<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.

Chapter 98: Guiding者と続く者達

「では、MarshlandsCapricorn牧場化projectを開始します」

 っと、Vandalieuは仰々しく発表したが、実際にやる事は小規模だ。羊が変化したmonstersCapricornはまだ数十頭しかいないので、将来大規模牧場を作るための下準備しか出来ない。


 まず約二千匹に成ったLizardman達に、Shashujaが纏め役に成る事を告げる。ただRank5のLizardman Geronimoでしかない彼が、二千匹の同族を纏めるのは厳しい-samaに思える。

『GUOooo……』

 なので、彼の下にZombie化した元『Scale King』、改名してLeoとその配下だったDragonZombieを暫く置く。以前の支配者のZombieShashujaの下に就くのだ。実務的なAbilityは皆無だが、これだけで逆らおうと言う気も削がれるだろう。


「そう言えばDragonZombie作るの初めてでしたね」

『ぉぉぉん……』

Knochen、今回はenduranceしてください」

 countlessboneの集合体であるUnion of BonesKnochenは、Leoboneが欲しかったようだが、今回はEARTH Dragon一頭のboneenduranceして貰った。


 更にまだ不安が残るので、Demon Horseに乗ったBlack Bull Knight団と遠征戦時は留守番だったBone Manを呼び寄せて、暫く駐屯して貰う。

『ぢゅう、お任せください主よ』

 Demon Horseは【Rough Road Travelskillを持っているので、ぬかるんだMarshlandsでも平地と同じように走れる。しかも元に成った馬と違って、何でも食べるので世話がとても楽だ。


 もっともMarshlandsが落ち着いたらBone ManDemon HorseからLeoに乗り換える予定だが。LeoDemon Horseに比べると機動力にやや難があるが、彼にとって念願のDragon Zombieである。


「お願いします。まあ、Bone Manがいる間は俺もこことTalosheimを行ったり来たりする予定ですけど」

『主は多才ですからな』

 Vandalieuしか出来ない事や、Vandalieu以外の者でも出来るが彼がするとずっと早く簡単に出来る事が多いのだ。


「まあ、今回の作業はそれ程ではないですけど」

 【Plant Binding Technique】で生やした樹を材木にして、木造の厩舎を【Golem Transmutation】で建てる。

 そしてTalosheimから連れてきたCapricorn十頭で、Lizardmanに酪農を教える。


 狩猟採集で生活していたLizardman達は、当然酪農は未経験だ。しかし、彼らの中にはcrocodileに似たmonstersTamerしてMountするLizardman Riderなんてraceも居るので、monstersであるCapricornを飼育しろと言うVandalieuの命令はすぐに理解された。


 それが戦いの為ではなく乳を搾るためである事は、最初首を傾げられたが。Lizardmanは見た目通り卵生であるため、乳に馴染みが無い。

 しかし飲めない訳ではない。彼らは肉食ではあるが乳は動物性蛋白質なので、「まずは一杯」と勧めるVandalieuに対して戸惑ったものの、杯を受け取って一口飲むと「stability的な食料確保の為か」と納得してくれた。


 Capricornは普通の羊よりもやや頭が良く、更に丈夫でdiseaseにも強い。Marshlandsに幾らでも生えている藻や水草を選好みせず食べてくれるので、「除草の役にも立つ」とLizardman達にも好評だった。


 そして牧場の下準備と並行して行ったのが戦いの結果小規模に成ってしまった群の統廃合と、mapの作製だ。数匹から十数匹程度の小規模な群では縄張りの管理どころか生計を立てる事もおぼつかなくなるし、支配する以上何処にどれくらいの規模の集落があるのか把握しておかないと不便極まりない。


 群の統廃合はVandalieuが畏れられているお蔭でとてもスムーズに進んだ。Humanなら色々面倒な事が起きそうだが、Lizardman達には個々の縄張りへの愛着等は無いらしい。

 そしてmapは空を飛ぶ練習を中断したSamが、Chezare達を乗せてMarshlandsを走り回って、目安程度になる程度のmapを手早く作成する。


 それらの作業を数日かけて行った結果分かったのは、このMarshlandsの広さだった。

「ここ、Hartner Duchyよりも広そうですね」

 accurateSurveying技術は無いが、大まかに人が歩いたら何日かかるか程度の目安は付けられる。すると、このTalosheim南のMarshlandsは、Hartner Duchyが――少なくとも一辺がNiarkiからNinelandまでの距離、徒歩三十日前後の距離の四形が三つは入りそうだと言う事だった。


