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Chapter 107: ラッキースケベとはsuction cupsである

 Yamataは九本の首を持つHydraとしてはtop classの個体の死体から作られたUndeadだ。

 この事から分かる-samaに、彼女の主体はHydraであって、それぞれの首と繋ぎ合わせた美女の上半身は飾りでしかない。


 それぞれの上半身で別々の言葉を話し、それぞれ別のfive sensesやそれなりの思考力を持ち、歌を歌う事やbody partをくねらせる-samaにしてdanceを踊る事が出来るが、彼女のmain bodyは首の根元であるHydraなのだ。

 originallyHydraとはそうした生体のmonstersだ。複数の頭部全てに脳があるが、それはその頭部と首の動きを補助するためのサブ脳で、全体の思考やbody partの制御を司るmainの脳は首の根元に在るたった一つだ。


 それはUndeadに成った今でも変わらない。


 ただ【Parallel Thought Processingskillを持つので首毎に別々の作業が出来る為、YamataVandalieuの秘書に抜擢されている。【Out-of-body Experience】や【Spirit Form Transformation】で分裂してデスクworkを行う彼からすると、九人の秘書を使うよりも効率が良かったのだろう。


 ただ、Yamataはそれぞれの上半身のappearanceとは裏腹に知能はそこまで高くない。何故なら、Hydraなのだから。

 竜種ではWyvernの次に下位に位置するHydraは、成長しても知能はそれ程高くならない。詳しく検証された事はないが、狼と同じくらいではないかと考えられていた。


 だがYamataVandalieuの【Surgery】や余暇で行われたlevelling、日々の訓練(Training?)の結果、幼児程度には言語を理解するようになった。


Resistanceは助けてください」

 そうVandalieuから指示されたYamataは、キャンプ地の周囲を見回りながらResistanceは何だろうかと考えていた。

 monstersnameだろうか? 花か? 鳥か? 助けると言うからには、石や土じゃないとは思うけれど。


 YamataResistanceを見つけたら助ける事は理解したが、何がResistanceなのかは理解していなかったのだ。

 これはVandalieuが迂闊だった。Yamataが人の上半身を持っているので、彼女に人と同じ程度の知識がある事を前提に考えてしまったのだ。


 そしてYamataは見た事が無い十数人の男女を見つけた。そして、彼らは自分達の事を「Resistance」だと名乗った。「助けてくれ」、「匿ってくれ」と。

 なので「助けて」、「匿うために」連れてきた。


 そしてYamataと少し離れて見回りをしていたRapiéçageは、Resistanceを狙っているらしい不審者を見つけて【Electrifyskillで感電死させた後、彼女と一緒にResistance達を連れてきた。Vandalieuへの伝言は、不審者の霊に頼んだ。

『れじすたんす』

『かく、まうぅ』


「なるほど、何が在ったかは大体わかりました」

 Bellmondは、それぞれの上半身で一人から二人の男女をholdstopい絞めにして拠点に連れ帰ったYamataと、謎の感電死した男の死体片手に戻ってきたRapiéçageから、たどたどしい説明を受けて、大体の事態を把握した。


 二人が連れて……捕まえて来た『Resistance』の男女、十数名。涙や鼻水で顔がベタベタで、股間が濡れている者も何人か。そしてhorrorに耐えきれなかったのか、全員白目を剥いてfaintedしている。


