<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.

Chapter 113: targetブッKing

 Periveilの集落に戻ったVandalieu達は、Raymondを生け捕りにした顛末を説明し、『新生Sauron Duke軍』には注意する-samaにとの話を広めて置いた。

 そしてPeriveil達がGhost化したOrbiaを慰めている間、Vandalieuは集落のJob change roomに向かっていた。


-kunPrivelを選んだという子か。最近の子は随分とませているんだなぁ」

 そう言いながらJob change roomのあるボートHouseで出迎えてくれたのは、Sauron王のbloodを引いているPeriveilの最新の夫の弟、Privelの叔父だった。


 Humanでは珍しい緑色の髪と瞳をした、中年と壮年の間くらいの男だ。目元や輪郭がそれぞれPrivelyounger cousinOrbiaと似ている気がするが、とても王族のbloodを引いているとは思えない柔和そうな人物だ。

「選んだと言うか、あの儀式の事を知らなかったもので」

「それはまた、随分古典的な出会いだね」


 Scyllaの求愛の儀式を知らずに近付いて声をかけてしまったと言う馴れ初めは古典的らしい。Earthで例えると、曲がりで登校途中の女子と転校生がぶつかって出会うのと、同じくらいベタであるらしい。


「この辺りに依頼を受けて来るadventurerや取引に来る商人はもう全員知っているから、今では昔話だけどね。でも、Boundary Mountain Rangeの向こうから来たのなら知らなくても仕方ないか。

 ところで、遅れたけれどOrbia姉をよろしく頼むよ」


「そこは姪御-sanでは?」

「ああ、それは個人的にはもう少し先でも良いんじゃないかと思っていてね。兄にとっても遅くに出来た娘だったから、気にかけていたから。でも、Orbia姉はもう-kun以外に居ないだろう?」

 実際、Ghost化したOrbiaと付き合えるのはVandalieu以外には、他のUndeadぐらいだ。普通の【Spiritualist】は、霊やUndeadとは一線以上踏み込まない-samaにするらしい。


 Rank4のWater GhostRank upしたOrbiaは、既に自分の意思ではReincarnationの環に還る事は出来ない。地上に残り続けるか、他者に浄化されるか……討伐されるかだ。

 何より、正気を保ち続けるのにVandalieuの力が必要だ。それを説明した事は無いが。彼は何となく察しているのかもしれない。


Resistanceにとってはどうか知らないが、私にとっては気の良い従姉のお姉-sanでね。childの頃は良く遊んでもらったもんだ。

 末永く、支えてやって欲しい」


「支えて貰うのは俺の方だと思いますが、生きている間は頑張ります」

「うん、頼むよ。やはり最近の子はませて……いや、しっかりしているね」

 そして握手を交わし、VandalieuJob change roomに入った。


 やはりraceは違っても-sama式は統一されているのか、それともScyllaだけではなく男も使いやすいようにか、Job change roomの内装は他の場所のroomと同じだった。


「さて……また何か増えているかな?」


 Rank10のHurricane Dragonや『新生Sauron Duke軍』でExperience Pointを稼ぎ遂に【Demon Guider】のlevelが100に達したVandalieuは、水晶に触れた。


《選択可能Job 【Archenemy】 【Zombie Maker】 【Corpse Demon Commander】 【Disease Demon】 【Spirit Warrior】 【Whip Tongue Calamity】 【Vengeful Berserker】 【Dead Spirit Mage】 【Hell Healer】 【Labyrinth Creator】 【Demon King User】 【Magic Cannoneer】 【Golem Creator】 【Hell King Mage】(NEW!)》


「【Hell King Mage】か。【Death-Attribute Mage】の上位Jobか……字面は【Death-Attribute Mage】より普通な気がする。五十歩百歩だと思うけれど。