 Lizardmanの中小の群れに寝返り工作をしていた時に、『Scale King』の支配地域の広さは大雑把にだが把握していた。そこからMarshlandsの広さもconjectureしていたのだが……実際にはそれ以上の規模だったようだ。

 ただ、Lizardman以外に纏まった勢力を築いているmonstersは存在しないようだ。Marshlandsを更に南に向かうとNoble OrcEmpireがあるらしいが、重量ClassOrcにとってMarshlandsは魅力の無い土地らしく、これまで入ってきたことは無いらしい。


 Noble OrcBugoganはどうやってこのMarshlandsを越えたのだろうかと、Vandalieuは不思議に思ったが……実はそもそも越えていなかったのだ。

 Bugoganは自分を追放したEmpireから北上せず、すぐに西のMountain Range越えに挑戦し、彼でも通れる場所を苦労して辿ったら結果的にBalcheburgの密林Devil Nestsの近くに出たのだ。


 今はMarshlandsを纏めるので忙しいので、Noble OrcEmpireOrc肉食べ放題を開催するのは後にしよう。Empireは逃げないし。


 それはin any case

『陛下は既にOrbaum Elective KingdomDuke達を超える存在という事ですな』

『いや、Chezare -dono、流石にそれは言い過ぎかと。人口が少なすぎます。Lizardmanを加えても、土地を持て余していますよ』

 Hartner Duchyの辺境のであるNiarkiだけでも人口は約一万人。対して、TalosheimLizardmanを入れても約六千人だ。


 これでDukeを超えたとは片腹痛いだろう。VandalieuSamと同意見である。

 ただ、このMarshlandsは資源の宝庫である。レンコンそっくりの植物が自生しており、沼にはナマズやドジョウ、そしてウナギに似た魚が生息している。

 更に、Lizardman達が熱い泥が湧き出る場所があると教えてくれた。もしかしたら、それはVandalieuがこのLambdaで初めて遭遇するhot springかもしれない。


 それに二つのDungeonが存在するので、そこでも新しい素材や食材が手に入るかもしれない。


Lizardmanは大人になるまで五年ぐらいかかるそうですし、Marshlandsの繁栄はのんびりやりましょう。

 とりあえず、そろそろ一度Talosheimに帰りましょうか」

 しかし、それらを検証や攻略するのはJob changeしてからだ。


 『Scale King』を倒してから十日、blessingsを与えた僕を倒され、Familiar Spiritをどうにかされた『Raging Evil Dragon GodLuvezfolが何か仕掛けて来ないかと心配していたVandalieuだが、その-sama子も無いのでMarshlandsから離れても問題無いだろう。

 そう判断したVandalieuは牧場の下準備やmapの作製も一段落したので、Samに乗って一旦Talosheimに戻るのだった。




 因みに、Vandalieuが復讐を企てているのではないかと警戒していた『Raging Evil Dragon GodLuvezfolだが、その頃彼は痛みに悶えながらも必死にContinent南部から撤退していた。

『あんなmonsterの居る場所で僕集めなんてやっていられるか! 我はDemon continentに帰らせてもらう!』

 手下だったLizardman達も知らなかったが、実は『Raging Evil Dragon God's Divine Protectionを得ていた『Scale King』は【Familiar Spirit Advent】のSuperior Skill、【Spirit CloneAdvent】を習得しており、自らが奉じる神のSpirit Cloneを一時的にその身に降ろす事が出来た。


 その効果は【Familiar Spirit Advent】の比ではなかったのだが……Advent途中のSpirit Cloneを撃ち殺されるという非常識な攻撃を受けたため、Luvezfolはかなりの痛手を受けたのだ。

 それは致命傷ではないが、Luvezfolfeeling of revengeよりも大きなhorror心を抱かせるには十分なもので、彼は数千匹のbelieverも惜しまず、本来の本拠地であるContinent全土と周りの海域全てがDevil Nestsと化しているDemon continentへ逃げ出したのだった。




