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Chapter 361: 不死者と悪魔、異形の存在に占拠されたElective Kingdom首都

 会議Venueとして用意されたroomには、出席者の世話をするためのお付きのServant……代わりのSkeletonが控えていた。彼等はお茶や飲み物を用意し、メモを取るための紙や筆記用具を渡してくれる。

 Corbit Elected KingはそのSkeletonが淹れた紅茶の香りを嗅ぐ事で、Mentalを落ち着かせた。


「まず今回の事件の顛末ですが……既に説明されている通りです。Telkatanis Prime Ministerが国を裏切り、another worldから現れた邪悪な神、Dark Avalonに魂を売り渡し、不正に集めた【Demon King Fragment】を捧げ、Demon King Guduranisrevivalしてしまった。それを、Vidal Magic Empire Emperor Vandalieu Ark Hillwillow Solder Zakkartが倒した。

 ここまでは構いませんね?」


 以前ならTelkatanis Prime Ministerが買って出ただろう会議の司会進行を、Jetarpo Lord of Foreign Affairsが引き受けて進めている。ちなみに、Telkatanis Prime MinisterElected King城の無事なroomfaintedしているのが発見され、そのまま拘束された。今頃は城の牢獄に囚われているはずだ。……何とか原型は保っているが所々崩れているElected King城ではなく、このboneの城の牢だが。


「異議あり!」

「そうだ! とても納得できぬ!」


「では、次にVandalieuEmperor陛下にお支払いする報酬ですが、陛下の望むものを全て差し出す。これに異議のある方はおりませんね?

 では、最後に我が国のVidal Magic Empireに対する今後の外交政策について――」


Jetarpo Lord of Foreign Affairs! 貴-kunの耳には何か詰まっているか、目を開いたまま眠ってでもいるのか!? 我々は異議があると言っているのだ!」

「そうだ! 先ほどから無視をするなど、無礼千万!」


 さらさらと話を進めようとしたJetarpo Lord of Foreign Affairsに食って掛かる、何人かのNoble達やtemple関係者。彼等に同調する者の中にChurch of Vida長がいるのは、何かの冗談なのかとCorbit Elected Kingは内心思った。

Bamon Finance LordMontbert EarlAlda Temple HeadAlbell -dono、本当に異議があるのですか? それを口にして構わないのですか?」

「だからそう言っているだろう!」


 Jetarpo Lord of Foreign Affairsは、Bamon Finance Lord達の言葉に渋面を浮かべてから「では、どうぞ」と発言を促した。


「言わせてもらうが、あのZakkart Honorary Countessとその息子が語った事が真実だと何故信じられる!? そして何故奴らのdemandに諾々と従おうとするのだ!?」


「たしかに都にmonstersが溢れ、Demon Kingrevived! それを彼が倒した事も信じよう! Vandalieu ZakkartHeroだ、勲章と報奨金ならほど与えてやろう! 奴が事件を解決するのに犯した数々の不法行為にも目を瞑る! だが、奴がBoundary Mountain Rangeの向こうに存在するEmpireを治めるEmperorであるなど、納得できん!」


「さらに! 報酬としてslumsの再開発事業やDungeonの整備などを任せるとは、どういうことです!? しかも時期と程度を調節しながら我が国のHeroである『Five-colored blades』のreputationを落とせとは……Vida's New RacesだけならともかくUndeadDemonを擁護し、権利を保障するための法整備を進めろとは、正気とは思えん!

 奴は国を割るつもりですぞ!」


 発言を促された途端、順番に鉄砲水のように意見を吐き出す三人。

 彼らが言ったように、Corbit Elected KingたちはVandalieuからVidal Magic Empireの存在と自分がその支配者である事、そして今回の事件の顛末を知らされ、事件を解決した事による報酬としてdemandを受けた。


 それによると、Vidal Magic Empireは約二百年前滅んだTalosheimに首都を置き、Boundary Mountain Rangeの内側全て……つまり Bahn Gaia continentの三分の一を支配しているだけではなく、さらにlegendDemon continentMythにのみ存在が記されているDemon KingContinentを支配しているという。accurateには、Demon continentDemon KingContinentで支配しているのは一部だけだったり、Continentの地下spaceだけだったりするらしいが、それでも広大な領地を治めている事に変わりはない。


