VandalieuのManaによって作り出された液体金属『Death Iron』と『Hell Copper』は当初どう使えばいいのか分からなかったが、とりあえず試しに熱してみたら意外なほど加工しやすい金属である事が判明した。
『こいつぁ夢の金属じゃわい!』
Death IronやHell Copperの重さは元の鉄や銅のままだが、液体だから型に注げば簡単に形を変えられる。
そして硬さは、何と熱すれば熱する程硬くなる。Death IronとHell Copperはそれぞれ鉄と銅が溶ける温度で逆に常温conditionの鉄や銅の-samaに固体に変化するのだ。
certainly冷えると元の液体に戻るが、硬くなっている間に鎚等で叩いて鍛造すると冷めても固体のconditionを保つ。
型に注いだDeath IronやHell Copperを加工しやすい程良い硬さに成るまで熱し、それから鎚を振るって鍛造する。すると、熱が冷めても液体には戻らない。
そうして出来たDeath Iron製の剣や槍は鋼よりも硬く、粘りがあり、鋭い。だがそれでも刃毀れした時はfragmentさえ回収できれば、その部分が液体に戻ってFusionしたちまち元通りに成る。
一方Hell CopperはDefense Equipmentに向き、衝撃をよくAbsorptionして斬撃刺突に耐え、Manaにも強い。そして損傷した場合はDeath Iron同-samaに損傷部分が液体に戻ってFusionし、元通りになる。
また、death attributeのManaで変異した金属であるためかどちらの金属もDeath-Attribute Magicのmagicを付与しやすい性質を持っていた。【Healing Negation】や【Deadly Poison】を付与した剣や、【energy Absorption】を付与した盾等を簡単に作る事が出来た。
『何故かMikoと儂らUndeadかGhoulにしか鍛えられないのが欠点じゃが、そこが可愛げがあるわい!』
ただDeath IronもHell Copperも【Death-Attribute Charm】が有効な存在か、創りだしたVandalieu本人にしか加工できなかった。出来た製品は誰でも使えるのだが。
今はDataraや彼を手伝うUndead Giantや、Ninelandの地下墓地に囚われていたGhost達が居るので問題無い。
因みに完成した製品を再び元の金属に戻して加工したいなら、一度高温で熱した後【Heat Leech】をかけて熱energyを零にすると、冷めた時には元の液体に戻っている。
そしてDataraは程よく熱したDeath IronとHell Copperをそれぞれ型に入れて成形し、数回鎚で叩いて軽く鍛えてから固めると言う手法で硬貨を作る事に成功した。
こうして千Luna Hell Copper貨や、百Luna Death Iron貨が出来たのだった。
「こんなに小さくて良いんでしょうか?」
出来上がったLuna硬貨を指で抓むVandalieuは、その大きさがJapan円で一円玉ぐらいに成った事に不安を覚えたようだ。
『十分でしょう』
しかし Chezareは自信満々だった。
「でも、元は銅や鉄ですよ?」
「そうですわね……将来交易を始めた時に百Amid金貨と交換して貰えるか不安ですわね。だって元は銅ですもの」
『そうですな、銅ですし』
「しかし、金や銀より硬いし綺麗じゃ。儂はこっちの方が好きじゃよ」
「金や銀と違って、いざと成ったらこのコインを張り合わせてDefense Equipmentにも出来る。私もこっちの方が良いと思うぞ」
「我も硬い金属の方が好きだ」
元が鉄や銅なので将来金貨や銀貨と両替できるか不安なVandalieuやTarea、Sam達。
貨幣経済に疎く、金属の価値は希少性ではなくWeapon EquipmentやDefense Equipmentとして使った時の優位性で価値を決めるZadirisやBasdia、Vigaro達Ghoul。
そしてどっちのgroupもずれていると苦笑いを浮かべる第三group。
『この大きさのコインでAmid金貨やBaum金貨と同じ価値があるかは分かりませんけど――』
『普通に両替してくれると思いますよ』
『陛下、このDeath IronやHell Copperで出来たコインを手に入れる為なら、商人はcertainly Royal Nobilityも金貨で山を……いえ、白金貨で山を作るかもしれませんよ』
Rita、Salire、Princess Leviaは何故かDeath Iron貨やHell Copper貨の通貨としての価値を高く見ていた。
「Vandalieu -sama、私も同感よ。だって、これはworldでVandalieu -samaだけが作れる魔導金属なのよ。Mage guildはcertainly、何処の国だって欲しがるわ」
そう、Eleonoraの言う通りDeath IronとHell Copperのaccurateな価値は高い方の意味で不明だ。Vandalieuが、恐らくLambdaで初めて作り上げた金属なのだから!
