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Chapter 291: 戦後の一時とCannibalism

 あれから何度仮の死を体験したか、もう数えてもいない。あと一歩深く斬っていれば、もっと早く動いていれば。そんな失敗を何度も繰り返した。

 それだけ『Fallen ChampionZakkartVampireTrue AncestorDemon Kingと激戦を繰り広げた『Beast GodGanpaplioや『Giant GodZerno、『Dragon-Emperor GodMardukeは強いなんてlevelではなかった。


 そしてDemon King Guduranisにはまだ一度も勝てていない。

「これでまだ四層……Guduranisを含めると、五層残っているのだから、先は遠いな」

 『Five-colored blades』のleaderHeinzは、本来の管理者である『God of RecordsCuratosが消滅した事で、無人となった街で溜め息をついた。


「いや、かなりのハイpaceだろ。攻略できないかもしれないって、Kami-samaに心配されたのに、もう残り五層なんだから」

 『Five-colored blades』の前衛の一人、Unarmed FighterJenniferがそうleaderにツッコミを入れた。


 Curatosの捨て身の行動によってDecayは免れたものの、この『AldaTrial's Dungeon』の約三分の一の階層はVandalieuによって破壊され、使用できなくなっていた。

 そのためJenniferたち『Five-colored blades』は、中層までしか進んでいなかったのに、残り十層というDungeonでも深い場所から再スタートする事になってしまった。


 その難易度は高い。敵として現れるのは、MardukeZernoといったGreat Godや、Demon King Guduranis(First form)だ。Curatosが消滅したことで、Copyの行動が単調になったため、Heinz達は数え切れないほど敗北を繰り返し行動patternを学んで何とか倒してきたが……残り四層で出て来るのがどんな敵か、考えたくもない。

 『God of Law and LifeAldaが心配したのも納得の難易度だ。


 仮想の死とはいえ、痛みや感覚はそのままなので、Emotionalに折れてしまっても不思議ではない。

「そうですね。復帰したあなたとEdgarがいなければ、そうそうに諦めていたかもしれません」

 Vandalieuに魂を傷つけられた二人は、特にEdgarは再び戦えるようになるかも分からないconditionだった。


 しかし HeinzDaianaが信仰する『Goddess of SleepMillの、そしてEdgarは名も明かされていない神の手によって、想定されていたよりもずっと速く、そして完璧なconditionで復帰する事が出来た。

「ああ、そうだな。特にEdgarには驚いたよ」

「前と同じどころか、より強くなって帰って来るとは思わなかった」


 だが、Edgarの成長は驚異的だった。彼の魂と移植されたHeroic spirit Lukeが乗り移ったかのような鋭い動きに、技の切れ。まるで常に【Heroic Spirit Advent】をActivateさせているかのようだった。Heinz達が残り五層まで進めたのも、Edgarが急激に実力を高めたのが大きい。


「確かにそうだけど、無理は禁物よ」

 『Five-colored blades』の盾職、女DwarfDelizahがそう言って釘を刺した。

Edgarは、まだ具合が悪いようだから。魂の治療がどう言うものなのか分からないけど、その分慎重にならないと」


 急激に成長したEdgarだが、彼女の言う通り謎の体調不良に悩まされていた。特に長時間戦った後は動悸や息切れ、頭痛や吐き気が酷くなり、動けなくなってしまうのだ。

 Daianaの治癒magicでも効果がなく、Mentalを落ち着かせる【鎮静】のmagicを使うと僅かに楽になるため、psychological問題だと考えられた。


「それは……やっぱりtraumaのせいじゃないか? 結構酷いconditionだったんだろ?」

 Vandalieuに魂が壊れる寸前まで嬲られ、かつての仲間であるMartinaの姿をしたCuratosに、このままでは魂が危険だからと介錯された。


 その経験がEdgartraumaとなっているのではないかとJenniferは主張したが、Daianaは首を横に振った。

「その可能性はあります。ですが、それなら私のmagicがもっと効果を発揮するはずなのです。我が神Millは『Goddess of Sleep』。人々に安寧をもたらし、心身を癒すGoddessなのですから」