『きっと、よっぽど怖かったんですね』

 Salireがしみじみとした口調で、実は偽ResistanceHaj達に同情する。


 彼等が本当に怖かったのはYamataRapiéçage達だろうが、YamataRapiéçageはそう認識しない。

 「殺さないで」「死にたくない」と、必死に助けを求められているように解釈したはずだ。

 だからVandalieuの指示に従って、助けるためにここまで連れて来たのだろう。


『ヂュォ、ここに辿り着いた途端faintedしてしまいました。緊張の糸が切れたのでしょう』

maybeですが、Bone Manを見たのが止めに成ったのでしょうな』

 Yamata達を出迎えたBone Manが気の毒そうに言うが。真実はSamの言う通りだった。


 monsterに捕まって連れてこられたのは、謎の建造物。そして出迎えるのはSkeleton

 これはfaintedしたHaj達を責められない。

『私達が出迎えれば良かったですね。ようこそ~♪ って』

『まあ、気休めにはなったかもしれませんね』

 少なくともfaintedさせずにHaj達を迎え入れ、そのまま話を聞く事は出来たかもしれない。


『それで、どうします? この人達』

 一転して真面目になったRitaに尋ねられて、Bellmond達は困ったなと暫し黙考した後答えた。

「とりあえず、Resistance-samaですし……武装解除とinjureの治療をして、幾つかのroomに分けて休ませましょう。起きたら、とりあえず食事を出して私が話を聞きましょう」

 その前に、失禁している方は着替えさせるべきですかと、Bellmondは大仕事になりますねとtailを左右に小さく振った。


 もしHaj達に意識があれば、言動から彼らが偽Resistanceだと見抜いたかもしれない。だが全員faintedしているので、多少怪しいなとは思ってもとりあえずResistanceだろうと思って匿うしかなかった。

 Resistanceの身分を証明する証明書なんて存在しないのだから。


 侵略者から故郷を救うためResistanceに身を投じた者達にしては度胸が無いなとは思うが、人と戦うのと正体不明のmonsterと戦うのは、色々必要な心構えが異なるのだろうし。

 それに、何も占領軍とゲリラ戦で戦う事だけがResistance活動ではない。もしかしたら彼らは、戦闘力に乏しい情報戦専門のResistanceなのかもしれない。


 Resistanceじゃないかも知れないと見捨てるのは何時でもできるが、それをした後「実はResistanceだった」と解ったら手遅れになってしまう。

 それに拠点の場所は知られてしまった。


『どの道、ここまで連れて帰ってきた以上外に放り出す訳にもいきませんもんね』

『ですな。SalireRitamaleの方は私に任せなさい』

『はーい』


『なんだか、こうして見ているとVandalieuがおしめを替えるのに苦労していたのを思い出すわね』

Darcia -sama、それは忘れて差し上げた方が良いかと』


『おおぉぉぉぉぉん』

『ぎしいぃぃぃぃぃ』

 ガラガラと音を立てて、開いていた拠点の門が堅固なboneの壁に変化する。そしてその前にEisenImmortal Entが立ち塞がった。


 こうしてHaj達は望み通り助けられ、難攻不落の砦に匿われたのだった。




 Vandalieuが、YamataRapiéçageHaj達を助けて連れ帰った事を知ったのは、Priveltackleを受けて川に落ち、whole bodyずぶ濡れになった為服をPrincess Leviaの炎で乾かしている途中だった。

 suction cupsの痕がちょっとヒリヒリする。


 Orbiaの霊から事情を聞いたPrivelは、Vandalieuが特殊な【SpiritualistJobに就いているので、UndeadTamerできるのだと解釈したらしい。

 そう誤解するよう、続いて姿を現したPrincess LeviaPrivelに説明したのだが。


 そしてPrivelOrbiaが話している間に、VandalieuRapiéçageに感電死させられた偵察兵の男の霊から話を聞き出した。

 偵察兵の男はScylla族のAutonomous Territoryとの境目にある砦に滞在している、Amid EmpireResistance討伐部隊の所属で、わざと逃がしたResistance(Haj達)をPursuitし、hideoutを見つけようとしていたらしい。


『じ、自分の後方に、もう一人居たはずなんで、今頃、砦に戻っている隊に、自分がやられた事を報告しているはず、ででです。討伐隊の規模は、五十……六十? 五十? おっ? おあはへええええっ!』

