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Chapter 92: 装植系率いる手勢VSRed Wolf Knight

Vandalieuは、【Insect User】100Lvに到達しました!》

《【Tree Caster】にJob changeしました!》

《【Plant Binding Techniqueskillを獲得しました!》

《【Farmingskillが【Plant Binding Technique】にintegrationされました!》

《【Rapid Healing】、【Mysterious Strength】、【Plant Binding Technique】、【Thread Refiningskilllevelが上がりました!》




Name: Vandalieu

Race: Dhampir(Dark Elf)

Age: age

Title: Ghoul King】 【Eclipse King】 【Second Coming of the Demon King】 【Guardian of the Cultivation Villages】 【Vida's Miko】(NEW!) 【Taboo Name

Job: Tree Caster

Level:

Job History: Death-Attribute MageGolem TransmuterUndead TamerSoul BreakerVenom Fist UserInsect User

Ability Values

Vitality: 644

Mana: 446,023,926

Strength: 239

Agility :273

Endurance :374

Intelligence :903



Passive skills

Mysterious Strength:5Lv(UP!)

Rapid Healing:7Lv(UP!)

Death-Attribute Magic:7Lv

Abnormal Condition Resistance:7Lv

Magic Resistance:4Lv

Dark Vision

Death-Attribute Charm:9Lv(UP!)

Chant Revocation:4Lv

Strengthen Follower:10Lv(UP!)

Automatic Mana Recovery:6Lv

Strengthen Subordinates:5Lv(UP!)

Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):4Lv

Enhanced Agility:2Lv

Body Expansion (Tongue):4Lv

Strengthened Attack Power while Unarmed : Small

Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs):3Lv(UP!)

Thread Refining:2Lv(NEW!)


Active skills

Bloodwork:2Lv

-Surpass Limits-:6Lv

Golem Transmutation:7Lv

No-Attribute Magic:5Lv

Mana Control:5Lv

Spirit Form:7Lv

Carpentry:6Lv(UP!)

Engineering:4Lv

Cooking:5Lv(UP!)

Alchemy:4Lv

Unarmed Fighting Technique:5Lv

Soul Break:6Lv

Multi-Cast:5Lv

Long-distance Control:7Lv

Surgery:3Lv

Parallel Thought Processing:5Lv

Materialization:4Lv

Coordination:4Lv(UP!)

High-speed Thought Processing:3Lv

Commanding:3Lv(UP!)

Farming:3Lv→Plant Binding Technique:3Lv(integration!)

Clothing Decoration:2Lv→Thread-reeling:3Lv(integration!)

Throwing Technique:4Lv(UP!)

Scream:3Lv

Dead Spirit Magic:3Lv(UP!)

Insect Binding Technique:3Lv(UP!)

Blacksmith:1Lv(NEW!)



Unique skill

God Slayer:4Lv

Grotesque Mind:4Lv

Mind Encroachment:4Lv(UP!)

Labyrinth Creation:5Lv(UP!)


Curse

 Experience gained in previous life not carried over

 Cannot learn existing jobs

 Unable to gain experience independently




 今回は新しいJobは増えなかった。

kaa-san、皆、俺は装植系男子に成りました」

『本当っ? 凄いわ、Vandalieu

「いや待て、Van。そーしょく系とは何だ?」

「俺が居たanother worldで増えていた人達です」


 Job changeを終えて暫く、Immortal Entの森から戻ってきたVandalieuの戯言を、無条件に褒めてくれるDarciaと、流石に戸惑って聞き返すBasdia