 今朝まで自国であるOrbaum Elective Kingdomと、その敵国であるAmid Empireとその属国が人類の中で一二を争う大国であると認識していたCorbit Elected King達にとって、信じ難い事実だった。


 そしてVandalieudemandしたslumsの再開発事業は、いくら救国……いや救世のHeroだったとしても、簡単には差し出せないものだ。

 街の再開発事業には利権が複雑に絡んでいるし、失敗すればOrbaumの将来に関わるので重大な責任が伴う仕事だ。いくらSaviorだとしても、実績がない……それどころか経験や知識があるか分からない者に任せる訳にはいかない。


 さらに『Five-colored blades』のreputationを落とすよう工作しろとdemandされた。

 Vandalieu達は、自分達が積極的に非難すれば人々の反感を生むと判断した事を、Corbit Elected KingOrbaumNoble……そしてtemple関係者にさせようとしているのだ。

 しかしdemandされた方としては堪ったものではない。特にAlbell Temple Headを始めとしたtemple関係者の受けた衝撃は、計り知れない。


 『Five-colored blades』のleaderHeinzAlda’s Divine Protectionを、そして他のmemberもそれぞれAlda's FactionGods 's Divine Protectionを受けている事はOrbaumでは周知の事実である。しかもHeinzが『Heroic GodBellwoodをその身に降ろすのを一部のadventurerが目撃している。


 その『Five-colored blades』のreputationを落とすという事は、Alda temple……そしてAlda Reconciliation Factionreputationを落とす事に繋がる。

 それに『Five-colored blades』のmemberHonorary Nobleでもあるので、彼らに勲章と共にHonorary Noble位を与えたCorbit Elected King自身の顔に泥を塗る事になる。

 それも、Corbit Elected King達目線で『Five-colored blades』は現時点で問題のある行動や犯罪を侵した訳ではないのにだ。


 本来なら、このようなdemandに従う事は国辱に等しい。なので、Bamon Finance Lord達も考えnoneemotions論だけで反対しているわけではない。


「いくらSaviorだからと言って何もかも求められるままに差し出すのでは、悪しき前例となる! 『Goddess of Life and LoveVidaの言葉はこのOrbaum中に響き渡り、私も含め聞き逃した者はだれ一人としていないだろう! しかしVidaは『Vandalieuに全てを差し出し、彼の言葉に盲従せよ』等とは言っていない!

 事業を任せる前に、まず彼にNoble位と勲章をElected Kingの名で与えた後に知識と実績のある人物を送り込み、各方面と事業内容を話し合ってから決めるべきだ!」


 Bamon Finance Lordは、これを機会にslumsの再開発を行うこと自体は賛成だった。都市全体を再生しなければならないのだから、いい機会だと考えている。しかしVandalieuに任せて成功すると期待できないので反対しているのだ。

 ……もちろん、Vida's New Racesに対する差別意識や『他のDuchyに所属するHonorary Nobleの子息が、我々Center領のNobleを差し置いて重要な事業を牛耳るなど許-san!』というpride、そして利権に噛んでおきたい思惑もある。


Jetarpo Lord of Foreign Affairs! Vidal Magic Empireが実在するのか確かめるのが先ではありませんか!? 私は時間の無駄だと思うが、奴と関係が深いAlcrem Dukeや最近接触を繰り返しているJahan Dukeから情報を収集し、二百年前Talosheimと交易を行っていたHartner Duke 家にも協力を要請するべきでしょう」


 Jetarpo Lord of Foreign Affairsと同じ外務系の職を歴任してきたMontbert Earlは、Vidal Magic Empireの存在を完全に疑っているが、情報を収集するよう訴えた。そうすれば、信憑性のある情報や証拠が見つかるかもしれないと。真偽、どちらの確実性が増す情報や証拠なのかは、あえて口にしなかったが。


reputationを落とせとは、自分の手を汚さず我々に汚れ仕事をさせようとは言語道断! それに今もにはDemonUndead、正体不明のmonstersが……忌々しい!