 Talosheimに戻ったVandalieuの姿は、Explorerが集うPlace of Exchangeの二階にあるJob change roomにあった。

 これでChampionの仲間入り……だと考えると微妙な気分に成るが、それでもSuper Excitingしながら水晶にVandalieuは触れた。

《選択可能Job 【Archenemy】 【Zombie Maker】 【Corpse Demon Commander】 【Disease Demon】 【Spirit Warrior】 【Whip Tongue Calamity】 【Vengeful Berserker】 【Dead Spirit Mage】 【Hell Healer】 【Labyrinth Creator】 【Demon King User】 【Demon Guider】 【Magic Cannoneer】(NEW!) 【Golem Creator】(NEW!)》


「おー、二つ増えた」

 Artillery Techniqueに適応した新Jobと、【Golem Transmuter】の上位Jobだろう名称のJobが増えている。【Thread-reeling】に対応したJobが無いが、Bellmondが就いている【Thread-user】の-samaにそれらは既存Jobなのだろう。


 Talosheimの繁栄に大きく貢献している【Golem Transmutation】がEnhanced (1)されそうな【Golem Creator】には興味があるが、やはり選ぶべきは【Demon Guider】だろう。

 きっとChampionっぽい世間体の良いskillを獲得出来る筈。具体的には分からないが、きっと光り輝くような感じのnameで、効果も実用的で強力なのが。


「【Demon Guider】を選択」

 そう期待に胸を高鳴らせながら選択する。


《【Demon Guider】にJob changeしました!》

《【Mana Enlargementskillを獲得しました!》

《【Death-Attribute Charm】、【Death-Attribute Magic】、【Chant Revocationskilllevelが上がりました!》

《【Death-Attribute Charm】が【Demon Path Enticement】に、【Strengthen Follower】が【Guidance: Demon Path】に変化しました!》

Unique skill、【Abyss】を獲得しました!》


「……はい?」

 光り輝く世間体が良いskillとは、ほど遠い名称のskill名に思わず脳内アナウンスに聞き返すが、答えは無かった。




Name: Vandalieu

Race: Dhampir(Dark Elf)

Age: age

Title: Ghoul King】 【Eclipse King】 【Second Coming of the Demon King】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】 【Monstrosity

Job: Demon Guider

Level:

Job History: Death-Attribute MageGolem TransmuterUndead TamerSoul BreakerVenom Fist UserInsect UserTree Caster

Ability Values

Vitality: 856

Mana: 485,761,053(+48,576,105)

Strength: 295

Agility :329

Endurance :480

Intelligence :990



Passive skills

Mysterious Strength:5Lv

Rapid Healing:7Lv

Death-Attribute Magic:8Lv(UP!)

Abnormal Condition Resistance:7Lv

Magic Resistance:4Lv

Dark Vision

Demon Path Enticement:1Lv(Death-Attribute Charmから変化!)

Chant Revocation:5Lv(UP!)

Guidance: Demon Path:1Lv(Strengthen Followerから変化!)

Automatic Mana Recovery:6Lv

Strengthen Subordinates:6Lv(UP!)

Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):4Lv

Enhanced Agility:2Lv

Body Expansion (Tongue):4Lv

Strengthened Attack Power while Unarmed : Small

Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs):3Lv

Thread Refining:2Lv

Mana Enlargement:1Lv(NEW!)


Active skills

Bloodwork:3Lv

-Surpass Limits-:6Lv

Golem Transmutation:7Lv

No-Attribute Magic:6Lv(UP!)

Mana Control:6Lv(UP!)

Spirit Form:7Lv

Carpentry:6Lv

Engineering:4Lv

Cooking:5Lv

Alchemy:4Lv

Unarmed Fighting Technique:5Lv

Soul Break:8Lv(UP!)

Multi-Cast:5Lv

Long-distance Control:7Lv

Surgery:3Lv

Parallel Thought Processing:5Lv

Materialization:4Lv

Coordination:4Lv

High-speed Thought Processing:3Lv

Commanding:4Lv(UP!)

Plant Binding Technique:3Lv

Thread-reeling:4Lv

Throwing Technique:4Lv

Scream:3Lv

Dead Spirit Magic:3Lv

Insect Binding Technique:3Lv

Blacksmith:1Lv

Artillery Technique:2Lv(UP!)



Unique skill

God Slayer:6Lv(UP!)

Grotesque Mind:6Lv

Mind Encroachment:5Lv

Labyrinth Creation:5Lv

Demon King Fusion:2Lv

Abyss:1Lv(NEW!)



