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Chapter 112: Q これは捕虜ですか? A いいえ、生餌です

「探し出すのには手間取ったが、見つけてしまえば楽な仕事だったな」

「そうね。でもこいつ等、何でhideoutでもないのにこんな所に居たのかしら?」

「大方、占領軍から隠れて潜んでいたのだろうよ。Resistanceと名乗っていても、所詮は鼠よ」


 縛り上げられた『新生Sauron Duke軍』副Delegation Leader Rick Parisは、頭上で交わされるVampire達の会話に端正な顔を悔しげに歪めた。

(不覚! まさかVampire達が襲撃を仕掛けて来るとは……!)


 ScyllaAutonomous Territory内で、占領軍との交渉を妨害するためにAlda過激派の仕業に見せかけた殺人事件を起こしていたRick達は、次の犯行のtimingを待つために一時的な隠れに潜んでいた。

 Delegation Leaderであり兄であるRaymondScyllaの各族長を説得して回っている間、Rick達がまた一人占領軍の過激派の犯行に見せかけてScyllaを殺害し、兄がScylla達の占領軍に対する怒りを煽りたてる。


 その予定だったのだが、Scylla Autonomous Territory内の隠しhideoutを十数名のVampireに襲撃されてしまった。半分はSubordinate Vampireだったが、残りは全員空を飛び、高い水準でmagicを操るNoble-born Vampireだ。不意を突かれたRickは抵抗する間も無く仲間達も二人を残して皆殺しにされ、彼自身も囚われてしまった。


 このVampire達のleader格らしい、太いchinをした野性的な美形の男が笑いながら言った。

「後はこいつの兄を捕まえるだけね。生き残りの傷を少し治してあげなさい」

 Rougeが引かれているlipsで女の口調で言葉を紡いだ。Rickと生き残りの仲間は思わず目を丸くして彼を見るが、Vampire達は既に慣れているのか大した反応も見せず淡々と指図に従う。


 傷を治療されて動けるようになった二人は、青い顔をしながらもVampire達に対して気丈に振る舞った。

「俺達に何をさせるつもりだ、Goddessを裏切った獣共め!」

「お、お前達の思い通りには成らないぞっ! 必ずDelegation Leaderが俺達の仇を討ってくれる!」

 しかし二人の勇気を振り絞った啖呵は、Vampire達にとってお約束のギャグでしかないようだ。leader格のVampireも、気を悪くした-sama子も無く笑みを深くする。


「貴方達にはちょっとしたお仕事を頼みたいの。ラッキーよぉ、一仕事するだけで命が助かるんだもの。

 これから貴方達の大切なDelegation Leader -sanに伝えて、『大事な弟の命を助けたければ、指定した場所に一人で来い』ってね」

(狙いはやはり兄上か!)

 Rickにとって父親の違う兄、Raymondは兄以上の存在だ。


 Duke 家bloodを受け継ぎながらIllegitimate Childであるため冷遇され、しかし誰よりも高い才覚とcharisma性を併せ持つ、Sauron Duchyを治めるべき大器。

 このSauron DuchyAmid Empireに侵略された今の状況でさえ、Rickには兄を公peerageにつけるための天の采配だと思っていた。


 だからこそ兄の為なら汚れ仕事も何でもやって来た。originally Sauron Dukeから自治権を認められていながら、Duchyの為に戦おうともしないScylla達をRickは軽蔑していたが、自分を慕うよう口説いた彼女達を騙して殺し、死体を惨たらしく晒すのも、Scylla族をRaymondが公peerageを得るために利用するためだ。