 奴らを一刻も早くOrbaumから叩き出すべきであると主張いたします!」


 しかしAlbell Temple Headはほぼemotions論だけでVandalieu達を口撃していたようだが。だが、Aldaを始めとしたGodsを信仰するtempleでは、多くの場合Undeadを不浄の存在として教えている。それにOrbaumの多くの国民が、UndeadDemonに対して抵抗があるのは事実だ。

 Temple Headだけのemotionsの問題ではない。


「……Finance Lord達の意見は以上のようですが、いかがしますか?」

「検討するに値しない。会議を進めよ」

「はい。では会議を進めます」

「「「何故そうなる!?」」」


 Bamon Finance Lord達と彼らに同調する者達が苛立った-sama子で声を荒げるが、それ以外の者達はどこか白けた-sama子で彼らを眺めていた。中には憐れみの視線を向ける者や、ただただ顔を青ざめさせる者もいる。

 その態度に激高したのか、Montbert Earlが拳を円卓に振り下ろした。


「いくら奴が『Savior』でも、配慮が過分だとは思わないのですか!? achievementは称えるべきだが、法や慣習を無視するべきではない!

 命を救われた恩や、VidaだったとしてもGreat Godから称えられた事を考慮しなければならないでしょう。しかし、奴が行った違法行為や越権行為、Tamer guildとの癒着等を利用すれば如何ようにもできるはずだ!」


 Montbert Earlが力説するのを見て、Corbit Elected Kingの心が動いた。このまま彼等を放置しておくのは拙い。現実を教えてやらなければ彼らが何かしでかした場合、自分にも責任が及ぶ。

(今朝までの常識が通じなくなったと、何故理解できない? いや、理解したくないのか、shockが多くて思考Abilityがマヒしているのかもしれんな)


「お前達が言いたいことは分かった。だが、我が国はそれどころではないのだ。我々がVandalieu Emperor陛下の全てのdemandに従い、言われるままに報酬を差し出す理由はsimpleだ。

 命と国を救われた恩でもなければGreat Godに称えられた者に対する敬意でもなく、さらに言えば『Demon King Slayer』のHeroを称えるためでもない。……もちろん、それらの理由が全くない訳ではないが、最大の理由に比べれば小さい理由だ」


 淡々と語るCorbit Elected Kingの言葉に、Bamon Finance Lordはけげんな顔をした。彼の言う通りなら、何故Vandalieuに言われるがまま従おうとするのか。


「では何故、demandに従うのか。それはVandalieu Emperor陛下と、Orbaumに存在している彼の仲間やTamed Monster達だけで、我がOrbaum Elective Kingdomの総戦力を軽く上回るからだ」

 それは至極simpleな理由だった。自分達より、Vandalieu達の方が圧倒的に強いからdemandに従うしかない。


「そ、そんなBAKANA! 本気で言っているのですか、Elected King陛下!?」

 そう説明されてもすぐに理解できなかったMontbert Earlがそう聞き返すが、Corbit Elected Kingも司会役のJetarpo Lord of Foreign Affairsも冗談を言っているつもりはなかった。


「信じられないか? では専門の意見を確認してみよう。FarzarickDolmad Marshall、説明せよ」

 それまで発言せず、青い顔をして小刻みに震えていたDolmad Marshallはそう指名されても震えるのを止めなかった。


「陛下、私はMarshallの職を辞そうと思っており――」

「儂もElected Kingを辞め、Duke 家督を息子に譲りたいのを耐えているのだ。お前だけ楽になるのは絶対に許-san。それに、Vandalieu Emperor陛下からのdemandにも『色々面倒だから、辞職したい人は最低限街の再建が済むまで待て』とある」


 辞意を拒まれたDolmad Marshallは、観念したように深く溜め息を吐き、Montbert Earl達に説明を始めた。

「まず、冷静に思い出してほしいのは……Vandalieu Emperor陛下はrevived Demon King Guduranisとほぼ一対一で戦い、勝利している。Tamed Monsterであると主張しているVida's New RacesUndeadDemonも戦闘に加わっているが、Guduranisも僕を戦力として使っていた。

