書類。
言うまでも無く、筆記用具が無ければ存在しない物である。木の皮や板、動物の皮も筆記用具として使えるが、Vandalieuの前にあるのは彼がProduction体制を整えたGolem工場で作られた紙の書類だった。
これを見ると、何故自分は藁半紙を作ってしまったのかと後悔の念を覚える。
「でもまあ、デスクworkも必要ですよね」
今の内に慣れておくと、きっと将来楽だろう。テキパキと仕事をする出来る男として、人望と尊敬が得られるはずだ。……Lambdaでは、全体的にmonstersを狩れる強い男の方が人気のようだが。
とりあえず書類を処理する。ざっと目を通してcheck、問題が無ければこの前作った判子を押して決済。
「「「ふう、終わった終わった」」」
『……陛下、一度私に書類仕事のやり方を伝授して頂けませんか?』
頭や腕を増やしたり分裂したりして仕事をしていたVandalieuは、何故か自分よりずっとデスクwork歴が長いはずのChezareに教えを請われた。
「教えても良いですけど、Chezareの場合は物理的に腕や頭を増やした方が早いですよ。今日の内にSurgeryしましょうか?」
『いえ、またの機会にお願いします』
Zombieになっても人体(死体)改造には抵抗があるらしい。
「それで、新しい書類ですか?」
『いえ、そろそろ通貨の件をお考えいただきたく……』
「それですかー」
現在、TalosheimではChezareによって-sama々な制度が出来つつある。
別にVandalieuが命じた訳でも誰かに頼まれた訳でも無いのに、Chezareが率先して国家体制を整えましょうと進言して来るのだ。
そのため国旗がEclipseをモChiefにした白と黒のx2丸になったり、各種書類の書式が何時の間にか決まっていたりした。
因みに、法律については旧Talosheimの物と交易していた当時のHartner Duchyの物を参考にしている。今は使い所がほぼ無いが。
そんなChezareが通貨の導入を訴えるのは当然の流れだった。
『陛下。確かに今までは物々交換で問題無かったかもしれません。しかし、我が国のdevelopmentには通貨の導入が必要不可欠! 陛下が望まれるElective Kingdomとの交易が将来成ったとしても――』
「あのー、Elective Kingdomとの交易はElective Kingdomの通貨を導入すれば良いんじゃないでしょうか? 俺、Talosheimを独立国にするつもりはあまり無いのですが」
『なんと、陛下は国を売るのですか!?』
「Elective Kingdomに外交権の無い自治国にしてもらう事を目指そうと思ってますけど」
『陛下っ、自ら属国に成り下がるなど正気ではありませんぞ! 是非お考え直し下さい!』
「……はぁ」
Chezareはそう言うが、Vandalieuはoriginally Orbaum Elective KingdomのHonorary Nobleを目指していた。その後、Talosheimがどうなるかは、UndeadやGhoulの人権を認めさせられるか否か、Pure-breed Vampireを始末できたかどうかにかかっているが、上手く行った場合はElective Kingdomの自治領にしてもらうつもりだった。
実現の可能性はかなり低いだろうが、実現したら最も利益が大きいと思うからだ。
certainlyダメだったら独立国として、Elective Kingdomのmaybe優秀だろう外交官と取引しながら国家運営をする事になるだろうが……老練な政治家のUndeadが何十体必要になるのだろうか?