 このworldMentalは、生命と密接な関係にあると解釈されている。そのため、Mentalに効果を及ぼす術が生命attributeには存在する。

 Daianaはそれらの術をEdgarに求められ、何度もかけていたが効果は薄かった。


certainly、私の力不足かも知れませんが」

「いや、Daianamagicは確かだ。やはり、Mentalではなく魂の問題だろう」

 Heinzは目を伏せるDaianaにそう言って頷いた。Edgarと『God of JudgementNiltarkHeroic spiritLukeは【Heroic Spirit Advent】が可能なくらい相性が良かったが、Lukesoul fragmentを移植して副作用が起きない訳はなかったという事だろう。


 普通ならそう考える。Edgarがその副作用を乗り越えてくれることを願い、仲間として彼を支えていくのがleaderとしての務めだ。

(だが、試練を受けている時、Edgarが発する強すぎるbloodthirstと……Vandalieuに似ているが異なるsignはいったい?)

 しかしHeinzEdgarから不審なsignを感じ取っていた。


 試練の為に出現したCopy、実体のある幻覚のようなものとは言え、戦いは実戦そのものだ。bloodthirstを放つのはおかしくないし、JenniferDelizah、そしてHeinz自身もそうしている。

 しかしEdgarCopyに放つbloodthirstはただ鋭く、冷たいだけではない。毒々しい恨みの念が含まれているようにHeinzには感じられた。


 そして、戦闘が長引くと僅かに感じられるようになる、あのsign


「答えがあるかは分からないが、Aldaに訊ねてみよう。Daianaも、Millに祈ってみてくれ」

 Godsも忙しい。地上では、Vandalieuとの戦いが激化しているらしい。Heinz達にかかりきりになれないのだろう。

 そう思うが、魂についてはGodsに訊ねるしかなかった。


 その頃Edgarは宿屋……accurateには、十万年前のHumanの街にあった宿屋を再現した建物のroomで、一人横になっていた。

「うっぐ……ぅぅっ! まったく、酒も飲んでないのに、二日酔いになるのは、どう言う事だよっ」

 頭痛に吐き気が治まらないのに、首から下は絶好調。戦闘になるとその頭痛と吐き気も、嘘のように消えてすっきりした気分で戦う事が出来る。


 【Abnormal Condition Resistanceskillも、各種potionも、効果はない。Daianamagicも、気休めにしかならない。戦闘だけがEdgarをこの症状から解放してくれていた。

 しかし、その戦闘に耽溺する訳にもいかないのを、EdgarInstinct的に理解していた。


 戦闘を続ければ続ける程、相手が憎くなる。Copyでしかないのは理解しているし、敵として現れるのは、そもそも彼と面識のないMythの住人達だ。

 そのはずなのに、気がつけばEdgarGanpaplioMardukeZernoCopyを忌々しいと感じている。特に、GuduranisCopyを初めて見た時は、我を失いそうになった。


 Edgarの人生全体でもそうそうない程の、酷い侮辱を受けたような気分になり、憎悪で意識が塗りつぶされかけた。

 症状が出た直後は、移植されたsoul fragmentLukeMemoryemotionsimpactしているのかと思った。しかし、考えてみればLukeDemon King Guduranisが倒されて数万年以上後に活躍した人物だ。


 神のFollowersとなったため、Guduranisを憎むのは理解できるが……それにしてはあの憎悪は生々し過ぎた。

(全く、どうなったんだ、俺は? だが、だんだんマシになっている。やっぱり、魂を砕かれかけたのに、すぐ元通り戦闘を……いや、より過酷な戦闘をしているせいか?)