 それに結局、直接刃を重ねていたのは主にVandalieu Emperor陛下だったと、『TrueRandolphから報告をうけている」


 Noble達の視線が、会議を行っているroomの壁際で椅子に座っているRandolphに集まる。Vandalieu達と共に戦った彼の報告は、彼らにとって信頼に値するものだった。

「だが、そのRandolphや『Five-colored blades』達も戦いに加わったはずだ!」

 中にはこう反論する者もいたが――


「俺と『Five-colored blades』が主に戦ったのは、Guduranisが創った下僕だ。しかも、俺に至ってはその下僕一匹に苦戦を強いられた。Vandalieuとその仲間の援護を受けなければ、危なかっただろう。

 『Five-colored blades』はVandalieuCoordinationする事が出来ず、結果的にGuduranisの僕を五匹……いや、六匹倒したが、肝心のGuduranisやそれ以前のDark Avalonとの戦いでは足を引っ張るだけだったようだ」


 Randolph本人が反論を叩き潰した。もっとも、VandalieuRokudou HijiriごとHeinz達を殺そうとしていた事に関しては「Coordinationが出来なかった」と「足を引っ張っただけだった」と言い直した。


 Vandalieuと『Five-colored blades』は公には交流がない事になっている。それでいてVida FundamentalismAlda Reconciliation Factionで、両者の掲げる主義主張がぶつかっているため、報告したのがRandolphである事も手伝ってそうなっても仕方がないと納得され否定する者はいなかった。


「たしかに、Vandalieu Zakkartが規格外の戦力を保有しているという事は理解しました。だが、力に屈して法秩序を蔑ろにしては――」

「規格外、程度ではない。我々の常識の埒外、Mythで語られるGuduranisの軍団と比べても遜色ないだろう。我が国とAmid Empireが奇跡的に軍事同盟を結んで、全戦力を振り絞って戦ったとしても、どんな負け方をするかも選べず蹂躙されるだけである事を理解していただく」


「なっ!? BAKANA、いくら何でもそこまでではないだろう!?」

 Bamon Finance LordDolmad Marshallの言葉に目を剥いて驚くが、そのBamon Finance Lordの態度にこそ、Dolmad Marshallは驚いた。軍事は専門外としても、何故そこまで理解できないのかと。


「まず、Emperor陛下自身の強さを分かりやすく説明すると……『TrueRandolphを敵に回すより恐ろしい。さすがにここまで言えばわかるだろう。

 そして強力なTamed Monsterの数々……-kun達は忘れているかもしれんが、今我々がいるこの建物も、そのTamed Monsterの一体だ。あの空を飛んでいたboneの群れだよ」


「っ!?」

『おおん?』

 Dolmad Marshallの言葉に、意識から逸らしていた事を指摘されたMontbert EarlAlbell Alda Temple Headが、小さく呻く。そして、自分の事が話題に出て気になったのか、Knochenが短く声を出した。……Earl達が座っている椅子や、囲んでいる円卓すら、Knochenの一部である。


『ヂュ、私はKnochenではなくBone Manと申します』

 そしてBone Manもここに混じっていた。


「くっ! だが、我々には『Six Phalanx』やRandolph、そして優秀なHero達がいる!」

「期待を裏切って悪いが、俺は力にならないぞ」

「なっ、なんだと!?」

 Randolphの言葉に、Bamon Finance Lordの目が零れ落ちそうなほど見開かれた。


「どういうことだ!?」

「どういうことだも何も、言葉通りだ。俺は今Meorilithの依頼で雇われ講師をしている。なんで生徒と武力衝突しなけりゃならないんだ」


 今までBamon Finance LordDolmad Marshall、そしてDuke達の依頼を「あんた達の先祖には世話になったから」という理由で引き受けていたRandolphが、今回は拒絶するとは思っていなかったようだ。

「だ、だがその依頼が終われば――」

悪いが、次の依頼はもう入っている。Stageで楽器の演奏をする予定だ」

 Randolphscheduleは、既にKanakoによって掌握されていたのだった。


BAKANA! そんな事が許されると思っているのか!?」

「許されないなら、どうする? Adventurer’s Guildから資格を剥奪するか? それとも罰金か? 他のadventurerや自慢の『Orbaum Six Phalanx』や『Five-colored blades』に俺を罰するよう依頼でもするのか?」