 それはRickだけではなく、生き残った仲間達も同じ思いだった。

「ふ、戯けるな! このオカマbastard! 誰がDelegation Leaderを売るような真似を――がっ!?」

 激高して怒鳴り返した仲間の頭をVampireが大きな手で鷲掴みにした。


「元気な子は好きよ、ワタシ。好きすぎて……kiss markを付けてあげたくなっちゃうのよぉっ!」

 鷲掴みにした仲間の片方を引き寄せ、太く逞しいfangsthrust立てる。

「ぎやあああああああっ! ああああぁ………っ」

 絶叫が上がり、次第に小さくなっていく。そして動かなくなったそれを、Vampireは残り一人に成ったRickの仲間に見せつける。


「それで、あんたはどっちなの? ワタシのkiss markが欲しい元気な子? それともお仕事を頑張る素直な子かしら?」

 仲間のbloodで塗れて真っ赤に成ったlipstongueなめずりしながら問うVampireに、最後の生き残りは首が千切れんばかりに振った。縦に。


「や、やりますっ! お仕事やりますっ!」

「そう♪ 嬉しいわ。……さっさと行きなさい」

「はいぃっ!」

 脱兎の如く走り出す仲間の背中を、縛られ猿轡を噛ませたRickは見送る事しか出来なかった。


(兄上っ、間違っても助けに来るなよ! 私を見捨ててくれ!)

 この願いを兄が聞き届けてくれることを願って。


 だが、RaymondがどうするかはVampire達にとって問題ではない。既に走り出した仲間をVampire達の一人が尾行しているからだ。

 Raymondの居場所を確認次第、使い魔を通して他のVampire達に報告する手筈だ。


しかしMiles Rouge卿、あまりに性急ではないか?」

 Vampire達の中で最もRankの高い、Baronの位に在るおネェ系VampireMilesに他のNoble-born Vampireが尋ねる。

Gubamon -samaから言い渡された期限にはまだ余裕がある。Sunlightに身を晒す危険を冒してまで急ぐ必要があるのか?」


「あるのよ」

 handkerchiefで口元を拭き、最近お気に入りの口紅を塗り直してからMilesは答えた。

「あんたも砦の協力者から聞いたでしょ。一昨日、Hurricane Dragonの咆哮が響き渡ったって」

 Boundary Mountain Rangeの上空を縄張りにするHurricane Dragon。その咆哮はMountain Range近くのScylla族のAutonomous Territoryや、隣接したSauron Duchyの砦まで届く。


 発情期か余程の強敵と戦いでもしない限り、そこまでの咆哮は上がらないのだが……。


「それが何だ? Hurricane Dragonの発情周期なんて誰もaccurateには知らんのだ。偶然だろう」

「偶然ねぇ……ワタシは偶然よりも、Hurricane DragonBoundary Mountain Rangeを越えようとした強敵と戦ったから咆哮が上がったのだと思うのよ」


 Rickは頭上で交わされるMilesたちの会話を訝しげに聞いていた。Boundary Mountain Rangeを越えようとする者等存在するのかと。

 普通ならMilesの心配は、一笑に付される類のものだ。しかしVampire達は笑うどころか怯えた声を上げた。


「ま、まさかContinent南部の『Monstrosity』がここに来ていると言うの!?」

「そんな冗談だろう!? もしPure-born殺しの『Monstrosity』に遭遇すれば、我々の命は無いぞ! 冗談だと言ってくれMiles!」

「喚くんじゃないわよ! そう思うってだけよ、根拠は勘! ワタシのUnique skillWarning】だけよ! 後、仕事中はワタシの事は『マイ-chan』って呼びなさい!」


「それに何の意味が……?」

「ラッキーな事が起こるってjinxよ!」

(BAKANAVampireが怯えているだと、それにPure-born殺し? 『Monstrosity』とは、一体?)