 とりあえず、次のJobは何にしようか?」


 残っているのはnameからして危険そうなJobか、【Golem Creator】や【Hell King Mage】の-samaな上位Jobだ。

 maybe得られる各種補正は上位Jobの方が大きいのだろう。しかし、上位Jobだけにlevelは上がり辛そうだ。それに、上位Job以外のJobも全てVandalieuのそれぞれのskillに関連したJobの筈。


 それに商業guildを経由してStatusがばれ難い方法でAdventurer’s Guildに登録する予定だ。多少危険な名称のJobに就いても問題無いだろう。


「【Archenemy】にJob change




《【Archenemy】にJob changeしました!》

《【Strengthened Attack Power while Unarmedskillが中にincreaseしました!》

Unique skill、【Hostility】を獲得しました!》




Name: Vandalieu

Race: Dhampir(Dark Elf)

Age: age

Title: Ghoul King】 【Eclipse King】 【Second Coming of the Demon King】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】 【Monstrosity】 【Scale King】 【Tentacle King】(NEW!)

Job: Archenemy

Level:

Job History: Death-Attribute MageGolem TransmuterUndead TamerSoul BreakerVenom Fist UserInsect UserTree CasterDemon Guider


Ability Values

Vitality: 1,566

Mana: 1,061,886,667+(212,377,333)

Strength: 729

Agility :648

Endurance :928

Intelligence :1,909



Passive skills

Mysterious Strength:5Lv

Rapid Healing:8Lv

Death-Attribute Magic:9Lv

Abnormal Condition Resistance:7Lv

Magic Resistance:5Lv

Dark Vision

Demon Path Enticement:1Lv

Chant Revocation:6Lv

Guidance: Demon Path:3Lv(UP!)

Automatic Mana Recovery:6Lv

Strengthen Subordinates:6Lv

Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):5Lv

Enhanced Agility:3Lv

Body Expansion (Tongue):5Lv

Strengthened Attack Power while Unarmed: Medium(UP!)

Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs):4Lv

Thread Refining:3Lv

Mana Enlargement:2Lv


Active skills

Bloodwork:3Lv

-Surpass Limits-:7Lv

Golem Transmutation:8Lv

No-Attribute Magic:7Lv

Mana Control:6Lv

Spirit Form:7Lv

Carpentry:6Lv

Engineering:4Lv

Cooking:5Lv

Alchemy:6Lv(UP!)

Unarmed Fighting Technique:6Lv

Soul Break:8Lv

Multi-Cast:5Lv

Long-distance Control:7Lv

Surgery:5Lv(UP!)

Parallel Thought Processing:5Lv

Materialization:4Lv

Coordination:4Lv

High-speed Thought Processing:4Lv

Commanding:4Lv

Plant Binding Technique:4Lv

Thread-reeling:5Lv

Throwing Technique:5Lv

Scream:4Lv

Dead Spirit Magic:4Lv

Insect Binding Technique:4Lv

Blacksmith:1Lv

Artillery Technique:3Lv



Unique skill

God Slayer:6Lv

Grotesque Mind:6Lv

Mind Encroachment:5Lv

Labyrinth Creation:6Lv

Demon King Fusion:3Lv(UP!)

Abyss:2Lv(UP!)

Hostility(NEW!)



Demon King Fragment

blood

suction cups(NEW!)

ink sacs(NEW!)


Curse

 Experience gained in previous life not carried over

 Cannot learn existing jobs

 Unable to gain experience independently




「遂に素のManaが十億突破か。それにUnique skillが増えていきますねー。Hostility……ダジャレかな? 大勢に敵視されるskillだったらどうしよう」

 若干躊躇しながらroomの外に出ると、皆何時も通りの-sama子だったのでその心配は杞憂だったようだが。

 やはり字面の悪い Jobは、heart悪い。そう思うVandalieuだった。




「詐欺は駄目でしょー」

「ダメだよー」

 ガタガタと震えあがっている偽ResistanceHaj達に、VandalieuPauvinaはそう告げた。


 Raymondを人質にしてOrbiaの仇であるRick達を誘き出すまでの間、留守の間に襲撃を仕掛けてきたMardock達討伐隊の死者をUndeadにし、生存者を洗脳するために。