「まあ、それは将来の話なので今は横に置いて……通貨の事ですよね。今日中にはHartner Duchyに出発するつもりなので、それから考えませんか?」
Vandalieuは既に七ageになり、季節はもう夏。予定ではもうDuchyに向かっているはずだった。
その目的は、guild登録である。
未成年者は本格的にadventurerとして活動するには、Adventurer's School校に入学して卒業資格を得なければならない。だが、登録するだけなら入学しなくても可能だ。
Adventurer’s Guildに登録したばかりのGClassでは、町の中の日雇い労働ぐらいしか仕事を受けられないので、学校で学ぶ必要が無いのだ。学校に入学するのは、FClass以上へ上がり本格的なadventurerになるつもりがある者だけだ。……少なくとも、二百年前のElective KingdomのAdventurer’s Guildでは。
将来的にはVandalieuもFClass以上のadventurerになって、手柄を上げてHonorary Nobleに成るつもりだ。だが今は登録してguild Cardを手に入れたら、学校に入学せずにそのままTalosheimに帰ってくる予定だ。
何故なら――。
「これ以上衝撃的なStatusにならない内に、登録しておきたい」
この一言に尽きる。
guildに登録すると登録証、通称guild Cardと呼ばれている物を発行して貰えるが、その時全てのStatusがCardを発行する職員に表示されてしまう。
つまり、Vandalieuの【Ghoul King】や【Eclipse King】、【Taboo Name】と言ったsecondary nameや、【Undead Tamer】や【Soul Breaker】等の未発見Job、【Death-Attribute Magic】等未知のskill、【God Slayer】と言う衝撃的な固有skill、更にRodcorteのCurseまで全て表示されてしまうのだ。
今の時点でかなり不味いが、これから更に増えないとも限らない。なので、これ以上悪化しない内に登録だけして、騒がれる前にダッシュでTalosheimに戻ってくるtacticsなのである。
certainly他にも、二百年前Hartner Duchyに逃げ延びたTalosheimのFirst Princess LeviaやBorkusの娘達避難民の-sama子を調べると言う目的もあった。
Giant raceの寿命はGhoulと同じ約三百年なので、maybe 町でGiant raceに聞けば分かるだろう。
元気だと嬉しいが、元気すぎてTalosheim復興を掲げて活動中だとちょっと困るかもしれない。Undeadに理解ある人達だと良いのだが。
「その時にOrbaum Elective Kingdomの硬貨を持って帰ってきますから、それを調べて考えましょう」
Amid Empireの通貨は全てEmpireで発行される統一通貨だが、Orbaum Elective Kingdomの通貨は各Duchyと王都で発行されている。つまり、何と十四種類もあるのだ。
Elective Kingdomすべてで使える統一通貨Baumに、各Duchyで発行される通貨が、混ざり合って流通している。お蔭で一応同じ国なのに、Duchy同士の境界の町には両替所が設置されていて、複数のDuchyで活動するpeddlerは通貨の交換レートを常に気にかけなければならないらしい。
上記に加え、更に歴史上何度か古い硬貨と新しい硬貨を交換しているらしい。コインに刻まれた王の顔を変えただけでは無く、金属の比率まで変えるので価値が変わってしまう。
なので、もしかしたらこの二百年の間にまた新しい硬貨に替わっているかもしれない。
「六年前の戦争でDuchyが実質一つ減りましたけど、ややこしい事に変わりないから、独自の通貨を作るなら慎重にしないと」
後々、Talosheimで使用している金属の比率の違いが原因で硬貨の流出等が起きたら面倒だ。Japanでは昔、同じ事が起こったと授業で習ったのを覚えている。
そう言うとChezareは何故か驚いた顔をした。
『なんと、まだHartner Duchyに行くつもりなのですか!?』
「……いや、まだってなんですか? 当たり前でしょう」
『しかし、既に七日も出発を延期しておりますし』
「色々あるんです。色々」
そう言いながらも、旅立ちの日を七日も延期し続けている事は否定できないVandalieuだった。
Hartner Duchyに向かうのは、まず自分。そしてZranとBragaのninja部隊、潜入工作員として優秀なEleonoraだけのつもりだった。