 Jobskillは魂に刻まれるのだと、childの頃教わった覚えがあった。普段はそれを意識した事はないが、魂を砕かれかけた自分には、それが原因で何らかの副作用が起こっているのかもしれない。

 だが、その副作用も最初の頃に比べれば弱くなってきているとEdgarは感じていた。


Niltark達が副作用について何も言ってこないのも、そう言う事かもな。安静にリハビリさせる時間も余裕もないから、治るまで耐えろって」

 なら、これはVandalieuにやられた自分の弱さのせいだと思って、治るまで耐えるしかない。そうEdgarは思い込んだ。


 VandalieuPeriaBotinDefense Corpsに甚大な被害を与えている事や、Hero CandidateEdiliaCarlosを導いた事で、確かにAldaEdgarを長期間休ませる時間も余裕もないのは事実だ。

 しかし、副作用は実際には軽くなるどころか進行していた。そして、NiltarkGodsは、Edgarの魂のconditionaccurateに把握しておらず、Edgarと同じように「副作用が起きているが、徐々に収まりつつあるようだ」としか考えていなかった。


 それだけDemon King Guduranisの魂の微細なfragment、粉を移植したRodcorteの行為は、常識から逸脱したものだった。

 そして、Demon King Guduranisの魂の粉は、Rodcorteが考えるよりもずっと狡猾だったのである。




 Edgarが侵食されつつある頃、元Hero CandidateCarlosは酒場のCounterで水を飲んでいた。

 SimonNataniaに諭され、ようやく仲間達の声も届くようになった彼は、それまでの自分を戒めるように酒を断ち、鈍っていたbody partを鍛え直していた。


 今日も、Moksiに数か月前に出現したばかりのBClass Dungeon、『Garess' Battlegrounds』に挑戦し、最初の中ボスを倒して戻ってきた。

 blessingsが無くなり、levelが上がり難くなったのを実感したが、それでもゆっくりと前に進んでいる。それで十分じゃないかと思いながら。


「親父、新しい水をくれ! 炒った豆も!」

 そうCarlosが注文するが、酒場の親父はCarlosを見向きもしない。酒場で水を注文しているのだから無理もないだろうが、つまみも注文しているのだから良いじゃないかと彼は思ったが、文句を言うのは止めた。


 もっと高いつまみと一緒に注文すれば、愛想もよくなるだろう。そう思って、今度はcheeseの盛り合わせを頼もうとした時だった。

「調子は良さそうですね」

 何時の間にか、横の席にVandalieuが座っていた。しかしCarlosは何故か驚きを覚えなかった。


「おう、信じられないくらいだぜ。body partも軽いし、気分は良いし、appetiteはあるし」

「それは、単に深酒を止めたからでは?」

「はは、そうだな! でもお前-sanとお前-sanpupilsのお蔭だ。感謝してるよ」


 もし、あの時SimonNataniaが諭してくれなかったら。そう考えると、Carlosはゾッとする。何時まで酒浸りになっていたのか、何処まで落ちていたのか、分からない。

 自分に限ってと、思わないでもない。しかしblessingsを失って酒浸りになっていたのは他ならない自分自身だ。

 仲間から愛想を尽かされ、adventurerを辞め、mountain banditの用心棒にまで落ちぶれる事になったかもしれない。


 そう考えると、SimonNatania、そして二人を連れて来たVandalieuは恩人だ。

「一杯奢りたいところだが……たしか、酒は飲まないんだよな?」

「ええ、kaa-sanから成人するまでは止められているので」

「そうか、そいつは残念だ! 昼間だったら代わりに菓子でもって言えたんだが、この時間じゃやってないな」


 Carlosが外を見ると、もう真っ暗になっていた。Carlosが酒場に入って軽い夕食を取り始めたのは、Dungeonから帰って来てからなので、何時の間にか時間が過ぎていたようだ。