 EarthJapanで呼ばれていた草食系男子の定義を考えると、Vandalieuは寧ろ肉食系なのだが。

「実はJob changeで獲得した【Plant Binding Techniqueskillでこんな事が出来るようになりまして」

 にょきりと、Vandalieuの頭からMonster Plantが出て来た。


「なるほど、【Insect Binding Technique】の植物版じゃな。しかし、蟲と植物で喰い合ったりはせんのか?」

Monster Plant畑やImmortal Entの森でもそんな事は起きていませんから、それと同じでしょう」

「ふむ、そういうものか」

 Zadirisは装植系云々をスルーして、skillを分析していた。


 すると、Monster Plantとは別の植物がZadirisの見ている前で芽を出す。

「坊や、これは……ごく普通の植物の-samaじゃが」

「はい、ごく普通の植物です。【Farmingskillが【Plant Binding Technique】にintegrationされまして、その結果俺は体内で植物を栽培できるようになりました」


「……それはInfestされているのではないかの?」

『うわー、見て姉-sanBocchanの頭がみるみるお花畑に!』

Ritaっ! その言い方じゃBocchanがダメな人みたいじゃないっ。他の言い方があるでしょっ、春っぽくて素敵ですねとか!』

『えーっと、二人とも、悪気が無いのは解るけど、もうちょっと別の言い方があると思うのよ?』


 頭がお花畑とか春っぽい等の言葉は、Lambdaでもあまり良い意味では使われないらしい。

「大丈夫ですよ、ちょっとVitalityを使うだけですから」

Vandalieu -samaVitalityManaと違ってそんなに高くないでしょう? 大切にして、無駄遣いしちゃダメよ」

「はーい」

 お小遣いの使い方の-samaEleonoraに指導されるVandalieu


「でも薬効成分のある植物も育てていますから心配ありませんよ。例えば……」

 にょきりと白い茸が頭から生えた。

「それ、確かpotionの材料に成る茸よね。確か、そのまま食べてもHealing Magic Effectがあるって言う……でもちょっと……ますますInfestされてるように見えるわ」


 便利な茸なのだが、Katia達には受けは悪かった。


「とりあえずskillの練習も兼ねて、どうぞ」

 そう言いながら皆に花をプレゼントしてみる。にょきりと生やし、抜いて、clawsで切り揃え、【Thread Refiningskillで糸を吐いて纏める。


 因みに、最近糸を口(accurateにはtongueの先端)や、指先から出せるようになったVandalieuだが、そのせいか何故か【Clothing Decoration】が【Thread-reeling】にintegrationされた。以前よりも思い通りに織物が出来るのでとても便利である。

 【Thread Refining】で出せる糸の性質もある程度自由に成るので、これで水着も仕立てる予定である。


 粘着質な糸や触れれば肉でもboneでも斬れそうな糸、透明な糸も出せるがまずは衣料活用である。


『わぁ、ありがとうございますっ』

「……ん? 何か薬効があるのかの?」

「ん゛ぐっ、ん゛ぐっ」

Van……美味しくないよぅ」

「うぅっ、にがぃ~」


 RitaKatiaEleonoraのような元Humanmemberには喜ばれた。ただ、Zadiris達純粋なGhoulには花を贈る習慣が無いのか首を傾げられた。

 そしてRapiéçageは食べた。それを見たPauvinaVahbiJadalも食べた。既にPauvinaHuman社会のMemoryは遥か彼方らしい。


 とりあえず甘い果物を出してPauvina達に食べさせていると、Darciaが教育modeに入ったようだ。

Vandalieu、おkaa-san達は嬉しいけど、女の子にプレゼントする時はどんな物が喜ばれるか考えなきゃダメよ』

「はい、kaa-san

『面倒だって思っちゃダメよ、こういう事を考えるのが女の子を口説く楽しみだって、お父-sanも言ってたわ』


「……kaa-san、父-sanは何をやっていたんですか?」

『たしか……情報収集のために酒場で女の子を口説いたりしたみたいよ。Prostituteの人達と仲良くなったりとか。そう言えばVandalieuも一緒ね』

 ニコニコとしているDarciaから、父Valenの悪行の一端が見え隠れしている。流石元Pure-breed Vampireの走狗である。


「まあ、Braga達の結婚式にはdressとかタキシードとか贈ったし、Cakeも焼きましたけど」

 Lambdaでは富裕層かNobleでなければ行われない結婚式のpartyBragaBlack Goblinの結婚式では行った。


 蜜絹のウェディングdressやタキシード、羊乳で作ったCreamをデコレーションしたCakeのお披露目の意味もあったが、皆に大人気だった。

 特に元First cultivation villageの面々にdressが受け、私も着てみたいと瞳を輝かせた。fashionセンスが人とはかなり異なるGhoul達も、FrillsLacesは新鮮だったらしく「もう少し肌が出た方が良いと思うが、綺麗だ」との意見を貰った。