それでHartner Duchyの町までVandalieuが行き、町の-sama子を確認して【Danger Sense: Death】に反応する存在が無いか調べてから、ninja部隊とEleonoraを呼ぶ予定だった。
それは何か月も前から皆に話していたのだが――。
一日目。
「ヤダヤダ一緒に行くーっ!」
「い゛ぐぅ!」
「や、だやだ、い、一緒に、行きた……やっぱり無理じゃぁぁぁっ!」
「Pauvina、行って帰って来るだけだから早ければ十日もかかりません。Rapiéが人里に近づくと大騒ぎになるからダメ。そしてZadiris、照れるならやらなきゃいいのに」
PauvinaとRapiéçage、後何故かZadirisの三人に引き止められる。PauvinaとRapiéçageはすぐ宥められたが、「年甲斐も無く、儂は何をやっているんじゃろう」と落ち込んでいるZadirisを励ましていたら、日が暮れていた。
その日は出発を諦めて、VahbiやJadal達年少組と戯れて過ごす。
二日目。
今日こそはと外に出かけてみると。俄かに空が暗くなり、気がつくと空に拉致されていた。
『おおぉぉぉぉん』
どうやら、Union of BonesのKnochenに背後から拉致されたらしい。
「あのー、今日は出発するつもりなんですけど」
『おおぉぉぉぉん? おぉん』
「いや、一緒に行くのはちょっと」
まだTalosへイムの誰もUnion of Bonesが災害指定種である事を知らないが、それでもcountlessのboneの塊が町に近づけば大騒ぎになるだろう事は想像に難くない。
「俺がguildで登録したら、Tamed Monsterの証明書も貰ってきますから」
『おおおおおん!』
空を旋回するKnochenの体内で遊覧Flightしながら説得していると、日が暮れていた。
三日目。
今日こそはと外に出ると、大量のfeather音が響き俄かに空が暗くなったと思ったら、空に拉致されていた。
ヴヴヴヴヴヴヴ。
「Déjà vuかなと思ったら、Cemetery Beeか」
数十匹のCemetery Beeは、Vandalieuを掴んで飛び上がるとそのまま王城の一部のように造られている巣に運ばれた。
そして、何故か蜂蜜と虫を振る舞われた。恐らく、これを食べていいから行かないでと言いたかったのではないだろうか?
「いや、-chanと戻ってきますから」
キチチキチチキチキ
「うん、本当に。だから芋虫の団子を食べさせようとするのはstopしてください。せめて煮るか焼くかさせて」
焼き芋虫団子の蜂蜜和えは、外はカリッと中はとろっとして美味だった。蜂蜜を甘辛いタレに変えれば、おかずや酒の肴にいいかもしれない。
四日目。
『本当に大丈夫? もう少しlevelが上がってからの方が……だって、最近levelが上がらないって言っていたじゃない』
その日は朝から起きていたDarciaが不安がって、Vandalieuを引き止めた。
「大丈夫だよ、kaa-san。ちょっと早めに壁にぶつかっているだけで、別に弱くなった訳じゃないから」
Darciaの言う通り、現在Vandalieuは俗に『壁』と呼ばれる、突然levelが上がり難くなる成長の停滞期に入っていた。
伸び悩んでいるconditionではあるが、別に突然弱くなった訳ではなく昨日まで出来ていた事が、今日から不可能になる訳でもない。
それにこれからずっと成長が停滞する訳ではない。『壁』は超えられる事が知られている。実際、それに悩んでいたKatiaは現在壁を越え、以前のようにlevelを上げ続けている。
『壁』はぶつかるtimingも厚さも-sama々で、「これが俺の限界だ」と諦める人もいるが、壁を乗り越えて更なる成長を遂げる人も多い。その後、二度目の壁にぶつかると、諦めるadventurerの比率は高くなるが。
『壁』は、adventurerの間ではDClassに成る頃には一度はぶつかるそうだ。『壁』をすぐ超えられた者はaptitudeがあるとCClass昇格に臨み、Katiaのようにすぐ超えられなかった者が長いスランプを経験するらしい。
因みに、元AClass adventurerのBorkusは三回『壁』を越えていて、四回目を越えている途中でMikhailに負けたらしい。
「なので、逆に言えば俺は今DClass adventurer並に強いと言う事で、ちょっと街に行って帰って来るだけなら楽勝だと思うのですよ」
世のDClass adventurerが聞いたら、全力で否定するだろう事を言うVandalieu。そしてDarciaも納得しなかった。