 今は夏で、日が沈みきるのは遅いはずなのだが。


「じゃあ、代わりに俺が一杯奢りましょう」

「おいおい、なんでそうなるんだ……よ……」

 Vandalieuの言葉を冗談だと思ったCarlosが笑い飛ばし、視線を手元に戻すと……紅い液体で満たされたwine glassが何時の間にか置かれていた。


 酒場の親父は顔を背けたまま、Carlosに一歩も近づいていないのに。

「わ、悪いな。酒を断ってるんだ。自分への戒めにしようと思ってさ」

 何かがおかしい。そう思いつつ、Carlosglassを自分から遠ざけようとした。しかし、彼がglassを掴んだ瞬間、中身の紅い液体が沸騰したかのように泡立ち始めた。


「っ!? な、何なんだ!?」

「大丈夫ですよ、それはwineではありませんから」

「いや、そう言う事を言ってるんじゃ……うおわ!?」

 紅い液体が、glassから溢れた。その時になってCarlosは液体が泡立っているのではなく、glassの底から新たに湧いているのだと気がついた。


「お、おいっ? これは何なんだ!?」

 そう叫ぶCarlosの視線の先で、酒場の親父が溶け落ちた。まるで熟れすぎて腐った果物のように、酒場の親父のskinや服が破れ、内側から紅い液体が溢れる。


 気がつけばVandalieuの姿はなく、酒場は紅い液体に満ちていた。

「うわあああああああ!?」

 Carlosscreechをあげながら逃げ出そうとしたが、紅い液体に呑みこまれてしまった。必死に泳ぎ、水面に出ようともがくが、body partは沈む一方だ。


 horrorと共に下を見ると、黒いGiantな穴が見えた。そしてInstinct的に、彼は「あれが出口だ」と気がついた。

(そうか、俺は酒場に居た訳でも、沈んでいる訳でもない。……最初から、穴の底にいたんだ)

 Carlosは紅い液体……Vandalieuに見送られて、水面へと落ちて行った。




「うわあああああああ!?」

 そして叫びながら目覚めた。Moksiでは高Class宿とされる宿屋のベッドから転げ落ちたCarlosは、夢から覚めた事に安堵しながら、立ち上がった。


「なんだったんだ、あの夢は?」

 悪夢、なのだろうか。叫び声をあげながら目覚めたのだから、悪夢だったのだろうとは思う。だが、Carlosにはあの夢が悪い夢だとは思えなかった。


 夢で見た事は全て克明に覚えているのに、不思議とsense of fearは覚えていない。逆に、訓練で気持ち良く汗を流した直後のような、すっきりとした気分だ。 それに、液体に飲みこまれた時に口に入ったあの液体はとても――。

「うわぁああああああ!?」

 その時、隣のroomから叫び声が聞こえた。最初は、朝っぱらから騒いだ自分への怒鳴り声かと思った。しかし、響いた叫び声に意味がなかった事から、声の主は自分と同じように夢にうなされて目覚めたのだろうと気がついた。


「たしか、右隣のroomはもうすぐBClassに上がるとかなんとか言っていた……『Rock Iron Party』のRockって奴が泊まってたっけ?」

 夢ってのは移るのだろうか? そんなBAKANA事を考えながら、Carlosは顔を洗うためにroomを出た。口の中に残る微かな、甘い味についてはその頃には忘れていた。


 そして自身のStatusに【■■■■■■'s Divine Protection】が表示されるようになった事に気がついたのは、軽い朝食を食べた後だった。




《【Cookingskilllevelが上がりました!》




「今朝、何故かCarlosRock達に、『いっぱい』飲ませる夢を見ました」

 Peria Defense Corpsと戦ってから一週間後。VandalieuDemon continent Centerにある『War-God of Fire and DestructionZantarkPseudo-Divine Realmで……つまりmagmaの池がそこかしこにある野外の、Giantな白い球体の近くで皆の昼lunchを作っていた。


『ほほぅ。そのCarlosRockとは、見込みの有りそうな若者なのかの?』

『夢で奢るほどの仲か。しかし、ここやTalosheimでは見た覚えのない名だ』

『自分も覚えがないっスから、Humannameじゃないっスかね?』

CarlosRock……俺は聞き覚えがあるな。Alcrem、いや、Moksiだったか?』


 そして出来上がりを待っている面々が、Vandalieuの口から出たnameについて思考を巡らせる。

 ちなみに、作っているのは『Beast King of Sea UrchinDolsteroCreamGartland産の茸を加えたPastaだ。

 DismantlingしたDolsteroの体内には、何とovaryだけではなくtesticlesもあった。ウニは種類にとって雌雄が分かれていたり、雌雄同体だったりするが、Dolsteroは雌雄同体のウニだったようだ。