 蕩けるような表情と目で仲間の情報を売る偵察兵の霊だが、そのMemoryも蕩け始めているらしい。まだ聞きだしたい事が有るのでManaを注いでSpirit Formを保てるようにすると、妙な歓声を上げた。


(【Demon GuiderJobに就いてから、Manaの質が変わったのかな? 前よりも反応が極端なような……まあ、効果が落ちた訳じゃないなら良いけど)

 若干霊の歓声に引きながら尋問を続けると、討伐隊のchain of commandや人員、砦に居る守備隊の規模まで分かった。


 結果、討伐隊ではKnochenの守りを突破できないだろうと確信する。それどころか、Bellmondを筆頭にRitaSalireBone Manが居れば難無く撃退できるはずだ。

 駐屯している砦の方もVandalieuが適当に【Dead Spirit Magic】と【Telekinesis】砲を乱射すれば数分とかからず瓦礫のに変える事が出来るだろう。


『でも、その後私達がTalosheimに戻った後大規模な討伐隊が派遣されて来たら、Resistanceの人達やPrivel -san達が大変ですよね』

「そーなんですよねー」

 野良monstersの群れなら全滅させれば終わりだが、Humanの国相手だとそうも行かない。


 いきなり大量の軍が派遣される事は無いだろうが、精鋭の調査teamが派遣されるはずだ。そのteamには、AClass以上のadventurerや、相当の存在が含まれるかもしれない。

 その頃にはVandalieu達はここに居ないだろうが、それでSauron領を解放するために戦っているResistance達が迷惑を被るのは心苦しい。


 あまりに無責任だろう。


『でも、私達がここに留まって戦い続けるのも難しいですし』

「そうなんですよね。下手に活躍すると、それはそれでResistanceの人達にとって迷惑かもしれないし」

 無責任だから一緒に戦い続けるという選択肢も、取りづらい。なんといっても仲間の殆どがUndeadだ。Vida教徒はUndeadに寛容だが、それは「自意識を持っているなら問答無用で討伐するのではなく、成仏するよう促そう」と言う寛容さだ。


 無条件に親しむ類のものじゃない。実際、野に出現するUndeadは人にとって他のmonsters-samaに危険な存在なのだから。

 そんな危険なUndeadResistanceと一緒に戦っている。それをAmid Empire側に知られたら「Resistanceは邪悪なGodsに魂を売った!」と説得力抜群のプロパガンダを流されるのではないだろうか?


 それにVandalieuが目立ち過ぎると、打倒『Second Coming of the Demon King』だのなんだのと騒ぎだして、worldの為に国の垣根を越えて『Thunderclap』のSchneiderや『Blue-flame Sword』のHeinz等、SClass adventurerが集結しかねない。

 Heinz一人だけなら敵討ちのchanceだが、他のparty memberに加えて他のSClass adventurerまで来たら逆にピンチだ。


 ……Schneiderは実はVida believerallyに成り得る人物なのだが、Vandalieuはその事を未だ知らなかった。


 だからと言って、Yamata達がrescueしたResistanceを放り出すか、闇に葬るのは人道上問題がありすぎる。では現実的な選択肢というと……。


「討伐隊が来たら何人か生け捕りにして俺が洗脳、UndeadにやられたようにMemoryを改竄。殺した方をUndead Transformation

 最初に洗脳済みの生き残りを放流した後、KnochenSkeletonを数十体分混ぜて砦に向かって放流すれば、占領軍も野良Undeadの仕業だと思うかな?」


 全員生け捕りにして【Mind Encroachmentskillで洗脳するという選択肢もあるが、VandalieuはこれからScyllaの集落に行かなければならない。