 言い返されたBamon Finance Lordは、愕然とした。adventurerを引退したがっているのを自分達が止めた経緯のあるRandolphにとって、Adventurer’s Guildからの資格剥奪は何の罰にもならない。罰金を科しても、SClass adventurerとしての腕は落ちていないので、すぐに稼いでくるだろう。そして腕利きの精鋭や同格以上のadventurerを刺客として雇うにしても、『Five-colored blades』はOrbaumから何故か去って行ってしまって不在。


 思わず『Orbaum Six Phalanx』の方を見ると、彼らは黙ったまま首を横に振った。

「そんな……では、本当にどうしようもないのか……」

 強大な力を持つ超人を法秩序の中に留める方法が、今のRandolphには通じない。そしてそれはVandalieuも同じである事をBamon Finance Lordは理解し、燃え尽きたようにがっくりと肩を落とした。


Bamon Finance Lord、まだ方法はあるはずです!」

「そうです! 汚らわしいUndeadDemonを操る奴を、民が支持するはずはありません!」

 そう力説するMontbert Earlと、Albell Temple Headしかし、彼らはまだ理解していない。


「民が支持するか否かも、我々にとっては些末な問題なのですよ。もし多くの民がEmperor陛下とTamed Monsterの方々を支持しなかったとしても、Emperor陛下は事業を実行するでしょう。その場合、旧slumsは堅牢なboneの城壁で隔離され、Orbaumは物理的に二分される事になりかねない。

 ……もっとも、民がVandalieu Emperor陛下を支持しないとは考えられんが」


「だ、だが、奴らはUndeadDemonを……」

UndeadDemonが何だというのかね? Emperor陛下は以前からTamed MonsterとしてUndeadVida's New Racesを街に入れ、共に生活し、Food Stallを営業した。そして、今回の事件では混乱に際して多くの民を助けた。Royal Nobilityも貧民も、Alda templeの関係者でさえ、分け隔てなく。

 Elected King陛下や我々もそうでしょう? Telkatanis Prime Ministerに化けていたのは驚いたが」


Dolmad Marshallの言う通りだ。そして、Vandalieu Emperor陛下にはDarcia -donoがいる。VidaFamiliar Spiritどころか、Vidaそのものを降ろす事ができる稀代のHeroだ。彼女の息子を支持しないVida believerは、Alda Reconciliation Factionと親しい者も含めてそういないだろう。ここに一人いるようだが」

 Corbit Elected KingDolmad Marshallの言葉に続けてそう言うと、Albell Temple Headに同調していたChurch of Vida長が小刻みに震えながら押し黙り、視線を落とした。


「対して、我々はどうだ? 今回の事件の主犯はanother worldから現れた謎の邪悪な神、Dark Avalon。その走狗に下り国を売ったのは、我らがTelkatanis Prime Ministerだ。そして、我々は民を守るどころか、自分達の身を守るのが精いっぱい。それでさえ、Emperor陛下が用意したShelterの世話になる始末だ。

 我々は民の信頼を失ったのだよ。今後、民がどちらを頼りにするか考えるまでもあるまい」


 Telkatanis Prime Ministerの件は、避難している人々はまだ知らない者が多い。だが、もみ消そうとしても、Telkatanis Prime Minister本人の身柄はKnochenに抑えられている。自分達から発表するか、Vandalieu達が暴露するか、そのどちらかなら、前者の方がまだマシだろう。


 関与したのはPrime Ministerだけのようだが、歴史に残るscandalが自分の任期中に起きた事を考えると、Corbit Elected Kingstomachが痛くなる気がした。


「そしてBoundary Mountain Rangeの向こうやDemon continentDemon KingContinentに存在するらしいMagic Empireだが……もし虚偽だったとしても今の段階で我々はVandalieu Emperor陛下をどうにもできないのだ。本当だったとしても、どうにもできないのは何も変わらん。