元が金や銀よりもずっと価値が低い銅や鉄だったとしても、創りだせるのはVandalieuだけ。だからその希少価値は計り知れない。誰も金や銀に対してどれくらいの価値を持つのか決められないのだ。
「なるほど。じゃあ、とりあえずこのくらいの大きさで良いですね。……でも、将来交易する前に貨幣の両替については考えないと」
将来、他国と交易する時凄い勢いでDeath Iron貨とHell Copper貨が無くなるかもしれない。逆に見向きもされない可能性もあるが。
こうして始まったLuna通貨の流通だが、今のところはスムーズである。
「これが十Lunaで、こっちが五十Lunaか……おお、Death Iron貨は太陽に翳すと虹色に光るぞ」
「Hell Copper貨の紫色も綺麗ね。もっと集めようかしら」
「ブフゥ~、俺、Death Iron貨で首飾り造る」
貨幣経済に慣れていないGhoulやOrcus達は硬貨の価値や利便性よりも、その見た目の綺麗さに関心があるようだ。
「お金まで頂けるとは本当にありがたい事で、その上仕事まで斡旋して頂いて……ありがたや、ありがたや」
「鉱山で死ななくて本当に良かったなぁ」
「これからは働けば稼ぎに成って返って来るのか……でも鉱夫はもうやりたくないな。農場にでも行くか」
「農場だと、何故か歌とdanceまで仕込まれるらしいぞ。おら、音痴だからなぁ」
「あたしは豆腐工場にでも行こうかね」
「私はSewingが出来るから、needle子でもやろうかね」
「儂は商売でも始めようかのぅ。Sauron領で魚を売っていた頃を思い出すわい」
Slave鉱山で働かされていたGopher達元避難民や元First cultivation villageの面々は、ある程度貨幣経済の中で生活した経験があるのでLunaをそのまま受け入れている。
彼らの-samaな非戦闘民族、Production relatedの人達はTalosheimでは貴重である。今まで一部のGhoulや元職人Undead以外あまりFarmingやFishing、工業に関わってくれなかったからだ。
Gopher達の多くは元鉱山 Slaveで【Mining】skillを持つが、流石に二百年も搾取され続けた仕事を自由の身に成った後もやろうとする者は少数派で……しかも TalosheimではDungeonでMiningを行うため、鉱夫には戦闘Abilityが求められる。そのため、Talosheimに新しく作られたGolem工場に勤めるか農場で働く事に成りそうだ。
元First cultivation villageの面々も同じだが、故郷のSauron領ではLeather Artisanだったりneedle子だったり、商売人だったりしたそうで、それぞれ前職を活かして生活していきたいそうだ。
Golemが作業robotの代わりに動くGolem工場や、Monster Plantの農場で彼らがする仕事があるのかと疑問かもしれないが、仕事は幾らでもある。
GolemはVandalieuの莫大なManaを少々供給するだけで、延々黙々と動き続ける。しかし、やはりGolemでしかない。
指示された動作や手順をaccurateに繰り返してくれるが、応用が利かない。何よりもGolemでは彼らの鉱物で出来たbody partがDamageを受けない程度の温度差や、製品のconditionを判断する力が弱すぎる。後、細かい作業も苦手だ。
それらの穴を人が埋めて、やっとEarthの工場で出来る製品に近付くのだ。
全部機械で作った豆腐よりも、職人の手が入った豆腐の方が美味いのと同じである。
「やっぱり人は必要ですよね」
VandalieuはHartner Duchyに行って良かったなとしみじみ思った。
因みに税制も整えつつある。所得税の導入だ。
『陛下、とても正気の沙汰ではありません!』
