵抗していた。
「さて――」
「それ以上儂のcollectionを奪わせはせんぞ!」
自分が犠牲にするのは良くても、敵に奪われるのは耐えられなかったらしいGubamonが、動きを止めたVandalieuを【Magic Eye of Destruction】で攻撃した。
反射的に【Magic Absorption Barrier】と【Impact-Negating Barrier】をx2に張るVandalieuだったが、その行動がGubamonに攻撃の成功を確信させる。
何故なら【Magic Eye of Destruction】の効果は、視界内に存在する目標に直接作用するからだ。間に在るのがglass板だろうが、magicによるBarrierだろうが関係は無い。見えさえすれば防がれる事無くActivateするのだ。
VandalieuはEleonoraの【Charming Magic Eyes】が効かず、【Petrifying Magic Eye】の効果に晒された事が無かったせいで、Magic Eyeに対する対策を疎かにし、Barrierを過信してしまったのだ。
【Danger Sense: Death】に反応は無いが、ただならぬsignに慌てて床をGolem Transformationさせて盾にしようとするがもう遅い。certainly、彼の後方でHero Undeadと戦っているBellmond達も間に合わない。
「弾けるがいいっ!」
Gubamonの視界でVandalieuの姿が歪み、そして紅く弾け何もかも塗り潰した。
「ぎいやあああああああ!?」
「……痛い」
eyeballが破裂し目を抑えて仰け反るGubamonと、一つ一つは深手ではないがwhole bodyに裂傷を負ってbloodを流すVandalieu。
『陛下っ!?』
『ちょっと大丈夫なの!?』
待機を命じられていたが、Vandalieuが初めて傷を負った事に動揺して姿を現すPrincess LeviaとOrbia。彼女達にVandalieuは肩を落として、首を横に振った。
「Emotionalに大丈夫じゃありません。油断しました、危険に備えるためにSelf研鑽、鍛錬を積んできたつもりだったのに」
『あのー、blood塗れですけどBody的には?』
「boneや内臓には達してません。数カ所muscleや筋が断裂してますけど、それだけです。……あぁ、恥ずかしくて穴があったら入りたい。猛省しなければ」
実際、油断から死にかけた事がVandalieuにとって傷以上のDamageに成っていた。しかし、何故【Magic Eye of Destruction】の効果をこの程度に抑え、しかも Gubamonに跳ね返す事が出来たのか。
「感覚からするとskillがActivateしたような……【Abyss】skillの効果かな?」
VandalieuがIntuition的に気が付いた通り、それは【Abyss】skillの効果だった。覗き込む者を見つめ返すこのskillは、【Magic Eye】等の視る事で発揮される効果全てのCounter skillでもあったのだ。
「ぐぎゃああああ!? 目がっ、目がああああ!」
何処かの大佐のような事を叫びながらのた打ち回るGubamon。ただeyeballが潰れただけだったら、Pure-breed Vampireの不死性をもってすれば十秒もかからずrevivalするはずだ。
しかし eyeballが眼窩にはまったconditionで破裂したため、その衝撃は眼底のboneを砕き、破片と一緒に脳にDamageを与えていた。
視nerveはミンチ肉のようなconditionで、その奥の脳も全体の半分程が潰れた豆腐condition。元気にのた打ち回れるだけでも驚愕に値する。値するが、流石にeyeballが再生するまで暫くかかるだろう。
ただVandalieuも筋やmuscleの断裂は回復に時間がかかるため、運動Abilityが暫く低下したconditionだ。
そんな二人が取った行動は、互いにとって不本意な事にとても似ていた。
「丁度良いので、【Demon King Fragment】Activate」
「あああああ! 【Demon King's Carapace】Activateじゃああ!」
ほぼ同時に【Demon King Fragment】をActivateさせた。
Gubamonのbody partがボコボコと不気味に形を変え、内側から弾けるように黒いcarapaceを発達させていく。胴体に大きなcarapaceを、そして二の腕、前腕部、拳、腿、脛、足のそれぞれがSizeの合ったcarapaceに包まれる。
その姿は亀ではなく、carapaceを繋いで作った鎧を纏っているかのようだ。
「ぐぼあああっ! ぼう゛ぎょ、formじゃ!」
胴体に刺さったままだったsuction cups付【Demon King's Horn】を内臓や脊髄ごと引き抜いて、頭を含めたwhole bodyをcarapaceの鎧で包むGubamon。
appearanceは不格好だが、これで【Armor Technique】skillのMartial ArtsもActivateさせればOrichalcumのWeapon Equipmentでも容易に突破できない最強の鎧の完成だ。
Vandalieuが【Demon King's Horn】を使っても、耐えきる自信がGubamonには在った。
【Evil God of Joyful Life】を奉じる三人のPure-breed Vampireの中で最も戦闘力が、Attack Powerが高いのがTerneciaだとすれば、Gubamonは最もDefense Powerが高く、堅実な戦い方が出来るPure-breed Vampireだ。
「【神鉄鎧】!」
(儂の【Armor Technique】最高のMartial Artsじゃ! これをActivateさせた今、Terneciaでも儂の防御は突破できん! 来るなら来い!)