 そして設置した極小Dungeonから一度Talosheimに戻り、拉致したRaymondに細工するためLucilianoを呼ぶためにキャンプ地に戻っていた。


 そして死者を手早くUndead Transformationし、Mardockを含めた生き残りを洗脳したVandalieuは偽ResistanceHaj達から話を聞きに行き……やっと彼らが偽者だと分かったのだった。


「確かにあなた達はmountain banditと違い、村人や支援者から無理矢理金銭や物資を奪う訳でも、殺す訳でもありません。差し出された物を受け取るだけです。

 でも、その差し出された物は村人にとって有り余っている余剰な金銭や食料だった訳じゃない筈です。違いますか?」


 淡々とHajに説教をするVandalieu。彼は基本的に詐欺師が嫌いだ。騙される方にも確かに隙があるが、一番悪いのは騙す方である事に違いは無い。

 Death-Attribute Magicを身につける前のただ大量のManaを持っていただけの彼に、頑張れば自由にして上げようと甘い言葉を囁いた、Originの研究員共を思い出す。


(でも、今の俺に詐欺師を糾弾する資格があるのだろうか?)

 だがそう迷いが無い訳じゃない。それにmountain banditに成るよりはケチな詐欺師の方がマシではあるし。しかしYamataRapiéçageを騙した以上、タダで済ませる気にもなれない。


 だがVandalieuの無表情や平坦な口調に隠された内心を見抜けるような目を、Hajは持っていない。

「このガキ、黙っていればいい気に成りやがって! 俺達だって好きで偽Resistanceなんてやってんじゃねぇ!」

  淡々と平坦に説かれる人の道に、Hajは思わずそう怒鳴りながら立ち上がった。


「テメェみたいなガキには――!」

「な~に?」

 そして立ち上がっても自分より大きいPauvinaの視線に射抜かれる。


 いくら二meter半ばの巨体とは言え、Sizeを無視すればPauvinaは十ageに成らない幼女だ。迫力には乏しい。だが彼女の片手にはHajの頭蓋boneを卵の殻のように砕くだろう、鋼鉄のMaceが握られている。