Lambdaの国家ではadventurerやmercenary等以外の一般国民にかける税は、一人当たり幾らと決める人頭税が採用されている。そこに田畑での収穫や商売の利益の大体五割から四割程の税がのせられる。
それを新Talosheimでは人頭税を廃止し、全ての収入の合計から所得税を徴収する。これなら人頭税と違って収入が低い者でも理論上は税金を払える。
certainly、収入が低すぎる場合は税金を免除する制度に加え、一年の総収入が高い者には低い者より高い割合で税を徴収する仕組みも整えた。
税率は低い者には五%、稼ぐ者でも最大二十%程。
『陛下、考え直してください! この税制は本来商業guildの商人やAdventurer’s Guildに課されるものです。個人に実施するためには国民の収入を把握しなければなりません! それに他の国と比べて税が低すぎます!』
そうChezareがVandalieuに訴えるのも無理は無い。こんな激安税制では、遠くない将来国が貧しくなり体制を維持できなくなってしまう。
しかし Vandalieuは平気な顔で言った。
「現在のTalosheimで行われているほとんどの事業の主は、俺ですよ?」
『……そうでした』
味噌や醤油の製造はVandalieuの【Fermentation】のmagicを付与したmagic itemを動かすために、各種Golem工場でも動力として、VandalieuのManaが必要不可欠。
他の産業でも大体Vandalieuが居ないと事業が成り立たない。GolemやMonster Plant、Immortal Ent、Cemetery BeeもVandalieuが居るからTalosheimに恵みをもたらしている。
Adventurer’s Guild跡のPlace of Exchangeの運営も、商品をVandalieuが供給するから成り立つ。
他にもtemple、Stonemason、Carpentry、そしてBlacksmith。全てVandalieuが上に居る。
だから国民の収入を把握するのは難しくない。将来は難しくなるかも知れないが、それまでに仕組みを整えれば良いだけだ。
そして税金不足で困窮する事にもならないだろう。国民は結局国王であるVandalieuから-sama々な物を買って生活する事に成るのだから。
実際に百percent問題無いとは成らないだろうが、後は実施して問題点が出る度に改善するトライ&errorを繰り返すしかないだろう。
『畏まりました。では、委細はお任せください』
「……Chezare、もうGeneralを辞めてPrime Ministerでもやりませんか?」
『いえ、私はただの軍人です、陛下』
ただの軍人がここまでcivil officialの仕事をして良いのだろうか?
そんな会話の後時間が流れ、そろそろ残暑の終わりも見えて来た頃の事。VandalieuはTalosheim王城の地下広間、Dragon Golemを倒しRapiéçageの材料を手に入れた場所で作業の合間にnight食を食べていた。
『あのー、陛下、それは?』
「これはramenです、Princess Levia」
丼の中身、白いsoupに-sama々な具材と麺が浸かっているramenを指差してVandalieuは説明する。
「うどんとは似て非なるCookingです。因みに、これはBragaの希望を元に作った豆腐ramenです。
味噌ダレに豆乳ベースのsoup、麺は小麦粉と黄粉を一定の配合で混ぜ、チャーシューの代わりに油揚げや高野豆腐を入れた物です。薬味は玉ネギ」
何処までも豆腐……大豆なramenである。イソフラボン待ったなし(意味不明)。
欲を言えば、早く長ネギを手に入れたい。後soupにゴマを加えたらより美味しくなるのではないだろうか?