 『TrueRandolphには断られ、『Five-colored blades』はEdgarGuduranisに殺され、残りは行方不明。『Holy Spear』のHendricksen達若いHeroは……Vandalieu Emperor陛下の親友とpupilsで構成された『[Heart Warriors]』と交流を深めていると聞いた。Knight団と『Six Phalanx』だけでは、対抗するのは不可能だ」


 Vidal Magic Empireについては、真偽に関わらずOrbaum Elective Kingdomが何をどうしても対抗できないのは変わらない。そして、もし本当だった場合は何が何でも友好国にならなければ国として終わる。

 もちろん、この決定でOrbaum Elective Kingdomは割れるだろう。『Five-colored blades』を援助してきたDuke Farzonや、Alda信仰の強いDuchyでは揉めるはずだ。


 しかし、それでもCorbit Elected KingにはVandalieuを支持し、その言葉に従わなければならない訳がある。何故なら、彼が圧倒的強者だからだ。

「では、会議を続けよう」

 Corbit Elected Kingがそう促した時、もう異議を述べる者はいなくなっていた。




 今回の事件では、Vandalieu達の活躍によって犠牲は最低限に抑えられた。しかしRokudouが街中にDungeonの入り口を出現させたために、最初は手が回らず死者を完全に抑える事は出来なかった。


『皆、死んじまったな』

『ああ、まさか全員死んじまうなんてな』

『誰か一人ぐらいは生き延びていると思ったんだけどなぁ』

 三つの人shadowが、瓦礫のをぼんやりと眺めながら話し合っていた。彼等三人はslumsのチンピラ仲間で、ケチな悪事を働くのも、捕まって強制労働をさせられるのも一緒だった。


『お前、今度Food Stallを始めるって言ってたじゃねぇか! 真っ当に生き直すんじゃなかったのかよ!』

adventurerになるって、ガキみたいな事を言ってたじゃないか』

『お前は、好きな女に告白して所帯を持つんじゃなかったのかよ……なのに……』


 三人は捻じ曲がったが生えた頭部を抱えて嘆いた。

『『『死んでDemonreincarnationしちまうなんて!』』』

 なんと、死んだのは彼等自身であり、しかも彼らは【Demon Ruler】になったVandalieuによってDemonへとreincarnationしていたのだった。


『マジでどうするかなぁ。彼女、俺にと翼が生えて目が白目の部分まで真っ赤になっていても身請けされてくれるかなぁ』

『まあ、ヤギ面になるよりはマシなんじゃねぇか? 俺のFood Stallは完全に駄目だよな。客商売だし』

Orbaumで厳しかったら、Alcrem Duchyの街で営業してみてはどうでしょう? あそこならDemonくらい大丈夫ですよ」


『マジですか!? 良かったな! ……それで、俺のadventurerとして再出発する計画もどうにかなりませんかね?』

adventurerは今のguildの制度では厳しいですが、俺の国でExplorerをするのはどうでしょう? もしくは、誰かにTamer役を頼んで、Tamed Monsterとして活動するとか」


Tamed Monsterかぁ。美人のおねー-sanTamed Monsterならそれも……』

「ところで、あなたの思い人らしいfemaleは無事に避難している事を確認しました。近いうちに会ってみてはどうですか?」

『あ、はい、ありがとうございます、Vandalieuの兄貴』


 三匹のDemonと化した男達がぼやいているところに、通りがかったので声をかけていたVandalieuは「いえいえ」と応じた。

「でも、今日は作業に集中してくださいね。城壁の修復は終わったので、街の瓦礫の撤去や、無事な財の回収をよろしくお願いします」


『『『はいっ! Vandalieuの兄貴!』』』

 Guduranisと戦っていた時はもっと無機質な-sama子だったDemon達だが、reincarnationして一段落すると生前の人格やMemoryを思い出し、言動も変化した。


『ところで、再開発って事はnameも変わるってことですよね!? だったらVandalieu街ってnameにしませんか!? 真ん中に兄貴の銅像をBarnッて建てて!』

『おいおい、センスがねぇな。こういう時はnameじゃなくて姓を使うんだよ。Zakkart Streetってのはどうです? 通りの左右には高い建物を建てて、一階は貸店舗、二階からは集合住宅にして、お洒落な街にしましょうぜ』