 その間に討伐隊がキャンプ地に辿り着いてしまったら、これが妥当だろう。


『まあ、maybe大丈夫じゃないでしょうか。普通、SkeletonZombieの行動を分析しようとはしないでしょうし』

 Princess Leviaもそう言ってくれたので、Vandalieuは紙に伝言を聞いた旨と返事を書いて、こっそり虫Undeadにそれを運ばせる。


「じゃあ、そろそろ出発しよう。あれ? この季節にカブト虫?」

 Orbiaとの話も纏まって、Scyllaの集落に案内して族長である彼女の母に会わせてくれる事になったPrivelが、飛んで行く虫Undeadを見て目を瞬かせる。

「他の虫と見間違えたんじゃないでしょうか」

 これからは伝言を持たせる虫Undeadを選ぶ際には、季節感を忘れずに選んだ方が良さそうだ。




 Scyllaの集落は、の麓にある沼地に小屋を建てる形で作られていた。

 沼の岸には見た目よりもlower bodytentacleで体重があるScylla用のしっかりした小屋が、そして沼に浮かぶボートHouseっぽい建造物が集落に暮らすHumanBeast race達用の住処らしい。


 邪推するとまるでScyllaが男達を軟禁しているようだが、実際には彼らはScyllaに守られているのだ。

「この辺りはDevil Nestsが無いから、沼地の奥に居れば安全なんだよ。外に出たいときはボートを漕いだり、ボク達が運んだり、何なら自分で泳いでも良いしね」

 そう言う事らしい。


 因みに、沼地ならcrocodile等はいないのかと思うが、「いるよ、美味しいよね」との事だ。ScyllaHunterの主な獲物になっているらしい。

 他にも魚を獲り、子牛程のCapivaraっぽい大型げっ歯類やカモ等を畜にしてScylla達は生計を立て、主神であるVidaScyllaHeroic GodであるMerrebeveilを信仰して暮らしているそうだ。


「カモも欲しいなー」

「あの大きなmouseも美味しそうだよ、Van

「そっちも分けて貰いたいですねー」

「でも、きっとTalosheimで育てたらmonstersに成っちゃうね」

「肉質とか変わっちゃいますかねー」


 ほのぼのとGiant Capivaraやカモの養殖風景を眺めるVandalieuPauvinaの横で、Privelは槍と甲殻製の鎧で武装したScyllaGuard達にお説教を受けていた。

「勝手に抜け出してっ! 練習したいのは解るけど、今は危ないんだからね!」

「せめて私達に護衛を頼め!」

「ご、ごめんなさい。でも聞いて、もしかしたらOrbia -san達を殺した犯人が解るかもしれないんだよっ!」


「それは……そっちの大きな女の子……子よね? それと関係があるの?」

 Guardのお姉-san達も、Privelが連れ帰ったPauvinaVandalieuには気が付いていた。Princess Leviaは騒ぎを起こす事を避けるために姿を消していたが、二meterGiant Shoujoが只者であるはずがないと思われたようだ。


 やや躊躇いがちにPauvinaに視線を向けるが、Privelcorrectionする。

「ううん、小さい方」

「小さい方? え、それ生きてるの!?」

「てっきり人形かと……」

 ナチュラルに酷い。Pauvinaに両手で持ち上げられているが、口は聞いているのに。


「どうも、Vandalieuと申します」

ImoutoPauvinaです!」

「い、Imoutoなのね」

 とりあえず驚かれはしたが、Fortuneにも嫌悪はされなかった。


 Scyllaの集落では-sama々な混blood児が生まれる。この集落では今は居ないが、過去には上半身が小柄なDwarfだったり、逆にGiantGiant raceだったり、中には頭に獣の耳を生やしたBeast raceScyllaが存在したらしい。

 集落で暮らすHumanの方も、Human社会に適応できなかったHalf-Elf等が居る為、多少変わった見た目でも差別の対象にはならないそうだ。


 後、ScyllaSlightly Vandalieuの【Demon Path Enticement】の効果を受けるらしい。lower bodytentacleなので「這いずる」と言う事で【Insect User】の範疇に入るのかもしれない。……もしかしたら装備できるのだろうか?