『とっても美味しそうでしょう? VandalieuはCookingも上手なのよ。Princess -samaも一杯どうかしら?』
Vandalieuの【Mind Encroachment】skillで、息子と味覚を共有しているDarciaが幸せそうな顔で勧める。
しかし、Princess Leviaが聞きたいのはramenではないらしい。
『ありがとうございます。でも、ramenではなくて――』
『ではこれですか? これはウェディングdressです』
ramenを食べているのとは、別のVandalieu……【Out-of-body Experience】した後更に分裂して作業中の一人が、作成途中のウェディングdressを指差して言った。
countlessの縫いneedleと糸を駆使して、Vandalieuは糸から直接ウェディングdressを繕っていた。
『型紙とか面倒だったのでどうにかできないかと悩んでいたのですが、だったら型紙を使わず糸から直接服を作れば良いと言う事に最近気が付きまして』
『実行中です。因みに、これはBragaのお嫁-sanのMarieとLindaのdressです』
『採寸は済ませました。尚、材質はCemetery Beeから貰える蜜絹です』
ジャカジャカシャカシャカと四人のVandalieuの、糸の-samaに細く枝分かれした腕がcountlessの縫いneedleを操作している。
いつかはこれもGolemやCurse Toolにさせたいが、細かい作業なので暫くはVandalieu自身がするしかないだろう。
『これで縫い目の無い服が作れますよー』
『Frills Frills……Laces Laces……ふれりるすふれりるす』
『でも俺だけだと今は一日二着から三着が限界なので、いい加減にミシン作らないと。今もちょっと限界barelyです。やっぱりペダル式ですかね?』
NinelandやNiarkiの町で見た限りだが、LambdaのClothing DecorationはEarthに比べるとやはり劣っていた。染色はEarthよりも染料の種類が豊富なのか鮮やかだが、designが限られている。
NinelandでEleonoraに憑けた蟲Undeadの目を通して、市場で売られている古着を見ると現代Japanを生きたVandalieuの感覚からするとかなりダサかった。
当時高校生だったVandalieuだが、非行に走っていなかっただけで品行方正だった訳ではない。拾得物などからそれなりに見ていた。
だから色々作る予定である。特にブラジャーとか、ガーターbeltとか、ストッKingとか。水着は濡れても透けにくい繊維を見つけてから着手予定である。
後、将来ハリWoodのactionスター並のBody美を目指す身としては、やはりmale用Boxer breadツも折を見て作っておくべきか。
『凄く綺麗でしょう? きっとみんな喜ぶし、将来交易する時に商品にしたら皆買ってくれると思うのよ』
『はい、凄く素敵だと思います。でも、そっちではなくて……あれは何なのかなと……』
Princess Leviaが視線を向けたのは、Resurrection Deviceから運び出されていくchunk of meatだった。
手も足も頭も無い、一抱えほどのchunk of meat。その赤い表面にはビクンビクンと蠢くblood vesselが走っていて、信じ難い事に生きているらしい事が解る。
『あ、あれの事はあまり考えないで――』
「あれはkaa-sanの失敗作七号です」
『いやぁぁぁぁっ! 言っちゃダメぇぇぇっ!』
「いや、別にあれがkaa-sanの真の姿とか、そんな事無いので落ち着いて」
Vandalieuは液体conditionのDeath IronやHell Copperを【Golem Transmutation】で操り、Resurrection Deviceの欠損部分を埋める事を思いついた。そして実行した結果、Resurrection Deviceは動いたのだが……DarciaのBodyを創りだそうとしても、装置ではchunk of meatしか出来ない。
色々と試行錯誤を繰り返しているが、何をどうしても出来上がるのはDarciaとは似ても似つかないchunk of meatだけである。
「見ての通り肉とblood vesselしか無くて……内臓があれば作成済みのOrichalcumのbone格と一緒に組み立てるのですが。
やはり元から不完全なResurrection Deviceを、不自然な応急修理で動かしても無理みたいです」
今まで七回ほど動かしたが、出来上がるのが謎のchunk of meatではどうしようもない。legendでは、魂が無い以外は完全なHumanのbody partを作る事が出来たらしいのだが、程遠い結果ばかりだ。
『だって、なんだか……Vandalieuはそう言ってくれるけど、本当はこんな姿なんだって言われているようで辛いのよ』
『ごめんなさい、私ったら……』
『いいの、私がそう思い込んでいるだけなのよ。きっと、装置が不完全なせいだわ』
「一応動く事は動くので、これから完成形に近づけようと思います。もう少し待っていてください、kaa-san」
(やっぱり破損個所を同じ材料で埋めたり繋いだりしないとダメか。他はin any case、Orichalcumを微細な形に整えるのはまだ無理だから……やっぱりHomunculusか?)