Demon King Fragment

blood


Curse

 Experience gained in previous life not carried over

 Cannot learn existing jobs

 Unable to gain experience independently




「……聞き間違いではないのか」

 Statusを何度か見返して、Vandalieuは額に手を当てた。

 【Mana Enlargement】は別にいい。nameの通り、Manaが増えるだけのskillだろう。問題は他のskillだ。

 【Demon Path Enticement】に【Guidance: Demon Path】、そして【Abyss】。名称からして、世間体が悪そうだ。光り輝くどころか、nightよりも深い闇に包まれていそうなskillだ。


「でも前の二つの効果は何となく分かる。【Demon Path Enticement】は元の【Death-Attribute Charm】の上位互換だろうし、【Guidance: Demon Path】もやっぱり【Strengthen Follower】の上位互換だろう」

 経験上、skillが変化する場合変化前のskillの効果から大きく変わる事は無い。魔の道にEnticementするとか、魔の道にGuidingとか、物騒で妖しげな名称だが太陽が氷の塊に変わるような大幅な変化は無いはずだ。


 ただ、Abyssの方は分からない。

「……【Abyss】、Activate

 試しに口に出して言ってみるが、特に何かが起きる事は無い。どうやら、switchを切り替えて使用するActive skillsではなく、常に効果を発揮するPassive skills-samaだが……。


Abyssって、どういう意味でしたっけ?」

 あまり良い意味で使われなかったような覚えがあるVandalieuは暫く首を傾げたが、accurateな意味は思い出せなかった。

 後で調べてみようかとも思うが、Unique skillであるため情報があるかどうか不明だ。Job-sama、歴史上Vandalieuが初めて獲得したskillである可能性も否定できない。


「あれこれ悩んでも仕方ない。獲得した以上手放せないのだから、害が無さそうなら経過を見るか」

 一応Championの条件のJobで獲得したのだから、大丈夫。そう自分を納得させたVandalieuJob change roomを出るのだった。


Mikoよっ、この度はおめでとうございます!』

Championと同じ系統のJobに成るなんて凄いわっ、今も小さいけど、もっと小さかったVandalieuがこんなに立派に成って……おkaa-san本当に嬉しい』

「今日はお祝いだな! だからVan、今日はもう分裂して働いたらダメだぞっ」

「そうですわ、Van -sama。今日の主役はVan -samaなのですもの」


 そして外で待ち構えていた皆に捕まり、そのままこっそり用意されていたparty Venueに連れて行かれた。

 Bellwood没後、約十万年の歴史の中でも【Guider】のJobに就けた者は少なく、就いた者は全員残らず歴史に名を残している事をBellmondが皆に話していたため、これは祝わなければとなったらしい。


 実際、他の国で【GuiderJobに就いた者がいると明らかになれば国を挙げてのeventになる。何せHeroどころか、将来神の末席に加わる可能性が高い人物が出たのだから盛り上がらない理由が無い。

 その人物が国元首だったとしたら、上も下も熱狂する事だろう。


 それと比べればTalosheim人々は実に慎ましやかにVandalieuの【Demon Guider】へのJob changeを祝ったのだった。

 祝われた当人はその事に気が付いていなかったが。


「よーし、ではお菓子を――」

『美味しそうだけど、作らなくて良いのよ、陛下』

『じゃあ、soupを――』

「だからKingっ、増えちゃダメだって言ってるでしょっ」


『では、ちょちょいと簡単な一品Cookingでも――おぶっ』

『う゛あ゛ぁ』

「働いちゃメッ、でしょ」

 【Out-of-body Experience】して抜け出したSpirit FormRapiéçageに鷲掴みにされてBodyに突っ込まれ、Pauvinaに圧し掛かられたVandalieuは、一切の抵抗を諦めた。




 five sensesも四肢も全てが曖昧模糊なconditionだというのに、何かが自分の近くに存在する事だけは明確に解る。

 その何かは人の-samaで、獣の-samaで、Giantで小さく、醜くて美しい。そんな、何者かも分からない何かだ。

 だが、決してその何かは自分から近付いてこない。その気に成ればすぐに追いつけそうな歩みで、ゆっくりと進むだけ。


 そのまま見送る事も、自分から遠ざかる事も出来た。だが気が付くと自分からその何かに近付いていた。


 そんな夢を見る者がTalosheim人々の中から出始めた。


 ある者は、その『何か』を乗せてnight空を駆けた。

 ある者は、自らを『何か』を守るための城壁とした。

 ある者は、その『何か』の為になれる形が欲しいと求めた。

 ある者達は、その『何か』から与えられる事を求め、変わる事に歓喜した。

 ある者達は、『何か』の傍らでただただ安らいだ。そして目覚めと同時に埋まる事のない空虚さとdespairに涙を流した。


 だが、その夢をVandalieuが見る事は無かった。




 Divine Realmにて、RodcorteTalosheimに移住したHumanDwarf達のrecordを見る事で、Vandalieuを監視していたのだが――何かが千切れるようなsign同時に、映像が途切れた。