 信じられない思いでVampire達のやり取りを聞いていたRickは、この先さらに信じられない事を聞く事に成る。


「正直言うとね、Gubamon -samaからこの命令を受けた時から【Warning】が鳴りっぱなしなのよ。だからもし、『Monstrosity』に出くわすような事があったら。ワタシの指示に従いなさい。

 これは今回の仕事で初めて顔を合わせた、あんた達を思いやっての提案じゃないの。あんた達がヘマするとワタシまで『Monstrosity』かGubamon -samaに殺されるから言うんだからね。信じなさいよ。

 いい、まずは――」




 『教えて、あの人が……Rickがアタシを殺したの?』


 【Visualization】の術で姿を見せた時とは違う、水滴が滴る濡れた姿のOrbiaが炯々と輝く瞳でRaymondを見つめながら問うた。

 明らかに雰囲気が異なる彼女に答えを告げないために、Raymondは自分の口を手でふさごうとしたが彼の首から下のbody partはまるで石に成ったように動かなかった。


「り、Rickが――」

「おいっ! 止めさせろ! 止めなければ後ろのScylla達に矢を射かけるぞ!」

 Raymondの部下が彼の声を掻き消すように怒鳴り声を上げる。彼等はVandalieuRaymondに【Mind Encroachment】を仕掛けている事をaccurateに理解した訳ではないが、このままでは拙い事態に成ると判断して独自に動き出したようだ。


 その怒鳴り声に反応して、他のResistance達もIntimidationではなく本気でWeapon EquipmentVandalieu達に向ける。森の中からは、微かに弓の弦が引かれる音が聞こえた気がした。


「ボク達を人質にでもしたつもり? 冗談じゃない!」

「その通りだ。私達をかweak乙女か何かと勘違いしているのなら、後悔するぞ」

 対人戦の経験こそ浅いが、Guard Scylla達はそれぞれDClass adventurerや平均的なKnight数人を一人で相手取れるし、Privelimmatureだがmagicの使い手だ。Resistance十数人総がかりで何とか互に戦える程の戦力である。


「我々の矢にはScyllaを一瞬で殺せる特殊な毒が塗ってある! 掠り傷一つ負えば即座に死ぬぞ!」

「う、嘘だっ! そんな毒、聞いた事もない!」

「我々が占領軍の研究所で極秘に開発されていた物を奪取したのだ! 貴-sama等が知らなくても当たり前だ。

 疑うならそこのGhostに聞くが良いっ!」


 だがResistanceの男の脅し文句に、Privel達の表情が強張る。掠り傷を負ったらそれだけで即死するというのは、野生動物やweak monstersしか相手にした事がない彼女達にとっては大きなプレッシャーだ。

「じゃあ、【Disinfect】」

 しかしVandalieuの呟きと同時に、辺り一帯に【Disinfect】のmagicがかけられた。彼を中心にして円形に広がる不可思議なManaに、Resistanceは全員が成す術も無く飲み込まれた。


「い、今何を……」

「念のためにこの辺りの毒を全て消しました。矢筒の中の矢に塗られたのも、懐のも全て」

「な、何だとぉっ、そんなBAKANA!?」

「それよりも、何でその毒の効果をOrbia -sanに聞くと分かるのですか?」

「っ!?」


 Resistance側から見たVandalieu達の戦力の中心である、Scyllaの動きを封じるために発した脅し文句だったが、そのために口を滑らせてしまった。


『もう一度答えて。Rickがアタシを、その毒でアタシを殺したの!?』

 鬼気迫るOrbiaの追及にRaymondは口の端を痙攣させて抵抗したが、結局は答えた。

「そ、そうだ。Rickが、籠絡したScyllaを人気の無い場所に呼び出し、"poisonous needle"を仕込んだ指輪を使って、殺害し、死体を晒すtacticsだった」