『何言ってんだ、まずはここに兄貴を奉るtempleを建てるに決まってんだろう!』


「……観光名所も必要でしょうけれど、俺のtempleはもってのほかです」

 ただ、Vandalieuを熱狂的に支持している事は変わらなかった。ただ忠実なのではなく、隙あらばVandalieuを奉ろうとするので、少々厄介である。


「とりあえず、slumsRokudouが創ったDungeonの出入口を設置して、周囲にguildbranchDismantling施設、武具店や飲食店や宿泊施設、歓楽街を置く予定です」

『なるほど、Dungeon目当てに集まるadventurerと、adventurer目当てに集まる商人から金をとる街ですね。さすが『True Ruler of the Red-Light District』だぜ』


Dungeonの周りには、Food Stallが集まるOpen Plazaを作るんでしょう? 兄貴は『King of the Stalls』だからな! このOrbaumでも『King of the Stalls』の座を狙うはずだ!』

『ですけど兄貴、adventurerを集めるなら、ゲン担ぎのためにtempleは必要なんじゃないですかね?』

 本当に隙あらば奉ろうとするので、厄介である。


『失礼します』

 その時、虚空からSamが現れた。

BocchanCuatroと協力して希望者のJob changeが終わりました! Bocchanはどうします?』


 Job change roomを搭載しているSamCuatroは、激しい戦いを終えたadventurerKnight達にroomを解放していた。guildの建物もほぼDecayしていたため、levelが100になっていてもJob changeできない者が大勢いたので、とても喜ばれた。


Sam、助かりました」

『あ、兄貴~』

 これ幸いと、VandalieuSamcarriageに上がる。これで銅像やtemple、地名の命名の話題から離れる事ができる。


『先ほどの話ですが、Stageは建てなくてよろしいので?』

「屋内Stageは、もうShelterと兼用の物が三つありますから十分かと思いまして。でもまあ……Samが言うならKanakoと、この国のFinance Lordとでも話し合ってみましょう」


 Knochenの中に置いてあるDemon King Familiarからの情報では、心が折れている-sama子だから素直に話を聞いてくれるだろう。

 そしてJob change roomに入り、水晶球に触れた。


「む……っ!?」

 そして驚いて目を見開き、思わず水晶から手を離して後ろに下がる。

「今のはいったい……気のせい? もしくは過労のあまり瞬間的に寝て夢を見たのか……Guduranisの魂をAbsorptionした副作用とも考えられますが……」


 そう口では言いながらも、Vandalieuは何が起こったのか理解していた。していたが、それを否定したくてたまらなかった。

「……どちらにしても、確かめた方がいいでしょう」

 現実を否定しても仕方がない。Job changeを先延ばしにするだけならともかく、永遠にしないわけにはいかないのだから、事実を認識するためにも何が起きているのか確認しなければならない。


「とう!」

 覚悟を決めたVandalieuは、掛け声を出して再び水晶球に触れた。脳内に、Job change可能なJobが表示される。




《選択可能Job 【Fallen Musha】 【Insect Nin】 【Eclipse Cursecaster】 【Creator】 【Tartarus】 【Aramitama】 【Hell Battery Cannoneer】 【Hell Beast User】 【Hollow Shadow Warrior】 【Balor】 【Abaddon】 【Demogorgon】 【Soul Eater】 【God Eater】 【Nergal】 【Rakshasa King】 【Shaitan】 【Chiyou】 【Ouroboros】 【Rudra】 【Blood Ruler】 【Demonic Lightning Warrior】 【Yin Guider】 【Juggernaut】 【Crazy Muscle Artist】 【Apep】 【Azathoth】 【Taotie】 【Guidance Master】 【Change Guider】 【Spirit Guider】 【Hollow Boundary God Mage】 【Divine Spirit Therapist】 【True Demon King】(NEW!) 【Vandalieu】(NEW!)》




 VandalieuJob change可能なJob、【Vandalieu】。

「何故、俺がJobに?」

 Vandalieuの問いに答える者は、Job change roomが防音仕-samaだったため誰もいなかった。



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