 それは一人だけで終わりではなく、recordが見られなくなる者は増え続けた。


『何事だ? Undeadにでもされたのか? いや……これはまさかっ!?』

 脳裏をよぎった嫌な予感。それが正解だと答えるかのようなtimingで、Circle of Reincarnation systemから警報音が鳴り響く。


Talosheimに存在する私のCircle of Reincarnation systemに属する存在が、systemを離れ、恐らくはVidaCircle of Reincarnation systemに移っているのか!』




 次の日、【Demon Path Enticement】や【Guidance: Demon Path】の検証をするためのUndeadを調達するため、野良を探すか自分で作るかしようと思っていたVandalieuは、外から聞こえる聞き覚えのある笑い声と車輪の音に気がついて、窓から顔を出した。


『坊ちゃあああああん! ご覧くださいいいいいっ!』

 Sammidairを走っていた。

 まるでそこに地面でもあるかのように、midairを漆黒の馬が駆け車輪が回る。


『このSamっ! 遂に空を走る事に成功しましたぞ! これもBocchanのお力の賜物っ!』

「おめでとうSam、遂にやり遂げましたね。でも俺の力なんでしょうか?」

 Samが空を飛ぶという、無謀にも思える目標を目指して努力を続けていた事は知っている。それが実ったのはとても嬉しいし、誇らしい。「飛ぶ」じゃなくて「走る」に変わっている事は問題ではない。


 しかし、自分の力ではないのではないだろうか?


『何をおっしゃいます、Bocchan! BocchanGuider Jobに就いた翌日にこのRank upですぞ、関係があるに決まっているではありませんか』

 確かにtiming的にはそうかもしれない。


『それに私以外にも力を得た者がおりますぞ!』

「えっ? 誰ですか?」

『ご説明しますので、どうぞ私にお乗りください』

「はーい」


 窓から【Flight】で飛んでSamに乗る。彼は漆黒の毛並みにblood溜まりの-samaに紅い目と、より禍々しく変化したSpirit Formの馬を走らせ、Talosheimの外に向かった。

 しかし、そこに着く前にVandalieuは異変に気がついた。


「……外に砦が増えていますね」

 最初はKnochenだろうと思った。countlessboneを取り込みFusionしたKnochenの大きさは、既に大きな砦ほどもある。

 しかし、だんだん近付いてくるその砦には何体もの見覚えの無いSkeletonが闊歩していた。


 boneしか無いSkeletonに見覚えと言うのもおかしいが、Dragonや恐竜、Manticore等大きさや形に特徴があるboneSkeletonを作ったら、絶対にMemoryに残っているはずだ。

 そして近付いてくるVandalieu達に、砦のSkeletonは一斉に声を上げた。

『『『おおおおおぉぉーん!』』』

 やはり聞き覚えのある声に、Vandalieuは頷いた。


「うん、Knochenですね」

 どうやら、boneで出来た砦もSkeleton達も、Knochenであるようだ。

『はい。どうやら、Rank upした結果body partboneSkeletonとして分離し、操れるようになったようですな。Bocchanと同じだと、喜んでおります』


『おおおおおおおん!』

 Samの言葉に同意する-samaに、今度はboneの砦が鳴く。どうやらmain bodyは砦の方で、SkeletonCloneのようだ。

 確かに、Vandalieuが【Out-of-body Experience】でbody partからSpirit FormCloneを出すのと似ている。


「確かに、二人もこのtimingRank upしたのですから偶然ではありませんよね」

 一度なら偶々かもしれないが、二度なら必然である。そう考えたVandalieuは、きっと本人達の資質や意思、そして努力の成果が最も大きいだろうが、【Guidance: Demon Path】の効果が後押ししたのだろうとconjectureする。