『いやっ! あなたと離れ離れになるなんて! 今迄みたいにkaa-sanも連れて行って!』
「俺も連れて行きたいんですけど、ちょっと危険ですから」
町に入る時、門番に荷物を厳しく改められるかもしれない。そしてDarciaのbone片が見つかり、彼女の霊が憑いている事が万が一見抜かれたら厄介な事になる。
門番が人を呼んだり、Darciaの霊を浄化させようとしたりしたら、最悪の場合門番を殺してでも逃げなくてはならなくなるからだ。
「ほら、俺が【Mana Bullet】を乱射したら大変でしょう?」
そう、大変だ。そんな事を町の門の前でやったら、門番の生死どころではない。門と周囲の城壁が瓦礫の山に……瓦礫が残るかすら怪しい。
『うぅ……分かったわ。でも、-chanと帰って来るのよ』
「うん、もちろんだよkaa-san」
そしてこの日も日が暮れた。
五日目。
「あぁぁぁぁれぇぇぇぇぇ」
平坦なscreechらしい声を上げながら、VandalieuはImmortal Entに拉致された。ぐったりとしたその-sama子からは、諦観しか感じ取れない。
六日目
『坊主、向こうで娘に合ったら渡して欲しいって頼んだletterだがよ、もし娘が苦労しているならこれも渡してやってくれ』
「Mikoよ、Levia -samaに会う事が在ったら是非これを」
『これも頼むぜ、陛下!』
「……既に荷物が俺の三倍くらい大きいのですが」
荷物の調整に時間がかかり、やはり一日延期。
そして今日が七日目である。
「既に皆に納得してもらったし、味噌も醤油も鰹節も燻製もmayonnaiseもketchupも、工場は俺がいなくても百年は動く。
準備は万全。後はこの足で歩いて行くのみ」
「あの、Vandalieu -sama、ちょっと問題が……」
Vandalieuが意気込んでいると、現れたEleonoraが言い淀みながら話しかけてきた。
「問題?」
「Braga達が昨日、Dungeonに向かってしまったの。帰って来るのは、数日先かも」
どうやら、連日の延期に耐えられなかったBraga達ninja部隊は、Dungeonに訓練をしに出かけてしまったようだ。
「仕方ない、先に出ましょう。通信用Undeadを置いて行けば、後で合流できるだろうし」
使い魔を応用した通信用Undeadは、携Electrify話代わりに使える。通話できる距離は短く、声もUndeadの耳とtongueを通すのでそのまま聞こえる事は無いが、このLambdaでは画期的なUndeadである。
appearanceはGoblinの干し首なので、design性は最悪だが。……人の生首を使った方が機能性は向上するのだが、見つかったら流石に捕まるので断念した。
「じゃあ、行きましょうか」
「はいっ、Vandalieu -samaっ。ああ、二人きりで旅になんて……♪」
「いや、Eleonoraは一度tunnelの出口で待機ですよ?」
maybe無いと思うが、町の門で対Vampire用の防衛策が施されていたら面倒だからだ。
それ以外にもEleonoraの場合は【Evil God of Joyful Life】Hihiryushukakaを奉じるPure-breed Vampire達の情報網や、blood液の主の居場所を探るmagic item等にも、本来なら注意しなければならない。
しかし、今回は心配ないだろうと言う結論に至っている。
Vampire達の情報網がどれくらいか知れないが、彼らはVandalieuがtunnelを再開通させられるとは思っていないはず。それに、あらゆる町や村に草の者が居ると言う程Giantで綿密なorganizationでも無いらしい。
主だった町なら情報提供者が何人か居るが、そうでない町や村には特殊な訳でも無ければ居ないそうだ。少なくとも、Eleonoraが知るEmpireや盾国の情報網はその程度らしい。
そしてmagic itemの方は、現物を以前の防衛戦で鹵獲している。同じ物があったとしても、itemを使うのに必要なEleonoraのbloodが、そろそろ尽きているはずだ。
それにもしPure-breed Vampireの手の者に見つかっても、大抵は始末できる自信がある。
「そういう訳で行ってきます」
「行ってらっしゃいませ、Van -sama。必ず私の元に帰って来てくださいましね」
「Tarea、Vanは私達の元に戻って来るんだ」
『Bocchan、次は是非このSamも足にお使いください』
そして国を挙げての見送りを受けて、VandalieuはEleonoraを連れてTalosheimからHartner Duchyへ旅立ったのだった。