 これには雌だと思い込んでいたGufadgarnも驚いていたが、ovarytesticlesの量と質は彼女の言う通り、時期に関係無く栄養を溜めこみ、滋味豊かで大変美味だった。

 あまりに美味しかったのでLucilianoDolsteroを保管し、Life-dead化させるべきだと訴えたぐらいである。……もしかしたら、次の偽装工作に参加させられるのを防ぐため、自分のscheduleを埋めるために提案したのかもしれないが。


 その分、Ghoul Artisan PrincessRank upしてしまったTareaが、「是非次も連れて行って下さいまし!」と、悲壮な熱意を見せている。しかし、今の彼女を連れて行くと無茶をしそうなので、Vandalieuはしばらく-sama子を見るつもりだ。


 なお、VandalieuによるとDolsteroの魂も濃厚な味わいにCreamのようなまろやかな食感で、とても美味だったそうだ。

 今作っているPastasauceは、その魂の味を再現し、Gartland Cookingで多用する茸と、龍とgiantBaconを合わせてさらなる高みを目指した一品である。通称、魂のウニCream Pasta


 そのsauceを準備し、Pastaを茹でながらVandalieuTiamat達の質問に答えた。


「今はAlcrem Duchyの、Moksiに滞在しているadventurerです。見込みは……Carlosの方はあるのでしょう。Rockの方は、よくわかりません」

『分からんのか? いっぱい飲ませた夢という事は、blessingsは与えたのじゃろう?』

 首を傾げるTiamatに、Vandalieuは瞬きもしないで答えた。


「はい。見込みの……aptitudeの有無でblessingsを与える訳ではありませんから。そもそも、意識して与えられる訳ではありませんし」

 Vandalieuも相手の強さを見抜く目は……同程度の力量を持つWarriorMageと比べるとかなり濁っているが、完全に節穴と言う訳でもない。


 ただ、aptitudeがあるかどうかはさっぱり分からなかった。そのため、Vandalieuは相手を助け、blessingsを与える際に相手のaptitudeの有無を考慮しない。

 SimonNataniapupilsにした時も、FangManeHoofを拾った時も、彼等のaptitudeを見抜いたからではない。


 ただ、Carlosの方は『God of Heat HazeRubicanteblessingsを与えていたから、aptitudeや素質があるのだろうと思っただけだ。

『ん? では、どう言う理由でblessingsを与えているのだ? 汝は幾らでもblessingsを与えられる力があるが、無差別に撒いている訳ではないのだろう?

 意識して撒いている訳ではないと言っていたが、汝なら問題だと感じたら、何らかの方法で制御しようとするはずだ』


 TalosImouto、『Giant of the MoonDianaが疑問に思った通り、Vandalieuも無差別にblessingsを撒いている訳ではない。顔見知りであっても、敵と見なしている者にはblessingsは与えていない。

 だから、選考基準はある筈なのだが……。


maybe、人柄を見ているか……俺が後押ししたいと思うかどうかじゃないかと」

 ただ、夢の自分と起きている時の自分では感覚が異なるので、Vandalieu自身もはっきりした事は言えないのだった。


『ふむ……まあ、そんなものでよいのかもしれんな。Guiderである時点で、汝は導いた者全てにblessingsを与えているようなものであるし』

『あ、思い出した。あいつ等か。Rockの方は、確かに良い奴等だな。素質は人並みよりやや上ぐらいだが、性質が良い。良い後輩を育てられるだろう。

 Carlosの方は……俺の立場じゃ何も言えねぇな』


 Fire-AttributeGreat Godの代理であり、Adventurer’s Guildの創設者として崇められているHeroic GodFarmoun Goldは『Rock Iron Party』のRockと、元Hero CandidateCarlosについて思い出したようだ。