【Golem Transmutation】skillのlevelも上がったが、Orichalcumで精密部品を作れるまでではない。流石に半導体を手作りする程ではないが、米粒に文字を書くような細かい作業だ。簡単には出来ない。
やはりEvil God (M)かEvil God (P)を探して契約し、Homunculusの作成法を利用してDarciaのbody partを作るべきかもしれない。
そのために必要な知識は、NinelandのMage guildで手に入れて来た。処女の生贄等、Vandalieuの目から見ても高いhurdleだが、そこはEvil God (M)やEvil God (P)と話し合えば何とかなるかもしれない。
(Kami-samaって、交渉できるのかな? 脅迫なんて出来ないでしょうし)
実は既にEvil God (P)を一柱喰っているのだが、それに気がついていないVandalieuは神を無条件に自分より上の存在だと考えていた。
「丁度良いEvil God (M)やEvil God (P)を探しますから」
『Levia -san、息子が良くない宗教に走りそうなのだけど、こういう時私はどうすれば良いの?』
『え、え~っと、た、maybe大丈夫です!』
安心させようと力強く宣言したら、逆に不安にさせてしまったらしい。何故だろう、別に信仰するとは言っていないのに。
《【Blacksmith】、【Thread-reeling】、【Enhanced Body Part:髪】skillを獲得しました!》
《【Clothing Decoration】が【Thread-reeling】に、【Enhanced Body Part:髪】が【Enhanced Body Part:爪tongue fangs】にintegrationされました!》
《【Cooking】、【Enhanced Body Part:Hair, Claws, Tongue, Fangs】、【Thread-reeling】skillのlevelがincreaseしました!》
そして時は流れて十月。
Gopher達の【Youth Transformation】措置等を終え、通貨作り等もとりあえず終えたVandalieuは、cultivation villageの収穫祭に顔を出していた。
具合の悪い村人を治療して、以前食べた米と雑穀の粥ではなく、野菜や肉と一緒に炒めた南部米のチャーハンっぽい物や具がしっかり入ったsoupをご馳走に成る。
「よく入るなぁ、それで何杯目だ?」
「三杯目です」
お土産にHorn Rabbitを三featherと胡桃を一袋渡したので遠慮しないVandalieuだった。
「いやー、お前が帰った後大変だったよ。Slave鉱山で何か起きてさ、城壁が破壊されて鉱山が更地に成って、SoldierやSlaveが全員Skeletonになっていてさ」
「何だって、本当ですか、信じられない」
実は犯人、それも主犯であるVandalieuは何時もの無表情と棒読み口調でそう言った。表情も口調も何時も通りなので、Fester達は気が付かなかったようだ。
……意識しないと表情を変えられずemotionsが表に出ないのも、こんな時は役に立つ。
「ああ、城壁が外から壊されていたらしいから、maybe monstersが出たんだろうな。足跡とか、痕跡は見つからなかったけど」
「それで、monstersに殺されたSoldierやSlaveがUndead Transformationしたんだろうってさ」
どうやら、調査したKnight団はそうconjectureしたらしい。Slaveが居なくなっている事に気が付かれないよう、monstersのboneを【Golem Transmutation】で加工してGiant race Skeletonに見える-samaにした甲斐があったようだ。
「幸いな事に、城壁を破ったmonstersはそのまま鉱山が在った場所の南に移動したらしいけどな」
軍隊が動いた形跡が無ければ犯人はmonstersしかなく、monstersの痕跡が無い場合は空を飛ぶなりなんなりして何処かへ行ったと調べた者達は考えたらしい。