『坊主っ、こいつにも一着仕立ててくれ!』

「アホ親父がっ!相手が居ないよっ!」

『じゃあ、孫にタキシードの方を頼む!』

「そっちも相手が居ないって言ってんだろ!」

 BorkusGopherの、鈍い音を響かせるBody言語を交えた父娘のやり取りが行われる一幕もあった。


 言われた通り採寸しようとすると、拒否されるがあれは照れだとVandalieu達は解釈していた。

 大人のfemaleFrillsLacesが盛り沢dressを着るのには、きっと抵抗があるのだろう。Marie達に仕立てた時、思っていた以上に上手く行くので調子に乗って沢着けすぎたかもしれない。


 Cakeの方は、臭いに問題のある羊乳からCreamButterを作ったが、好評だった。

 Earth羊農のドキュメンタリーを見た時、羊乳は周囲の臭いが移りやすいだけなので、搾る時に機械を使って素早くすれば臭くならないと言っていた事を思い出し、「じゃあ、【Deodorization】をかけ続けた清潔なroomで搾れば良いのでは?」と思いついて実行したので、臭いも無い。


 逆に【Eclipse King's Orchard】で見つけたバニラビーンズを発酵させて作った香料で甘い香りは、しっかりつけてある。

 そして甘味はCemetery Beeの蜂蜜や、【Eclipse King's Orchard】から連れてきた植物型Monsterが提供してくれるメープルsyrupっぽいSap等からRefiningした糖で賄っている。


 普通に牛乳や砂糖で作るよりも、ずっとluxuryCakeかもしれない。


『あ、でも女の子に溺れちゃダメよ、お父-sanも堕ちるな、堕とせって言ってたわ。まあ、kaa-sanには堕ちちゃったんだけど』

「……とー-san、もうちょっと普段の言動をどうにかして欲しかった」

 maybe、良い話なんだろう。maybe……。


 Vandalieuの中では父親像が微妙な方向に傾いたまま、若干下方修正されているが。


「まあ、それはin any case……明日には第七cultivation villageに行くのでそろそろ準備します。奴らが俺に作ってくれた切掛けを活かさないといけません」

Talosheimに再び新しい住人を迎えるのですね。大変喜ばしい事です、陛下』

 にっこりと、Princess Leviaは微笑んだ。




 雪が降り始め、焼いたGobu-gobuで朝食を取っていた第七cultivation villageの村人達の日常は、突然訪れたKnight団によって破られた。


「私はHartner DukeよりRed Wolf Knight団を預かるPablo Martonである! 第七cultivation villageの住民は、今すぐ表に出よ!」