視覚を潰された以上、防御を固めて守りに徹して再生までの時間を稼ぐしかない。危険な【Demon King Fragment】をActivateさせても。
「どんどん捕まえますよー」
そう判断したGubamonだったが、Vandalieuはcarapaceを数珠繋ぎにした妙な怪人のようなappearanceに成ったGubamonを警戒はしたが、攻撃は仕掛けなかった。
【Out-of-body Experience】したSpirit Formで後方を確認しながら、Activateした【Demon King's Blood】で抵抗を続けるHero Undead達を捕まえにかかったのだ。
「Orbiaも手伝ってください。液体の制御はお手の物でしょう?」
『monstersに成ってから三日と経ってないのにお手の物もないと思うけど……なにこれぇっ!? ちょっと触れるだけでしびれりゅぅ~っ!?』
『陛下っ、Orbia -sanは初めてなのにいきなり原液なんて刺激が強すぎます!』
「……あー、potionに加工する前でも刺激物でしたか」
【Dead Spirit Magic】skillでWater Ghostと化したOrbiaに【Demon King's Blood】の制御の手伝いを頼んだら、その途端ふにゃふにゃと、あられもない声を上げ始めた。
Princess Leviaが誤解を招きそうな事を口走るが、これでは否定できない。
そんな呑気なやり取りをしつつも、Vandalieuの体中の傷口から噴き出し続ける赤黒い【Demon King's Blood】は、tentacleの束のようになってHero Undead達に襲い掛かる。
『あ゛あ゛ぁっ!? あっ、ああぁ……』
足元から絡みつき、縛り上げて包み込みそのまま凝固する。
動きの鈍いBearheartは成す術も無く、magicを乱射するZandiaも抵抗虚しく閉じ込められていく。
『があ゛あ゛っ!?』
逃れる事に成功したのは HarpyやRyuujin等Flight Abilityを持つHero Zombieと、なんとJeenaだった。
彼女は両脚をbloodのtentacleに囚われた瞬間、丁度腰のあたりから分離して上半身のみでmidairを浮遊したのだ。どうやら体中のpipeから煙のように生じる輝く気体を使って浮力を得ているらしい。
「運がありませんでしたね」
しかし、midairに逃げたHero Zombie達は次々に墜落していった。
高くても天井があり太い柱が幾本も並ぶ地下temple戦場は、midair戦には向かない。
飛び上がったHero Undead達はCemetery Beeや、柱や壁を這って登ったPeteやKühlに絡みつかれ、そのまま落下して【Demon King's Blood】に拘束されていく。
飛び上がったJeenaも、流石にlower bodyが無いまま普段通りの性能は発揮できなかったか、あっさりとBellmondの糸でpipeを絡め取られ、【Demon King's Blood】に落とされてしまった。
「あの仕掛け、何か意味があったのでしょうか?」
上半身とlower bodyに分かれて行動できるというのは、状況によっては強みなのだろう。しかし、今は悪足掻きでしかなかった。
Gubamonに言わせると、maybe技術者の遊び心や浪漫なのだろうが。
Hero Undeadの動きは生前より数段落ちるが、Borkusのように自らの意思を保ったconditionであれば、ここまで一方的にやられ、しかも捕獲されるような事は無かっただろう。
だが元Heroとは言え、彼女達は死肉の人形にされてしまった。そして人形は操り手以上に上手く動く事は出来ない。
そして下手糞な人形遣いは、僅かに回復した視覚でcarapaceの隙間から確認した状況に目を剥いた。
「【Demon King Fragment】を使ってまで、儂からcollectionを全て奪うつもりか!?」
何時までも攻撃が来ない事を訝しく思って見てみれば、待っていたのは【Demon King's Carapace】までActivateした自分を無視してHero Undeadを回収しているという、驚きの光景。
まるでmainはHero Undeadで、お前は添え物だと言わんばかりの態度にGubamonの危機に瀕した事でrevived reasonが振りきれる。
「奪われるくらいならば、貴-sama諸共磨り潰してくれるわ!」
【Demon King Encroachment】skillがincreaseした脳内アナウンスを聞きながら、GubamonはcarapaceにManaを更に注ぎ込む。
すると、それまで丸みを帯びていたcarapaceの表面が、ゴツゴツとした突起に変化した。まるでcrocodileガメ等、肉食の亀のcarapaceの-samaだ。
「っで、投げて来ると」
「【連続Spiral乱れ打ち】ぃっ!」
鈍重そうなappearanceに関わらず、軽やかなステップを踏みながら回転するGubamonから、【Demon King's Carapace】が投擲される。
大きさはそれぞれ握り拳より少々大きい程度だが、High-Speed回転しているAdamantite以上の硬度を持つ突起だらけのcarapaceだ。掠っただけで肉をごっそり抉られる事だろう。