(実際には、Demon Kingのsealedが解けたことと関連付けて考えようとしている人もいるでしょうけど……分からないだろうなぁ)
まさかSlave鉱山からSlaveを助けるために、たまたまChampionのsealedを破ってDemon Kingの一部(blood)を解き放ってしまったとは、夢にも思わないだろう。
実際、Vandalieuがそう考える通りにSlave鉱山の事件を知ったHeinz達やAlda temple関係者は首を傾げていた。事件が起きたtimingを考えれば無関係ではないだろうが、何故そこ? と。
Hartner DuchyとしてはDungeon以外で鉱物資源を手に入れられる、それなりに重要な場所ではある。しかし、Demon Kingのsealedを解いた何者か、若しくはsealedされていたDemon King Fragmentその物が、目標とする対象としては疑問しか残らないのだ。
他のDemon King Fragmentがsealedされている訳でもないし、他のEvil God (P)やEvil God (M)が居る訳でもない。だから、sealedを解いた者が鉱山で働かされているTalosheimの元避難民の関係者だと気が付かないと、何故なのか不思議で仕方がないだろう。
そしてまだ気が付いていないようだ。
このcultivation villageがノーcheckである事が、事件について捜査している者が真実に近付いていない証拠だ。
見張りやSpyなどが入り込んでいない事は、今も村の上空を漂っているVandalieuの使い魔、Lemureによって判明している。
「お蔭でNiarkiの町から討伐の為のadventurerやKnightが街道を通ってさ、親父-sanがウハウハしていたよ。これからはpeddlerが来てくれるか分からないって知って、今は逆にしょんぼりしてるけど」
裏で蠢く色々を知らないKasim達は、のんびりと祭りを楽しんでいる。実に癒される。
「リナは仕事が増えて大変そうだったけどな」
「そう言えば、皆-sanは討伐隊に加わらなかったんですか?」
実際には、Vandalieuは既にLemureを通してKasim達が討伐隊に加わった事を知っていたが、聞かないと不自然かなと思って質問しておいた。
「certainly参加したぞ、参加するだけで飯代とは別に報酬が出たし」
「SkeletonならRankは2だ。俺達でも倒せるし、討伐隊の数も多かったからな」
「それと、お前が教えてくれたGobu-gobuを作るために村の男衆が……一部女衆もGoblin狩りを始めてさ。五人一組で手製の槍や弓を持って狩り出すから、最近村の周りじゃGoblinが出ないんだよな」
Lemureを通して見ていたのでVandalieuは知っていたが、cultivation villageの人々は逞しい。いや、逞しいから今までやって来られたのだろう。
「でもなんだか変だったんだよな。あのSkeleton。他の奴等には普通に襲い掛かっていたようだが、まるで俺達には、何て言うか……」
「稽古を付けられる感じだったな。いや、向こうも俺達もWeapon Equipmentは本物だし、-chanと倒したけど」
「実戦の筈なんだけど、実戦さながらの稽古を付けられた感じだったな。それに、何処からか見守られていたような視線を感じた」
長物を振り回す敵とどう戦うか、自分達より素早い敵、数が多い敵、盾職とBow Userが一度に出て来た時は? そんな課題を次々に出されたような気がKasim達はしたらしい。
certainly、VandalieuがLemureや残してきた虫UndeadでSkeleton達をCommandingした結果だが。裏でcountlessのfeather虫で文字を作り、Skeletonに命令していたのだ。
「Undeadは生前の行動を繰り返すと聞いた事があります。そのSkeleton達は、昔新人の教官でもやっていたのでは?」
Vandalieuの言葉に、「なるほど」と納得するKasim達。Zenoが感じた視線も、きっとSkeletonの誰かだろうと思ったらしい。