 Red Wolf Knight団と言えば、Hartner Duchyを守る三大Knight団の一つだ。村長も何でも屋の親父も、Kasim達も慌てて外に出た。


 村のOpen Plazaで待っていたのは委縮している門番係の村の若者達と、完全武装をした大勢のKnightだった。

 サーコートの下に金属鎧を纏い、盾に長剣や槍を装備した数十人……百人近いKnight達の威容に村人達は圧倒された。


「こ、これは雪の中ようこそお越しいただきました。出迎えもせず申し訳ありません。

 それで、本日はどのようなご用向きでしょうか?」

 村長がこれは一体何事かと驚いたまま、何とか村の責任者として謝罪しつつ尋ねると、Pabloは緊張した顔つきのままdemandを口にした。


「次期Hartner DukeであるLucas公子の命により、税の取り立てに参った! 今すぐ一人十万Baumを納めるのだ!」

 Pabloの提示した額に、村人達全員が驚愕した。


「じゅ、十万Baum!? そんな額ある訳が無いっ!」

しかも今すぐとはどう言う事です!? 五年間税を免除するとの約束があったはずだ!」

 十万Baumとは、Nobleでも中々扱えない金額だ。certainlycultivation village人々が一年間必死に働いても、決して届かない額だ。

 DClass adventurerに成ったKasim達でも、一年では稼ぐのは不可能だ。


 こんな税金を一世帯ではなく、一人一人にdemandするなんて正気ではない。

「何考えてやがる、と田畑を売っても無理だ! それぐらい解るだろ!?」

 そう叫ぶFesterに緊張した顔のPabloは、返答の代わりに口を開いた。

Belton公子が定めた五年間の免税は、失効となった。払えないのなら大人しく縛に就け」

 人頭税を払えない者は、借金Slaveとして置かれる決まりだ。


 Pabloの背後でKnight達の従者が縄を用意しているのを見て、村人達は青ざめた。借金Slaveはそれなりの扱いをされるとは言え、売買される事に変わりは無い。familyはバラバラにされるし、買い手次第では死ぬより酷い目に遭う事もある。


 それに売れ残った場合、犯罪Slave-samaに使い潰される事前提の場所に送られる。Slaveは無くなったが、他にも売れないSlaveの行き着く場所はある。


「そんなっ、幾らなんでも横暴です!」

「そうだそうだっ! 誓約を守れって、Aldaも教えてるだろうがっ!」

 リナと、Kasim達がそう気色ばむがPablo達はそれに対して剣を抜き、切っ先を向ける。


「リナだったな、-kunには横領と不正の容疑がかけられている! Adventurer’s Guild職員としての資格は調べが済むまで失効だ。合わせて、KasimZenoFester、以上三名もguild職員と組んで不正を働いた疑いがある。adventurer資格は同-samaに失効! 逃亡を企てるようならこの場での処罰も許されている!」


「そんな!」

「ふ、不正だと!? 言いがかりにも程があるぜ!」

「落ち着けっ、この場でSlash殺されるぞ!」

 screechのような声を上げるリナと、激高するFesterを抑えるKasim


 彼らに左右をKnightに護られた中年の男が近づく。

「職員章とguild Cardを出しなさい」

 項垂れたリナと悔しそうなKasim達から、Knight団に同行している従軍事務官がそれぞれの身分証を没収していく。


 その-sama子を村人達は諦めの表情で、Pabloはまだ緊張感を漂わせて見ていた。

(おかしい……上手く行き過ぎている)

 Pabloと彼に命じたLucasの思惑では、理不尽な口実で村を追い詰め、潜んでいる武装勢力を炙り出して暴発させるつもりだった。


 そしてRed Wolf Knight団でそれらを制圧して、終わりだ。Adventurer’s Guildに根回しするのが唯一の手間だと思われたが、Belton公子からの賄賂を受け取っていた本部のGuild Masterは、Lucas公子が優勢となるや簡単に手の平を返した。


 しかし、その武装勢力が出て来る-sama子が無い。Karcan達を返り討ちにした者達が潜んでいるのは、この第七cultivation villageだとPablo達は思っていたのだが。

(このままだと村人全員に縄を打ち、引っ立てて終わりだ。Provocationが足りんのか? 何人かSlash伏せて……いや、他のcultivation villageに潜んでいるのかもしれん。それを聞き出すのが先か)


 そう考えるPablo達や、大人しくSlaveに堕とされるしかないのかと項垂れるか、どうにか出来ないかと必死に考えるが何も答えが出ない村人達。その前に、無人の門を悠々と通り抜けて村に入って来た数人の一団が姿を見せた。


「何だ、貴-sama達……は?」


 遂に武装勢力が現れたかと思ったPabloだったが、その一団は見るからに普通の村人と言った姿の者が五人。そして、尋ねてから気が付いたが先頭に居るのは何と十にも満たないだろうchildだった。