 流石にPauvinaは目立つので、気にしないと言うのとは無理だが。


 そしてPrivelVandalieuを特殊な【Spiritualist】で事件解決に協力してくれるとintroductionして、族長の所まで連れて行った。

 族長は最初、幾ら娘のintroductionでもとやや懐疑的な-sama子だったが、Orbiaの霊をVandalieuが【Visualization】で見せると、その-sama子は一変した。


「お、Orbia、あんたっ……あんたぁっ……うわ~んっ!」

『うわっ! 族長まで何やってんの!?』

「とう」

 感極まってOrbiaの霊に抱きつこうとする族長。何となくそんな気がしたので、咄嗟に逃げるVandalieu


 小屋の壁をブチ破って沼にダイブした族長。「か、母さ~んっ!」と声を上げるPrivel。「何事!?」と飛び込んでくるGuard Scylla達。

Scyllaの人達って、抱きつくの好きなのかな?」

「感激屋-sanなのかもしれませんね」

『そういえば、アタシ達ってハグするの好きなんだよね。familyや友達なら、挨拶にハグするし』


 この会話の直後、Orbiaとの再会に感極まったGuard Scylla達が彼女に抱きつこうとして擦り抜けてしまい、その向こうにいたVandalieuごと族長の後を追った。

Van~、油断しちゃダメだよー」

 bloodthirstの無い、受けても死なない攻撃には隙が多いVandalieuだった。


 本日二度目の美女のlower body塗れ(tentacle)を体験したのだった。




「コホン、恥ずかしい姿を見せたね」

「「失礼しました」」

「いえいえ、気にしないでください」

 咳払いをするScyllaの族長と、謝罪するGuard Scylla二名、そして謝罪を受け入れる、頬や額がsuction cupsの痕だらけになったVandalieu


 そして謝罪が済むと、Guard Scyllaの二人は族長のにこれ以上誰も入って来ないよう見張りに行った。

「これ以上濡れたらVanが風邪ひいちゃう」

『私が乾かすにも限度がありますし』

「そもそも、話が進まないよ」

 という事情で、一先ずOrbiaの霊の存在は箝口令が敷かれる事になった。


「それにしても、まさか【Spiritualist】がOrbiaの霊と再会させてくれるなんてね。最初この子から聞いた時は半信半疑だったけど」

 族長でPrivelの母親のPeriveilPrivelを大人にして、胸を三倍程膨らませて、tentacleを一回り大きくして、全体的に艶を増したらこんなfemaleに成るかもしれないという二十代半ばぐらいのfemaleだ。


 Scyllaはある程度でappearanceAgingが完全に止まるらしいので、ちょっと見ただけではsisters-samaだが、やはりchildが十二人も居ると雰囲気に落ち着きが出てくるようだ。

 その落ち着きも先程の行動を考えると完全じゃないようだが。


Hurricane Dragonの咆哮が聞こえた次の日に、PrivelGiant raceBeast raceのハーフの女の子と白いchildを連れて来たって聞いたから、もしやとは思ったけど」

「それはどういう事ですか?」

「いや、皆には黙ってたけどMerrebeveilからOracleがあってね」


 Periveilは集落の族長であると同時に、ScyllaHeroic God Merrebeveilからblessingsを受けているClericでもある。

 そのMerrebeveilから彼女は以前、『白いHalf-Vampireを迎え入れよ』とOracleを受けていた。

「それが俺だと」

「そうさ。Dhampirを見るのはあたしも初めてだけど、あんた見事に真っ白じゃないか」


 そんな理由もあってPeriveilVandalieu達を迎え入れてくれたらしい。

 彼女はVandalieuが何処から来たのかも、察しがついているらしい。Hurricane Dragonの咆哮が聞こえた翌日姿を現したので、Boundary Mountain Rangeの向こうから来たのかもしれないと。