 一瞬時が止まった-samaに静寂が広がった。


『あっ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!』


 OrbiaSpirit Formを大きく歪ませ、sorrowと怒りが混ざった絶叫を上げる。


「こ、殺せ! 皆殺せ! Delegation Leaderを助けろ!」

「俺はOrbia -sanにかかりきりになるので、Raymond以外は一人を残して皆殺しにしてください」

 ResistanceVandalieu同時に指示を出し、動き出す。


「ぎゃばばばっばばっ!?」

「ごはっ!? ぐへぇ!」

 結果は一方的だった。


『あっひゃひゃひゃ!』

 Rapiéçageに感電死させられた元討伐隊の偵察兵KimberlyThunder Ghostと化した彼によってResistance達が黒焦げにされていく。

「ギシャアアアアアア!」

 Vandalieuから生える-samaに出現したPeteに串刺しにされたResistanceが、そのまま彼が【Charge】を続けたために、の木々とsandwichされて肉片に加工される。


「ま、monstersっ!? 一体何処から!?」

Delegation Leaderを連れて逃げろっ!」

 『新生Sauron Duke軍』のResistance達は、特にこの場に居るRaymond直属のmemberは、全員が腕利きだった。一人一人が最低でもDClass以上、半数以上がCClass adventurerに匹敵する精鋭達だった。


 Raymondが所属していたKnight団のKnight達という経歴から、構成が前衛職に偏っていたが対人戦では十分な戦力だ。

 だが突然強力なraceの異なるmonstersが出現して襲い掛かって来るという、想定外の事態に対応できる程の力は無かった。


 しかもCommanderであるRaymondが最初から行動不能になっている。彼の指導力に惚れこんで着いてきたmemberばかりだったため、彼に代わってCommandingを執る人物が咄嗟には出てこない。この場に副Delegation LeaderRickが居ればまだ別だったろうが。


 Raymondを守ろうとする者、monstersと戦おうとする者、VandalieuSlashかかる者、その行動はバラバラだった。


「えーい、【Rock Crush】!」

 Vandalieuに切りかかって来た者はPauvinaの鋼鉄製Maceと【Martial Arts】によって砕かれ、Blood SlimeKühlに飲み込まれる。

 道の左側ではPeteThunder Ghostがそれぞれ稲光を発しながら暴れまわり、右側ではPrincess Levia率いる炎のGhost達が木々と敵を灰燼に帰していく。


 ヴヴヴヴヴヴヴ。


 因みに、Vandalieu達の後方に展開していたResistance達はCemetery Bee達によって殲滅され、現在金属鎧も切断する丈夫なchinによって、肉団子に加工中である。もうすぐ卵から孵るQueen蜂のReincarnated Bodyへの食料作りの為に、彼女達はとても貪欲だ。


「ボ、ボク達必要だったのかな?」

「……わ、私達はあなたの護衛だから」

「キチチ」

 モフモフとしたfurを生やしたシープwormPainに護られているPrivel達は、呆然とした-sama子で事の成り行きを眺めていた。


 彼女達はVandalieuから今回のtactics……Raymond達を誘き出して真実を吐かせるtacticsについて説明された時に、既に【Insect Binding Technique】やPete達に関しても説明を受けていた。

 しかし、ここまで圧倒的な戦力差に成るとは思っていなかったのである。


「ところで、火事に成ったりは?」

『大丈夫です。範囲内の燃える物は全て燃やし尽くしましたから、延焼する事はありません!』

「そ、そう、なら大丈夫だね」

 自信満々なLeviaの背後には、燃やし尽くされた炭と灰だけの斜面があった。Resistanceが何人かそこには居たはずなのだが、boneが残っているかもPrivelには確認できなかった。


 そして呆然としたままのPrivel達にPauvinaが声をかける。

「お姉-chan達、油断しちゃダメだよ。まだ生きてる敵が居る間は、気を引き締めないと。勝ったと思った時が一番危ないんだよ。

 ザンシン、って言うの」


「う、うん。そうだね。気を引き締めないとね」

「ええ、油断は良くないな」

「ザンシン、ね。分かったわ」

 焦げ臭い匂いすら急速に薄れていく現実感の薄いLevia達の戦いの後とは違い、bloodと何かの破片がこびり付いたMaceを持ったPauvinaの生々しい言葉に、Privel達も現実感を取り戻したようだ。