 全てのAdventurer’s Guild branchに小さいがIdol Statueが置かれている彼でも、全てのadventurerを把握している訳ではない。


『何も言えないんスか?』

『ああ、言えない。俺はHuman社会じゃ、Alda's FactionGodsの一柱って事になっているからな。Rubicanteも、俺のSubordinate Godだと思われている。まあ、Vida's FactionGreat God代理のまま来たから、形式上その通りではあるんだが』


 つまり、Farmounの監督不行き届きなので、Carlosに合わせる顔がないという事である。

 certainlyだが、彼がRubicanteの代わりにblessingsCarlosに与えると言うのも、悪手だ。Human社会では未だにAlda's Factionの一員である彼がblessingsを与えれば、CarlosAlda教のbelieverのままになってしまう。


 Oracleで意志を伝えようにも、accurateに伝わる保証はない。RubicanteCarlosVandalieuに近づけさせまいとして、失敗したように。

「そう言えば、FarmounHero Candidateの見分けはつかないのですか?」

『……難しいな。そのHero Candidateが俺に祈る時、『最近、他の神's Divine Protectionを貰いました』っと言うか、直接見ればわかるかもしれないが』


 Farmounの言う「直接見る」とは、Divine Realmで相手と顔を合わせる事ではなく、Divine Realmから地上を見れば分かると言う程度の意味だ。相手のHero Candidateらしい人物には、気がつかれないで済む。

 しかし Bahn Gaia continentに彼が戻るという事は、Alda's Factionが彼の存在に気づくという事だ。


 最悪の場合、Divine RealmFarmounAlda's Factionの戦いが勃発してしまうため、Hero Candidateどころではなくなってしまう。

「なるほど。ままならないものですね」

 そう言いながらVandalieuは茹であがったPastaを皿に盛り、sauceをかけていく。


「出来ましたよー」

『おお、これは美味そうじゃ!』

『ああ、食材に感謝して……いただこう!』

『……今更だが、お前等、Cannibalismになるんじゃないか?』

『それがどうかしたっスか?』


 Humanと同じSizeに縮んだTiamatDiana、そしてStaff of the Five Sinsを寄り代代わりに使っているFidirgFarmounはそう指摘したが、相手にされなかった。

『『『『いただきます!』』』』

 そして夢中になってPastaを食べるGods。四柱の食事がある程度落ち着くのを待って、Vandalieuは訊ねた。


「……縮む事も出来たのですね」

『うむ。accurateには縮んだのではなく、main bodyから意識の一部を切り離して、Realizationしているのじゃがな』

『戦いの役には立たないし、私のようなgiantがすると人と見分けがつかなくなるから、滅多な事ではやらないのだぞ』


 Demi-Godも含めて、GodsDivine Realmの中でなら色々と融通が利くようだが、その融通をDolstero Pastaを食べる為に利かせたというのが、Vandalieuとしては誇らしい。

 次のPastaを茹でながら、VandalieuTiamatGiantな白い球体……自分と彼女の間に生まれた卵を見上げて尋ねた。


「ところで、First子のnameは考えて来たのですが……あの卵の中で育っているのは、一人ですよね?」

 直径約十meterの卵を産んだ、一度に百匹を産んだというlegendのあるTiamatは『そうじゃよ』と答えた。

『妾ぐらいになれば、時と場合によって選ぶ事も出来る。昔は数が必要じゃったから一度に何人も産んだが、今は違う。百匹も産んで、子育てに忙殺される訳にはいかんからの』


 かつてVidaとの間にRyuujinを、そしてMajinKijinの間にMaryuujinKiryuujinを生み出したTiamatは、それ以前はDemi-Godである龍やTrue giantの子を何度も産み落としている。その場合も双子や三つ子である場合が多かったが、流石に十に至る事はなかった。


「なるほど。子を神として産むか、人として産むかによって性質が変わるようですね。……nameを一つしか考えてこなかったので、安心しました。

 あ、動いた」

『元気に育っているようだな、汝とTiamatの子は。生まれるのはまだ先だが、きっと強い龍が生まれるだろう』


 地熱で温められている柔らかい殻に包まれた中身は、外界に生まれ出ることを待ち望み、蠢いていた。




――――――――――――――――――――――――――




Name: Tarea

Age: 274age(Bodyappearance age18age)

Title: Work Princess】(NEW!)