三日、時々Pteranodonや鳥Typeのmonstersに襲撃されつつ空を飛び、既にGolem Transformationさせて再建済みのtunnelをやはり三日かけて進み、出口を塞いでいたGolemに退いてもらい、Vandalieuはやっと念願のOrbaum Elective Kingdomに到着したのだった。
tunnelの出口は道の痕が残っているだけの、木がまばらに生えた草原だったが。
Talosheimと交易していた二百年前は立派な街道があったらしいが、今はその名残が残っているだけだ。
「ここを東に三時間も進めば、目標の町があるそうだけど……まだあるのかしら?」
「人口数千人の街らしいですから、maybe? 少なくとも、Hartner Duchyは滅んでないはずですから、近くに人里は在るでしょう。
じゃあ、Eleonoraはこの辺りで待機していて。連絡は通信用Undeadで」
「分かったわ。でも……一人で大丈夫?」
「大丈夫、一人で出来ます」
語尾を「もん」にするべきだったろうか? そんなBAKANA事を考えつつ、心配顔のEleonoraを残し、Vandalieuは道の痕跡を辿って歩き出した。
実際には数多くの霊を引きつれているので、本当は一人じゃないのだが。
尚、tunnelの出口はGolemが塞いで偽装しており、合言葉を言えばすぐに開く仕組みになっていた。
合言葉は、「反復横跳びする脳髄」である。絶対、間違っても偶然口にする言葉ではない。
そしてtunnelの内部には簡易的な宿泊施設が壁際に作られている。Eleonoraはそこで待機しながら後続のninja部隊を待つ予定なのだ。
「そろそろですね」
自分よりも高く伸びている草を踏み越えるのが面倒に成ったので、Vandalieuは草の上を音も無く【Flight】で飛びながら移動していた。
背中に背負っている荷物が無ければ、亡霊と勘違いされそうだ。
だからという訳ではないだろうが、時々Goblinや翼を広げると一meter半ば程になる大鴉等が襲い掛かって来る。そしてすぐにVandalieuに撃退されていた。
Rank1や2のmonsters程度なら、特に工夫しなくても屠れる。certainly CurseのせいでExperience Pointは入らないが、微々たるものなので全く気にならない。
「げぎぎゃー!」
「げぎぎゃぁ」
奇声を上げながら木の棒を振り回すGoblinに、とりあえずやる気のない奇声を返しながら、Braga達ninja部隊と一緒に訓練した結果獲得した、【Throwing Technique】skillで石を投げて始末する。
「Rank2の大鴉なら、五回に一回はMagic Stoneが手に入るんですけどね。手に入れば、通行税の代わりぐらいには成るのに」
Bahn Gaia continentでは、町や村に入るのに通行税をdemandされるのが普通だ。VandalieuはOrbaum Elective Kingdomの通貨であるBaumを持っていないので、代わりに使えそうな塩を荷物に入れて来ていた。
高RankのmonstersのMagic Stoneや素材だと「何故こんなchildが?」と騒ぎになるかもしれないので諦め、Hartner Duchyは海や岩塩が採れる場所が無いため高価な塩を持ちこんだのだ。
「二百年の間に岩塩鉱山が発見されていて、塩が値下がりしていたらmonstersを狩るしかないか」
それとも、久しぶりにmonstersでは無い野兎でも探そうか。
「そう言えば、kaa-sanがくれた野兎の生きbloodは美味しかったな」
思い出に浸りつつ、また襲いかかって来た別のGoblinを殴り殺して、進む。
すると、遠くに石で出来た壁が見えて来た。
「やっと見えて来た。でも、随分と苔や蔦で荒れているな。Borkus達からは、結構栄えている町だって聞いていたのに」
TalosheimとHartner Duchyを繋ぐ交易都市で、交易が始まってから急ピッチで造られたので歴史は浅いが、その分活気のある町だと聞いていたのだが。
やはりTalosheimが滅ぼされたせいで交易が無くなり、町が衰退したのかもしれない。実際、町の近くなのにGoblinや大鴉等のmonstersが多すぎる……気がする。普通の町の近くに来たのは、Evbejia以来なので確かな事は言えないが。
「まさか、廃墟になっていたりは……」
不安に駆られたVandalieuは、【Detect Life】の術を広範囲に使用した。すると、町を中心に千以上の生命反応を感知できた。
どうやら、衰退はしているが廃墟にはなっていないようだ。