Vandalieuっ!? なんでこんな時に!」

「おいっ、そいつは村人じゃないっ! ただの通りすがりだ!」

 Vandalieuに気がついたKasim達が、彼が巻き込まれないように慌てて声を張り上げる。しかし、彼らの叫びに対して動いたのは、Vandalieuの後ろにいる者の内一人だった。


「第七cultivation villageの皆、私の事を覚えているか? 村長-san、親父が世話に成りました。KasimZenoFester-kun達とも話した事があったな」

 何処にでも居そうな平凡な顔立ちの青年に、cultivation villageの者達は驚いて目を丸くした。


「お前はっ、First cultivation villageの村長の息子の、セバス。セバスじゃないか!」

「間違いない、セバスだっ! でもあいつが何でここに? First cultivation villageが廃村に成る事が決まって、あいつ等は開拓地に向かったはずなのに」

「何でVandalieuと一緒に居るんだ?」


 青年の名はセバス。SlaveVandalieuに着いて行き、Talosheimの国民に成ったFirst cultivation villageの村長の息子だった。


「皆、聞いてくれ。開拓事業なんて嘘っぱちだ。全てはHartner Duke 家が仕組んだ、陰謀だ。俺達は騙されていたんだ。

 俺達First cultivation villageの皆が送られたのは他の開拓地じゃない、from here南に在ったSlaveだ! 俺達は開拓民じゃないっ、棄民だったんだよ!」


 憎々しげにPabloを指差すセバスの訴えに、第七cultivation villageの面々は「何だってぇ~っ!?」と驚愕し、彼とPabloの顔を交互に見つめる。

 セバスは見知った同郷の仲間。対してPablo達は偉いKnight -samaだが、今まさに理不尽なdemandthrust付けて自分達をSlaveに落とそうとしている相手。どちらの主張に説得力があるかは明らかだ。


First cultivation villageの村長の息子で、Slaveに居ただと!?」

 しかし Pablo達には村人達から信用されなくても、一切問題が無い。

 問題なのは、壊滅してSoldierSlaveは全てSkeletonと化していたはずのSlaveに居たはずの青年がここに居る事だ。


「つまり逃亡Slaveか。話を聞かせてもらうぞ、大人しく縛に就け!」

 そう言いながらも向けるは剣や槍だ。Pabloは既にセバス達を尋常な存在だとは思っていないらしい。

 じりじりとセバス達に十数人のKnightが彼らを半円形に囲みながら迫る。その-sama子に、再びcultivation village人々の顔に諦めが浮かぶ。


 陰謀が在ろうが無かろうが、自分達のDestinyは変わらない。Hartner Duchyの次期最高権力者が仕組み、Adventurer’s Guildさえ与している。難民上がりの自分達がどう訴えたところで何の意味も無い。

 この分では、Alda templeに免税の契約の不履行を訴えても無駄だろう。


「皆-san、聞いてください」

 その時、それまで黙っていたVandalieuが彼等に呼びかけた。

「俺達はこれからKnight団を倒します。村の皆の意思に関わらず、勝手に戦って勝手に勝ちます」


 その平坦な声による宣言を聞いたKnight達は、思わず失笑した。見かけやageだけでは相手の力量は測れないと知っている彼等だったが、見るからに小柄で痩せている幼児とすら評せそうな少年と、非武装の村人五人に自分達がやられるはずが無い。