「続きは、な~に?」

 そして彼女は、Hajの頭を見ながらMaceの素振りを始める。


「にゃ、にゃんでもありまひぇんっ!」

「じゃあ、座ってね。それとも座らせてほしい?」

 まだ素振り継続中。

「ひゃいっ! すわりまひゅっ!」

 震えすぎて呂律がおかしくなったHajが、素早く座り込む。それでもPauvinaの素振りは止まらない。


 Haj達偽Resistanceが震え上がっているのは、Pauvinaを含めたVandalieu以外の全員が恐ろしいからだった。

 Vandalieuは迫力どころか存在感すら虚ろで、Haj達の目には格が推し量れない。しかし、周りの全員がとても分かり易く怒っていたのだ。


Van~、やっぱりガツンとやっちゃおうよ~」

 仲良しのRapiéçageが彼等に騙されたPauvinaは、明らかにガツンではなくグチャっとなりそうなMaceを振っている。


『『『偽~者~♪』』』

『だめ……?』

『ないない……』

『偽者、ないな……い……』

 YamataRapiéçageは、不始末を自分で葬ろうと責任感に燃えている。


 YamataHaj達の周囲をしゅうしゅうと唸りながら這い回り、RapiéçageOgreの手足からはバチバチと物理的に火花が散る音がする。


『はっはっは、まあまあ皆-san。ここは穏便に行きましょう。Bocchan、彼らと手を繋いで走りに行って来ても宜しいですかな?』

『父-sanが一番穏便じゃありませんよ。父-sanと手を繋いで走りに付き合ったら、あちこち叩きつけられて擦り減っちゃうじゃないですか』

『まあ、それでも別に構わない気がしますけど』


 紅い瞳を炯々と輝かせているSamと、表面上止めてはいるが別にHaj達を弁護する気も無さそうなSalireRita

 淡々と説教するVandalieuがこの場で最も穏やかな相手であり、彼が場の主導権を握っているから自分達は今生きている。Haj達はその事を改めて認識した。


「申し訳ありません、旦那-sama。彼らを偽物と見抜けなかったのは全て私の責任です。何なりと罰を」

 因みにBellmondHaj達に対して厳しい視線を向けるよりも、Vandalieuに謝罪する事が大事とばかりに視界にすら入れない。


「じゃあ、罰としてtailbrushingです」

「そ、そのような事、旦那-samaがするような事ではありません。罰と言うのは――」

「じゃあ、Maid -sanJob changeで」

「旦那-samaっ! そればかりはっ、そればかりはご容赦を! あの格好は私には無理です!」


『……絶対似合いますよね、Bellmond -san

Rita、そう言う問題じゃないから』


 結局tailbrushingさせる罰を泣く泣く受け入れたBellmondの、tailのフサフサをVandalieuが堪能していると、【Visualization】で見える-samaになったDarciaが皆を説得し始めていた。

『まあ、皆落ち着いて。Haj -san達を助けたから分かった事も多いのよ。それにこの人達にも事情はあったと思うの』

 彼女はHaj達に対して同情的で、そのため穏便に事を納めたいらしい。少なくとも、抹殺等の極端な始末は避けたいようだ。


 実を言うとVandalieuもそれは同意見である。詐欺師は嫌いだが、問答無用で殺す程ではない。

 LambdaでもNobleや王族相手の詐欺でなければ、詐欺だけで死刑になる事はまず無い。被害者に賠償し罰金を納められるかによるが、普通は期限付きの犯罪Slaveに堕ちる事になる。

 Haj達も悪辣に稼いでいた訳ではないようだし、普通に裁くなら一年から三年程Slaveに堕ちる程度らしい。


 今のSauron領を支配するAmid Empireの占領軍では、彼等は詐欺師である以前にResistance扱いなので見せしめのために死刑だろうが。


「まあ、実際近くの砦にChezareの弟が居るのは分かりましたし……職が無いと苦労していたのはそれなりに同情しなくもないです」

 自分の糸製ブラシでBellmondtailbrushingしながらそう言うと、Vandalieuは声を出さないよう口を押えている彼女の震える肩越しに、議論に参加していない面々に視線を向けた。


 意識不明のRaymondではなく、その向こうのPrivelOrbia達だ。彼女達は深刻な顔で何か話し合っている。


「どうしよう、ボク、圧倒的戦力不足だよ。ボクより小さいの、Pauvina -chanだけだよ」

『アタシは……う~ん、Salire -chan達より少し小さいくらいかな~? あ、でも今なら水があれば幾らでも……』


「大丈夫だ、Privel。お前にはまだ未来があるじゃないか!」

「未来があったって無理だよ~、あのBellmond -sanとか、kaa-sanより大きそうだよっ!」

「何を弱気になっているのよ、Privelっ! あなたには私達Scyllaの誇りのlower bodyがあるじゃない!」

「そうだっ! 上半身じゃ勝てなくても、ボクにはlower bodyがある!」


 うねうねと八本のtentacleをくねらせるPrivel達。彼女らの話しが何処に着地したのか、心配になるVandalieu達。

Vandalieu、あのScyllaの人達、よね? Ghostの娘は何となく分かるけど、生きている娘達とはどう言う関係なの?』


「文化的な違いからうっかりプロポーズしてしまいましたPrivelと、その護衛のGuard -san達です」

 そう言えばGuardのお姉-sanたちのnameを聞き忘れていた。

『そうだったの。お父-sanはおkaa-sanと出会った後、以前女の子に悪い事をしてしまったって後悔していたから、Vandalieuはそう後悔しない-samaにするのよ』