生命反応の中に、一般人にしては強い反応が幾つもあるが、maybe駐留しているSoldierやadventurerの物だろう。
「ああ、良かった」
安堵の息をつきながら、Vandalieuは地面に降りると町の門に向かって歩き出した。
すると、こちらに気がついた門番が「ゲギャゲギャ」と騒いでいる。驚かさない-samaに【Flight】を解いたのだが、無駄だったようだ。
暗緑色の肌をして、長い鼻と耳と吊りあがった目つきが醜悪な門番――
「うん、現実を見つめよう。あれはGoblinだ」
しかも、槍を構える仕草から見るとRank2のGoblin Soldierらしい。扉が無い門の向こうには、やはり数え切れない程のGoblinがこちらを指差して騒ぎ、Weapon Equipmentを持って走って来るのが見える。
「ゲギイィィィィィ!」
そして大人の胸ほどしかないはずのGoblinの中で、一匹だけ大人と同じくらい大きなGoblinが叫び声を上げていた。
他のGoblinの武装が粗末なのに比べて、しっかりとした作りの鎧と盾、そしてHalberdで武装している。
どうやら、Goblin Kingらしい。
「わぁー、自分以外で初めてKingに会ったぞー」
平坦な声で言いながら、Vandalieuはとりあえず【Death Bullet】を撃った。
ここに【Ghoul King】と【Goblin King】、二人の王の戦いの幕が切って落とされた!
・Name: Vandalieu
・Race: Dhampir(Dark Elf)
・Age: 7age
・Title: 【Ghoul King】 【Eclipse King】 【Taboo Name】
・Job: Venom Fist User
・Level: 20
・Job History: Death-Attribute Mage、Golem Transmuter、Undead Tamer、Soul Breaker
・Ability Values
Vitality: 184
Mana: 328,120,344
Strength: 128
Agility :130
Endurance :119
Intelligence :761
・Passive skills
Mysterious Strength:2Lv
Rapid Healing:4Lv(UP!)
Death-Attribute Magic:6Lv(UP!)
Abnormal Condition Resistance:7Lv
Magic Resistance:1Lv
Dark Vision
Mental Corruption:10Lv
Death-Attribute Charm:6Lv
Chant Revocation:4Lv
Strengthen Follower:8Lv
Automatic Mana Recovery:4Lv(UP!)
Strengthen Subordinates:4Lv
Venom Secretion (Claws, Fangs, Tongue):2Lv(UP!)
Enhanced Agility:1Lv(NEW!)
・Active skills
Bloodsucking:6Lv
-Surpass Limits-:5Lv
Golem Transmutation:6Lv
No-Attribute Magic:5Lv(UP!)
Mana Control:4Lv
Spirit Form:6Lv
Carpentry:4Lv
Engineering:3Lv
Cooking:4Lv
Alchemy:4Lv(UP!)
Unarmed Fighting Technique:4Lv
Soul Break:5Lv
Multi-Cast:5Lv(UP!)
Long-distance Control:6Lv(UP!)
Surgery:2Lv(UP!)
Parallel Thought Processing:5Lv(UP!)
Materialization:4Lv(UP!)
Coordination:3Lv(UP!)
High-speed Thought Processing:3Lv(UP!)
Commanding:1Lv
Farming:3Lv(UP!)
Clothing Decoration:2Lv(UP!)
Throwing Technique:3Lv(NEW!)
・Unique skill
God Slayer:2Lv
・Curse
Experience gained in previous life not carried over
Cannot learn existing jobs
Unable to gain experience independently