 そう思っているからだ。


 第七cultivation village人々も同感だったようで口々に無謀な事は止めろと訴えるが、Vandalieuは続けた。

「その後、俺達に着いて来るかどうかを決めてください。では――」

「いや、今決めるぜ。俺はお前達に付き合うぜ!」

 だが、それを遮る男が居た。Festerである。


 彼は地面についた膝を上げると、鞘ごと捨てていた剣を抜き、Pablo達に切先を向ける。

 それをKasimZenoは止めるどころか、彼と同じように盾やWeapon Equipmentを拾って立ち上がった。

「仕方ねぇ、俺達も付き合うか」

「まあ、このままSlaveに成るよりマシかな」


 自分を止めない仲間達にFesterは目を瞬かせた後、男っぽい笑みを浮かべた。

悪いな、何時も付き合わせて」

「いや、ちょっと待って。何でそうなるんです? 今じゃなくて良いんですよ、『後で』で良いんですよ?」

 慌てて「何時選ぶの、後でしょ」と止めるVandalieuだが、彼らの意思は固かった。


Vandalieu。これが終わったら、あの世でAdventureしようぜっ!」

「いやいやいや、この世で出来ますから」

「リナ、お前は何とか隙を見つけて逃げてくれ。悪いな、幸せにしてみせるって約束したのに……」

Fester……ううん、あたしも付き合うよ。あたしだって護身術くらい出来るんだから。それで……向こうで一緒に成ろう」

「お前……」

「あのー、一緒に成るならこっちで成りませんか? dressでもタキシードでもCakeでもカリーでも作りますから」


「クソっ、娘と娘婿を先に死なせる訳にゃいかねぇ! 俺もやるぞっ!」

「俺もだっ! このままじゃ命は助かっても、child達がどうなるか分からねェからな! 助けられた命だ、ここで使ってやるぜ!」

 さらに『何でも屋』の親父に、Vandalieuに命を救われた元StonemasonIvanまで立ち上がった。


 その後も続々と立ち上がる村人達にRed Wolf Knight団も若干狼狽え気味だが、一番焦っていたのはVandalieuだった。

「それで陛下、どうなさいます?」

「……あー、もう仕方ありません。俺が村の皆をfollowするので、セバスたちは予定通りに」

「畏まりました」

「やっぱり、Slaveと同じ事が出来ると油断したのが失敗だったかなー」


「喧しい!!」

 Pabloは一括すると、部下達に号令を下した。

「全員Slash伏せろ! あのセバスと言う者と他何名かは生け捕りにする!」

 思惑とは若干異なるが、何か知っていそうな男の目星はついた。後は邪魔者を始末するだけだ。


 号令を受けてまずセバス達を囲んでいたKnight達が動き出した。彼らはKnightとして実戦経験を積み、Karcanが率いていたSub-Knightとは違い、adventurerで言えばDClassの上位、Rank4のmonstersと一対一で戦ってもかなりの確率で勝利する力量の持ち主だ。


「私達を生け捕りだと? ……やれるものならやってみろ!」

「貧弱なKnight風情が、Eleonora -samaから祝福を受けた我々に敵うと思っているのか!?」

「鉱で死んだ弟Imoutoの恨みを晴らしてやるわ!」


 そのKnight達をセバス達は真紅の瞳を炯々と輝かせ、fangsを剥き出しにして迎え撃った。

 その動きは獣よりも早く、力はKnight達が振るう剣や槍を物ともせず、clawsは鋭かった。

「こ、こいつ等Humanじゃない!? Vampireだ!」

BAKANAっ、まだ昼間だぞ!?」

 Knight達が気づいた時はもう遅く、既にセバス達の接近を許してしまっていた。


 セバス達はSlaveから助けられた時はまだHumanだったが、後日Eleonoraに頼み、Subordinate Vampireと化していたのだ。

 その後【Eclipse King】の効果で【Sunlight Resistanceskillを獲得し、Vandalieuに従って来たのである。


 だがSubordinate Vampireの素のRankは3。それもVampireに成って半年も経たない元村人では、三倍近くの数のKnight達の相手には成らない。意表を突けても、押し切る前に態勢を立て直されてしまう。

 しかし、彼らはVandalieuの国民である。


「つ、強いっ!」

 【Strengthen Follower】に【Strengthen Subordinatesskillimpactで、彼らのAbility Valuesは上がりRank5相当の力を手に入れている。更に、既にVandalieuから付与magicをかけられているし、衣服には繊維状にしたHell Copperが編み込まれていて対刃性能は抜群だ。三倍近い数のKnight達でも、最初に態勢を崩されたのが祟って押し切る事は出来ない。