 何にせよ、Heroic Godが態々Oracleを下す程なのだから只者ではないだろうと。


「それでOrbia、何であんな所に一人で居たんだい? 何か覚えてないの?」

『その、何であそこに居たのかは言えないんだ。それに、どうやって殺されたのか全く覚えてないんだ』

「言えない? ああ、誰かとの逢引か」

 PeriveilはすぐOrbiaの事情を察したようだ。もしかしたら、Scyllaでは珍しくないのかもしれない。


しかし思い出せない、か。まあ、手がかりが無いのは残念だけど、その方が良かったかもね」

『……相当酷くやられたんだね、アタシ。

 族長、それよりアタシと一緒に殺された人は居る? それとアタシの死体、指輪を嵌めてなかった?』


「いや、あんたの遺体を見つけた場所には他の遺体は無かったよ。それに、指輪もしてなかった」

『そう……』

 loverの死体は発見されていないようだが、まだ無事が確認された訳ではないので安心できない。何処かに連れ去られた後、殺されたかもしれないからだ。


「その-sama子だと、あんたの良い人はこの集落の顔見知りじゃなさそうだね。坊やは何か解るかい?」

「少なくとも、Orbiaを見つけた沼の周辺に人の霊は彼女以外に居ませんでした」

 近くに居たらVandalieuの【Demon Path Enticementskillに惹かれてやって来るはずなので、それは確実だ。


 だからmaybe Orbialoverは生きている可能性が高いとVandalieuは思っているが、既に霊がReincarnationの環に還っている可能性もあるので迂闊な事は言えない。


「そうかい、ならとりあえず大丈夫だろう。そのloverも人気のない池で逢引するぐらいだ、それなりに心得があるんだろ?」

『そりゃあもうっ! あの人の剣の腕ったら――』

Orbia -san、良いの? あまり話すとボク達特定しちゃうよ」

『おおっとっ、マズイ!』


 安心したのか、Orbiaの表情から憂いが消える。そして同じようにPeriveilPrivelの表情も明るくなった。惨い殺され方をしたらしいOrbiaが、生前の彼女のままだった事に安心したのだろう。

 殺人事件の新しい手掛かりが無いのは残念だが、誰しも知り合いが悲哀に沈み、憎悪に歪んだ顔は見たくないのが人情だろう。


「殺人事件について話してもらえますか?」

「ああ、少し長い話になるよ」

 Periveilによると、このScyllaAutonomous Territoryではここ半年ほど各集落でScyllaが一人で居る所を襲われて殺される事件が起きているそうだ。狩猟や採集に出かけたり、得物を深追いして仲間と逸れたり、何時の間にか居なくなっていたScylla達が、翌日変わり果てた姿に成って晒されているらしい。


 その晒し方がほぼ同じなので、同一犯ではないかと各部族では考えられている。

 既に犠牲者はOrbiaを入れて、五人。彼女で全ての部族で一人ずつ殺された事に成る。


「一応犯人の目星はついてる。Empireとの和平案に納得できない、Aldaの過激派じゃないかってね」

「和平案?」

accurateに言うなら、不可侵条約ってところかね。ここがSauron Duchyだった頃に納めていた税よりも若干高い税を納める代わりに、あたし達の自治権を保証するって向こうは言って来てるのさ。

 certainlyVida -samaMerrebeveilへの信仰もそのままでね」


 意外な事にAmid EmpireScylla達を武力制圧し、圧政で苦しめようとはしていないらしい。Periveilによると、直接彼女が見た訳ではないが元Sauron Duchy全土で同じ事が言えるのだそうだ。


 栽培する作物を麦に変えさせようとせず米のままで良いと保証したり、税をSauron Dukeが納めていた頃と同じにしたり、高すぎる地域では下げた事もあった。

 Vidaへの信仰も改宗を促しはするが、収容所に監禁したりTortureにかけたりするような事をしているとは聞かないらしい。


「てっきり、『EmpireLoyaltyを誓わない者は人に在らず』って虐殺してるかと思ったのにね」

Church of Vidaを守ろうとするbelieverの人達ごと打ち壊したり、反抗的な人々に鞭を打ってAldatempleを建立するための強制労働を強いているものとばかり』