「はい、kaa-san

「その前に増やすのを止めるべきだと思うー」

 Darciaの教育にnod Vandalieuの背後で、Pauvinaが尤もな意見を述べる。しかし、彼女自身もあまり止める気は無さそうだ。


「宜しいですか、旦那-samaが尋ねたい事があるようです」

 その間に、Vandalieubrushingをすり抜けたBellmondPrivelに話しかける。

「あ、はいっ! 初めまして、ボクはPrivelです、よろしくお願いします! でも足の数では負けないからね!」

「……はい、私の完敗でございます。それはin any case、旦那-samaがお話があるようです」


「うん、わかった。何、Van -kun?」

 輝くSmiling FacetentacleをうねうねさせながらPrivelが近付いてくる。

Privel達はこのHaj達に何かあります?」

「この人達? う~ん、特に何も無いかな。近くの村やで活動していた偽Resistanceでも、Autonomous Territoryには今まで入って来なかったんでしょ?」


 Autonomous Territoryの内と外で区切られているScylla達にとっては、近くの村やでもAutonomous Territoryの外ならそれはお隣-sanではなく別のworldだ。特にHaj達の行いに思う事は無いらしい。

「まあ、Autonomous Territoryに逃げ込んで来られたのは迷惑だと思うけど、それは討伐隊の奴等が追い込んだからだし」

『う~ん、族長なら見なかった事にして放流するんじゃない? 形だけでもResistanceを占領軍に引き渡したって事には成りたくないだろうから』


「なるほど。見事に毒にも薬にもならない」

 そう言いながらVandalieuが視線をHaj達に戻すと、彼らはとりあえず殺される事は無さそうだと、多少は安心したらしい。震えや冷や汗が収まっている。


「じゃあ、薬に成るようにしましょうか」

 しかし彼がそう口にすると、弾かれた-samaに顔を上げた。

「く、薬ぃっ!? そんなっ、頼むっ、俺達の胆やheartは薬になんて成りやしねぇよ!」

「いやいや、ただの比喩表現です。貴方達に教官を付けて、立派な本物のResistanceにするだけですよ」


「きょ、教官? 俺達なんかにか? 言っちゃあなんだが、俺達は戦闘系のJobには就いてないし、武術系のskillも、俺以外には何人かが1levelで持ってる程度で……」

「大丈夫です。我が国には優秀な教官が沢いますから」

 Talosheimで元Red Wolf Knight団のLiving Armorを着て、みっちりと訓練すれば数か月でHaj達は生まれ変わる事だろう。


 十日程で一般市民が【Spear Technique】や【Archery】を2levelまで覚えたのだ、数か月厳しく訓練すればDClass adventurerぐらいに成るのではないだろうか? ダメだったら、根気良く続ければ良いだけだし。

「それは、俺達に取っちゃ願ったり叶ったりだが、本当に成れるのか? 俺達なんかが、本物のResistanceに?」


「残念ですが貴方達に拒否権は有りません。暫く帰れないので、letterを出す相手が居るなら紙を用意するので書いてくださいね。

 これでどうでしょう?」


 Haj達に怒っていたRapiéçageYamata達を見回すと、特に異論は無いようだ。罰としては優しい部類だが、成長出来ないと延々厳しい訓練を受ける事になるというのは下手なSlave暮らしより厳しくなるかもしれないので、納得したらしい。


 そして問題が解決するのを見計らっていたようなtimingで、目の前に赤いFruitが差し出される。

「お食べぇ……」

「あ、どうも。ところで誰ですか?」

「知らなかったの!? さっきから普通に居るからVan -kunの友達だと思ってたのに」


 緑色の肌をした木目のある鎧とも服ともつかない物を着たfemaleを、Vandalieuは見上げて首を傾げた。Vandalieuは「もっとmuscleを」と思うが、大抵の男なら鼻の下を伸ばして思わず手を伸ばしてしまうだろう、男好きのする体付きをしている。