Rank:

Race: Ghoul Artisan Princess

Level: 13

Job: Artisan Idol

Job Level: 80

Job History: Apprentice Arms ArtisanArms ArtisanSlave(47Lv時強制Job change)、Apprentice ProstituteProstituteArms Artisan(48Lv~)、Arms Smith: Skilled ArtisanMagic ArtisanAlchemist ArtisanRefined Magic ArtisanTransforming ArtisanRefined Hell ArtisanDemon Diva Princess



Passive skills

Dark Vision

Pain Resistance:3Lv(UP!)

Mysterious Strength:6Lv(UP!)

Paralyzing Venom Secretion (Claws):1Lv

Allure:8Lv(UP!)

Strengthened Attribute Values: Guidance:8Lv(UP!)

Self-Reinforcement: Henshin / Transformation:5Lv(UP!)

Mana Enlargement:2Lv(UP!)


Active skills

Estimation:10Lv(UP!)

Hell ArtisanDefense Equipment:1Lv(Armor Smithing awakened into!)

Hell ArtisanWeapon Equipment:1Lv(Weapon Smithing awakened into!)

Seduction:6Lv(UP!)

Dancing:5Lv(UP!)

Love-making:3Lv(UP!)

Archery:5Lv(UP!)

No-Attribute Magic:3Lv(UP!)

Mana Control:4Lv(UP!)

Alchemy:6Lv(UP!)

-Surpass Limits-:4Lv(UP!)

Singing:3Lv(NEW!)

Familiar Spirit Demonic Advent:2Lv(NEW!)

Coordination:1Lv(NEW!)


Unique skill

Zozogante’s Divine Protection

Vandalieu’s Divine Protection

Zelzeria 's Divine Protection(NEW!)




monsters introductionGhoul Artisan Princess Luciliano


 Ghoul Elder Artisanから、Ghoul Hi-Elder Artisan、そしてGhoul Unlimited Artisanときて、何故かGhoul Artisan PrincessRank upしてしまったTarea嬢。私としてもUnlimited(限界none)の次が、Princessでいいのかと問いたいところではある。

 やはり、【Demon Diva Princess】という、【Singingskillを持つGhoulKijinfemaleがつく事が出来るJobに就いたのが原因かもしれない。


 私としては、更なるRank upを目指す彼女の熱意が続くことを応援したい。……願いが成就しないよう、心から願うがね。成就してしまうと、師Artisanの関心が私に向き、私が戦場に連れていかれる事になるのでね。


 新たにZelzeria 's Divine Protectionを得たが、恐らく彼女が元Prostituteだったからだろう。かのGoddessは、Prostituteに信仰される事も多いらしい。




Name: ManeHoof

Rank:

Race: Dark Night Horse

Level:


Passive skills

Mysterious Strength:6Lv(UP!)

Dark Vision

Mental Resistance:6Lv(UP!)

Disease and Poison Resistance:3Lv(UP!)

Enhanced Body Part:蹄:7Lv(UP!)

Self-Enhancement: Guidance:5Lv(UP!)

Shadow Assimilation

Air Running:3Lv(NEW!)


Active skills

High-Speed Running:7Lv(UP!)

-Transcend Limits-:1Lv(-Surpass Limits- awakened into!)

Charge:4Lv(UP!)

Dark Aura:5Lv(UP!)

Familiar Spirit Demonic Advent:2Lv(NEW!)


Unique skill

Vandalieu’s Divine Protection


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