「くそっ、あのchildを人質に取って――」

「お前じゃ、無理」

「えっ――」

 ぽんっと、首が飛ぶ。


 事が始まるまで潜んでいたBragaが、shadow-samaKnightの背後から首を刎ねたのだ。彼のUnique skillHuman Slayer】の効果で、目標のHumanを殺すための効果的な攻撃が出来るようになる補正と、更にDamage補正が加わる。

 不意を突けば、平均的なKnightの首を刎ねるのと稲穂の収穫はBragaにとって同じ程度の難易度だ。


 そして、他のKnight達に見つかる前に霞の-samaに隠れる。

「今何か居たぞ!?」

「他にも敵がいるぞ! 背後に注意しろ!」

「【鉄裂】、【炎霊の抱擁】」

「「ぎゃあああああああ!!」」

 そして背後に注意したKnight達を正面からVandalieuが殺して行く。


 【Mysterious Strength】や【Strengthened Attack Power while Unarmed : Small】、【Enhanced Body Part (Hair, Claws, Tongue, Fangs)skillを持つ、【Unarmed Fighting Technique】5levelVandalieuの攻撃は、正面から受ければKnightでも重傷を免れない。更に、既に【Dead Spirit Magic】はKasim達に見せているので遠慮無く使用する。

 Princess Leviaに抱きしめられて焼死体に成るKnightと、腹を裂かれて痙攣しているところを這い寄って来たPainwormに止めを刺されるKnight


「ギヂギヂギヂ!」

 ヴヴヴヴヴヴヴヴ!

 Lance CentipedePeteで盾ごとKnightの胴体を貫き、Cemetery Bee"poisonous needle"と強靭なchinKnight達を肉団子に変えていく。


 そして村人達も奮戦していた。



 村人達は「Vandalieuについて行く」と決めた時点で、Vandalieuに民として認識された。結果、【Eclipse King】の効果により【Strengthen Followerskillの恩恵を受け、Ability Valuesが急increaseしている。流石にKnightには及ばないが、平均的なSoldier並には高まっていて、逃げに徹するなら重武装のKnightでは中々追いつけない。


「オラオラっ、お偉いKnight -sama、こっちだぜっ!」

「何だ若い者が情けないねっ このウスノロっ!」

 そうしてProvocationしながら逃げる村人達を追いかけたKnight達は、ある者は脚を止めて矢を射ようとし、ある者は【Martial Arts】を使って攻撃しようとした。


「村人風情がっ、射殺してくれぇぇぇぇ!?」

「おのれっ、【飛け】ああああああああああああ!」

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!』

 そしてVandalieuに脚元の地面をGolem Transformationされて、動き出したGolemの体積分生じた穴に落ちていく。

 そして二~三meter落下したKnight達の上に、Golemが「よっこいせ」と戻る。その後、生き埋めにされた彼らは窒息死する前にVandalieuから出て来たミミズやオケラに似たmonstersや、植物型monstersの根に攻撃されてExperience Pointになる。


「ふんがーっ!」

の娘をよくも首にしたな!」

 Ivan達は従軍事務官に対して投石を行っていた。非常に原始的な攻撃だが、日頃の農作業で鍛えられた腕っ節で投げられる石や鍬は、Ability ValuesEnhanced (1)されている今では直撃すると洒落に成らない。


「ひぃぃぃっ! 待ってくれっ、私は仕事でっ、仕事でしただけなんだぁっ!」

 そしてそう情けなく叫ぶ従軍事務官は、ただのProduction職の一般人である。変に気boneのある事務官を派遣すると村人側に着いて問題を起こすかもしれないとの配慮で選ばれたのだが、見事に裏目に出た。