「……あんた達があたし達以上にEmpireを嫌ってる事は良く分かったよ」


 PauvinaPrincess Leviaの言葉に、Periveilだけでは無くPrivelも若干戦く。

 因みに、PeriveilPrincess Leviaに関しては納得済みである。「驚いた、【Spiritualist】ってUndeadTamer出来たんだね」と。

 実際には違うのだがOracleもあるし、目の前で特殊な【Spiritualist】の少年がPrincess Levia-samaな会話も普通に出来るUndeadを連れていたら、そんな物かと納得してしまう物らしい。


 それに、Scyllaには【Demon Path Enticement】がUndeadや霊等と比べると大分控えめだが有効だ。好印象を抱いてくれるので、あまり疑わずに信じてくれる。


「まあ、そんなもんですよね」

 そしてVandalieuPeriveilの話に、そう納得していた。Empireが圧政や虐殺を行っている場合もあるかもしれないと思っていたが、それ以上に程々の条件で占領conditionを維持してそのまま領土化しようとしている場合もあると思っていたからだ。


 Empireやその属国の民をSauron領に大量移住させるような事が出来ないなら、領地を維持できるよう程々に抑えるしかない。


 それに神が現実に存在するとハッキリしているこのworldでは、あまり無体な事をしていると雲の上から制止がかかる。Sauron Duchyの住人がTalosheimのようにVida's New Racesだけだったら違っただろうが、住人はVidaを信仰している者も多いが、HumanDwarfElfもいる。少数だが、Aldaworshiperも居ない訳では無かったろうし。


「でも皆-sanに対するdemandが穏健なのが解せません」

「それはね、色々事情があると思うんだけど……まあ、攻めても割に合わないからかな」

「ボク達のAutonomous Territoryってが多くて平地は少ないし、池や沼が多いし、人だけで攻め込み難いし、暮らすには不便だからね」


 Boundary Mountain Rangeに接しているこのScyllaAutonomous Territoryは、殆どが岳と湿地帯で構成されている。

 そしてScyllaは見た目通りMarshlandsunderwater On Waterでの戦いが得意だ。更に、見た目と違って陸上でも不自由無く動ける。それどころか、斜面では脚が八本もあるため、二本脚の人よりも余程stabilityしている。


 そして基本的に強い。

 生まれつき【Mysterious Strengthskillを持っているので、lower bodyの長いtentacleを振り回すだけで普通のSoldierには十分過ぎる脅威なのだ。

 body partも大きく素のconditionMountしている-samaconditionなので、槍を持たれたら歩兵では抑えるだけで五人は必要だ。


 しかも Scylla族はcrocodile相手の狩猟でも使用する【Unarmed Fighting Technique】等の武術系skillを全ての者がある程度修めているので、非戦闘員が幼いchild以外存在しない。

 止めは、弱点らしい弱点が無い事だ。一見すると人と変わらない上半身が弱点にも思えるが……その細腕もしっかりと【Mysterious Strength】と【Unarmed Fighting Techniqueskillの効果内だ。

しかも、人と同じ形の手をしているので弓でも槍、剣でも器用に使いこなせる。


 そして恐ろしい事に、ある程度ならlower bodytentacleは勝手に動いてくれるらしい。だから、上半身の腕で構えた弓矢で遠くの敵を狙いつつ、lower bodyで近くの敵を絞め殺す事が可能なのだ。

「わぁっ、同じにょろにょろでもVantongueより凄いんだねっ!」

『いや~、あれもあれで凄いと思うけど』

「え、tongue?」


「それはin any case、説明を続けてください」


 そしてこのAutonomous Territoryで生活しているScyllaは五つの集落で合計すると約五千人。攻め落とすには単純計算で歩兵が二万五千人以上の戦力が必要だ。