実際には、彼らは生前そんな善良な連中ではなかったが。
「そう言えば、あのCleric -sanはどうしました? 姿が見えませんけど」
Niarkiの町に向かうと言って村を出たAldaの巡教Cleric……に偽装したただのLife-Attribute Mageの工作員、Frotoの姿は収穫祭で賑わう村の何処にも無かった。
「いや、俺達も知らないんだ。この第七cultivation villageだけじゃなくて、他のcultivation villageでも姿を見てないらしくて」
「討伐隊で話した奴らに聞いたんだけど、そんなClericは知らないって。Vandalieuはどうだ? 町に行ったとき会わなかったか?」
「Fester、俺にとってAlda templeは敷居が高いです。残念ながら見かけていません」
「そうか……何事も無いと良いんだが」
心配そうな顔をする三人に、Vandalieuは頷いた。
「そうですね。maybe、大丈夫だと思うのですが」
まだFrotoが工作員であると知らないVandalieuだった。Lemureの見張りも、幾らほぼ透明とは言え近付きすぎると気が付かれるので、遠くから人の動きを見ている程度でしかない。
Niarkiの町の『Dark nightのfangs』は予定より早く『Five-colored blades』の一人、Edgarに退治されてしまったので情報も収集できない。
結果、VandalieuはFrotoをまだAldaのbelieverなのに珍しい善良なClergymanだと思っている。
「ところで、これからどうするんだ?」
「はい、明日から他のcultivation villageを巡って収穫祭三昧です。その後は、町の方に行って生活必需品を手に入れ、母の遠縁に当たる人達を訪ねようかと」
「母の遠縁って、もしかして――!?」
「いや、Vampireなのは父です」
「あ、そうなのか? いや、てっきり……」
Eleonoraが居たらまた勘違いされていたかもしれない。彼女が結構気にしている事を知っているVandalieuは、今回は一人で来て良かったと思った。
「おーい、そろそろmain eventだ。祠に石像を納めるから、こっちに来てくれー」
『何でも屋』の親父がVandalieuを呼びに来て、その日の会話は一旦途切れた。
因みに、元StonemasonのIvan作のVandalieu像の出来は……微妙だった。全部石で出来ているので髪や肌、オッドアイの色を表現できないので、言われなかったらVandalieuだと気がつかれないかも知れない。
Skill explanation::Automatic Mana Recovery Mana Recovery Rate Increase
【Automatic Mana Recovery】は所有者が何をしていても……休憩はcertainly、運動中、magicを唱えている最中でさえManaを自動的に回復するskill。
【Mana Recovery Rate Increase】は、休憩時等にManaが回復するpaceをincreaseさせるskill。
似ているが別々のskillである。
【Automatic Mana Recovery】skillは所有者のManaの総量に対してのパーセンテージで回復する量が決まり、【Mana Recovery Rate Increase】はMana量に関わらず回復に必要な時間が減る。なので、Mana量が多い者ほど【Automatic Mana Recovery】skillの方を取得したがる。
ただし、【Automatic Mana Recovery】skillの取得は難しく、更に取得後はManaを過剰消費して総Mana量を増やす修業方法が取り難くなるという欠点がある。
尚、Manaの自然回復のpaceは健康conditionやMental conditionにもよるが、睡眠はそれを爆発的に高める方法であると知られており、Great Mageほど自らの睡眠時間や、環境に拘る傾向がある。
著名なMageが旅の間もマイ枕を携帯したのは、伝記にも記されている。