「くっ、卑怯な!」

 そしてその正規職員を守るために三人のKnightがその場から動けなくなっていた。


「食らえ【Triple Thrust】! 【Triple Thrust】っ! 【Triple Thrust】ぃぃぃっ!」

「【Stone Wall】! 【岩盾】! 【Skull Bash】!」

「【Rapid Fire】! 【Continuous Shooting】!」

 そしてKasim達DClass adventurerは、Ability ValuesだけならCClassに匹敵する程に成っていた。

 Knightを圧倒する程ではないが、それでも見事なCoordinationで立ち回り、既に二人のKnightを倒している。


『そのままKnightを引きつけたまま逃げてください』

『あの事務官を狙って、何でもいいから投げてください』

『次は一旦下がってKasimと交代』


 全ては【Spirit Form Transformation】して糸状に成るまで変形させた腕を使って全ての村人と繋がった、Vandalieuの指示だった。

 村を-sama々な位置から見渡すLemureの視点を活かし、常に状況を把握。【Danger Sense: Death】で個別に危険を察知してfollowし、少しのinjureは【Rapid Healingskillで自然治癒。

 更に【Energy Absorption】、【Bloodshed Enhancement】の付与magicをかけ、Kasimやセバス達にはManaを供給している。


 ダメ押しに、【Commanding】と【Coordination】skillの恩恵まで村人達に与えているので、もうこの場にただの村人は一人も居ない。


「な、何なのだ、これは!?」

 号令を下した一分後には自分達が劣勢、それどころか一人、また一人と部下が断末魔を上げながら散っていく。

 Karcan達五十人を返り討ちにした謎の武装勢力を倒すために、一人一人がKarcanと互以上の部下を百人近く率いて来たと言うのに、一方的にやられている。


 戦場は不条理なものだが、これは不条理が過ぎないだろうか?


「無事な者は前に出てMartial Artsを使えっ、治癒magicが使える者はinjure人の治療をっ! 村人は相手にするなっ、まずmonsteradventurerを倒せ!」

 しかし Pabloは仮にもKnight Delegation Leaderだ。Knight達を倒しているのがセバス達とKasim達、そしてVandalieuである事を視抜き、その他の村人への攻撃を止めさせる。

 そして態勢を立て直しながら、信じ難いが敵Commanderらしい謎のchildを探した。


 だが、前に出てMartial Artsを放とうとしたKnight達に、突然出現した(ようにPabloには見えた)Entがリンゴに似たFruitを実らせた枝を振り回して攻撃し、数人がFruitの直撃を受けて吹き飛ばされた。

 更に治癒magicを唱えようとした者は即座に黒い霧のような物に包まれ、それがmagicを妨害しているのか術をActivateできなくなってしまう。


『お゛お゛お゛ん』

『ぶる゛る゛る゛』

 しかもPabloの目に、村に入って来たStone Golem達と『Death IronGolem、後三十匹程のSkeletonの姿が映る。


 Vandalieuが呼び寄せた、第七cultivation villageの周囲に配置されていたGolemと、以前彼らが殺したKarcanの部下達の白bone死体から作ったUndeadだ。


「かっ……各自の判断で個別に対応しろ!」

 もう打つ手が無いから、各員の奮闘に期待する。そんな意味の号令を出して、Pabloは覆る兆しの無い劣勢の中自身も前線に加わった。


 Kasim達の参戦等、Vandalieuにとっても予想外の事態は在ったが、Lucas公子やPabloの最大の予想外は、「自分達だけでは問題を対処するには、圧倒的に戦力不足だった」と言う事だろう。




Job解説:Insect User


 蟲型のmonstersを一定数Tamerする事に成功した場合就く事が出来るJob。この際、蟲からの信頼が無ければならない。

 Ability ValuesVitalityと力、Enduranceincreaseする。【Insect Binding Technique】、【Parallel Thought Processing】、【Long-distance Control】、【Thread Refining】等の通常では獲得できないskillの補正が得られる。


 獲得者のMentalを徐々に元のconditionから変化させる、正常なconditionでは耐えがたい等のimpactを与えるskillばかりであるため、結果的に【Mental Corruptionskillを獲得し徐々に正気を失っていく。

 最初から人とは異なるMental構造をしている場合や、正気を失っている場合は問題無い。


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