 そんな莫大な軍事費を投じ、犠牲を出して手に入った土地で確保できるFarming用地は岳と沼や池が多い為少なく、暮らすには想像を絶する大規模な開拓を行うか、Fishingでの狩猟と採集に頼らなければならない。


 農地ではScylla棚田もあるが、あれはKnowkowが無いと維持できない代物だ。


 更にDevil Nestsも危険なBoundary Mountain Rangeを登る以外では、大きなMarshlandsの真ん中にしか無いそうだ。Dungeonも一つあるが、内部は全て沼地や川、大きな湖などScyllaでなければ攻略が難しい構造になっている。よって、monstersDungeonの産物で生計を立てるのも難しい。


 よって、Empireにとってmonstersrootsを持つVida's New Racesを討伐する事を是とするAlda templeの関係者を満足させる以外、このAutonomous Territoryを攻め落としても利益に乏しいのだ。


 交渉で済ませようとする訳である。


 そしてPeriveilはこの和解案に納得できない過激なAlda believerが、自分達をProvocationして和解案を自主的に蹴らせるために殺人事件を起こしているのではないかと考えているようだ。

 DClass adventurer相当の手練れが数人居れば、一人で居るScyllaを始末する事は可能だ。


「でも、将来的にはdemandする税を更に釣り上げるなど、色々仕掛けて来るのでは?」

「まあ、そうだろうね。集落同士の連帯をバラバラにするとか、色々企んでいると思うよ。それは皆分かっているけど、正面から反抗して、Empireをその気にさせたら最終的には全滅だからね。表向き和解案を飲んで、時間を稼いでいる間に移住する場所を探すとか色々するさ。

 もしかしたら、Orbaum Elective KingdomSauron Duchyを奪い返してくれるかもしれないしね」


 Periveil達はAmid Empireへの警戒心を捨ててはいないようだ。彼我の戦力差を認めつつ、最終的に生き残る道を模索している。

 ただ、それにしてはoriginally自分達が属しているはずのOrbaum Elective Kingdomへの期待感が薄い-samaVandalieuには感じられた。


 Scylla族にとって、Elective Kingdomは祖国ではないのだろうか?


「それで、種籾やカモ、Huge Capivaraの番を報酬に事件を調べてくれるそうだけど、今日はどうする? そろそろ日も暮れるし、他の犠牲者の遺体が見つかった場所はfrom hereじゃ少し遠いよ」

「じゃあ、Orbia -sanの遺体を見せて貰えませんか? 残っているならですけど」


「ああ、大丈夫。あたし達は沼葬だからまだ残ってるはずだよ。Orbiaが見つかったのは、五日前だし。

 でも……見るのかい?」

 かなり惨い事に成っている事を言外に告げながら、PeriveilVandalieuに質問した。本来ならchildに見せられるconditionではないのだろう。


『大丈夫です。へ……Vandalieu -kunは慣れていますから』

「ああ、そう言えば【Spiritualist】だったね。ならいい……のかね?」

 やや首を傾げながらも、Guard Scyllaの一人に案内する-samaPeriveilは言ってくれた。


「じゃあ行ってきます」

「行ってきまーすっ!」

「……PauvinaOrbia -sanPrincess Leviaと一緒にお留守番」

「えぇ~!?」


 Scylla連続殺人事件の調査は、まず検死から始まるのだった。




Name: Rapiéçage

Rank:

Race: Neo Patchwork Zombie

Level:


Passive skills

Dark Vision

Rapid Regeneration:6Lv(UP!)

Deadly Poison Secretion: Tail:6Lv(UP!)

Physical Resistance:5Lv(UP!)

Magic Resistance:4Lv(UP!)

Mysterious Strength:6Lv(UP!)


Active skills

Electrify:4Lv(UP!)

High-Speed Flight:3Lv(UP!)

Unarmed Fighting Technique:4Lv(UP!)

Whip Technique:2Lv(UP!)

-Surpass Limits-:5Lv(NEW!)

Coordination:1Lv(NEW!)


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