それが数え切れない程乱射されたのだが、Gubamonの意図に反してHero Undeadに命中しても彼女達を包む凝固した【Demon King's Blood】に罅が入るだけで、ほぼ無傷だった。
それはVandalieu本人も同じだった。
「Terneciaの角程ではございませんね」
Bellmondはやはり金属糸でかつてのmasterが放った攻撃と比べ、楽々とcarapaceの軌道を逸らしていた。周囲のUndeadやmonstersを守る余裕すらある。
「クッ! ここまでかっ」
「イヤアアアア! 死にたくないぃ~!」
そしてDemon King Fragmentに対して無力なIrisは覚悟を決め、Milesは涙を迸らせながら野太いscreechを上げる。悪足掻きでmagicやMartial Artsで迎撃しようとするが、Bellmondならin any case、彼ら程度が咄嗟に放てる攻撃が神の命にも届く【Demon King Fragment】に通じるはずもない。
「もうダメだ~っ!」
他のVampire達も自分達に向かって迫る【Demon King's Carapace】にdespairのscreechを上げる。だが、回転するcarapaceは彼等に届く前に生じたbloodの波や、飛来した黒い角に絡め取られ、弾かれた。
『キャハハハハハハ!』
【Demon King's Blood】がおかしな具合にキマってしまったらしいOrbia。
『あ、それから前に出ないでくださいね』
そして中身の無いRaymondの死体を指差して言うVandalieuが、狂乱から呆然自失へとconditionが移行したRickも含めて、全員を守ったのだ。
「私達を、守ったのか? いや、私達だけじゃないっ!」
Irisがハッとして戦場を見回すと、Gubamonが放った【Demon King's Carapace】は全て【Demon King's Blood】や【horn】で防がれ、Bellmondから離れた場所に居た、Vandalieuが出した蟲Typeのmonsters達はcertainly、寝返ったZombie GIANTやVampire Zombieすらも無傷のままだった。
「まさか、Pure-breed Vampire相手に犠牲を出さずに勝つつもりなのか?」
「ああっ! あのお方こそ真のHero! 私のheroっ!」
Princess KnightではなくMilesのheartをガッチリ掴んだらしいVandalieuによって、自分の攻撃が全て防がれたGubamonは小刻みに震え、大声で笑った。
「ふはははははっ、Hero Undeadはまだしもゴミ屑共も全て守るとはご苦労な事よのぅ! 良いじゃろうっ、好きなだけ守るが良い!」
Gubamonのまだ不鮮明な視界には、大量の液体を噴き出し続けるVandalieuの姿があった。
どうしても守りたいと、犠牲は嫌だと甘っちょろい事を言うのなら、好きなだけ言えばいい。動きの鈍いザコを攻撃するだけで勝手に消耗してくれるのだから、好都合だ。
二度、三度、carapace弾の乱れ射ちを放ったGubamonは、同じように防ぐVandalieuに止めを刺すべく奥義を繰り出した。
「そろそろ仕舞じゃ! 【連続Spiral乱れ打ち】! そして喰らえっ! 奥義【魔甲大粉砕撃】ぃ!」
自分では身も守れないMilesやIris達をこれまで同-samaに狙い撃ちにした後、何とGubamonは自ら走り出すと、そのまま自らを弾丸に見立ててVandalieuに向かって飛び込んで行く。
彼の奥の手、【Demon King's Carapace】Activate時に使用する、【Throwing Technique】と【Unarmed Fighting Technique】を同時に使用したoriginal Martial Artsだ。
既に複数のDemon King Fragmentを同時使用したVandalieuは、碌に防ぐ事は出来ない。Gubamonの頭の中ではそうだった。
「えーと、【氷blood死水】」
だがその前にOrbiaが変じた新たな【Dead Spirit Magic】がActivateして、Gubamonを極寒のcoldが包む。carapaceを通しても防ぎきれないcoldに体の表面が凍らされ、思わずscreechを上げる。
だが流石は【Demon King's Carapace】、Vandalieuが大量のManaを込めた【Dead Spirit Magic】によるcoldにも耐え切った。このままでは結局Gubamonに一矢報いただけで、Vandalieuの命は絶たれてしまう。
「【骸炎獄滅弾】」
しかし、Vandalieuが再度唱えた【Dead Spirit Magic】によって、GubamonはPrincess Leviaが変じたGiantな黒い髑髏型の炎に飲み込まれた。
「ぐああああ! だが、これに耐えれば……なにぃっ!?」
Attack Powerでは一歩譲るが絶対の防御を誇る【Demon King's Carapace】に、音を立てて罅が走り、割れ砕けていく。
急速な冷却と加熱による、収縮と膨張によって【Demon King's Carapace】が破損したのだ。
「亀甲占いって、知っていますか?」
露わになった枯れ木の-samaなbody partに、VandalieuはGiantな氷の塊、【死氷弾】を叩きつけた。
「出た卦は……割れ過ぎて分かりませんね」