「って、それよりOrbia -sanは!?」

 はっと我に返ったPrivelOrbiaの方に視線を戻すと、彼女はもう絶叫を上げるのを止めていた。

『コロシテ、ヤル!』

 その姿は生前や力を持たないただの霊だった頃とは大きく変わっていた。


 上半身や顔は肌が濡れている以外は変わっていない、しかし長く伸ばしていた髪やlower bodytentacleが液体に代わっていた。

 それに飲み込まれたRaymondが、ゴボゴボと口や鼻から泡を出している。


「ふぅ、originally GhostだったPrincess Levia達の時よりManaを多く使ったような気がする。

 あ、気が済んだら止めてくださいね。それはまだ使うので」

『どうしてっ!? だってこいつのせいで……っ!』

Rickって人を野放しには出来ないでしょう?」


『それは……そうだよね。分かった』

 Orbiaが液体のtentacleを一振りすると、ゴミのようにRaymondが地面に転がった。白目を向いたままで、ゲホガホと咳き込みながら水を吐いている。


 意識は殆ど無さそうだが、念のために手足を糸で縛る。

「俺の目を見て勧誘しようとしたのが、間違いでしたね」

 RaymondMental力は平均よりも強かった。強靭、と評しても問題無い水準だった。その彼をVandalieuが短時間で【Mind Encroachmentskillで洗脳できたのは、彼自身がVandalieuを説得しようと彼に集中したからだ。


 余程Vandalieuを仲間に加えたかったのだろう。彼の挙動全てに注意を払い、集中していたため逆に【Mind Encroachmentskillの効果をまともに受けてしまったのだ。

 目を合わさずただ話しかけるだけなら、殆ど効果は無かったろうに。


「貴-samaっ! よくもDelegation Leaderを、皆を!」

 そこに、Peteが生け捕りにした一人の服を咥えて運んでくる。脚が曲がってはいけない方向に曲がっているが、怒りで痛覚が麻痺しているのか、screech一つ上げずにVandalieu達を睨みつけてくる。


Raymond Delegation Leaderは、Resistance運動の要なんだぞ! Delegation Leaderを殺す事が占領軍を喜ばせるだけだという事が分からないのか!?」

「だから殺すのはとりあえず止めたじゃないですか」

「とりあえずだと!? 今すぐ解放しろっ! 貴-samaScylla族に肩入れするあまり、大局的視点を失っているのだ! 小さな犠牲を惜しむあまりっ、大勢の人々を――」


「……ぺろーり」

「にゃ、にゃにをするす………かへ」

 伸ばしたtongueで見開いていたeyeballを舐めてやると、男はへにゃりと地面に突っ伏した。


「こ、殺したの?」

「いえ、面倒だったので動けなくなる毒を目から投与しただけです。動けないだけで、意識もしっかりあります」

 会話する時間が無駄にしかならないと思ったVandalieuは、tongueをしまうと動けない男の耳元で囁いた。


「貴方にはこれから一仕事して貰います。hideoutに帰って、Raymondの命が惜しければRickDelegation LeaderScylla連続殺人事件に関わった団員は、全員指定の場所まで来るようにと伝えてください。

 場所は――」

 【Mind Encroachmentskillでその仕事を果たさなければRaymondが殺されると思い込まされた男は、Vandalieuに毒を解毒され、脚のbone折を治された途端走り出したのだった。


 体内に位置をPursuitするためのparasitesInfest植物を埋め込まれている事には気が付かずに。更にその上空には、使い魔のLemureが数匹浮かんでいる。


「他のResistanceの霊や、Raymond本人からhideoutの場所は聞きだせますけど、そこにRickが居るとは限りませんからね。仲間に呼び出してもらうのが一番いいでしょう」