 顔立ちも整っていて、やや垂れ目がちで柔和な二十代後半から三十代前後の色気美人だ。


 それだけなら特殊な趣味の客の注文で、人気Prostituteが肌を塗って変わった衣装を着ているように思うかもしれない。

 しかし、背中はskinではなく"tree bark"で覆われそこから枝が生えており、その枝には今Vandalieuの手に在る赤いリンゴの-samaFruitが実っている。


 明らかに人じゃない美女から受け取った実を、とりあえずVandalieuは食べてみた。

「むっ、このゴリっとした硬い歯触りと豊かな甘い果汁は、Eisenですね」

「ぉぉお……っ、お食べぇ」

 実は元Niarkiのリンゴ売りの中年女、Daeneの霊が-sama々な変遷を経てEisenに成った彼女は、Vandalieuが分かってくれた事に嬉しそうに牛に似たtailを左右に振ると、更にFruitを捥いで差し出してくる。


「もぐもぐ……ところで何でその姿に? Rank upですか?」

「はあ、討伐隊との戦いの途中で変化したようです」

 因みに、その際殴られた討伐隊の隊長Mardockは、上下のfront teethと鼻が折れて酷い顔に成ったまま意識不明である。maybechinも砕けているのではないだろうか?


『それで、Eisen -sanは何にRank upしたのかなって皆で話していたのよ。木から完全に分離しているからドライアドとは違うみたいだし』

「明らかにEnt系のmonstersにも見えず、Eisenに直接聞いても彼女は『お食べ』としかしゃべらないので分からないのです」


Bocchanは何か知りませんか?』

「うーん、【Appraisal】の術を使ってもrace名が分りません。maybe、新種でしょう」

 そうなると、名付けなければならない。さてどうしようかとVandalieuが考えていると、ふとOriginで研究者の霊から聞いた、妖精の話を思い出した。


 Eisenの姿を改めてみると、あの妖精のappearance的な特徴と一致する部分が多いように思える。多少違うし、あの妖精はFruitを背中の枝から実らせたりはしなかったが、まあ別に良いだろう。

「じゃあEisen、あなたのraceSkogsråです」

 名付けられたEisenは、やはり嬉しげにtailを振った。




「何故だっ、留守番も居ないのか?」

 荒い息をつくResistanceの男、Rick Parisの部下で唯一の生き残りの彼は無人の臨時hideoutを愕然と見回した。

 ここはテントを張って周囲に偽装や警報代わりのTrapを張り巡らせただけの間に合わせのhideoutだが、最低でも二人が残って番をしているはずだった。


 予定ではRaymondScyllaの各集落の長を説得に回るため、ここを拠点にして居るはず。その間はRick達は裏工作を中断して潜伏する手はずだったのだから、間違いない。


 それなのに、Delegation LeaderRaymond Pariscertainly、一人も残っていない。荒らされた形跡は無いので、何者かから襲撃を受けてここを放棄した訳では無さそうだが……。

「大変だっ!」

 そこに手酷くやられた-sama子の男が駆け込んで来た。反射的に敵かと思ったRickの部下だったが、顔見知りの仲間だと気が付いて、安堵の息を吐きながらWeapon Equipmentに伸びた手を止める。


 だが、すぐに安堵している場合ではなくなる。

Raymond Delegation LeaderDhampirに拉致されタ! 返して欲しければRickDelegation LeaderScyllaへの工作に関わった全員で指定した場所に来いとdemandされタ! 早くしないとRaymond Delegation Leaderが殺されル!」

「な、何だと~っ!? RickDelegation LeaderVampireに攫われたっ! 助けたければRaymond Delegation Leader一人で提示された場所に来いとdemandされたんだぞ!?」


「「……ど、どうすれば良いんだ(ダ)!?」」

 信じられないバッティングだ。互いに人質とdemandする人物が重なるとは。

 思わず頭を抱えて叫ぶResistanceの生き残り二名からは見えない所で、尾行していたGubamon配下のVampireLemureの目を通して見ているVandalieuも、頭を抱えていた。


<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.