 Championの仲間が秘奥義を習得したり、新しい特殊Abilityに目覚めたりするのと同じだろう。

 成長ではなく変化とか進化と評した方がよさそうな効果だが、これはVandalieuの仲間が人ばかりではなくUndeadも含まれるからに違いない。

 Guider Jobの効果はHumanに限られるなんて事は無いだろうし。


 そうVandalieuは考え、納得した。


「それでどんなraceに成ったのですか?」

『はい、私はRank6のNightmare Carriageというrace-samaです。Knochenは、Rank9のBone Fortだそうです』

 それぞれ悪夢の馬車とboneの砦に成ったようだ。Samの方はoriginally希少なUndeadだからrecordがあるかどうか不明だが、Knochenの方は何か残っているかもしれない。Union of Bonesの段階で災害指定種だったし。


 後で調べてみよう。


「とりあえず、お祝いですね」

 でも先にお祝いである。




 だが、Knochenが出したClone Skeletonと輪に成って盆danceを踊っていたVandalieuは飛んできたCemetery Beeに拉致されたのだった。




Name: Knochen

Rank:

Race: Bone Fort

Level:


Passive skills

Dark Vision

Mysterious Strength:10Lv(UP!)

Spirit Form:6Lv(UP!)

Bone Form Manipulation:7Lv(UP!)

Physical Resistance:6Lv(UP!)

Absorption Healing (Bone):7Lv(UP!)

Fortress Form:1Lv(NEW!)

Fission:1Lv(NEW!)


Active skills

Silent Steps:2Lv

Breath【Poison】:6Lv(UP!)

High-Speed Flight:5Lv

Long-distance Control:8LV(UP!)

Projectile Fire:6Lv(UP!)




Name: Sam

Rank:

Race: Nightmare Carriage

Level:


Passive skills

Spirit Form:6Lv(UP!)

Mysterious Strength:5Lv(UP!)

Rough Road Travel:5Lv(UP!)

Impact Resistance:7Lv(UP!)

Precise Driving:5Lv(UP!)

Comfort Maintenance:5Lv(UP!)

Murder Healing:1Lv

Space Expansion:4LV(UP!)

Air Running:2Lv(NEW!)


Active skills

Silent Steps:1Lv

High-Speed Running:4Lv(UP!)

Charge:6Lv(UP!)

Size Alteration:3Lv(UP!)

Spear Technique:2Lv(UP!)

Aura of Fear:1Lv(NEW!)




Monster explanation: Bone Fort


 歴史上でも両手の指で数えられるほどしか発生していない、災害指定種。

 砦ほどもある巨体は全て取り込んだboneで出来ており、更にそのboneSkeletonとして分離させる事が出来る。

 Skeleton自体の強さはさほどではなく、Rank2のSkeletonよりも力が強い程度。だがその数は脅威である。


 recordに残っている中で、Bone Fortが一度に操れるSkeletonの数は最大で一万体とされる。

 更にこのmonstersの恐ろしいところは、砦のようなmain bodyも移動する事が可能という点だ。

 恐れを知らず糧食も睡眠も必要としないcountlessSoldierに護られた、移動する要塞。正に人類にとって悪夢のような存在である。


 しかも Knochenの場合、通常のBone Fortより更に恐ろしい。

 【High-Speed Flightskillを持っているため鳥を上回る速度で空をFlight可能。certainly、分離したSkeletonも空を飛ぶことが可能で、それぞれ毒のBreathを吐く事も出来る。更に【Guidance: Demon Path】、【Strengthen Subordinatesskillの効果を受ける。


 ただのSkeletonと甘く見るとmain bodyに辿りつく前に、CloneSkeletonに毒のBreathを浴びせられ、動けなくなったところを生きたままboneを抉り取られる悲惨な最期を遂げる事になるだろう。




Monster explanation: Nightmare Carriage


 TalosheimSamが至った、Lambdaで初のmonsters

 midairを自由に走行し、更にwhole bodyから生物にhorror心を抱かせるオーラを放つ。




Skill explanation:Mana Enlargement


 総Mana量に+skill level×10percentするskill。単純だが効果が大きいskill

 求める者は多いが、このskillを獲得できるのはChampion本人か、その仲間のみと言われている。


<- Previous | TOC | Next ->
Special thanks to MBA and the Users from the LBN #spoilers Discord. Without them this would not be possible.