『そっかっ、生餌って生きてないと役立たないもんね! Van -kun、チョークールっ!』


「クールって言うか、ちょっと卑怯なような……でもmountain banditを捕まえるのに良く似たような事するから良いのかな。

 でも、あのRickって人来るのかな?」

 PrivelVandalieuの手口に若干考えてから同意して、更に疑問を口にするがGuard Scyllaの一人が「大丈夫でしょう」と保証した。


「私も彼……奴をappearance以上には知りませんが、このRaymondは奴らのResistance organizationにとって要の人物の筈。単純に指導者だからではなく、Human社会ではDuke 家bloodを引く人物であるというだけで代わりが他に居ないはずです。

 簡単には見捨てないでしょう」


「そういうもん、なの?」

 あまりblood統主義に馴染みの無いScylla族のPrivelには、すぐ理解できない話である。しかし、実際にRaymondSauron Duke 家bloodを引く人物である効果は大きい。


 民衆にとってのsymbolとしての効果や、Elective KingdomNoble達への説得力、そして彼らが『新生Sauron Duke軍』と名乗っている根拠にもなっている。

 Raymondを失った瞬間、『新生Sauron Duke軍』にどれほどのorganization力が残っていても彼等は凡庸な反抗勢力に落ちぶれてしまうのだ。


『それにあの人……あいつ……Rickは、兄のこいつを凄く慕ってるから、見捨てるって事は無いと思う。どんな話でも、何時の間にか兄上がどうとかって話になるし』

Orbiaお姉-san、それブラコンが過ぎると思う」

『あの時はっ! お兄-san思いの良い人なんだなって思ったのよ~っ!』

 Pauvinaの正直な一言に、水滴を振り散らしながら絶叫するOrbia。まだ情緒不stabilityなようだ。


『あとっ! Rickの奴はこいつと種違いのbrothersだから、Duke 家Illegitimate ChildRaymondだけだから! あいつはこいつの代わりには成らないから!』


「じゃあ、まず間違いなく何かreactionは返ってきますね。

 とりあえず一旦Periveil -sanの所に戻って、それから待ち合わせの場所……キャンプ地まで行きましょうか」




Name: Orbia

Rank:

Race: Water Ghost

Level:


Passive skills

Spirit Form:5Lv

Mental Corruption:6Lv

Water Attribute Nullification

Liquid Manipulation:5Lv

Materialization:5Lv

Augmented Mana:2Lv


Active skills

Unarmed Fighting Technique:2Lv

Fishing:3Lv

Housework:2Lv

Dancing:4Lv

Projectile Fire:1Lv


Unique skill

Merrebeveil’s Divine Protection




Monster explanation:Water Ghost


 水辺で深い未練や憎しみを抱えたまま死んだ霊が変化すると言われるmonsters。古くから水辺は霊が集まると伝えられる理由の一つであり、DungeonDevil Nests以外で目撃されたGhostの上位種の中では特に件数が多い。


 主な攻撃手段は犠牲者を水辺に引きずり込んで、若しくは液体化している自分のbody partの一部を使用して溺死させる。又、強力な個体は液体化したSpirit FormProjectile Fireして飛び道具とし、Water-Attribute Magicを使いこなす。

 その性質上多くの個体が生前のMemoryを持っているが、それは抱えている未練や恨みに関する事だけでそれ以外は忘れている場合が多い。


 また人格は大きく歪んでおり、自分の同類を増やすために無差別に襲い掛かる個体も少なくない。そのため、生前からの知人でも説得はほぼ不可能である。


 愛する者に殺され死体をきちんと葬られる事無く水辺に捨てられた霊から変化した個体は、特に凶暴で尚且つ強力に成ると言われており、恐れられている。


 Orbiaの場合生前のMemoryをほぼ維持している。更にUndeadでありながら神's Divine Protectionを所有しており、既にVandalieuの【Guidance: Demon Path】のimpactも受けているため、通常の個体よりも遥かに強力な存在と成っている。


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